犯罪王ポポネポ

犯罪王ポポネポ

「犯罪王」として冤罪を被っていた少年が、本当の犯罪王を目指すピカレスクロマン。様々な犯罪者が登場しており、それぞれに潜在能力があるが、どんな罪を犯したのか、どんな能力を持っているかはぼかされている。また明らかに人間の形をしていない囚人も登場するが、設定上はすべて人間。序盤は男性のみの刑務所が舞台のため、女性キャラに見せかけた男性キャラクターが多く登場する。

正式名称
犯罪王ポポネポ
ふりがな
はんざいおうぽぽねぽ
作者
ジャンル
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

ハナ・マルキは全く罪を犯していないにもかかわらず、「犯罪王」ポポネポとして逮捕され、空母の上に作られた刑務所に投獄された。事情のわからない彼は、ポポネポの名前に恐れおののく囚人たちに首をかしげ、どうすればいいのかわからず困惑する。ある日、刑務所内神父のキリコに、悪を退治することこそ正義とそそのかされ、強姦魔マコ・マリを射殺。

本当の犯罪者になる。その後、刑務所を出た彼はポポネポを名乗り、刑務所長のミカシェリ、囚人イビル・ジョーを引き連れて街に現れ、犯罪者たちを次々殺害しはじめた。ポポネポが自分たちの両親を殺したと思っているマチキタかなごは彼を追い始めるも、実際に会って彼の「正義」の考え方に触れた時、共感してしまう。

そして、かなごとキリコ、ミカシェリ、イビル・ジョーが邂逅した時、ポポネポの正体が明かになりはじめる。

登場人物・キャラクター

ハナ・マルキ (はなまるき)

さらわれた後に、世間を騒がせた犯罪王ポポネポに仕立てあげられた少年。自分のことをいらない子だと考え続けており、元々は全く罪を犯さず、欲のない人間としておとなしくすごしていた。単純作業が得意で、14万5862まで数字をそらんじたことがある。刑務所に入れられてから出会った神父キリコの、悪を殺すことは正義である、という考え方にそそのかされ、強姦魔マコ・マリを射殺して本物の犯罪者になった。 刑務所を出てからはポポネポとして活動するようになり、刑務所の所長だったミカシェリ、刑務所を仕切っていた囚人イビル・ジョーらを引き連れて、「犯罪者達をやっつける王」として、真の犯罪王を目指し始める。しかしその活動は仮初のもので、実際のところ彼は全く別の算段を企てていた。

ミカシェリ

空母の上に作られた刑務所を管轄する所長。刑務所内唯一の女性。露出の高い服装をしており、ムチを振り回しながら囚人たちを怒鳴りつけるサディスト。囚人たちの中に埋め込まれたチップに電流を流す権限を持っているため、誰も逆らえない。実際はカワイイ物が大好きで、ウェディングドレスを趣味で集めている。殺人鬼である弟の春人を溺愛しており、彼の発案で派手な制服を身につけて囚人の前に出るようになった。 刑務所を出てからは、ウェディングドレスをまとってポポネポの側近として仕えるようになる。

キリコ

刑務所内に勤めている神父。囚人たちの懺悔を日々聞いている。ハナ・マルキが刑務所に入ってから初めて、自分がポポネポではないことを打ち明けた人物。仮保釈管理官も兼任しており、懺悔の内容から保釈する権利を持っている。マルキに、犯罪者を倒すことは正義であると吹聴し、犯罪王ポポネポに仕立て上げた。「悪人退治」と称してマルキに拳銃を渡し、強姦魔として捕らえられていたマコ・マリを殺すよう指示する。 後に刑務所から出て「セントジョーンズチャーチ」を名乗り、ヒーロー活動を始める。

春人 (はるひと)

ミカシェリの弟で、子どもの囚人。勃起障害。非常に頭がよく、刑務所内のことに詳しい。囚人に「青い体験」と呼ばれている残虐な処刑を行っている。ポポネポを演じるハナ・マルキのことを気に入っており、所内のことを教えていた。後に神父のキリコとミカシェリも「ヒーロー」を気取る病的殺人犯であることを再認識し、彼の処遇を考えるようになる。 一方で春人はポポネポに執着しはじめてつきまとうようになり、ポポネポもまんざらでもなく一緒にいることが増えるようになった。

かなづちカーヤン

ポポネポだと勘違いされているハナ・マルキと同じ部屋で、世話をすることになった囚人。犯罪王であるポポネポの熱心な信者で、「ポポネポーの一族」というポポネポ資料をまとめたホームページを作っている。ピエロのような外見をしており、とてもお調子者。逃亡後はマチキタかなごに出会い、ポポネポを追うための道案内になる。

マコ・マリ (まこまり)

「可愛すぎるレイプ犯」と呼ばれている女装の囚人。「穴」を偏愛しており、特に50円玉の穴を好んでいる。女性の「穴」に憧れていたところ、実物に衝撃をうけて激しい恨みを覚え、「穴」を塞ぐために女装して強姦を続けた。刑務所内風俗店「Grand Chateau」を管理して、弱い囚人たちが性行為を行い金をもらえるように守っている。 ハナ・マルキを強姦した後、彼に射殺された。

イビル・ジョー (いびるじょー)

刑務所内の囚人たちを仕切っている、「犯罪殿下」と呼ばれている囚人。いつもスーツを着ており、女性から殺すことがレディファーストだと考えて紳士ぶっている。身だしなみにうるさく、殺す相手の身だしなみを整えてから命を奪っている。刑務所内風俗店「Grand Chateau」を統括している。約束は命にかけても絶対守る人物のため、多くの囚人に強く慕われている。 後に刑務所所長のミカシェリと共に、ハナ・マルキ(ポポネポ)の側近になる。

カルタ まやな

長い髪をした女装の囚人。イビル・ジョーとマコ・マリの刑務所内風俗店「Grand Chateau」で働いており、性的サービスを行っていた。マコ・マリが亡くなったあとは店に守られる事が無くなってしまい、他の囚人たちに輪姦されるようになってしまった。マコ・マリのことをずっと慕い続けており、ハナ・マルキ(ポポネポ)に恨みを晴らすべくイビル・ジョーに復讐の方法を願い出る。

マチキタ かなご

被害者・遺族友の会「淀川中華飯店」に所属し、出前班を担当している少女。タユ太の妹。長いサイドテールで髪をしばっており、格闘技に長けている。非常に正義感が強く、犯罪で困っている人には自分の身を挺して助けようとする。本人は「痛み」を感じないと言っており、スタンガンを身体に当てたり、ナイフで刻まれても平気だが、15分後に必ず痛みが襲ってくる体質。 両親がハナ・マルキ(ポポネポ)に殺されたため恨んでいたが、実際にポポネポに会って彼の「正義」の考え方を聞いて共感、あっさり懐柔されてしまう。後にポポネポとは何なのか、真実を知るようになる。

タユ太 (たゆた)

被害者・遺族友の会「淀川中華飯店」の1人。メガネの青年。蚊帳の外に追いやられた被害者の気持を救うため、法に則って被害者と加害者の距離を縮めたいと考えている。マチキタかなごの兄で、彼女の遅延する痛覚について知っており、共に行動している。両親をハナ・マルキ(ポポネポ)に殺され、恨んでいる。

トニー谷田 (とにーたにた)

中央警察署生活安全課に務める刑事。頭のてっぺんにだけ髪が生えている。遺族として犯罪者を追っているマチキタかなごの理解者で、自分が動けない故にかなごに脱獄犯狩りを手伝わせていた。ところがかなごが連絡なしに手を出してしまうため、困惑している。

草加持 ロウ (くさかじ ろう)

サングラスをかけた連続爆弾犯。自分の爆弾に必ず「K」の文字をきざむ。「物の未来」を見る能力がある。娘のキシカの首に爆弾を巻いて、妻の草加持ツエを脅す。刑務所内神父のキリコやハナ・マルキ(ポポネポ)とはつながりがある人物。

草加持 ツエ (くさかじ つえ)

連続爆破事件の犯人である草加持ロウの妻。ロウが娘のキシカの首に爆弾を巻いたのを見て憤怒にかられる。事件の真実を知った後、ハナ・マルキ(ポポネポ)の凶弾にかかって死亡する。

タッちゃん

頬に傷のある、一家惨殺事件の殺人犯。被害者・遺族友の会に属するマチキタかなごにボコボコにされ、統合科学研究所に送られた。

その他キーワード

とんでもない木曜日 (とんでもないもくようび)

極悪犯罪人が空母の上に作られた刑務所から集団脱獄した事件。所長のミカシェリが人質にとられ、看守たちは皆殺しにされた。囚人たちにはGPSのチップが埋め込まれていたが、脱出の際にある方法で抜き取られた。囚人の1人だった子どもの春人が大きく関わっており、事件の経緯はほとんどの囚人が知らないままだった。

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