甘く危険なナンパ刑事

甘く危険なナンパ刑事

長身で二枚目だが、極度の女好きでナンパな性格をしている相沢光司。しかし決めるべきところはきっちり決める相沢が、同僚刑事や知り合った人々と繰り広げるドタバタギャグコメディ漫画。全25話だが単行本2巻には23話しか収録されておらず、残り2話は西森博之の代表作『今日から俺は!!』の最終巻である38巻に収められている。

正式名称
甘く危険なナンパ刑事
ふりがな
あまくきけんななんぱでか
作者
ジャンル
警察官・刑事・検察官
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概要・あらすじ

千葉北西警察署に赴任することになった新米刑事の相沢光司。長身で二枚目な相沢は極度の女好きで、好みの女性を見かけると勤務中でも通勤中でも躊躇せず声をかけるほどのナンパな男でもあった。しかも警察で支給される銃はダサいという理由で、密輸で手に入れた自前の大型拳銃を使用するという破天荒な思考の持ち主。

さらには金に目がない人間でもある。しかし一方、決めるべきところでは絶対に外さないという一面も。そんな相沢が、3日遅れで赴任してきた権藤や、男装の麗人・小林麻子といった同僚刑事や犯人、知り合った市井の人々と大騒動を巻き起こす。

登場人物・キャラクター

相沢 光司 (あいざわ こうじ)

千葉北西警察署刑事課に所属する警察官。長身で二枚目だが、自分をいかに格好良く見せるかをつねに考えている。刑事になったのも銃を持って犯人を追い詰めることが格好良いと思ったため。また勤務初日に「主役は遅れていくもの」「遅れたほうがワイルドな印象を与える」などという持論で、あえて遅刻を選んだ。 警察で支給される制式採用銃を「リボルバーはダサい」として、密輸品の44オートマグを独自に入手、さらに金メッキを施した上で使用している。銃の腕前はかなりのもので、猫が咥えた魚を正確に撃ちぬくほど。極度の女好きでナンパな性格をしており、通勤中であろうが勤務中であろうがタイプの女性を見かけると即座に口説き始める。 顔の良い女性にはとことん甘く、反面、男性にはひたすら厳しい。また金にも汚く、職務中に発見した大金に目がくらむこともしばしば。しかし、決めるべきときにはしっかり決める行動力と決断力を併せ持つ。悪徳外交官・ミウラとの対決では、日本に大量の麻薬が持ち込まれていること、自分の配下すら容赦せず始末する人物であること、そして何より同僚刑事の小林麻子が不当に傷つけられたことに激怒。 ミウラが外交官だったため上層部から捜査を禁じられると、ひとり大使館に忍び込んで直接対決に挑む。結果、事件は解決するが相沢が関与していたことも発覚。この一件には千葉北西警察署刑事課の面々も協力していたのだが、1人で責任を被ったため地方駐在所の制服警官に左遷されてしまう。

権藤 (ごんどう)

相沢光司の同僚刑事で、相沢の3日遅れで千葉北西警察署に配属されてきた。身長195cmと相沢よりさらに長身、かつ筋肉質で怪力の持ち主。真っ直ぐで正義感の強い性格だが、やや抜けているところがある。そこを相沢につけこまれ、痛い目に遭うことが少なくない。地元は銚子で、幼なじみの洋子に長く想いを寄せている。 あるとき一大決心し、洋子に告白しようと里帰りするが、それに勘付いた相沢が銚子に現れ、妨害されることに。しかし結局、洋子は別の男性と婚約していることが本人から伝えられる。権藤は潔く身を引こうとするが、相沢に唆されて洋子の婚約者が所有するBMWをドブに叩き込んだ。 これが警察官の不祥事として新聞沙汰になったため、刑事課から交通課に左遷される。

小林 麻子 (こばやし あさこ)

相沢光司の同僚刑事で、権藤の左遷に伴い刑事課に配属されてきた。端正な顔付きの女性だが、男性用スーツを着こなし、口にするのも男言葉。男性に負けることを非常に嫌う。相沢とコンビを組むようになると、その軽薄さに対して基本的にキツくあたる。しかし、ときおり相沢が見せる男気に、女心が刺激されることも少なくない。 相沢の実力は認めつつも、同時に強いライバル意識も持ち合わせている。そんな気持ちのせいで悪徳外交官・ミウラ一味との対決の際、プライドが勝って相沢の助力を受けようとしなかった結果、ナイフで刺されて重症を負わされた上、さらわれて人質にされてしまう。自分の失態にもかかわらず、相沢の命をも顧みない懸命さによって救われる。 その後、自分の入院中に大使館に忍び込んでミウラとの決着をつけた相沢がすべての責任を取らされて遠方に左遷されると、相沢好みの女性らしい格好で会いに行くのだった。女装趣味を持った兄がいる。

課長 (かちょう)

千葉北西警察署で刑事課課長を務める相沢光司の上司。落ち着いた佇まいの中年男性で、相沢の良き理解者でもある。しかし若いころはヤンチャな刑事で、相沢が自分の44オートマグが世界一の銃だと自慢すると、自分の所持する44マグナムスーパーブラックホークこそが世界一だと対抗した。 この44マグナムスーパーブラックホークは相沢同様、密輸で入手したもの。なお、のちに相沢が悪徳外交官・ミウラと対立し、ひとりで大使館に乗り込んだ際、相沢を極秘にサポートするため忍者に変装して駆けつけた。このとき44マグナムスーパーブラックホークを持っていたため、相沢にはすぐにその正体を勘付かれてしまう。

山田 (やまだ)

千葉北西警察所刑事課に所属する警察官で相沢光司の先輩。出勤初日、課長から拳銃を渡された相沢が「悪者を捕まえるのはそんなクズ鉄じゃない」と熱く主張するのを聞き、銃に頼らない気概を持った頼もしい後輩が入ってきたと感心する。しかしその後、相沢とパトロールに出ることになると、少し乱暴な運転で走る車に向かって相沢は自慢の44オートマグで発砲。 相沢の言う「クズ鉄」は警察で支給されるリボルバーを指し、自分はもっといい銃を持っているということ意味していたことを知る。さらに相沢が撃った車がたまたま強盗犯のものだったため、人質にされてしまう。妻と2人の娘がいる。

青島 (あおしま)

千葉北西警察署で凶悪犯を担当する粗暴な刑事。いかつい顔付きをしており髪型はパンチパーマ、さらに相沢光司をはるかに上回る体格をしている。相沢と小林麻子のコンビが関わった事件で2人がしくじったため担当を引き継ぐが、青島自身も犯人の罠に嵌って気絶してしまう。 しかし相沢・麻子は担当を外された後も警戒しており犯人を打ち倒す。その後、相沢と麻子は青島に手柄を譲る形で現場を去り、青島は2人を認めるようになった。

榎本 由美子 (えのもと ゆみこ)

17歳の女子高生。極度の方向音痴で道に迷っていると、地元ヤクザに家出娘と間違えられてしまう。どこかに連れていかれそうになったため、ヤクザの股間を蹴って逃亡。怒ったヤクザに追いかけられていたところ、通りかかった相沢光司に助けを求めた。相沢がヤクザたちを蹴散らすが、そのときの相沢は小林麻子から頭部に打撃を食らわされ記憶喪失になっていたため、殺し屋ジョーと名乗る。 しばらくは相沢のことを殺し屋だと信じていたが、のちに刑事だと知った。知り合いのトラブルの解決を相沢に依頼したり、ある事件で相沢が高校に潜入してきたりして信頼を置くようになり、また恋心も抱くようになる。 可愛らしい外見に似合わず、相沢が驚愕するほどの腕力や脚力の持ち主。

阿部 恵 (あべ めぐみ)

ごく普通の女子高生だったが、あるとき父親が女を作って出て行ったため道を踏み外してしまう。万引きや喫煙を相沢光司と小林麻子に発見され、補導されそうになる。最初は相沢のことを下心を持った大人だと信頼していなかったが、自分のために一生懸命になる姿を見て心を開いた。しかし相沢に対しては男性としてではなく、父親として慕うように。 実際に相沢に父親になってもらおうと、母親を紹介して再婚させようと考える。あまりに年上のため躊躇する相沢だったが、なりゆきで阿部家を訪れると恵の母親は恵の姉にしか見えない若々しく美しい女性だった。阿部家に居着くことを相沢が決めたそのとき、心を入れ替えた恵の父親が戻ってきて一家は元の鞘に。 阿部孝輔という弟がいる。

阿部 孝輔 (あべ こうすけ)

阿部恵の弟で、ツッパリ少年。体格は小柄で腕っ節もイマイチだが、根性の入りっぷりは相沢光司も認めるほど。姉の恵が母親と相沢を再婚させようと考えていることに反対し、相沢を排除しようと挑むがまったく相手にされなかった。父親が戻ってきたことで家族が元通りになり、恵と相沢のつきあいがなくなったのち、自身がカツアゲされかけていたところで再会。 小林麻子や榎本由美子とも知遇を得る。その後由美子と一緒にいたときに、悪徳外交官・ミウラと相沢が対決している現場に遭遇。由美子を逃がすために持ち前の根性を発揮し、追い詰められていた相沢に勇気とヒントを与えた。

ミウラ

某国の外交官でありながら、外交官特権を悪用して日本に大量の麻薬を持ち込んで私腹を肥やしていた。取引の現場を相沢光司と小林麻子に発見され、対立するように。丁寧な口調だが傲慢な自信家で、失敗した部下を容赦なく殺害する冷酷な人物。相沢の撃った銃弾で頬に傷を追ったことを恨み、麻子を人質に取って相沢を苦しめる。 非常に優れた身体能力を持つが、相沢と正々堂々勝負したりはせず、つねに策略を巡らして相対した。

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