まあじゃんほうろうき

まあじゃんほうろうき

駆け出しの漫画家西原理恵子が、麻雀の知識がゼロであるにもかかわらず、麻雀誌の連載を請け負ってしまったことからギャンブルの深みにはまっていく様を赤裸々に描いた作品。その見事な負けっぷりと、自虐ネタを主体とした強烈なギャグ表現を特徴とする。麻雀界の有名どころから作者の友人まで、ほぼすべての登場人物が実在の人間をモデルとしており、モデルそのままの実名で登場し、その大部分がギャンブル狂のダメ人間ぶりをさらされた。作者西原理恵子の初単行本作品であり、出世作としても知られる。

正式名称
まあじゃんほうろうき
ふりがな
まあじゃんほうろうき
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
麻雀
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概要・あらすじ

役すら覚えていないのに麻雀漫画の連載をするハメになった新人漫画家西原理恵子。とにかく上達のため、麻雀を打ちまくるが、当然のごとく負けを重ねていく。それでも、友人たちとそこそこのレートで遊んでいるうちはまだ良かったが、次第に卓を囲む相手がプロ雀士を含む洒落にならないメンバーとなり、レートもぐんぐん上がっていく。打つたびに負けまくり、原稿料はもちろん、印税までもとられてしまう西原だったが、今日もめげずに雀荘へと向かうのだった。

登場人物・キャラクター

西原 理恵子 (さいばら りえこ)

『まあじゃんほうろうき』の主人公であり作者本人。序盤ではろくにルールもわからないまま麻雀に負け続け、泣かされっぱなしだったが、次第に(相変わらず負けはするものの)たくましくなっていく。当初はおかっぱ頭でくりくりとした目の女の子として描かれていたが、徐々に目つきが悪くなり、後期には羽根を毟られた鳥の体を持った姿に変化している。

山崎 一夫 (やまざき かずお)

麻雀をはじめとする各種の賭け事を西原理恵子に手ほどきした師匠。麻雀、パチンコはもちろん、地下カジノなどの裏のギャンブルも実践している人物。さまざまなバクチ場へ西原を連れ歩き、しゃれにならない額を散財させる。

安藤 (あんどう)

西原理恵子の悪友で、序盤で麻雀の相手をしてくれる人物。麻雀初心者の西原をカモにしつつも、彼女がなかなか麻雀を覚えないことに苦慮する。西原に借金をしたため、荷物持ちとして台湾に同行するというエピソードもあった。なお、モデルであるイラストレーター安藤康一は、銀角名義で『まあじゃんほうろうき』にイラストと漫画を提供している。

板谷 (いたや)

西原理恵子の悪友。安藤と同じく序盤での西原の麻雀相手である。西原に嘘のルールや役を教えてからかっていた。初登場時には少し目つきは悪いが普通の人物だったが、西原安藤と3人で台湾に行くエピソードでは、かなり凶暴な風貌に描かれている。モデルはライターのゲッツ板谷。

編集長 (へんしゅうちょう)

『まあじゃんほうろうき』掲載誌の編集長で、西原理恵子を麻雀の世界に引き入れた張本人。締め切りを守らず、麻雀を覚えず、麻雀界の重鎮たちに失礼な言動を繰り返す西原に悩まされ続ける。常軌を逸した巨大な頭の持ち主で、頭がコマに収まりきらないこともしばしば。さらに怒ると頭の血管がぶち切れて血が噴出す。 モデルは連載当時の『近代麻雀ゴールド』編集長宇佐美和徳。

木村 千歌 (きむら ちか)

西原理恵子の友人の漫画家。西原に匹敵するほどの麻雀下手で、中盤まではいっしょに泣かされていた。西原に対しては結構強気な言葉を浴びせるが、他の人物には比較的おとなしい。西原の打つレートが跳ね上がる後半になると登場しなくなってしまった。モデルは同名の女性漫画家木村千歌。

末井 昭 (すえい あきら)

某出版社取締役にして億の借金を持つ男。麻雀は覚えたてで西原理恵子よりも明らかに弱い。しかし、先物取引などで金銭感覚がおかしくなっているため、彼と打つ麻雀は、必ず超高レートになってしまい、結果的に西原もしゃれにならない額の負けを抱え込むことになる。なぜか妖怪油すましのような蓑を身に着けている。 モデルは連載当時の白夜書房取締役編集局長末井昭。

宮崎 (みやざき)

電通ではない大手広告代理店営業。サラリーマンでありながら、プロ雀士とも渡り合う麻雀の腕を持ち、なおかつ西原理恵子から金を毟り取ることを無上の喜びとする人物で、中盤以降西原の最大の敵となる。「~ざんす」とトニー谷かイヤミのような口調で話す。終盤になると下半身が蛇の姿で描かれることが増え、へびどん、レッドスネークとも呼ばれるようになった。 仲間内の麻雀大会雀皇戦の発案者でもある。

桜井 章一 (さくらい しょういち)

「20年間無敗の男」として知られる雀士。その強さとカリスマ性で、麻雀関係の出版業界ではVIP的な扱いを受けていた。西原理恵子も当初はそれなりに敬う姿勢を見せていたが、寛容な桜井の態度に調子に乗ったのか「マギー司郎に似ている」と漫画に描いてしまい、彼を怒らせてしまう。 モデルは、各種の麻雀戦術書や自己啓発書でも知られる同名の著述家。

五十嵐 (いがらし)

「史上最弱のプロ雀士」として西原理恵子にいじり倒される競技麻雀プロ。西原のことを「ぢょうおうさま」と呼ぶ。真面目で気が弱く、西原からは殴る蹴るの非道な仕打ちを受けていたが、プロだけあって西原との対局では何度も勝利をおさめている。モデルは競技麻雀プロで、最高位の座に付いたこともある五十嵐毅。

小島 武夫 (こじま たけお)

トップクラスの知名度を誇るベテラン競技麻雀プロ。麻雀界の重鎮だが、西原理恵子にとってはいつも酔っ払っている気のいいおっちゃんに過ぎないらしく、「じじい」呼ばわりすることもしばしばである。モデルは同名の競技麻雀プロ。

西原 淑子 (さいばら よしこ)

西原理恵子の母。普段は西原の故郷である高知に住んでいるが、ときおり上京しては西原の乱れた私生活に対して小言を残す。

集団・組織

さつき組 (さつきぐみ)

『まあじゃんほうろうき』に登場する団体。西原理恵子を中心とした麻雀サークルのようなもの。劇中中盤で度々その名前が登場するものの、構成メンバーや活動内容は明示されない。また、卓を囲んで西原が気に入った相手を、勝手にさつき組メンバーに認定してしまうエピソードもなどもあるため、その実態がはっきりしない組織である。

イベント・出来事

雀皇戦 (じゃんおうせん)

『まあじゃんほうろうき』に登場するイベント。宮崎の発案から始まった西原理恵子の知人友人による麻雀大会である。優勝者には「雀皇様」と呼ばれると言う栄誉が与えられる。仲間内の大会のはずだったが、結果的に多数の競技麻雀プロを含む強豪たちが参加することになった。劇中では、第3回までの雀皇戦の様子が描かれている。

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