月虹 -セレス還元-

月虹 -セレス還元-

第三次世界大戦への緊張を内包した未来の地球と、遙か昔に滅びの時を迎えたもう1つの星の世界を描くSF漫画。「ぶ~け」1981年4月号から9月号にかけて掲載された作品で、コミックスの刊行にあたり、54ページ分の加筆がなされている。

正式名称
月虹 -セレス還元-
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
ハヤカワ文庫 JA(早川書房)
巻数
全1巻
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概要・あらすじ

2072年、ソ連からアメリカに亡命して来た盲目の少女のソミュー・ロストフは、体温のない不思議な青年に出会う。青年は、「セレスの記憶の開放」を彼女に迫る。意味はわからないながらも、昔から「帰りたい」とノスタルジーを感じる場所の記憶を持つソミューは、「セレス」という言葉に不安を覚える。マーリア・ロストフによって一度は青年のもとから逃げ出したソミューだったが、その後、再び青年に出会い、不思議な力によって視力とセレスの記憶を取り戻す。

しかし、ソミューの気持ちは晴れず、セレスの記憶と地球への思いとのはざまで揺れ動いていく。

登場人物・キャラクター

ソミュー・ロストフ

盲目の少女。以前から「帰りたい」と思うノスタルジックな場所の記憶がある。ずっと「自分には何も見えていない」と思っていたが、テレパスであるムルティ・バサーラによって、彼女が見ていたのは宇宙であることがわかった。姉のマーリア・ロストフの恋人である羅貴・砂原に、淡い憧れを抱いている。

マーリア・ロストフ

ソミュー・ロストフの姉で、科学研究所に勤める優秀な科学者。ソミューを溺愛しており、原因不明のソミューの盲目を治して、目を開かせることがただ1つの願い。その目的のために、意に染まない兵器開発の仕事などもこなしている。羅貴・砂原とは互いに想い合う関係だが、一線は超えていない。

ソミュー・ロストフの前に現れた謎の青年。体温がなく、呼吸もしていない。一瞬で車を分解するなど、不思議な力を持つ。ソミューに「セレスの記憶を開放しろ」と告げ、彼女の目を開かせた。自ら破滅に向かう地球を分... 関連ページ:プラズマ

カーリー

マッドラーズのリーダーの青年。中性的な外見で、女装することもある。気体を自由に操る力を持つ。当初、仲間を殺したプラズマを憎んでいたが、ソミュー・ロストフやムルティ・バサーラらと行動をともにするうちに、徐々にソミューとプラズマ双方に惹かれていく。

ムルティ・バサーラ

12歳の少年。特別プログラムの英才教育を受けた天才で、父親は政界にも顔が効く要人。テレパスで人の心を読んだり、心の中に入り込むことができる。ソミュー・ロストフに一目惚れをし、彼女のために動く。ソミュー同様、「セレス」の記憶に懐かしさを覚えている。

羅貴・砂原

アメリカで働く優秀な科学者の日本人青年。戦争に向かおうとする世界に危機感を覚え、日本でネオ・ルネサンス運動を起こしている団体に加わる。マーリア・ロストフに恋心を抱いており、日本に渡る際、できることならさらっていきたいと願っていた。

集団・組織

マッドラーズ

アメリカの若者集団。一般人の中の落ちこぼれが暴徒化したもの。カーリーがリーダーを務めている。周囲には、無差別な破壊行為を繰り返していると見られている。破壊先には無人の店舗を選んだり、大型爆弾の使用を禁止するなど、一定の秩序は保たれており、暴行や殺人は行っていない。

場所

セレス

遙か昔に太陽に飲み込まれ、滅んだ星とそこに住む人々。地球の人間とは異なる生態を持っており、高度なコンピュータ技術やテレパスなどの能力者が存在していた。滅びを迎えたセレスは、魂となって地球に舞い降りて眠りにつき、地球の滅亡とセレスの還元を待つこととなった。

その他キーワード

ネオ・ルネサンス運動

日本で起こった、原点に立ち返って自然のままに暮らそうという運動。また、それを行っている村を指す場合もある。羅貴・砂原が世界を滅亡から救うために向かったが、その後、消息は途絶えた。ムルティ・バサーラは、その存在の裏に何かがあるのではと、疑心を抱いている。

書誌情報

月虹―セレス還元 全1巻 早川書房〈ハヤカワ文庫 JA〉 完結

第1巻

(2001年4月1日発行、 978-4150306618)

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