概要・あらすじ
12歳の森田文武(モリタケ)は、野球と睡眠と食事が生活のすべて。彼の所属する富士見リトルに神埼しおりが入部してからモリタケの生活が一変する。しおりはモリタケと同じ年だが、女子ながらにすでに速球派のエースピッチャーとして活躍していた。しおりの加入で強くなった富士見リトルのライバルは全国優勝の実績もある強豪チームの住吉リトル。
住吉リトル所属の古荘勇樹は「十割打つ」と言われる天才バッターでかつブロックも完璧なキャッチャー。しおりに淡い恋心を抱くモリタケだが、しおりは勇樹が少し気になる存在だった。
登場人物・キャラクター
森田 文武 (もりた ふみたけ)
通称「モリタケ」。富士見リトル所属。俊足でショートを守る、負けず嫌いの熱血少年。夏休みに身長が6センチ伸びて151センチになる。小柄でバッティングや送球がレギュラーレベルではなかったが、猛練習と身体の成長によりぐんぐん実力を伸ばし、4番バッターにまで成長する。神埼しおりを見ると、いいようのない反骨心と嬉しさを感じるが、それが好意と気づくのはずっと後になってからだった。
神埼 しおり (かんざき しおり)
富士見リトル所属。細身でショートカットが爽やかな少女だが、富士見リトルではエースピッチャーとして君臨する。左投げでストレートと多彩な変化球を操る。インコース高目をえぐるスライダーが最大の武器。古荘勇樹に淡い恋心を抱いており、最高のスライダーを投げることが、彼に気持ちを伝える唯一の術だった。
古荘 勇樹 (ふるしょう ゆうき)
住吉リトル所属。キャッチャーで4番。打率十割バッターと呼ばれる天才打者。送球やブロックも上手く、寡黙で真面目な性格。神埼しおりが「女子が野球をやってるぞ」と野次られた時に、野次った連中を黙らせた。しおりのスライダーを打ちあぐね、バットを短く持つようにとアドバイスされるがプライドからそうしなかった。
立花 アヤコ (たちばな あやこ)
住吉リトル所属。「女金太郎」の異名を持つ、剛腕ピッチャー。右投げで左打ち。女子にしては背が高く、黒く長い髪をきっちりと切り揃えている。その力強いバッティングが魅力だが、のちにピッチングに専念するために打順を9番に下げる。
竹中 (たけなか)
富士見リトル所属。神埼しおりに好意を持つ少年。彼にとってしおりは「太陽」であり、ことあるごとに声をかけたり、食事の時に隣に座ったりと、なにかにつけしおりを気にかけている。
集団・組織
富士見リトル (ふじみりとる)
森田文武が所属する野球チーム。東京の少年野球チーム。エースピッチャーは女子の神埼しおり。しおりが、監督の知り合いの妹だった縁でチームに加入した。
住吉リトル (すみよしりとる)
全国大会で優勝したこともある東京の強豪チーム。十割バッターと言われる古荘勇樹と、女金太郎と呼ばれる剛速球投手の立花アヤコを擁する富士見リトルのライバルチーム。
その他キーワード
スライダー
投球の種類。バックスピン、サイドスピンをかけることで、落ちたり、曲がったりする。作中で神埼しおりが投げているスライダーは、バッターの内側へえぐるように曲がることから「横スライダー」と呼ばれる。
チェンジアップ
速球と同じフォームで球の速さを変える投球。ストレートに慣れたバッターに対して、タイミングをずらすために使う。神埼しおりのチェンジアップは減速しながら落ちていく。
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