蓮華

蓮華

人斬りを自称する主人公が旅をする中で出会う、人とのふれあいや戦いの様子を描くバトル漫画。世界観は和風ながら日本とは明言せず、着物などの和服を着る多くの人物の中に現代風の服装の登場人物もいたりと、独特の雰囲気を醸し出している。

正式名称
蓮華
ふりがな
れんか
作者
ジャンル
バトル
 
時代劇
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概要・あらすじ

幼い日にとある女性に拾われ、人斬りとして育てられた蓮華。その生い立ちから人間味の希薄な彼は、「人間らしさ」というものにあこがれを抱いていた。そんな中、戦場で敵として出会った彩吉から、共に旅をすることで「人」を見てみないかと提案される。そこから、人とは何かという蓮華の自問の答えを探すための旅が始まる。

登場人物・キャラクター

蓮華 (れんか)

幼い頃に母様と呼ぶ女性に拾われた後、彼女のもとで人斬りとして育てられ、いいなりの「人形」として戦ってきた青年。その生き方に退屈さを感じ、人形から「人」になるために母様を斬った。その後は人とは何かという自問の答えを出すために、「大戦」で出会った彩吉と旅をしている。機械仕掛けの右腕を持ち、その右腕から放たれる剣技の腕前は達人級。 その腕を生かし、用心棒などの仕事で路銀を稼いでいる。生い立ちのためか人間味が薄く、感情も希薄だが、旅の中で少しずつ人間らしさを獲得していく。

彩吉 (さいきち)

一見すると軽薄な印象だが、その実は、人一倍の人情味と冷静な考えを合わせ持った男性。常にフライトゴーグルを掛けている。「大戦」で蓮華と出会い、「人」にあこがれる彼に旅をしようと提案する。以後、蓮華と共に旅をしている。基本的には、世間にあまりなじまない蓮華の世話役のような立場で、非戦闘員としての立ち回りが多いが、いざという時の戦闘力は決して低くなく、忍者のような身のこなしもみせる。

日光 (にっこう)

蓮華と同じように母様に育てられた青年。剣の腕は蓮華と互角かそれ以上。母様への依存が強く、母様のもとで生活していた頃から、機械仕掛けの右腕をもらうなど、特別扱いを受けていた蓮華に対して強い嫉妬を感じていた。そのため、蓮華が母様を殺してからは、怒りの域を超えて強い殺意を抱いている。実際に旅の最中の蓮華を見つけ出し、戦いになった時は人質を取るなど、彼を死に追いやるためには手段を選ばない。

母様 (かあさま)

蓮華や日光たちを、拾い育てた人物。「人」は不完全で愚かであり、心のない「人形」こそ完璧だという考えを持ち、人のいない、人形だけの理想郷を作り上げようとした。そのために、蓮華たちを心のない人形として育て上げた。人形たちの中でも蓮華を特別視しており、彼だけに機械仕掛けの右腕を授けた。

正木 蒼至 (まさき そうし)

蓮華と彩吉が旅の途中で用心棒を請け負った、正木家当主の甥。父は戦死しており、現在は父の弟である当主に息子のように育てられている。正木鶸子とも仲が良く、同じく家族のように接している。人当たりの良い好青年ではあるが、10年前の夜、ある秘密を知って以来、心に影を落とし続けている。

正木 鶸子 (まさき ひわこ)

正木家当主の娘。基本的には優しくおとなしい性格だが、辻斬り騒動の最中に、花火を見に町に出たいとだだをこねるなど、少々じゃじゃ馬なところも。正木蒼至を実の兄かそれ以上に慕っており、辻斬り騒動では正木家当主である父よりも、蒼至のほうを気にかけている。

鋼葉 (こうよう)

蓮華が日光との戦いで、傷つき倒れていたところを家へ連れ帰り、治療を施した少年。将来は医者になりたいという夢をもち、薬草などの知識が豊富で、治療の技術もかなりのもの。姉である更紗からは医者ではなく剣士になれと言われているが、剣は大の苦手。蓮華を追ってきた日光が現れた際には、その戦いに更紗と共に巻き込まれてしまう。

更紗 (さらさ)

鋼葉の姉。鋼葉が蓮華を助けると決めた当初は、面倒事に巻き込まれると反対していたが、最終的には家に迎え入れた。両親を病気で失っており、その病気を治せず助けられなかった医者というものを嫌っている。そのため、残された1人の家族である鋼葉を大切に思いながらも、医者を目指す姿に憤りを感じ、強く当たってしまう。

藍桐 紅太郎 (あおぎり こうたろう)

近く完成し、隣国を招いて披露式典を行う予定の青邪城の城主。そのお披露目式の護衛として雇われた蓮華、彩吉と出会う。年も若く、病で余命も短いため、国政はすべて家老の猪俣に任せている。しかし、隣国との関係を構築するためだとして、民の生活を顧みず、式典開催のために築城を強行する猪俣の姿勢に疑問を感じている。

猪股 (いのまた)

青邪城の城主である藍桐家で家老を務める男性。藍桐紅太郎が幼い頃からの付き合いで、以前はよく遊びに付き合うやさしい人物だった。現在、若くして紅太郎が当主となり、そのうえ病に臥せっているため、国政の実権を握っている。その政治は以前の優しい人柄からは想像できないような内容で、隣国への披露式典に間に合わせるために築城を強行するなど、民の暮らしを顧みない独裁的な姿勢を見せている。

素苑 (すその)

くのいちのような服装や身のこなしをする女性。細野榧の従者を務めている。飾弥国の姫である榧が、秋谷国へ嫁ぐ際の移動中に賊に襲われてしまい、その際に蓮華と彩吉に助けられる。飾弥国への忠誠心が高く、中でも長く従者を務めている榧のことはとても慕っている。それゆえに榧が政治のために秋谷国へ嫁ぐことへの歯がゆさも、強く感じている。

細野 榧 (ほその かや)

飾弥国の姫。強国である秋谷国へ飾弥国存亡のため嫁ぐことになる。その移動中に賊に襲われてしまい、蓮華と彩吉に助けられる。生まれた頃から従者をしている素苑のことをとても慕っており、秋谷国へ嫁ぐことの必要性は理解しながらも、素苑と離れ離れになってしまう寂しさを感じている。

呂炎 (ろえん)

秋谷国内部、細野榧の輿入れを快く思わない勢力に雇われた賊のリーダーの男性。榧の命を狙い、秋谷国へ移動中の榧とその従者たちを襲った。素肌にロングコート、口にはバンダナという奇抜な服装の二刀流使い。同時に使うのは二刀だが、腰には大量の刀を下げている。口調や立ち居振る舞いはとかく軽薄だが、部下からはある程度慕われている。

集団・組織

人形 (にんぎょう)

母様に幼くして拾われ、彼女の理想のため、心のない人形として育てられた6人の少年少女。それぞれが高い戦闘能力を有しており、「大戦」のさなか、たった6人で戦局を大きく動かした。『蓮華』の作中では蓮華と日光のほかに、名前は不明だが、褐色の女性が1人登場している。

その他キーワード

大戦 (たいせん)

過去に起こったとされる文字通りの大規模な戦。詳細は語られていないが、大国同士の争いが数年にわたり繰り広げられ、その110日目に蓮華たち6人の「人形」たちが現れ、戦局を大きく動かしていったとされている。蓮華と彩吉が出会ったのもこの「大戦」のさなかの出来事である。

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