白雪姫と7人の囚人

白雪姫と7人の囚人

隕石の落下によって他の地域から孤立し、陸の孤島と化した東京都を支配する都庁職員に対し、自由を求めて戦いを挑む少年たちの姿を描いた物語。「週刊ヤングジャンプ」誌上で、平成24年49号から平成25年52号に掲載された。

正式名称
白雪姫と7人の囚人
ふりがな
しらゆきひめとななにんのしゅうじん
作者
ジャンル
ダークファンタジー
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概要・あらすじ

荒廃した八王子区で目覚めた少年・赤銅尊。過去2年間の記憶を失っていた尊は、そこではじめて、隕石の落下によって陸の孤島と化した東京都が、適合者と呼ばれる特殊能力を宿した都庁職員によって、非人道的な支配がなされる地域になってしまったことを知る。都庁のやり方に激しい憤りを覚える尊だったが、彼の右手が突如として黒く変化し暴発してしまう。

尊自身も都庁職員と同じ、適合者の1人だったのだ。しかし尊は都庁には与さず、その支配に抵抗する者となって、都庁討伐を決行するのだった。

登場人物・キャラクター

赤銅 尊 (しゃくどう たける)

16歳の少年で、赤銅泉の弟。明るく能天気な性格をしているが、喧嘩っ早い一面もある。過去2年間の記憶を喪失しており、東京都に隕石が落ちたことや、現在の都庁職員による支配の現状を理解していない。適合者と呼ばれる特殊能力者の1人であり、右手が黒く変化すると、強力な熱風を繰り出すことができる。

(まこと)

八王子区に住む、一般市民の男子高校生。記憶を失い倒れていた赤銅尊を発見した。何もわからない尊に振り回され、行動をともにするうちに友人となった。病気の母親と2人で暮らしている。都庁に反抗したために、強制労働へと駆り出されてしまった父親がいる。

白雪 (しらゆき)

都知事である黒雪にとって不可欠な存在といわれている幼女。金髪のロングヘアに赤いワンピースを着用している。八王子区にいた赤銅尊の前に現れ、尊と行動をともにするが、その目的や能力の詳細は不明。声を発することができない。

阿久津 藤丸 (あくつ ふじまる)

都庁が管理する八王子区の区長を務めている男子。長い黒髪をトップでひとまとめにしており、頭にゴーグルを着けている。年齢は赤銅尊と同じくらいで、口が悪いうえに気難しい性格をしている。右手で機器に触れることで、機械と会話ができる適合者。

K・K (けんけねす)

都庁が管理する立川区の区長を務めている男性。体格はいいが、軍人一家の中では落ちこぼれだったため、志願して適合者となるための実験を受けた。阿久津藤丸とは実験時の同期で昔から仲が良い。右手を銃に変化させ、自身の血液で作り出した弾丸で攻撃する。

潮 宗一 (うしお そういち)

立川区で指名手配されている強盗犯の男性。潮宗二の兄で彼と行動をともにしている。年齢は22歳だが、10歳くらいの少年にしか見えない。常に袴を着用しており、身の丈よりも大きい鋼の刀を武器として扱う。右手を剣に変えられる適合者だったが、とある理由で右腕を失った。

潮 宗二 (うしお そうじ)

立川区で指名手配されている強盗犯の男性。潮宗一の弟。12歳の少年だが、まるで大人のような見た目をしている。布で包んだ大刀を持ち歩いており、その刀を右手と同化させられる適合者。とある理由により、宗一から能力を使うことを禁じられている。

(あかね)

杉並区で生まれ育った長髪で長身の男性。普段は薬品工場で働いているが、隕石の落下以前は大学病院に勤めていたことから、隠れて住民を診察している。適合者ではないが、父親が適合者だったためか、血液の声が聞こえるという能力を持つ。

赤銅 泉 (しゃくどう いずみ)

都知事である黒雪直属の近衛部隊隊長を務めている男性。「狩人部隊」と呼ばれる懲罰部隊の指揮も担当している。赤銅尊の実兄で、隕石の落下以前は空手をやっていた。肩まで伸ばしたウェーブかかった黒髪に顎鬚を生やし、右目には包帯を巻いている。

天城屋 拓朗 (あまぎや たくろう)

都知事である黒雪直属の近衛部隊副隊長を務めている、眼鏡をかけた長身の男性で、右手に包帯を巻いている。対人戦闘能力が高く、左手1本でも戦える。白雪に異常なまでに執着しており、自身の生きる糧であると言い切っていた。

中ノ下 浩平 (なかのした こうへい)

都知事である黒雪直属の近衛部隊で参謀長を務めている初老の男性。都庁に逆らう者を洗脳したり暗示を施す、夢を操れる適合者。普段は内勤をしている穏やかな人物で、赤銅泉からは「ジジィ」と呼ばれている。

卯月 (うづき)

赤銅近衛狩人部隊の隊員である女性。ダイヤモンド以上の硬度と強度を持つという、ダイヤモンドの変種、「カーボナード」でできた腕を操る、防御力と破壊力に優れた適合者。黒雪に心酔しているため、彼女のためにも戦闘で一旗あげたいと願っている。

竜一 (りゅういち)

赤銅近衛狩人部隊の隊員である男性。赤銅泉に付き従いつつ、戦闘に参加している。右手が大きな砲塔に変化し、そこから強力な砲弾を放つことができる適合者。ポーカーフェイスで時に辛辣な物言いをするが、卯月のことになると表情が濁る。

黒雪 (くろゆき)

隕石落下後の東京都を統治する知事。スタイルの良い色黒の女性で、軍人口調で喋るのが特徴。近辺に3人の少女をはべらせている。隕石落下後の救護活動を恩に着せ、恐怖政治で都民を支配する独裁者であり、適合者についても詳しい。彼女にとって白雪は不可欠な存在であるとのこと。

3人の少女

拘束具を身に着けた、黒雪の側にいることを強要されている適合者の少女。3人が手を合わせることで発される光を浴びた者は、精神を破壊されてしまう。性格はまるで子供のようで、3人にとっては能力を使うことは遊びの範疇である。

場所

東京都 (とうきょうと)

2年前の隕石の落下で他の地域から完全に孤立し、陸の孤島となってしまった日本の首都。政府や自衛隊が壊滅したなかで、いち早く新宿区の都庁職員が救援活動を行ったため、都民から感謝されていた。しかし、現在は都庁による独裁的な支配によって多くの人々が苦しんでいる。複数の市の合併で生まれた多摩地区は、中央から派遣された都庁職員が管理している。

新宿区 (しんじゅくく)

都庁がある、東京都の中心部。現在は特区に指定されている。都庁の職員とその関係者のみが住むことを許される、整備された平穏な街で、一般人は立ち入れない。ここから都庁広報部による、都知事黒雪からの定例放送が流されている。

都庁 (とちょう)

新宿区西新宿にそびえ立つ巨大な建造物で、東京都職員の本拠地。職員らを指す名称でもある。新宿にある都庁には黒雪や白雪、幹部クラスの職員が常駐しており、適合者も数多い。黒雪と白雪のみが入れる「鏡の間」という謎の部屋が存在する。

その他キーワード

適合者 (てきごうしゃ)

2年前に突如として現れた、特殊能力の持ち主の総称。変異を起こした右手を使うことで、特殊な力を発揮することができる。そのほとんどが都庁が行っている実験の結果、適合者となった者である。都庁の管理下に置かれ、一般の都庁職員より上級の職に就いている。

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