アクメツ

アクメツ

国を喰い物にして私腹を肥やす悪徳な政治家や官僚たちを、情け容赦なく断罪するダークヒーロー・アクメツ。そんな彼の世直し劇を、爽快かつ殺伐と描いたバイオレンスアクション作品。実在の政治家をモチーフにしたと思わしき登場人物や、連載時における社会問題が取り上げられることも多く、現代の世相をとらえた社会派作品としての側面も強い。また、一方でアクメツが断罪を行う理由や、彼自身の正体に迫る数多くの謎がSF要素を交えながら展開するなど、娯楽作品としてのエンターテインメント性もしっかりと盛り込まれている。

正式名称
アクメツ
ふりがな
あくめつ
作画
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

20世紀の終わり、日本国は亡国の危機に瀕していた。赤字国債、倒産、失業、構造不況にデフレスパイラルなど、数え上げればきりがない数多の負債を抱える状況下において、この世の春を謳歌する悪党どもがいる。天下り官僚や利権にまみれた政治家たち、さらには勝手の限りを尽くす暴走族や、日和見主義の警察官。権力や悪法に守られ、合法的な裁きを下せぬこれら悪党の前に、ひとりのテロリストが現れた。

彼の名はアクメツ。実質的に税金を着服し続けてきた元官僚・岩崎昭三の殺害を皮切りに、アクメツを名乗る仮面の男は次々と、日本の癌細胞たる悪党どもを断罪していく。そして、やがて彼のテロリズムはこの国に巨大な奔流を生み出し、日本を影から操るフィクサーたちを表舞台へと引きずり出す。

登場人物・キャラクター

アクメツ

危機的状況下にある20世紀末の日本において、私腹をむさぼる悪徳政治家や官僚どもを処刑するダークヒーローにしてテロリスト。この世の全ての悪を一掃することを目的としており、「悪を滅び去る者」という意味を込めアクメツと名乗っている。なお、命名者は日本国総理大臣の村瀬真太郎。アクメツの殺しは一人一殺を標榜しており、殺人を行う自らの罪も断罪するため、犯行後は自ら命を絶つ。 そのため一般的にはテロリストグループと認知されている。死亡時には自らの頭部を爆散させるなど、ある程度の正体の隠匿が図られているものの、悪鬼のようなフェイスマスクで顔の下半分を覆っているだけなため、彼が迫間生であると気づく者も少なくない。 なお、悪党を断罪する際にはエンターテインメントショーのような趣向を凝らし、当人にその罪の重さと恐怖を存分に知らしめてから殺害する。

迫間 生 (はざま しょう)

神奈山県縦浜北高校に通う高校3年の男子生徒。ユーモアセンスのある明るいお調子者で、クラスメイトや教師からも親しまれており人気が高い。その一方で憂国の士としての熱い闘志を秘めており、親しいクラスメイトの長澤詩菜には日本を変えてやると言い放っている。少し前までは一介の高校生だったが、死んでも死なない不死の身体と、同時に別の場所で存在できる能力という、ヒーローを超える力を手に入れ、この国の不条理と戦うべくアクメツとして行動を開始した。

長澤 詩菜 (ながさわ しいな)

神奈山県縦浜北高校に通う高校3年の女子高生。クラスメイトで親しい友人の迫間生に好意を寄せている。親の負債により高級女子高生派遣クラブ・シャングリラに身売りして、元大蔵事務次官の銀行相談役・岩崎昭三の慰み者にされかけたが、アクメツによって救われている。初対面の時よりアクメツの面影や言動から、その正体が迫間生ではないかと確信に近い疑念を抱いてた。 後に迫間生本人から、アクメツの正体が自分であると明かされる。

岩崎 昭三 (いわさき しょうぞう)

元大蔵事務次官にして現大都銀行の相談役を務める典型的な天下り官僚。エリート意識が異常に高い傲慢な老人で、自分たちエリートを除く人々を下等日本人と蔑んでいる。また、老齢ながら生娘を集めた乱痴気騒ぎの会合を催すなど、金銭欲や出世欲に留まらず、その欲望は果てしない。銀行の損失を補填した公的補助金を実質的に着服しており、アクメツの最初の犠牲者として、斧で頭部を割られ殺害された。

山田 守 (やまだ まもる)

神奈山県警で交通指導課巡査を務める若手の男性警察官。地域住民のため暴走族を取り締まろうと、県警本部長に直談判するほどの熱血漢。また、500人の暴走族をたった1人で検挙しようとするなど、少々暴走気味ではあるが、理想に燃える生真面目な人物といえる。楽な点数稼ぎばかりで市民のために働こうとしない、県警の体質に憤りを覚えている。 犯行現場で直接アクメツと会話を交わしたことから、事件が発生すると参考人として召集されることが多い。

村瀬 真太郎 (むらせ しんたろう)

民自党に所属する現職の日本国総理大臣。破綻寸前の国を憂い、構造改革に乗り出した改革者だが、利権を手放そうとしない抵抗勢力の反抗にあい、志し半ばで消沈していた。就任当初は支持率80%を超えていたものの、構造改革が進まず非難を浴び、18%まで落ち込ませている。そんな折、彼の前に現れたアクメツから、構造改革を阻む悪を一掃する代わりに、1か月以内に結果を出すよう、一方的に約束を押し付けられた。 そして、このタイムリミット以内に構造改革が行われなければ、悪とみなすとアクメツから宣告されている。

桐島 マリー (きりしま まりー)

東京地方検察庁特捜部の主任検事。ブラッディ・マリーの二つ名を持つ敏腕女性で、悪党が近くに来ると鼻血が出るという特殊能力を持つ。そのため彼女が主任検事となってから担当した事件で、起訴できなかったものは一件もない。

新倉 生 (にいくら しょう)

享南高校に通う男子高校生。容姿は迫間生とうりふたつであり、性格も同じように明るくユーモラスな学校の人気者。彼もまたアクメツのひとりで、親友の桂木慧一が薬害によって死んでいったことへの不条理に怒り、悪を滅するアクメツとしての道を歩む。

黒沼 春近 (くろぬま はるちか)

享南高校に務める教師で、新倉生のクラス担任でもある。アクメツに感化され、彼を模した仮面を被り、自らもアクメツとなり鶴田猛夫議員を執拗に狙う。だが、目的のためなら標的以外の人々をも犠牲にすることを厭わず、その美学を持たない行いより、本物からはニセアクメツと糾弾される。その後、アクメツによって悪と断定された彼は、強制的にアクメツ2号に仕立てられ、鶴田猛夫議員を断罪する道具として使われ死亡した。

桂木 慧一 (かつらぎ けいいち)

かつて享南高校に通っていた男子高校生で、新倉生の親友だった少年。天才的な頭脳を誇り、高校生にして株式売買により年収1億円を超えていた。薬害で難病の先天性無フィブリノゲン血症を患っており、若くして肺がんにかかる。自らの死期を悟っており、それゆえ自棄的な思想の持ち主。闘病生活の末に死亡するが、彼の不条理な死がアクメツ誕生の大きなきっかけとなった。

クレジット

脚本

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