プロ マージャン界の光と影

プロ マージャン界の光と影

昭和50年代、世に出始めた競技麻雀の旗手としてのし上がる羽根満男と、賭博としての麻雀で奔放に生きる九佐井一平の、対称的な生き様が描かれる。

正式名称
プロ マージャン界の光と影
ふりがな
ぷろ まーじゃんかいのひかりとかげ
作者
ジャンル
麻雀
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概要・あらすじ

一流の雀士に憧れるものの町の雀荘でくすぶっていた羽根満男は、麻雀吾郎との出会いを期に新人王戦へ参加し、競技麻雀のプロ雀士として名を売っていく。一方、羽根と同じく麻雀吾郎と知り合った九佐井一平は、その身勝手さと賭博としての麻雀にこだわる姿勢から競技麻雀と決別し、流浪の雀士となる。

対称的な二人はやがて、全国規模の麻雀大会四季王杯で対戦する。

登場人物・キャラクター

羽根 満男 (はね みつお)

『プロ マージャン界の光と影』の主人公の一人。麻雀吾郎の小説に憧れ、雀士を目指していた無職の青年。出入りの雀荘で麻雀吾郎と出会い、新人王戦へ出場するきっかけとする。同時期に麻雀吾郎と会った九佐井一平の身勝手さや厚顔ぶりにしばしば閉口するが、縁を切ることもできず度々関わることになる。新人王戦で優勝し新海凱の牌義塾から名を売って、競技麻雀の世界で名を上げていく。

九佐井 一平 (くさい いっぺい)

『プロ マージャン界の光と影』の主人公の一人。賭博としての麻雀にこだわり、競技麻雀の舞台でも粗野な態度を変えない、九州訛りの青年。麻雀経験は浅いが勝負強さを持ち、対戦者、特に羽根満男の麻雀における癖をよく覚え、その隙を突くという戦い方をする。新人王戦を失格となるも、荒巻竹男からイカサマを学び、一時は牌義塾に居着くが、ここも飛び出す。 その後、大阪で根崎雀歩に目をかけられ、四季王杯で羽根満男と再び対決する。

麻 雀吾郎 (あさ じゃんごろう)

麻雀を題材にした小説で熱狂的なファンをつかみ、自らも麻雀三銃士として知られる大物タレント雀士。気まぐれに立ち寄った雀荘で羽根満男、九佐井一平と出会い、二人の新人王戦出場への門戸を開く。実在の雀士であり文筆家であった阿佐田哲也がモデルと思われる。

荒巻 竹男 (あらまき たけお)

かつて麻雀三銃士として名を上げたプロ雀士。豪放磊落かつ破滅的なスタイルで人気を集めた。九佐井一平とヤクザのトラブルを仲裁して九佐井、羽根満男と知り合う。後に九佐井と飛騨高山で再会し、彼の頼みでイカサマの技術を教えた。

新海 凱 (にいみ がい)

かつて麻雀三銃士として名を上げたプロ雀士。麻雀を将棋や囲碁と肩を並べるような、格調と気品あるゲームにすることを目指して、競技麻雀の普及に尽力する。そのための人材育成として牌義塾を組織し、入門者には厳しくストイックな生活態度を求めた。新海の理想に共感した羽根満男は牌義塾に入るが、やがて袂を分かつ。

中山 圭子 (なかやま けいこ)

羽根満男と学生時代から交際していた女性。雑誌社に勤めており、無職のまま麻雀に明け暮れる羽根を心配して、自分の部署に就職させようとする。だが上司を交えた面談をすっぽかされ、そのまま破局したと思われる。

緑川 ミキ (みどりかわ みき)

女子大の一年生で、麻雀研究会所属。新人王戦に出場し、会場で出会った羽根満男に興味を抱く。羽根のアパートに押しかけて強引に交際を重ね、やがて結婚を考える仲となる。父の英一郎は東海物産の重役。

牌義塾 (はいぎじゅく)

新海凱が麻雀の社会的地位向上のため立ち上げた、競技麻雀を指導する組織。入門者は共同生活を営むことになり、ストイックな生活態度と礼儀作法が求められる。新海に共感した羽根満男も入門したが、部外者を交えた「友の会」設立や九佐井一平の入門、スポンサーの圧力によって溝が生まれ、牌義塾は瓦解する。

巨銭 (きょせん)

麻雀の上級者を自称する大物テレビタレントで、自ら麻雀番組の司会を務める。番組に荒巻竹男を招いてイカサマの解説をさせたが、助手として出演した九佐井一平にイカサマを見破れるかどうかの勝負を持ちかけられる。結果は、隠しカメラを使って見破る手が九佐井に封じられて敗北。 だがその経緯は、放送ではカットされた。

根崎 雀歩

かつて中国大陸で無敵を誇ったと言われる、伝説の雀師。四季杯で劣勢に立つ羽根満男の前に現れ、助言を与え勝利に導いた。本拠地は大阪で、息子が経営する雀荘に居着き、そこで九佐井一平と出会う。

根崎 悦子 (ねざき えつこ)

根崎雀歩の孫娘。父が経営する雀荘で店番を務める。通天閣の情婦だったが、九佐井一平が通天閣に勝ったことで一晩九佐井の相手をする。後に九佐井とは雀歩公認の仲となる。

通天閣 (つうてんかく)

関西で普及しているブー麻雀に長けた、背の高い男。大阪の新世界一帯で1、2を争う強い男として、根崎雀歩が九佐井一平と対戦させた。根崎悦子の情夫だったが、悦子の体を賭けた勝負で九佐井に敗れる。

緑川 英一郎 (みどりかわ えいいちろう)

緑川ミキの父で、東海物産の重役。娘の交際相手である羽根満男と会い、当初は麻雀で生活する羽根を軽蔑していたが、羽根の毅然とした態度に認識を改める。後に東海物産が麻雀の全自動卓を開発することになり、ビジネスの協力者として羽根に期待を寄せるようになる。

その他キーワード

現代麻雀 (げんだいまーじゃん)

『プロ マージャン界の光と影』に登場する麻雀専門誌。新海凱の提唱する競技麻雀を支持し、麻雀用具メーカーと共に牌義塾のスポンサーとなる。しかし、スター性のある雀士を求め話題性を出そうとしたことで牌義塾との間に溝が生じる。

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