古代のVAGAN

古代のVAGAN

転校生の日比野美香は古代の赤い聖石に「古代の生きている甲」を装着する変身能力を授かる。無敵の高校生の秋月蓮と風変わりな美少年の水無瀬梓と共に、父親である日比野平吉を連れ去った悪の教団「暗黒切支丹(ぶらっくぜずす)」と闘う変身ヒロイン物語。「月刊チャキチャキ」1990年4月~8月号、「ダークムーン」1992年VOL.4に掲載された作品。

正式名称
古代のVAGAN
ふりがな
いにしえのばがん
作者
ジャンル
スーパーヒーロー
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概要・あらすじ

日比野美香は考古学博士である父親、日比野平吉の仕事の関係で転校するが、そこで風変わりな美少年の水無瀬梓と一緒にいるところを暴走族に絡まれてしまう。その場は梓の友人の秋月蓮に助けられるが、梓と蓮と美香が同じ高校に通うことが判明し、3人の仲は急速に深まる。そんなある日、平吉が行方不明となる事件が発生する。

さらにその夜、美香は人面蜘蛛に乗り移られた暴走族のに連れ去られてしまう。その途中、偶然ポケットに入れていた平吉の赤い聖石が繭を放ち、美香はわけもわからず「古代の生きている甲」を装着して「馬銜(ばがん)」に変身し、人面蜘蛛を撃退する。これをきっかけに、美香は悪の教団「暗黒切支丹(ぶらっくぜずす)」から命を狙われ、闘いへと身を投じていく。

登場人物・キャラクター

日比野 美香 (ひびの みか)

父親である日比野平吉の仕事の関係で岩戸山高校に転校してきた女子高生。体操が得意で明るく前向きな性格。平吉が調査のために持ち帰った赤い聖石に好かれ、「古代の生きている甲」を装着して「馬銜(ばがん)」に変身する。だが、変身の仕方を今ひとつよく理解していない。偶然知り合った秋月蓮と水無瀬梓と友達となり、平吉が行方不明になった後は、蓮の豪邸に居候する。 梓に少し惹かれている。

水無瀬 梓 (みなせ あずさ)

日比野美香と偶然知り合った風変わりな美少年。美香や秋月蓮と同じ岩戸山高校の生徒で、蓮の豪邸に住んでいる。公共のルールを破る人を注意したり、学校からの行き帰りに空き缶を拾うなど真面目すぎる優等生として知られ、学校ではやや変人扱いされている。魔界の入口を知っているなど、勘が鋭いというだけでは説明のつかない不思議な能力を持っている。

秋月 蓮 (あきづき れん)

日比野美香や水無瀬梓と同じ岩戸山高校に通う高校生。13歳でマサチューセッツ工科大学を卒業した天才で、高校に通っているのはあくまで暇潰しのため。容姿も端麗で学校ではスター扱いされている。自分で作った特殊ライダースーツで妖獣と闘う。人面獣を素手で殴り倒す圧倒的な強さを誇り、聖じゅりあん邪三郎には「化け物の少年」と呼ばれている。 間違えると素直に謝る実直な性格でもある。

日比野 平吉 (ひびの へいきち)

日比野美香の父親で、考古学者。八女の古墳群を調査するために美香と九州に引っ越して来た。見た目はガテン系で、亡くなった妻との思い出がつまったツルハシをいつも持ち歩いている。邪馬台国の四破壊神のひとつである「馬銜(ばがん)」となる赤い聖石を持ち帰ったため、悪の教団「暗黒切支丹(ぶらっくぜずす)」に連れ去られてしまう。

バガン

日比野平吉が持ち帰ってきた赤い聖石から生まれた異形のもの。その正体は邪馬台国の四破壊神のひとつである「馬銜」。日比野美香に好意を持ち、繭を作って「古代の生きている甲」となり、美香を「馬銜」に変身させる。普段は猫より小さく、美香や水無瀬梓のペット的存在で「バガン」と鳴く。

聖じゅりあん邪三郎 (さんじゅりあんじゃさぶろう)

悪の教団「暗黒切支丹(ぶらっくぜずす)」の法王。邪馬台国の四破壊神のひとつである「馬銜(ばがん)」に執着し、現世に復活させた日比野美香の命を狙っている。自らを救世主と名乗って、生きる目的は「善人をこの世の終わりから救うこと」とし、善人を救うためには「暗黒切支丹」に入信させるか、殺すしかないと思っている。「馬銜」と同じ邪馬台国の四破壊神のひとつ「天呉」を装着できる。

太平 (たへい)

中沢道子が育てていた里子の一人。日比野美香が「馬銜(ばがん)」に変身し、養母を殺した人面蜘蛛をやっつけるところを目撃する。大人びた少年で、「馬銜」への変身の仕方がわからない美香に「愛は奇跡を呼ぶ」と水無瀬梓を助けに行くようけしかける。

(ゆう)

暴走族だが、太平たちの面倒を見ている。中沢道子を殺した人面蜘蛛に取りつかれ日比野美香を襲うが、美香が「馬銜(ばがん)」に変身する際に人面蜘蛛が破壊されたことで正気に戻った。優しい性格で行き場を失った太平を引き取ろうとしたが、補導歴があったため断られてしまう。

中沢 道子 (なかざわ みちこ)

クリスチャンの50代女性。太平たちを里子として引き取って育てていたが、悪の教団「暗黒切支丹(ぶらっくぜずす)」への入信を断ったことで、「善人を救う為には我々が殺さなければならない」という教義のもと、人面蜘蛛によって抹殺されてしまう。

えれみや 巴 (えれみや ともえ)

聖じゅりあん邪三郎の側に就き参謀的役割を果たす。尼の恰好をした老女でぬかりのない性格。気配を消すことができる。「馬銜(ばがん)」が近づいてくるのを察知した水無瀬梓の不思議な力を見抜き、どの程度の霊力があるかを見定めようとする。

中村 (なかむら)

秋月蓮にとって執事的な役割を果たす、初老の男性。多忙な両親に代わって蓮を育てたことを誇りに思っており、蓮のことが自慢で生きがい。蓮の日常はもちろん、同居している友人の水無瀬梓の行動もほぼ把握している。「おぼっちゃま」とついつい呼んでしまい、蓮にいつも怒られている。

ぺどろ 塩沢 (ぺどろ しおざわ)

聖じゅりあん邪三郎の家来。みげる山口と2人で悪の教団「暗黒切支丹(ぶらっくぜずす)」への入信を勧誘して回っている。古代遺物のことで聞きたいことがあると、日比野平吉の古い友人を騙って日比野美香に近づく。赤い聖石が美香に好意を持っていることにいち早く気づいたが、美香を「馬銜(ばがん)」に変身させてしまったことで、みげる山口と共に邪三郎からこっぴどく叱責される。

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