SAKON ~左近~ 戦国風雲録

SAKON ~左近~ 戦国風雲録

「週刊少年ジャンプ」に連載された『影武者徳川家康』の物語を、戦国の世に己の義を貫き通すために果敢な生涯を送った島左近勝猛の視点から描く、時代劇アクション。「月刊少年ジャンプ」1997年5月号から2000年5月号まで連載された作品。原作は隆慶一郎、脚本は二橋進吾。

正式名称
SAKON ~左近~ 戦国風雲録
ふりがな
さこん せんごくふううんろく
原作者
隆 慶一郎
作者
ジャンル
戦国
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概要・あらすじ

幼い頃に父母を亡くしたことにより、自らを「死人」とし死に場所を求め続けながら戦いのない世の中を目指す島左近勝猛。彼は、君主であった石田三成の遺命に従い豊臣家を守り、敵であった徳川家康の影武者、世良田二郎三郎元信の想いである平穏な世を作る事に協力する。そして、影武者を亡き者にして天下人の座を狙い、豊臣家を滅亡せんと目論む徳川秀忠と、その配下である柳生一族との己の命を削る戦いに身を投じていくこととなる。

登場人物・キャラクター

島 左近勝猛 (しま さこんかつたけ)

石田三成に仕える戦国武将。9歳の時に父母と死別し、その頃から自らを「死人」と言い常に死に場所を求める身となる。三成の「戦国の世をなくしたい」という言葉に心を動かされた左近は彼に仕え、その高い能力から「三成に過ぎたるもの」の1つと詠われることになる。三成亡き後は徳川家康の影武者である世良田二郎三郎元信と手を組み、戦乱の世をなくすことに命を注ぐ。 愛刀は、相手の骨をも砕く「墨炎」。戦国時代に活躍した実在の人物、島清興がモデルである。

甲斐の六郎 (かいのろくろう)

島左近勝猛に仕える忍び。元々は武田の忍びである。関ヶ原の戦いで徳川家康の暗殺に成功するも、影武者の機転を利かした行動によりその事実は闇に葬られる。以前に左近に命を救われたことで、自分の命は左近に預けたと言い切る。火を使う忍法を得意とし燐や油を使った「火輪転生」や「火掌大輪」などを使う。

石田 三成 (いしだ みつなり)

島左近勝猛が仕えた戦国武将。自身は豊臣秀吉に仕えており、豊臣政権の五奉行の1人。秀吉の臨終時に、秀吉の子である豊臣秀頼の行く末を託された彼は、それを貫くため西軍の大将として関ヶ原の戦いに臨むも敗戦する。左近を召し抱える際には戦嫌いであることを告白し、上下の関係ではなく対等の同志になって、戦いのない世を作る手助けをしてほしいと訴えた。 その行動が、仕官の話をすべて断っていた左近の心を動かすことになる。戦国時代に活躍した実在の人物、石田三成がモデルである。

世良田 二郎三郎元信 (せらた じろうさぶろうもとのぶ)

関ヶ原の戦いで甲斐の六郎に暗殺された徳川家康の影武者。もとは一向一揆の傭兵であり、敵将の織田信長の暗殺を企てたが失敗、結果的に敵であった若き日の島左近勝猛に命を助けられることになった。元来、自由人で戦のない平穏な世を求めていたので、同じ想いを持っている左近と数十年の時を経て組むことになる。鉄砲の名手でもある。

柳生 又右衛門宗矩 (やぎゅう またえもんむねのり)

徳川秀忠に仕える柳生家の頭領。本来なら柳生新陰流の正当な伝承者であったが、政治の裏仕事に新陰流を使用したため、父である柳生石舟斎の逆鱗に触れ印可をはく奪されてしまう。柳生新陰流の使い手で、剣を両手で挟み取る奥義「無刀取り」を得意とする。柳生家を守るために権力を持とうと画策し、秀忠の命により、彼の邪魔になる勢力の排除を請け負う。 しかし、秀忠が島左近勝猛を亡き者にするためよそ者である羅刹七人衆を雇ったことには内心不満を覚えている。戦国時代に活躍した実在の人物、柳生宗矩がモデルである。

徳川 秀忠 (とくがわ ひでただ)

元来は親孝行の息子だったが父である徳川家康亡き後豹変。影武者・世良田二郎三郎元信による世の平定に不満を持ち、豊臣家や徳川家に逆らう者を根絶し、徳川二代目として実権を握ろうと柳生又右衛門宗矩を使い画策する。また、豊臣家に特別の恨みがある羅刹七人衆を巧みに使い、島左近勝猛や敵対する勢力の排除も実行する。 戦国時代に活躍した実在の人物、徳川秀忠がモデルである。

豊臣 秀頼 (とよとみ ひでより)

豊臣秀吉と淀君の間に生まれ、秀吉亡き後、幼少にて豊臣家を継ぐことになる。関ヶ原の戦いの敗戦により後ろ盾であった石田三成を失い、豊臣家滅亡を目論む徳川秀忠に命を狙われることになるも、島左近勝猛や世良田二郎三郎元信らに陰ながら守られている。戦国時代に活躍した実在の人物、豊臣秀頼がモデルである。

武蔵屋 伊兵衛 (むさしや いへえ)

島左近勝猛の遠い血縁者。仙台伊達藩の旧藩士であり戦乱で孤児になった子供たちを引き取って育てている。関ヶ原の戦いで敗れ傷ついた左近や甲斐の六郎を匿っていた。表向きは京都で呉服商人を営んでいるが、左近の援護のためなら大砲を用意することもできる力を持っている。

柳生 八虎 (やぎゅう はちとら)

柳生又右衛門宗矩に仕える柳生新陰流の達人の1人。柳生一族の名をあげるために島左近勝猛の首を狙う。柳生新陰流の構えの1つである構えなき構え「無形の位」を使う。愛刀は厚重ね二十重の長尺刀の「地割包丁」。

本多 八郎正信 (ほんだ はちろうまさのぶ)

徳川家康に仕える徳川家の重臣で、三河武士の出身。一向一揆に参加していた世良田二郎三郎元信と何十年も行動を共にし、徳川家康の影武者に就かせることに成功する。知略に優れた参謀としても力を発揮し、家康亡き後も裏で徳川家を支える。戦国時代に活躍した実在の人物、本田正信がモデルである。

鷹麻呂 (たかまろ)

徳川秀忠に雇われた、島左近勝猛の命を狙う羅刹七人衆の1人。鷹を「息子」と呼び自由に操る忍術を得意とし、鷹を使って行う敵の尾行や居場所特定等の情報収集を得意とする。また、自らの幻影を作り相手と戦うこともできる。

猿羅 (ましら)

徳川秀忠に雇われた、島左近勝猛の命を狙う羅刹七人衆の1人。猿の如き俊敏な動きで敵に攻撃を加えることを得意とする、変形の小刀を使う二刀流の達人。しかし、自分の能力が優れているため自信家過ぎる欠点を持つ。

幻霧斎 (げんむさい)

徳川秀忠に雇われた、島左近勝猛の命を狙う羅刹七人衆の1人。長尺の刀を使う羅刹斬人剣の達人。刀法は幻の如く気配もなくし、敵との間合いを破る「羅刹円月斬」の使い手である。その他、相手との死角をなくす守りの奥義「四殺刃」も使う。武人としてのプライドが高く、任務の遂行より一対一の戦いに拘りを持ってしまうことが多い。

烏丸 (からすまる)

徳川秀忠に雇われた、島左近勝猛の命を狙う羅刹七人衆の1人。カラスを使った忍術を得意とする。僕であるカラスたちの口先に毒を塗り、身体には爆薬を巻いている。小さい自分の体を活かし、編隊飛行させたカラスの上に乗り、空を移動したり攻撃を加えることもできる。

月羆 (つきひぐま)

徳川秀忠に雇われた、島左近勝猛の命を狙う羅刹七人衆の1人。怪力の持ち主で刀の代わりに金剛棒を使う。熊が冬眠の前に食料を蓄えるように、心力と気を身体の中に溜め込むことができる。そして溜め込んだ「気」を手から放出して相手にぶつける、岩をも砕く威力の「羅刹破山蓋世」が最大の武器である。

紅 時之丞 (くれない ときのじょう)

徳川秀忠に雇われた、島左近勝猛の命を狙う羅刹七人衆の1人。七人衆の中では参謀的な存在だが、小刀二刀流の使いを使った剣の実力にも優れ、島左近と互角に渡り合うほど。忍術にも長けているが、武人の誇りを持ち続けており、左近との戦いには忍術を使わない気概を持つ。

天鬼坊 (てんきぼう)

徳川秀忠に雇われた、島左近勝猛の命を狙う羅刹七人衆の1人。長尺の変形可能な六角棒を自由自在に扱って攻撃する事を得意とする。また、大型の数珠を使い、相手に玉状の砲弾を雨の様に浴びせる「宝珠惨華舞」を使いこなす。亡き君主である山中鹿之介を人一倍想い、敵である豊臣家の滅亡に命を懸けている。

おふう

風魔一族の女忍び。徳川家康の第一の愛妾お梶の方の付き女忍で、風魔小太郎の娘。風魔一族を豊臣家を守ろうとする世良田二郎三郎元信や島左近勝猛の味方に引き入れるため、甲斐の六郎と共につなぎ役として活躍する。

風魔 小太郎 (ふうま こたろう)

風魔一族の棟梁。北条家五代を支えた伝説の忍者。身の丈七尺二寸(2メートル18センチ)の大男で4本の牙があるという噂だったが、実際は小男。これは戦った相手が威圧され、小太郎を大きく感じたことから広まった噂であった。敵に触れず「気」による攻撃を行う風魔の奥義「不動雷電」の使い手である。戦国時代に活躍した実在の人物、五代目風魔小太郎がモデルである。

風斎 (ふうさい)

風魔一族の先代の棟梁。風魔小太郎の父である。忍術の他に、大怪我をした島左近勝猛や甲斐の六郎を処置し命を助けるなど医術の心得もある。また、愛刀を失った左近に風魔に代々伝わる名刀「白雷」を授けた。戦国時代に活躍した実在の人物、四代目風魔小太郎がモデルである。

柳生 兵庫助 (やぎゅう ひょうごのすけ)

柳生新陰流の正当伝承者。柳生新陰流の伝承を受けるはずであった叔父の柳生又右衛門宗矩の代わりに、祖父である柳生石舟斎に印可を与えられた。そのために同門である柳生一族の者と敵対することにもなる。戦闘を放棄したような隙だらけの構えから放たれる「無形の位」の使い手である。信条は「柳生新陰流は刺客の剣にあらず」。戦国時代に活躍した実在の人物、柳生利厳がモデルである。

柳生 七郎左衛門 (やぎゅう しちろうざえもん)

柳生又右衛門宗矩の叔父で柳生石舟斎の弟である。戦いで敗れた敵将である島左近勝猛に恨みを持ち、柳生の剣を己の邪心に使おうとして柳生家を追われた。「松吟庵」と名乗って泰平の世に戦乱の嵐を巻き起こそうと画策し、羅刹七人衆を使い暗躍。妖術を使って人を操り、仲間同士を戦わせる催眠術を得意とする。戦国時代に活躍した実在の人物、柳生七郎左衛門重厳がモデルである。

お珠 (おたま)

武蔵屋伊兵衛の養女。石田三成に仕え関ヶ原の戦で討ち死にしたとある武将の忘れ形見で、12歳の時に伊兵衛に引き取られた。以前に育ててくれた従者を殺され、そのために伊兵衛の家にたまたま訪れていた柳生兵庫助に、敵を討つための剣術を習おうとする。その後、敵と偶然出会った時に敵を討てず自害しようとしたところを兵庫助に助けられる。

おなつ

武蔵屋伊兵衛に引き取られた戦乱孤児の1人。傷ついた島左近勝猛を匿った時には身の回りの世話をする。勝手気ままに傷の療養中に動き回る左近に苦言を呈することが多い。伊兵衛の家に引き取られている幼い孤児たちの面倒も見ている。

おせき

一向宗門徒。世良田二郎三郎元信が惚れた女性。信仰深く一向宗のためなら命を何時でも捧げる覚悟を持ち、危険な戦いである一向一揆の最前線で戦っている。織田信長への奇襲の際に敵に捕まり自害をするが、そのことが二郎三郎を信長暗殺へ向かわせる大きな要因となった。

徳川 家康 (とくがわ いえやす)

豊臣秀吉亡き後、五奉行の石田三成と対立し関ケ原の戦いで東軍の指揮をとった豊臣政権の五大老の1人。関ケ原の戦いの最中に島左近勝猛が放った甲斐の六郎の手により暗殺される。戦国時代に活躍した実在の人物、徳川家康がモデルである。

織田 信長 (おだ のぶなが)

天下統一を果たした戦国武将。天下統一のため岐阜から京都までの交通路を封鎖したことを切っ掛けに本願寺顕如と対立、これが一向一揆へと発展した。その際に一向一揆の傭兵であった世良田二郎三郎元信に狙撃され負傷するも、織田側陣営に参戦していた島左近勝猛の活躍により暗殺を免れる。戦国時代に活躍した実在の人物、織田信長がモデルである。

豊臣 秀吉 (とよとみ ひでよし)

織田信長亡き後、天下統一を果たした戦国武将。豊臣秀頼の父である。高齢になってから生まれた秀頼を溺愛し、秀頼のために「五奉行」と「五大老」という制度を作るも、それが後の「関ヶ原の戦い」の原因の1つとなった。信長に仕えている時の戦いの采配で、尼子家に援軍を出さずそれにより惨殺された山中鹿之介の配下であった羅刹に恨みを買っており、その恨みは秀吉の忘れ形見の秀頼に向けられることになる。 戦国時代に活躍した実在の人物、豊臣秀吉がモデルである。

集団・組織

羅刹七人衆 (らせつしちにんしゅう)

尼子義久に仕えた武将・山中鹿之介を主に持つ諜報、暗殺を得意とした一族「羅刹」の中の最強の7人で、「剣術」「忍術」の達人たち。豊臣秀吉に援軍を派遣してもらえずに命を落とすことになった、山中鹿之介の恨みを晴らすため豊臣家の滅亡を目的としている。そのためにもう一度戦乱の世を企てる柳生七郎左衛門のもと、徳川秀忠側にて島左近勝猛の命を狙う。

クレジット

原作

脚本

二橋進吾

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