ジパング少年

ジパング少年

管理教育に反発し理想を求める冒険の旅に出た柴田ハル達の姿を通して、若者達の青春、社会派の問題提起、日本人のルーツ等を描いた壮大な作品。

正式名称
ジパング少年
ふりがな
じぱんぐぼーい
作者
ジャンル
アドベンチャー
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概要・あらすじ

千葉県の県立西浜高校に通う1年生の柴田ハルは、教員達から睨まれている「問題児」だった。南米ペルー育ちの森ととら、財閥総帥の孫で鑑別所経験のある巨漢・城山ひとみ、モデルの神島かんなと運命の出会いをした彼は、エスカレートしていく学校の管理体制に反旗を翻す行動に出る。学園祭をロックバンドパワースラムスのデビューの場とし、そうした様子がテレビで放映され一躍柴田ハルは若者達のヒーローとなる。

その後柴田ハルは、一攫千金を手にするため、神島かんな森ととら城山ひとみと共にガリンペイロ(金鉱採掘人)となることを決意しペルーを目指す。南米に渡った彼らを待ち受けていたのは、一歩間違えれば命の危険に晒される厳しい現実だった。

そんな中柴田ハルは、インカ帝国皇帝アタワルパからビトコスへ行けと告げられる幻を見る。別の目的を持った森ととらを残し、ポルト・インカに移った3人はロッキーとソフィアに出会い、共に旅をする。ゲリラ新インカ同盟による拘束と死の危機を経て、柴田ハル神島かんなは、ロッキー、ソフィアとビトコスの秘密に迫る。

しかし、インディオのガルシア・リョサらとの激しい戦いの後、柴田ハルは目的を見失ってしまう。その後、森ととら城山ひとみ再会し、再び4人揃った彼らは南米大陸南端のフエゴ島へと向かう。

登場人物・キャラクター

柴田 ハル (しばた はる)

短髪の少年。初登場時は16歳で、千葉県の県立西浜高校1年に在学していた。厳しく生徒を管理する学校の体制に反発し、度々問題を起こす。同い年のととら(森ととら)、かんな(神島かんな)、ひとみ(城山ひとみ)と運命の出会いをする。担任の吉本、生活指導主任の梶原ら管理教育を推進する教師達と一触即発の状態の中、自ら理想の学校を作ろうと決意する。 学園祭でバンドパワースラムスのデビューライブを企て実施。テレビJPのプロデューサー藤によってそうした様子が放映され、若者のヒーローのように祭り上げられていく。その後高校を中退し、理想の学校を設立する資金を得る目的で、ととら、かんな、ひとみとペルーに渡る。 リマ、ポルト・インカ、そしてマチュピチュへと波乱の旅を続け、死の危険や人々との出会いと別れなど、自分の価値観を根底から崩される体験を重ね、旅の目的は次第に変化していく。一緒にペルーに渡った4人の中で、かんなとは最後まで一緒に旅を重ねお互いに欠かすことのできない存在となっていく。 日本で暮らす頃から、時空を超えて移動したり、知らない人間から話しかけられる幻を見るなど、不思議な体験を重ねている。

神島 かんな (かみしま かんな)

ショートヘアーの少女。新宿の小田京デパートで開かれた「ペルー展」で騒ぎを起こした柴田ハル、森ととらをかくまってから2人と関わるようになる。聖ナザレ学園に在学しながら、モデルとして活動している。何かが違うと感じ始めていた矢先に柴田ハル、森ととら、幼馴染の城山ひとみと出会い、彼らに刺激を受け、共に行動する。 その後、柴田ハル達が高校を中退したことに合わせて自分も中退し、柴田ハル、森ととら、城山ひとみと共にペルーに渡る。柴田ハルとは最後まで行動を共にし、何度も命の危機を潜り抜け、お互いに欠かすことのできない存在となる。

森 ととら (もり ととら)

小柄で気弱そうな少年。初登場時は16歳で、千葉県の県立西浜高校1年に在学していた。父親の仕事の都合で、ペルーで15年間育った。県立西浜高校では引っ込み思案で上田らにいじめられていたが、柴田ハルに助けられ、友人となる。しかし学校側からは柴田ハル、城山ひとみと共に問題児とみなされる。 柴田ハルをペルーに導く役割を果たし、柴田ハル、城山ひとみ、神島かんなと共にペルーに渡る。リマの友人達を頼って金採掘の旅の準備を進める中、柴田ハル達とは別の目標ができる。それを察した柴田ハルによって、以後他の3人とは別の行動を取る。

吉本 (よしもと)

短髪で口髭を生やした男性。千葉県の県立西浜高校の教師。竹刀を持っている。生活指導主任の梶原と共に管理教育の急先鋒で、柴田ハル、森ととら、城山ひとみ達に理不尽な指導をしている。その後、ある問題をきっかけに教師を退職する。

城山 ひとみ (しろやま ひとみ)

逆立てた髪にいかつい顔、巨体の少年。怪力の持ち主。初登場時は16歳で、千葉県の県立西浜高校1年に転入してきた。柴田ハル、森ととらと同じクラスになる。神島かんなとは幼馴染。ある問題を起こし、祖父城山騎一郎は大企業五菱グループの総帥であり裕福だが、家庭の中では疎外されていた。 県立西浜高校の顧問で影響力がある。鑑別所に入っていたことがあり、都内の学校で受け入れ先がなく城山騎一郎が顧問を務める千葉県の県立西浜高校に転入。柴田ハル、森ととらと出会う。その後、問題を起こし1人高校を中退。アルバイトをしていたが、柴田ハル、森ととら、神島かんなと共にペルーに渡る。

梶原 (かじわら)

オールバックで小太りの中年男性。千葉県の県立西浜高校の教師。生活指導主任で、管理教育を進める張本人。吉本らと共に強引で理不尽な指導をする。度々問題を起こす柴田ハルを敵視し、彼の友人となる森ととら、城山ひとみも問題視している。

滝 耕作 (たき こうさく)

髭を生やした男性。カメラマン。日本のキャパと嘱望されている。神島かんなをモデルとして撮影したことがあり、彼女とは知り合い。柴田ハルの行動に注目し、彼の考え方の危うさを厳しく指摘することもある。後に柴田ハルにある思いを込めて、自らの写真集「世界の17歳」を渡す。

甲田 ヒロト (こうだ ひろと)

短髪の少年。千葉県の県立西浜高校 1年生。中学生の時に、陸上部で活躍する柴田ハルを見て憧れ、同じ高校に入学したという。柴田ハルを「しばやん」と呼ぶ。同じく県立西浜高校 1年生の今井京子達と、ロックバンドパワースラムスを組んでいる。柴田ハルの企画によって県立西浜高校の学園祭をメジャーデビューの場にする。 学園祭後、柴田ハル、森ととら、今井京子と共に高校を中退した。

ロッキー

イタリア人の男性。大学生だという。恋人のソフィアと共にペルーで金を採掘している。ペルーでガリンペイロとなった柴田ハル達と出会い、共に金採掘をする。様々なサバイバル術に長け、インディオの言葉も習得している。ゲリラの新インカ同盟に捕らえられた際、柴田ハル達と離れ離れになるが、インディオの村で再会。 再び行動を共にし、インカ帝国の伝説・ビトコスを目指す。

タクマ

小柄な老年男性。旧日本軍の生き残りで、ゲリラの新インカ同盟を組織している。普段は柔和だが、鋭い表情を見せるとゲリラ達は凍り付く。金鉱脈を発見した柴田ハル、神島かんな、ロッキー、ソフィア達を捕らえ「裁判」にかける。肥え太った世界の文明を破壊するために活動していると語るが、真の目的は別にあった。 ロッキーは、彼が書き残したノートによって新インカ同盟の目的と、ガルシア・リョサの出自を知る。

笹山 (ささやま)

小柄な老人。日本人でペルー中部のプカルマに住みピンメタ(胡椒)畑を営んでいる。ゲリラ新インカ同盟の首謀者タクマとは旧知の仲。 柴田ハル、神島かんなを助け、ペルーのひどい現状を2人に聞かせる。後に城山ひとみの世話もしている。

ガルシア・リョサ (がるしありょさ)

インディオの村に住む若者。スペイン人を父に持ち、メスティソと呼ばれる。日本に滞在したことがあり、日本語を少し話す事ができる。他の村人達から拒絶された柴田ハル、神島かんなを助けるが、ビトコスを探している事を知り激しく拒絶する。婚約者を亡くした経験から、日本を激しく恨んでいる。 ロッキーによって、ビトコスの秘密を守り抜いたインカ帝国最後の皇帝・トゥパク・アマルの末裔であり、インディオ達を指導する立場にあることが明かされる。その後、ビトコスに向かう柴田ハル、神島かんな、ロッキー、ソフィア、麻見今日子達と激しい戦いとなる。

麻見 今日子

ジャパンTVの女性ディレクター。山ちゃんと共に、初の日系人大統領・アベルト・フジオーの取材のためにペルーを訪れ、柴田ハル、神島かんな、ロッキー、ソフィアと出会い、ビトコスを目指す彼らと行動を共にする。極限状況にあっても娯楽としての映像を取ることを第一に考え、シナリオずくの行動をしようとする。 柴田ハルはその姿勢にかつて在学した県立西浜高校の管理体制を思い出し、反発する。後に単独でインディオ達を籠絡し、ビトコスの秘密に迫ろうとする。

オールバックに髭を生やし、サングラスをかけた男性。テレビJPの社員で『トレンドNOW』という番組のプロデューサー。柴田ハル、森ととら、神島かんな、城山ひとみの4人に注目し、彼らを素材として番組を制作する。彼らの主張を放映し、県立西浜高校の生徒指導主任・梶原まで引っ張り出し大きな反響を得る。 その後ペルーに渡った柴田ハル、神島かんなの様子を麻見今日子が撮影したビデオを見て知り、ペルーに渡る。森ととら、城山ひとみを連れて2人と再会する。

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