東京ミュウミュウ

東京ミュウミュウ

突如「東京ミュウミュウ」として地球を守ることになった桃宮いちごが、4人の仲間と共に戦う変身バトルラブロマンス。「なかよし」2000年9月号から2003年2月号にかけて連載された征海未亜の代表作で、続編として『東京ミュウミュウ あ・ら・も~ど』がある。シナリオは吉田玲子。

正式名称
東京ミュウミュウ
ふりがな
とうきょうみゅうみゅう
作者
ジャンル
スーパーヒーロー
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊7巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

美少女たちの変身バトルと恋愛が題材。主人公の桃宮いちごたち5人の「東京ミュウミュウ」が、悪と戦うバトルものとしての側面と、いちごを取り巻く3人の男性キャラクターとのラブロマンスを描く恋愛ものとしての側面がある。他の変身美少女ものに比べ恋愛に重きが置かれているのが特徴で、いちごの「東京ミュウミュウ」になる前からの片想い相手・青山雅也、「東京ミュウミュウ」としての仲間・白金稜、「東京ミュウミュウ」の敵・キッシュとのそれぞれ異なる関係が描かれる。

作品誕生のいきさつ

コミックス1巻のあとがきで、征海未亜は本作『東京ミュウミュウ』誕生のいきさつを次のように語っている。「当初は担当編集者よりホラーものの執筆を勧められていたが、自身は猫耳の生えた美少女キャラクターが登場する作品を書きたいと考えていた。そこで桃宮いちごの前身にあたるキャラクターを描いて提出したところ企画が通り、さらに仲間キャラクターをデザインすることになった。そして『東京ミュウミュウ』の5人が誕生した」。最初のデザインと最終的ないちごのデザインは大きく異なるものとなったが、いちごの原型になったキャラクターと、使用されなかったもう一人のキャラクターのデザインは、コミックス1巻のあとがきに掲載されている。

あらすじ

中学1年生の桃宮いちごは、片想い相手の青山雅也とデート中、その場で知り合った少女たち4名と共に地震に遭う。その日から身体に異変が生じ、猫のような好みと身軽さに変化したいちごは、危機に瀕した瞬間「ミュウイチゴ」に変身。謎の少年白金稜から変身の原因を知らされるとともに、その力を活かし、正義の味方として戦えと言い渡されてしまう。雅也には正体を隠したまま、いちごは4人の仲間と共に「東京ミュウミュウ」として戦うことになった。

スピンオフ

スピンオフシリーズとして『東京ミュウミュウ アナザーストーリー プチみゅうみゅう』がある。「なかよし ふゆやすみランド」などの増刊号に掲載されたこのシリーズは、本作『東京ミュウミュウ』とは別のパラレルワールドを舞台に、「みゅうみゅう幼稚園」に通う園児となった桃宮いちごたちの物語が描かれる。

関連商品

関連商品として、2003年1月、TVアニメ版のキャラクターブック「テレビアニメ 東京ミュウミュウ公式ファンBOOK」が刊行。アニメ版のイラストギャラリーやストーリーダイジェストに加え、描き下ろし漫画も収録されている。

メディアミックス

TVアニメ

2002年4月から2003年3月にかけて、TVアニメ版が放送された。監督は阿部記之、シリーズ構成は十川誠志、キャラクターデザインは北山真里が担当した。また、桃宮いちご役を中島沙樹、青山雅也役を緒方恵美が演じた。

CD

TVアニメ版の放送に伴い、多数の音楽CDが発売されている。アニメ版の主題歌やサウンドトラックをはじめ、「東京ミュウミュウ」の5人の1人ずつにスポットを当てたキャラクターソングCDなどがある。

TVゲーム

ウィンキーから2本のゲームソフトが発売されている。2002年7月にゲームボーイアドバンス用の「はめパネ 東京ミュウミュウ」、2002年12月にプレイステーション用の「東京ミュウミュウ 登場新ミュウミュウ! みんないっしょにご奉仕するにゃん」が発売された。「東京ミュウミュウ 登場新ミュウミュウ! みんないっしょにご奉仕するにゃん」には、ゲーム版のオリジナルキャラクターとして、ミュウリンゴに変身する赤井りんごが登場する。

アイドルユニット

2001年7月、本作『東京ミュウミュウ』におけるプロモーション活動の一環として、5人組アイドルユニット「ミュウ・ファイヴ」が結成された。コミックス2巻のあとがきには、桃宮いちご役を演じた吉田有希にまつわるエピソードやイラストも掲載されている。

読者投稿

コミックス6巻の柱コーナーでは「東京ミュウミュウ いちごのコスチューム大募集!」と題し、読者がデザインしたコスチュームを、桃宮いちごが着用したイラストが描かれる企画が行われた。グランプリ受賞者のデザインしたコスチュームは扉絵で着用され、その他上位賞に入賞した6名のコスチュームは柱コーナーで着用された。

登場人物・キャラクター

桃宮 いちご (ももみや いちご)

「ミュウイチゴ」に変身する、中学1年生の女子生徒。前髪を目の上で切り、ピンク色のボブヘアをツーサイドアップにしている。明るく元気で前向きな、正義感の強い性格。片想い相手の青山雅也と博物館に出かけたところ、藍沢みんと、碧川れたす、黄歩鈴、藤原ざくろの4名と知り合う。また、4人と共に地震に遭ったことから身体に異変が生じ、猫のような身体能力や趣味嗜好になってしまう。 やがて、自分が「東京ミュウミュウ」となり、変身能力が備わったことを白金稜から知らされ、地球を守るため「ミュウイチゴ」に変身し、エイリアンや、彼らが使役するキメラアニマと戦うことになる。イリオモテヤマネコの遺伝子を注入されていることから、変身していないときでも、感情が高ぶると猫の耳やしっぽが飛び出すようになってしまう。 ミュウミュウの証であるアザは、右足の太もも内側にある。

青山 雅也 (あおやま まさや)

桃宮いちごが想いを寄せる少年。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした黒髪をしている。頭脳明晰、容姿端麗、スポーツ万能という抜群の能力に加え、穏やかで落ち着いた性格から女子生徒に非常にもてる。いちごとは親しく、2人で一緒に出掛けるほどの仲。環境問題に強い関心を持ち、地球を保護する活動を行っていることから、いちごを活動に付き合わせたり、いちごには少し難しい話をすることもある。 剣道部に所属しており、そちらでも期待されている。一見非の打ちどころのない人物だが、複雑な家庭環境から、完璧な人間を演じているところがある。

白金 稜 (しろがね りょう)

桃宮いちごの前に突如現れた謎の少年。前髪を真ん中で分けてサイドに流した金髪をしている。博物館で地震が起きた際、いちごたち5人に誤ってレッド・データ・アニマルの遺伝子を注入し、「東京ミュウミュウ」にした張本人でもある。「金持ち高校生」を自称し、赤坂圭一郎と共に「カフェ ミュウミュウ」でエイリアンへの対抗策を練っている。 「東京ミュウミュウ」となったいちごたちに、地球を守るべく指令を送る。心優しく責任感もあり、頼れる人物だが、やや不器用で口が悪く、いちごとはすぐにケンカになってしまう。父親は未確認動物(UMA)に関する世界的権威で、エイリアンから地球を守るためのプロジェクトを行っていたが、火災により亡くなっている。

藍沢 みんと (あいざわ みんと)

「ミュウミント」に変身する、中学1年生の女子生徒。前髪を目の高さで切り、肩につかない長さのウェーブがかったブルーのボブヘアを両サイドでお団子にしている。裕福な家のお嬢様で、丁寧なお嬢様口調で話す。また、バレエをはじめ多くの習い事をしているため、身のこなしが非常に優雅。歯に衣着せぬ高飛車な性格で、桃宮いちごと出会った当初は、いちごを「下品な人間」と評して意地悪を言うことも多かった。 しかし、本質的には親切で世話焼きなため、次第に絆を深めていく。「東京ミュウミュウ」の仲間たち4人と初めて出会った日、困っている碧川れたすを颯爽と助けた藤原ざくろに憧れており、「お姉さま」と呼び慕っている。ノドジロルリインコのDHAを注入されており、アザは背中の肩甲骨のところにある。

碧川 れたす (みどりかわ れたす)

「ミュウレタス」に変身する、奥村大学付属中学校に通う女子生徒。前髪を真ん中で分けて胸のあたりまで伸ばした髪を細い三つ編みにし、眼鏡をかけている。やや気弱でおっちょこちょいなところがあるが、心優しく精神的にタフ。クラスメイトたちからいじめに遭っていたところを黄歩鈴と藤原ざくろに助けられたことをきっかけに、桃宮いちごや藍沢みんととも知り合う。 その後自らが「東京ミュウミュウ」になったことを知らず、力が暴走し困っていたところを、いちごたちに助けられて仲間となった。スナメリの遺伝子を注入されていることから、下半身を魚の形にし、人魚の姿となって泳ぐことができる。アザは胸元にある。

黄 歩鈴 (ふぉん ぷりん)

「ミュウプリン」に変身する少女。前髪を目の上で切り、肩につかない長さのオレンジ色のボブヘアを4本の細い三つ編みにしている。語尾に「~のだ」と付けて話す独特の口調と、中華風の服装が特徴。無邪気で遊ぶことが好きな子供らしい性格に見えるが、実はお金が大好きで、得意の曲芸を見せてはおひねりを要求する抜け目のない一面がある。父親は修行で家を空けており、5人の幼い兄弟の面倒を一人で見ている。 「黄家流奥義」と称した不思議な技を用い、ペットの杏仁とは意思疎通もできる。他の4人よりも年下にあたるため、4人の名前に「お姉ちゃん」をつけて呼ぶ。ゴールデンライオンタマリンの遺伝子を注入されていることから、もとの身体能力に輪をかけて身軽になっている。アザは額にある。

藤原 ざくろ (ふじわら ざくろ)

「ミュウザクロ」に変身する少女。プロダクション「入江プロ」に所属し、モデルとして活躍している。前髪を眉上で切り、胸のあたりまで伸ばした紫色のストレートロングヘアをしている。スタイル抜群の端麗な容姿に加え、名門校に通う才女で、英語、ドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語の5か国語を操る。芸能活動中は穏やかに振る舞っているが、実際は群れるのを嫌うクールな性格。 ハイイロオオカミの遺伝子を注入されている。アザは臍にある。

赤坂 圭一郎 (あかさか けいいちろう)

喫茶店「カフェ ミュウミュウ」のマスターを務める若い男性。白金稜の仲間。前髪を真ん中で分け、胸のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアをひとつに結んでいる。物腰の柔らかい紳士的な性格で、稜のサポートを行っている。5年前まではアメリカ合衆国にある稜の父親の研究アシスタントを務めており、稜とは当時からの仲。

キッシュ

エイリアンの少年。前髪を目の上で切り、肩につかない長さの深緑色の髪を、両サイドに垂らしてひも状の髪飾りでまとめている。とがった耳と釣り目が特徴の、中性的な雰囲気の人物。非常に冷酷で残忍な性格の持ち主で、敵には容赦のない攻撃をする。自分たちと敵対する「東京ミュウミュウ」を倒そうと出向いたところ桃宮いちごを気に入り、以来強い執着心を抱くようになる。 いちごのことを強く想っているが、うまく愛情表現ができず、思うように彼女に好かれないことに苦しんでいる。

タルト

エイリアンの幼い少年。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につかない長さの暗い茶髪を高い位置で2つに結んでいる。キッシュ同様尖った大きな耳をしており、一人称が「おいら」なのが特徴。失敗続きのキッシュの代わりに「東京ミュウミュウ」たちと戦うことになったため、キッシュを見下している。「東京ミュウミュウ」たちよりも年下なため、桃宮いちごを「おばさん」扱いしているが、反面自分が子供扱いされると怒り、泣き出してしまう。 自分と歳が近く、「タルタル」と呼んで友人のように接してくる黄歩鈴のことが気になっている。

パイ

エイリアンの少年。前髪を眉上で切り、肩につかない長さの灰色がかった紫色の髪を左サイドに集めて、筒状の髪飾りでまとめている。無表情で機械的な雰囲気の人物で、難解な話し方をする。

マシャ

白金稜が開発したペットロボ。手に乗るほどの大きさの球形の身体に、小さな羽としっぽを生やし、猫に似た顔をしている。動物に寄生したエイリアンを回収するなど、さまざまな能力を持っている。元々は「R-2000」という名前だったが、稜が桃宮いちごに贈ったことで、青山雅也の「まさや」を少し変えて「マシャ」と命名された。

フランソワ

桃宮いちごが猫化してしまった際に出会った猫。性別はオス。太った身体から、いちごには「ブタネコ」と呼ばれており、語尾に「のーん」「ねーん」と付ける、のんびりした口調が特徴。猫になってしまったいちごを一目で気に入ってアプローチするが、あまりにも強引なため、逃げられている。母親を「ママリン」と呼んで頼りにしており、ややマザコン気味なところがある。

アルト

桃宮いちごが猫化してしまった際に出会った猫。性別はオス。首にスカーフを巻いている。いちごがフランソワに襲われて困っていたところを助けたのがきっかけで知り合うが、いちごが本当は人間であることを知っているなど、不可解な点が多い。

蒼の騎士 (あおのきし)

桃宮いちごの危機に、突如現れた謎の少年。前髪を目の上で切り、胸のあたりまで伸ばした金髪を後ろでひとつにまとめている。「いちごを守るために生まれてきた」と語っており、いちごのために身を挺して戦う。髪型や雰囲気などは赤坂圭一郎に似ているが、青山雅也にも似たところがあり、正体は不明。人間と同じ丸い小さな耳をしているが、時折エイリアンたちのような、大きくとがった耳に変化する。

ディープ・ブルー (でぃーぷぶるー)

エイリアンたちの救世主(メシア)。キッシュたちエイリアンがその復活を待ち望んでいる。性別は男性で、前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、腰のあたりまで伸ばした長い黒髪をしている。エイリアンたち同様、とがった長い耳が特徴。長らく眠りについていたが、ある人物の身体から目覚め、乗っ取る形で現れる。圧倒的な力を持ち、たやすく街を破壊するほどの能力で「東京ミュウミュウ」たちに襲いかかる。

集団・組織

東京ミュウミュウ (とうきょうみゅうみゅう)

桃宮いちご、藍沢みんと、碧川れたす、黄歩鈴、藤原ざくろの5名が、変身した姿の総称。博物館で起きた地震がきっかけで、白金稜にレッド・データ・アニマルの遺伝子を誤射され、変身能力を獲得している。「東京ミュウミュウ」となった証として、身体のどこかに遺伝子を撃ち込まれた跡のアザがあり、たとえばいちごの場合は、右足の太もも内側にアザがある。 変身は任意で解けるが、東京ミュウミュウたちが本当に元の人間に戻るには、エイリアンをすべて倒さなくてはならず、いちごたちはエイリアンと戦うことになる。エイリアンをすべて倒せば変身能力が消える理由は、戦う必要がなくなれば、能力が退化して消えるはずと考えられるため。

エイリアン

地球を自分たちのものとするべく現れた侵略者たち。地球を自分たちの住める環境に変えるため、環境汚染を進行させて地球の生物を絶滅させようとしている。主に都市部の環境が悪化しているところに現れ、破壊活動をしている。美しい大気と土、特に美しい水に弱いことから、白金稜は「東京ミュウミュウ」たちにエイリアンを倒すための「ミュウアクア」を集めるよう命じる。 実は3億年ほど前までは地球に暮らしていたが、地球が滅亡の危機に瀕したのを機に別の星へ移住。いつか緑あふれる美しい地球に戻れると信じて、移住先の暗く寒い星で生活していた。しかし現在の地球人たちが自ら環境を破壊していることを知り、強い憤りを感じている。

場所

カフェ ミュウミュウ

白金稜と赤坂圭一郎が、研究のためアジトとして利用している施設のこと。表向きはオープンしたばかりの喫茶店。「東京ミュウミュウ」となった桃宮いちごは、残りの仲間たちの手掛かりを探すため、この店でウェイトレスとしてアルバイトすることになる。時給は1000円。

その他キーワード

キメラアニマ

エイリアンに寄生され、狂暴化してしまった地球の動物たちのこと。エイリアンは動物を利用して生物兵器にしようと考えており、キメラアニマを用いて人を襲わせている。そのため、桃宮いちごたちはエイリアンに加え、このキメラアニマとも戦うことになる。

ミュウアクア

東京都のどこかにある、極めて純度の高い美しい水のこと。一般河川や海にはなく、どこか違う場所に秘められている。白金稜はもともと海や川だった埋立地にミュウアクアがあると考えており、銀座、丸の内、お台場、羽田空港といった都心部の地下が候補となっているが、具体的な位置は割り出せていない。

クレジット

シナリオ

続編

東京ミュウミュウ あ・ら・もーど (とうきょうみゅうみゅう あ ら もーど)

征海未亜の『東京ミュウミュウ』の続編。エイリアンが去り、残党を倒す日々を送る「東京ミュウミュウ」たち。新たに「東京ミュウミュウ」として目覚めた白雪ベリーも加わり、新たな敵と戦う6人の変身バトルラブロマ... 関連ページ:東京ミュウミュウ あ・ら・もーど

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書誌情報

東京ミュウミュウ 新装版 7巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2022-05-13発行、 978-4065278352)

第2巻

(2022-05-13発行、 978-4065278383)

第3巻

(2022-05-13発行、 978-4065278369)

第4巻

(2022-06-13発行、 978-4065279755)

第5巻

(2022-06-13発行、 978-4065279694)

第6巻

(2022-06-13発行、 978-4065279724)

第7巻

(2022-06-13発行、 978-4065279731)

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