うそつきリリィ

うそつきリリィ

高校に入学した早乙女ひなたは、タイプの男性である篠原苑に告白されて彼と付き合う事になる。しかし篠原苑は校内でも有名な女装趣味を持つ一風変わった男だった。様々な困難を乗り越え、二人が関係を深めていく様子を描いた少女マンガ。

正式名称
うそつきリリィ
ふりがな
うそつきりりぃ
作者
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あらすじ

第1巻

高校に入学して早々、面食いの早乙女ひなたは自分の理想を絵に描いたような男子、篠原苑から付き合ってほしいと告白される。初めての彼氏に浮足立つひなただったが、苑は女装で学校生活を送る有名人だった。その事実を知ったひなたは苑に別れを切り出すが、苑は女装をやめる努力をするから交際は続けたいと懇願。男嫌いで鏡に映る自分の姿すら許せない苑だったが、ひなたのために克服しようと訓練をスタートさせる。(女装度1)

ひなたと苑は初めてデートをする事になり、苑は待ち合わせ場所に当然のように女装をしてやって来る。普通の苑とデートがしたいと望むひなたに対し、苑は着替えるから自分の部屋に来てほしいと誘う。早くもキスをする雰囲気になるものの、ひなたの瞳に映る男装した自分の姿を見ると、苑はどうしてもキスができない。早速ぎくしゃくした二人の姿を見た苑の親友、高梨直太は、ひなたと苑のあいだに割って入る。(女装度2)

夏になり、ひなた達の通う高校ではプール開きが行われた。生徒のあいだでは苑は男子用水着か女子用水着のどちらを着用するかが話題になるが、苑はプールには入らない事を選択。しかし、男子のあいだでは見た目は完璧な美少女になった苑の水着姿を想像する者達が相次ぎ、ひなたは自分の彼氏が男子から性的な目で見られる事に嫉妬をする。(女装度3)

ひなたと苑は友達と共に浴衣で花火大会に行く事にした。当然のように苑は女性の浴衣姿で登場し、立ち寄る的屋からは過剰なサービスを受ける。ひなたが自分は苑より女としての魅力が足りないと落ち込んでいたところ、ひなたは運悪くチンピラに絡まれてしまう。そこに助けに入った苑だったが、完全に女性姿だったため、逆に苑が絡まれてしまう。(女装度4)

ひなたはカップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」に興味を持つが、苑が女装しているため、二人では入店できないと悲しそうな表情を見せる。さらにそのカフェは、以前苑が男装姿で店の前を通った際、ガラスに映った自分の姿に気分が悪くなり、破壊してそのまま逃げた店でもあった。ガラスの破損を謝罪し、男装姿でひなたを連れて来ようと決意した苑だったが、オーナーの可愛駆にアルバイト志望だと勘違いされ、女装してウエイトレスとして働く事になってしまう。(女装度5)

ひなた達の通う高校では文化祭が行われる事となり、苑のクラスの出し物は女装喫茶に決定する。一方でひなたはたまには苑を不安にさせたいと考え、自分のクラスの出し物として男装喫茶を提案し、見事採用される。予想通り苑の活躍もあり、女装喫茶は繁盛するが、それ以上にひなたの男装が話題になり、女子生徒が男装喫茶に押し寄せる。そして女子生徒達にチヤホヤされるひなたを見た苑は、珍しく嫉妬するのだった。(女装度6)

第2巻

文化祭が終わり、男装が似合う早乙女ひなたと女装が似合う篠原苑は、「性別を間違ったカップル」として有名になっていた。そんな中、体育祭が開催され、女装して参加している苑を見た一部の女子生徒が、あんな彼氏は恥ずかしいとひなたをからかう事件が発生。気の強いひなたは言い返したが、苑は自分が女装する事でひなたに迷惑をかけていると実感する。そして最後の種目、フォークダンスがスタートすると、ひなたの前に女装を解いた苑が現れる。(女装度7)

クリスマスが近づき、苑は一人でひなたへのプレゼントを探すべく、アクセサリーショップで買い物をしていた。すると苑の目の前を男装したひなたが通りかかったので声を掛けると、相手はひなたの弟、早乙女太陽だった。太陽は女装姿の苑に一目惚れしてしまい、苑は連絡先を聞かれたうえにデートの約束まで取り付けられてしまう。そしてデート当日、待ち合わせ場所に着いた苑は早々に自分が男であると打ち明けるつもりだったが、太陽の顔がひなたに非常によく似ているため、なかなか言い出せない。そして苑は太陽に流され、楽しくデートをしてしまう。(女装度8)

クリスマス当日、苑の家族がひなたと会いたいといった希望もあり、ひなたは改めて挨拶をしに行く事となった。そこで個性豊かな篠原家の面々と対面し、ひなたは楽しい時間を過ごす。男性に囲まれてうれしそうにしているひなたに対し、苑は自分の家族ながら思わず嫉妬してしまう。(女装度9)

自分に尽くしてくれる苑に対し、ひなたは何かお返しをしたいと考えていた。そんな中、ひなたは苑の誕生日を知らない事に気づく。もうすぐひなた自身の誕生日のため、直接誕生日を聞くとまるでプレゼントを催促しているようだと、あえて自分の誕生日を気づかせない計画を立てる。そしてひなたは誕生日が過ぎたあとに、改めて苑の誕生日を聞こうと考える。そしてひなたの誕生日当日、苑には誕生日である事を悟られなかったものの、大好きな苑からおめでとうを言ってもらえない現実に思わず涙してしまう。(女装度10)

バレンタインデーが間近に迫り、ひなたは料理上手な芦屋小町からお菓子づくりを学ぶ。そして出来上がったひなたのチョコレートは、可もなく不可もない普通の出来栄えだった。味見をした高梨直太からも普通と評価されたひなたは、せっかくならば苑の美味しい顔が見たいと、市販のチョコレートを購入。しかしひなたは、直前になって自分が作ったものを渡したいと思い直す。そんな中、苑は後藤から本命チョコレートをもらい、思わず喜んでしまう。そして後藤はひなたと苑のあいだに巧みに入り込み、ひなたは嫉妬。さらに後藤はひなたに対し、苑と別れてほしいと直談判をする。(女装度11、女装度12)

ひなたと苑は初めて喧嘩をし、すれ違いの日々が続く。そんな中、本来の苑が美男子である事を知っている上級生の虎嶋玲那が、苑に自分と付き合わないかと迫る。はっきりと断る苑だったが、玲那からはさっきひなたが浮気をしていたと告げられる。真実を確かめにひなたが所属するクラスに足を運んだ苑は、ひなたと長身の男性がイチャイチャしている姿を目撃してしまう。(女装度13)

第3巻

早乙女ひなた篠原苑芦屋小町小次郎橋本笑・橋本ニコ沢村理央・沢村塁の双子カップルの総勢4組で遊園地へデートをしに行く事となった。楽しい時間が過ぎていく中で、小次郎は苑を本物の女性だと勘違いしていた事実が発覚する。(女装度14)

早乙女太陽、小次郎が新入生として入学して来たと同時に、女装姿の苑は新1年生のあいだで早速噂になっていた。この1年で苑が女装をしている事にすっかり慣れてしまったひなたは、改めて苑に女装をやめるように勧める。そんなひなたから走って逃げ出した苑は廊下で転倒し、さらにバケツで頭を打つ。すると苑は一部の記憶を失い、さらに、自分は女の子になりたいから女装をしているのだと思い込んでしまう。さらに苑は高梨直太に恋して告白をし、一方の直太は苑が巨乳ではない事を理由に断る。失恋してショックを受ける苑の前に、実は自分と交際していた記憶を失った苑に寂しい思いをしていたひなたが現われ、涙を流す。(女装度15、女装度16)

アルバイトを経験してみたいというひなたに、苑は自分も働いているカップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」を紹介する。ひなたは男装をして働く事となり、カップル客の女性からチヤホヤされて人気となる。苑は自分が紹介したアルバイト先にもかかわらず、嫉妬心が抑えきれず不機嫌になってしまう。(女装度17)

虎嶋玲那は、ひなたと苑のカップルといっしょにいる直太の言動が気になっていた。直太がひなたに好意を抱いているように見えるが、ひなたは一向に気づこうとしない。あまりの態度に玲那はひなたに対し、直太の気持ちを考えるべきだと抗議して平手打ちをしてしまう。(女装度18-1「Carnivore×Carnivore」)

鏡に男の姿の自分が写ると叩き壊してしまう悪癖のせいで、苑の兄、篠原庵は寝起きの苑に女装用のウィッグをかぶせるのが日課になっていた。こうしていつものように目覚めた苑は入念にスキンケアをし、季節に応じたこだわりのメイクを施して学校へと向かう。(女装度18-2「苑さんの日常」)

高校に入学した太陽は女子生徒からモテていた。そんな姿を見て何となく気分の悪いひなたは、現状を篠原展に報告。太陽に恋をしている展は何とか彼女ができるのを阻止しようと、ひなた達の通う高校に潜入を決意。しかし、男のままの姿では拒絶されてしまうと考えた展は、女装をして太陽に会いに行く。(女装度19)

ひなたと苑がデートをしていると、偶然小町と小次郎カップルに出会う。小町はひなたと苑に、これから自分の家でいっしょに七夕の飾り付けをしないかと誘う。そこに笑・ニコと理央・塁の双子カップル、玲那と直太カップルも合流。さらに濃いキャラクターの小町の父親も加わって、そうめんではなくパスタで「流しパスタ」を行う。(女装度20)

第4巻

早乙女ひなた篠原苑から二人きりで海に遊びに行こうと誘われ、大いに浮れていた。そんなひなたに対し、早乙女太陽は太ったのではないかと指摘。実際に体重が増えていたひなたは、苑に内緒でダイエットを開始。しかしひなたは極度の空腹のうえに、すれ違いざまに他人から苑とスタイルを比べられた事で、情緒不安定になってしまう。(女装度21)

カップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」でアルバイトをしている苑は、客から自分達が制作したウエディングドレスのモデルをしてほしいと依頼される。苑は新郎役が男装したひなただったらいいと引き受けるが、一方のひなたは苑と並んだ際に自分の身長が足りない事を気にしていた。見映えを重視したひなたは後藤に頼み、新郎役を代わってもらう。(女装度22)

休日、ひなたと後藤はいっしょにショッピングへと出かける。男装した後藤のあまりのかっこよさに見惚れるひなただったが、実は後藤は男装がしたいのではなく、女の子同士としてひなたと遊びたいのだという事に気づく。ひなたは後藤に女性向けのヘアアクセサリーをプレゼントし、二人は楽しい時間を過ごす。そんなひなたを苑はこっそり監視していたが、偶然通りかかった委員長もいっしょに、ひなたと後藤の動向を見守る事となった。(女装度23)

秋になり、ひなたと苑は度々味覚狩りデートに出かけていた。二人の交際は順調に続いているかのように思われたが、突然苑は食事を摂らなくなり、さらにひなたのとなりに並ぶのを避けるようになった。ダイエットではないかと睨んだひなただったが、苑はあっさりとそれを否定。自分の事が嫌いになったのではないかと不安を覚えたひなたは、苑の前で泣き出す。(女装度24)

海外で働いていた苑の母親、篠原琳が5年ぶりに帰国する事になった。篠原家の面々に混ざり、ひなたも琳に挨拶をするため、空港へと向かう。琳は「女好きな男」や「女々しい男」が大嫌いで、ひなたとこの日は男装していた苑の二人を問題なく受け入れる。しかし苑が女装をし始めたのは、琳が海外赴任してからであり、知られたら琳の逆鱗に触れる事は間違いないため、篠原家の面々とひなたは女装趣味を必死に隠そうとする。だが、琳は自宅のあちこちから、女性向けの服やメイク道具などを次々と発見。苑が女装しているとは想像もしていない琳は、夫の篠原慎之介が浮気しているのではないかと疑い、修羅場となってしまう。(女装度25、女装度26)

今年のクリスマスは二人きりで過ごせると期待していた苑だったが、可愛駆から「ラヴァーズ・カフェ」のシフトに入ってほしいと依頼される。当日はひなたもいっしょに働く事になったとはいえ、苑の気持ちは晴れない。そして大忙しのクリスマスの夜のアルバイトが終わり、苑は少しでも恋人ムードを味わいたいと男装し、ひなたと帰る事にした。いつもなら苑の男装姿に大喜びするひなただったが、今日はなぜか反応が悪い。(女装度27)

第5巻

高梨直太篠原苑に、自分の彼女のふりをしてほしいと依頼する。実は直太は大金持ちの子息で、まだ高校生ながらも見合い話が進められており、自分には心に決めた彼女がいると父親を欺くための策だった。嫌々ながらも苑は直太の彼女として直太の実家へと挨拶しにいく事となるが、なぜかその途中には落とし穴などさまざまな罠が仕掛けられていた。一方、虎嶋玲那は思いを寄せている直太と近い距離にいると自負していたものの、直太が苑に彼女のふりをしてほしいと頼んだ事実にショックを受けていた。玲那は、直太が苑のような清楚な見た目の女性が好きなのではないかと考え、まずは見た目から変えようとイメージチェンジを試みる。(女装度28、女装度29)

もうすぐ早乙女ひなたと苑の誕生日がやって来る事もあり、ひなたは何をプレゼントするべきか悩んでいた。そこで芦屋小町はひなたに対し、そろそろ身体の関係をもってもいいのではとけしかける。さらに苑もひなたへのプレゼントに悩んでおり、それを知った直太は高級ホテルの一泊宿泊券を渡し、一晩共に過ごしてはどうかと提案。そして誕生日当日、ひなたと苑は誕生日に高級ホテルに一泊する事となる。しかしひなたは、久々に男装をした苑にドキドキしてしまい、身体の関係をもつどころか逆に突き放してしまう。(女装度30、女装度31)

ひなたは周りにいる女友達が、彼氏から指輪をプレゼントされている事を知る。そしてひなたは、もしかすると苑が指輪をプレゼントされるのを待っているのではないかと考え始め、そのための金を稼ごうとカップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」でのアルバイトを増やす。さらにひなたは苑の指輪のサイズを本人に知られずに測ろうと奮闘する。(女装度32)

バレンタインデーの前、ひなたと苑は後藤から、もっと女性らしくなって委員長に告白をしたいと相談を受ける。後藤は学校内でも男装の麗人として認知されており、今さら女性らしく振る舞えなくなっていた。そこで苑は人気美容師の兄、篠原庵に依頼し、後藤を女性らしいファッションとヘアスタイルの美女に変身させる。そしてバレンタインデー当日、すっかり女性らしくなった後藤は委員長にチョコレートを渡して告白をするが、委員長はこれまで後藤を恋愛対象だと考えた事がなかったと戸惑い、断ってしまう。(女装度33、女装度34)

第6巻

後藤委員長は交際を開始し、順調に愛を育む。一方、早乙女ひなた篠原琳にすっかり気に入られ、彫りの深いイケメンがたくさんいるから海外赴任先まで遊びに来ないかと誘われるなど、ドタバタながらも平和な日常が繰り広げられていた。(女装度35)

今年も春が訪れたものの登場人物は進級せず、ひなた達は触れてはいけない事として、言及を避ける事を決めた。昨年の春に篠原苑が記憶喪失になった出来事があり、ひなた達は今年も同じトラブルが起こると予測していたところ、案の定、苑は昨年と同じように廊下で転び、バケツで頭を打って記憶喪失に陥る。今年の苑は自分が女装をして暮らしていた事を忘れるだけでなく、完全な女嫌いになってしまった。苑は周囲の女子生徒はもちろん、ひなたに対しても冷たい態度を取る。去年と同じようにキスをすれば、記憶が戻るのではないかとひなたは接近するが、苑からは酷い言葉で突き放されてしまう。(女装度36、女装度37)

ひなたと苑の前に、百合好き男子の城田悠里が現われる。見た目は完璧な女にもかかわらず動作は男そのものの苑に対し、城田は内面ももっと女らしく振る舞うべきだと何度も訴える。ただの百合好きかと思われた城田だったが、実はひなたの事が好きで、見た目も内面も完璧な女性として振る舞う苑が相手であればあきらめられる、と考えて行動していた事実が判明。そして自分の気持ちを改めて再確認した城田は、勇気を振り絞ってひなたに告白をする。(女装度38)

ひなた達は担任から進路調査の紙を渡され、それぞれ将来を想像する。高梨直太は父親の会社を継ぎ、芦屋小町も実家の剣道場を引き継ぐなど明確な進路がある中、苑は決定的な夢はなかった。そんな中、ひなた達が通う高校の近くで女子生徒を狙う変質者の目撃談が相次ぎ、苑はひなたを守るため、いつも以上に気合いの入った女装で周囲のパトロールを開始する。(女装度39)

遠い空の上、天の川の周辺では織姫のひなたと彦星の苑がイチャイチャしていた。仕事もせずに遊んでばかりの二人に対し、織姫の父親の直太は激怒。直太は苑に無理矢理女装をさせ、七夕の日だけ本来の男性の姿になれる魔法をかけてしまう。(女装度40)

夏の夜、ひなたと苑、虎嶋玲那と直太、小町と小次郎橋本笑・橋本ニコ沢村理央・沢村塁、後藤と委員長という総勢6組のカップルで肝試しを開催する事になった。通常はカップル同士でペアになるところ、直太の急な思いつきにより、カップルがシャッフルされる。ひなたは小次郎とペアになり、肝試し中に小次郎の小町への強い思いを再度確認したひなたは、微笑ましい気持ちになる。そんな中、実は人一倍怖がりな小町はペアになった苑に思わず抱きついてしまう。その場面を目撃したひなたは、女装しているため女同士にしか見えないうえに相手が小町だと理解しているものの、苑を取られた気分になり、嫉妬してしまう。(女装度41)

第7巻

虎嶋玲那高梨直太は順調に交際を続けていたが、玲那といつもいっしょにいるネコのような外見の生き物、ガオは直太に懐こうとしなかった。直太はガオとなかよくなろうと、連日玲那の家に遊びにいく。そんな中でガオは飼い主の玲那が直太を本気で好きなのだと理解し、玲那を喜ばせるために直太に懐いたふりをする。そんなガオの思いを知らない玲那は喜ぶが、直太はガオの本心を見抜く。(女装度42)

早乙女ひなたは夏風邪を引き、自分の代わりにカップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」でアルバイトをしてほしいと、弟の早乙女太陽に頼む。普通に男装をしてひなたの代わりに働く太陽だったが、篠原苑以外には自分がひなたの弟だと気づいてもらえない。状況をおもしろく思った苑は、太陽に女装させて接客をさせる事を提案。太陽が女装をするとひなたそっくりになるどころか、事情を知らない店長の可愛駆からはいつもよりかわいいと褒められてしまう。複雑な心境でアルバイトをこなす女装姿の太陽の前に、同じく女装をした篠原展佐伯が来店する。明らかに展に好意を抱いている佐伯からライバル認定されて戸惑う太陽だったが、状況を把握していない展は、せっかくだから三人で出かけようと太陽を誘い出す。(女装度43、女装度44)

夏風邪を引いた太陽を見舞うため、ひなたの自宅へ行った展に対し、苑は大いに嫉妬する。そして苑は自分もひなたの自宅に行き、両親に挨拶をしたいと言い出す。苑の強い希望を受けたひなたは、次の休日に自宅へと招く事にした。しかし、その前に苑は女装姿でひなたの父親と出会い、まさか父親とは知らずに苑は自分の本名を名乗ってしまう。そして当日、ひなたの父親は男装姿の苑が以前出会った女の子と酷似している事に気づき、苑は自分の親戚だと嘘をついてしまう。ひなたの父親は、またあの女の子に会いたいと言い出し、苑は今度連れて来ると嘘に嘘を重ねる。追い込まれた苑は兄の篠原軒に普段の自分そっくりの女装をさせ、再びひなたの自宅を訪問する。(女装度45~女装度47)

第8巻

早乙女ひなたの父親は、ひなたと篠原苑の交際は認められないと拒絶。ひなたと別れたくない苑は、女装をやめる決意をする。そしてまずは男に慣れるために芦屋小町虎嶋玲那といった女性陣に男装をしてもらう。さらに小次郎高梨直太といった親しい男性陣とも接近し、苑は男ばかりの環境にいても相手を殴るといった、暴力的な行為は制御できるようになった。そして最後の試練として、苑は男装をした自分と鏡越しに見つめ合うが、ストレスのあまり吐血してしまう。どうすれば男装をした自分を受け入れられるのかと悩みながら帰宅していた苑は、偶然ひなたの父親を見掛ける。声を掛けようとした苑だったが、ひなたの父親はチンピラに因縁をつけられている最中だった。(女装度48、女装度49)

城田悠里の家で子犬が産まれ、あまりのかわいさに一目惚れしたひなたと早乙女太陽は自宅へと連れて帰る。両親も子犬がすっかり気に入るが、子犬の性別がオスである事が判明。人間以外でも男が苦手な苑は触れる事ができないうえに、すっかり子犬に心奪われているひなたを見ていると、苑は一人取り残されたような気分になってしまう。(女装度50)

小町と小次郎は仲睦まじい交際を続けていたが、小次郎が小町の身体に触れようとしたところ、小町は激しく拒絶。小町と小次郎のあいだには気まずい空気が流れる。二人を仲直りさせようと委員長は、今度の文化祭でひなたや苑などなかよしメンバーだけで出し物をしようと提案。優秀と認められると学校からご褒美が出るとあって、ひなた達はすっかりやる気になるが、小町は小次郎はもとより男性陣とそんな事をしたくないと言い出す。小町は女性陣と男性陣で別れ、どちらの出し物が優秀かを競い合おうと宣戦布告。そして女性陣は小町をボーカルとした男装エアバンドを結成し、男性陣は着物を着て接客をする和女装喫茶を出店する事にした。(女装度51、女装度52)

第9巻

文化祭当日、女性物の着物を着た小次郎は大人気となり、女装なら誰よりも美しいと自負していた篠原苑は、妙な対抗意識を燃やしていた。その一方で、芦屋小町は男装エアバンドのボーカルとしてステージに立つ。本来人前に出る事を嫌う小町がこんなに頑張っているのは、よほど自分を許せないからだろうと小次郎は落ち込み、小町と別れる事を考え始める。そんな中、機材トラブルによって男装エアバンドの演奏が中止となる。小次郎は小町を気遣ってステージ上で彼女をフォローし、これをきっかけに二人は無事仲直りする。一方で和女装喫茶が大盛況する裏側では、女好きな美容師の篠原庵によるスパルタかつ完璧なプロデュースが行われていた。(女装度53、女装度54)

早乙女ひなた達の通う高校では、全校生徒で京都へと修学旅行に行く事となった。ひなた達は文化祭で優秀な出し物をしたと賞され、ほかの生徒達よりもグレードの高い旅館に宿泊する事となる。そんな中、以前から虎嶋玲那高梨直太の父親から別れるように嫌がらせを受けていた事が発覚。丁度直太の父親が仕事で京都に滞在している事から、舞子の変装をした玲那と苑がお座敷へと出向き、そこで玲那が直太の父親に直談判をする計画が立てられた。計画はスムーズに遂行され、直太の父親の言動から、玲那を嫌っているわけではなく、直太を心から心配しての行動だったと判明。竹を割ったような性格の玲那を直太の父親はすっかり気に入り、二人は正式に恋人同士として高梨家に迎えられる。何の障害もなくなった事で一気にラブラブになった玲那と直太は、今夜は二人きりで過ごしたいと部屋割を勝手に調整し、ひなたと苑を同室にしてしまう。突然朝まで二人で過ごす事になったひなたは期待するが、苑は勢いに任せず紳士的に振る舞うべきだと、ひなたに触れずに一夜を明かす事を決意する。(女装度55~女装度58)

第10巻

ある日、久々に男装姿で登校して来た篠原苑の姿に、学校内がざわめく。どうしたのかと質問する早乙女ひなたに対し、苑はいつも女装をする際にヘアスタイルを任せている兄の篠原庵が風邪を引いたため、見た目に納得できずに男装して来たと話す。ひなたは庵のお見舞いに行きたいと申し出るが、苑はインフルエンザの可能性があるのでやめておいた方がいいと断る。実のところ、庵は風邪を引くと色気が増し、周囲の人達を誘惑してしまう悪癖があったため、苑はひなたを拒否したのだった。そんな事情を知らないひなたは、せめて食事だけでも届けたいと庵の見舞いに来てしまう。苑はどう対処すればいいのかと悩んでいると、庵はなぜか苑に襲い掛かりディープキスをする。苑は庵とのディープキス事件がトラウマになり、ひなたともキスできなくなってしまう。(女装度59、女装度60)

休日、虎嶋玲那高梨直太の自宅に遊びに来ていた。すっかり直太の父親にも気に入られて楽しい時間を過ごしていたところ、直太に急用が発生したため、玲那が自宅に残る事となる。玲那の相手をするように藤崎英護が残されるが、以前から英護は玲那と打ち解けようとしないため、すぐに気まずい空気になる。玲那なりに気を使ってみるものの、英護は無反応。普段は気の強い玲那も、大好きな直太の側近に嫌われていると考えると、さすがに落ち込んでしまう。(女装度61)

早乙女太陽が学校から帰宅していたところ、突然木の上から花苗が降って来る。花苗をかばった事で軽傷を負った太陽に対し、花苗は自分が経営する雑貨屋兼カフェに誘い、せめてものお詫びにと自慢のカフェオレをご馳走する。太陽が雑貨好きと知った花苗は太陽をアルバイトとしてスカウトし、太陽はそのまま勤務する事となった。そんな中、花苗の知り合いの黒瀬景子が来店し、いつもと違ってテンションの高い花苗を見た太陽は、すぐに花苗は景子に恋心を抱いていると気づく。花苗の片思いを密かに応援しつつも、太陽は次第に花苗に恋をしてしまう。そして太陽は花苗に告白をし、花苗と恋人同士になる。その場面を太陽がアルバイトをしていると知って偵察に来ていた篠原展が目撃してしまい、太陽に声も掛けずに走り去る。その途中で涙を流して立ちすくんでいる景子に遭遇し、お互いの細かな事情を知らない二人は失恋を慰め合う。(女装度62~女装度64)

第11巻

花苗との交際がスタートし、幸せなはずの早乙女太陽だったが、所々で花苗の気持ちはまだ黒瀬景子にある事を感じ取り、太陽は苦悩する。さらに太陽は景子からライバル視されるようになった事で、景子も花苗が好きなのだと悟る。景子の恋心に花苗は気づいていないため、このまま太陽が黙っていれば自分との交際は続くのだろうと理解しつつも、花苗の本当の幸せを思うと言い出せずにはいられない。ついに太陽は篠原展に恋人役を依頼し、花苗との別れを決める。(女装度65、女装度66)

失恋した太陽を励まそうと、早乙女ひなたは自分のアルバイト先のカップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」で、友達を集めたクリスマスパーティーを開催する事にした。太陽はパーティーに花苗と景子の二人も招待したが、ひなたは花苗を前にすると事情はどうであれ、弟の太陽を傷つけた相手だからと笑顔になれない。(女装度67)

「ラヴァーズ・カフェ」のクリスマスパーティーに招待された相川さくらは、以前来店した時から気になっていた可愛わたると再会できるのを楽しみにしていた。さくらは珍しくメガネを外し、素顔でわたるにアプローチをするが、なかなか気持ちが伝わらない。それどころかわたるからは、好きな相手が来ているのであれば手伝うと言われてしまい、さくらは実質ふられたも同然の展開に落ち込んでしまう。(女装度68)

「ラヴァーズ・カフェ」のクリスマスパーティーで姉のさくらとわたるが急接近した事を知った委員長は、姉を取られたようで複雑な心境に陥る。委員長は誤解からとはいえ、過去にわたるが後藤を殴ろうとした事もあったため、どうしてもわたるの存在が認められない。一方、展と太陽が付き合うようになったと誤解した佐伯は、どうしても一言伝えたい事があると太陽の前に現われる。(女装度69)

最近のひなたは、篠原苑とキスもできずにいた。欲求不満のひなたに対し、太陽は自分からキスをしたいと言えばいいと伝えると、ひなたは恋愛上級者に言葉は必要ないと否定する。恋愛上級者を自称するひなたと太陽は喧嘩となり、太陽は年内にキスができなければ、自分に最新ゲーム機を買ってプレゼントしろと言い放つ。自分なら絶対にできると自信のあるひなたは、苑を大晦日の夜に初詣へと誘い、自然とキスをする機会をうかがう。(女装度70)

ひなたは中学時代の同級生から同窓会へと誘われる。中学時代のひなたは、黒瀬拓真に熱烈な片思いをしていた過去があり、あまりのこじらせぶりに自分の黒歴史として封印していた。何も事情を知らない苑からも行って来るように後押しされたひなたが会場へ向かうと、さらにかっこよくなった拓真も参加していた。そこでひなたは拓真から、大晦日の夜に彼氏の苑といっしょにいたところを目撃したと声を掛けられる。(女装度71)

第12巻

黒瀬拓真からデートに誘われた早乙女ひなたは、過去の自分と決別するためにも、もう好きではない旨を直接伝える計画を立てる。しかし篠原苑は事情があるとはいえ、ひなたが拓真と会う事が嫌でたまらず、ひなたを欺いて自分が待ち合わせ場所に向かう。ひなたを手放すのが嫌でちょっかいを出そうとしていると思い込んでいた苑だったが、実は拓真はひなたの事がずっと好きだった事を知る。拓真の天然で残念な性格に好感を抱いた苑は、ひなたと二人きりで話す機会を設ける。そこでひなたは改めて拓真にはもう気持ちはないと伝え、これで拓真を巡る騒動は終了する。しかし、ひなたは苑が自分を欺いて拓真との待ち合わせ場所に行った事、そして苑一人で騒動を解決した事に立腹するものの、同時に深く愛し合っている事実も確認し合い、ついに初めて身体の関係を持つ。(女装度72~女装度76)

ついに苑と一線を越えたひなたは、周囲のカップル達の事情を気にしていた。特に感情を表に出さない橋本笑・橋本ニコ沢村理央・沢村塁の双子カップルがどんな風に交際しているのかが気になり、ひなたは尾行を開始。すると双子カップルの日常が気になっていた仲間達が続々と尾行に加わり、塁にはあっさりばれてしまう。そんな中、塁とニコは踏切で地縛霊の少年と知り合う。(女装度77、女装度78)

第13巻

バレンタインデーが近づき、早乙女ひなたは一線を越えてますます美しくなってしまった篠原苑を見返すためにも、美味しいチョコレート菓子を作ろうと奮闘していた。今年も芦屋小町が先生となり、ひなた、虎嶋玲那後藤橋本笑・橋本ニコにレッスンを行う。そしてバレンタインデー当日、ひなたは前回の文化祭で男装バンドを組んだ事もあり、女子生徒達から、チョコレートを渡したいから男装をしてほしいとお願いされる。好意を無碍にはできないひなたは、男装してプレゼントを受け取るが、着替える時間がなく男装のまま苑に本命チョコレートを渡す羽目になる。一方、玲那はチョコレートを渡しに来る女子生徒に対し、女の自分に現実逃避せずに男子に渡せと突き放した事で、さらなる女性ファンを獲得。苑は性別が男でも見た目は女だからと、男子生徒達にチョコレートをくれないかと詰め寄られていた。(女装度79、女装度80)

玲那はバレンタインデーのあと、高梨直太の様子がおかしいと気にしていた。理由を聞いてもごまかす直太に対し、玲那は少し寂しく感じていた。実は直太はバレンタインデー当日、玲那が藤崎英護に義理チョコを渡した際、英護が玲那に恋している事に気づいてしまったため、一人で苦悩していたのだ。直太は自分の事を一向に話したがらないため、玲那は英護に何か変わった事はないかと相談をする。すると英護はすぐに自分の玲那に対する恋心を悟られてしまったのだと気づき、正直に自分が恋をしているからだと玲那に告白。突然の三角関係に戸惑う玲那はひなたに相談するが、ひなたはパニックのあまり苑プロデュースの女装対決で決着をつけるべきだと提案してしまう。ひなたを頼っていても仕方がないと悟った直太と英護は、改めて玲那に対する思いをぶつけ合う。(女装度81~女装度84)

第14巻

春が訪れ、早乙女ひなた達は、今年も進級しない事となった。春といえば篠原苑の記憶喪失ネタが恒例であり、今年も苑は記憶喪失に陥り、昨年と同様の「女嫌いな男装の苑」になってしまう。「女嫌いな男装の苑」が苦手なひなたはキス以外の方法で苑の記憶が戻らないかと仲間達と模索するものの、なかなかうまくいかない。そんな中、高梨直太芦屋小町は「女嫌いな男装の苑」が実はひなたに心惹かれている事実を見抜き、本人に真実を打ち明けてほしいと迫る。「女嫌いな男装の苑」はひなたへの恋心を認め、昨年苑が記憶喪失になった際に好きになり、今年も再会できた事を密かに喜んでいたのだと語る。そして「女嫌いな男装の苑」はひなたから無理矢理キスをされるのではなく、自分もひなたを好きになったうえでキスをしてほしいと願い、行動を開始する。(女装度85~女装度87)

苑の記憶は戻り、いつもの日常が戻って来た。しかし毎年、苑の記憶を戻すために奮闘しているひなたは、ほかのみんなも恋人が記憶喪失になれば苦労がわかると言い、まずは直太をターゲットにする。記憶を失った直太は輝くほど純粋な性格になり、ひなたは戦慄する。その後は小次郎をターゲットにするが、勘のよさからなかなかうまくいかない。また、橋本笑・橋本ニコに至っては記憶喪失ではなく、中身の人格が入れ替わってしまう。(女装度88)

ゴールデンウィーク、苑の父親、篠原慎之介は海外にいる苑の母親、篠原琳に会いに行く計画を立て、ひなたと早乙女太陽もいっしょに行かないかと誘う。苑と篠原展はひなたの両親に挨拶に行き、二人も同行できる事となった。パスポート用の証明写真を撮影する事にした苑だったが、男装した自分が撮影画面に映る事が耐え切れず、吐血するなどのハプニングに見舞われながらも、ついに出国する日がやって来る。空港でもいつもの癖で女装してきてしまった苑の服を着替えさせるアクシデントもあったが、無事に出国。作中では「海外」としか明記されていない外国に着いたひなたと太陽、篠原家の前に琳が迎えにやって来る。琳は妊娠しており、近々妹が誕生するとみんなに公表する。そんな中、琳の同僚のルーカも現われ、観光スポットを親切に案内してくれるが、その一方で琳のお腹の子は自分の子だったらどうするかなど、慎之介に挑発的な言動を繰り返す。(女装度89~女装度91)

第15巻

篠原慎之介に挑発的な言動を繰り返すルーカだったが、実は他者とコミュニケーションを取るのが苦手だと打ち明ける。ルーカはいつも世話になっている篠原琳の夫と考えて緊張してしまい、無礼な行動に出た事を慎之介に詫びる。そして琳はルーカには好きな女性がいて、その人との会話の練習のためだと篠原苑を女装させ、連日デートへと出かける。苑はルーカと共に過ごす中で、好きな人とは琳なのではないかと気づき、ルーカに直接聞いてみる事にした。するとルーカは琳への恋心を認め、いけないと思いつつも惹かれてしまったと、苑と早乙女ひなたに本音を打ち明ける。苑は女にだらしなく不誠実な慎之介よりもルーカを応援したいと、琳とルーカのデートを実現させた。楽しい時間が過ぎる中、食事中の二人の前に突然慎之介が現われ、琳に対して陣痛が始まっているのではないかと告げる。実は言葉に出していなかったが、琳は陣痛が始まっていたのだ。(女装度92~女装度94)

末娘の篠原欄が誕生し、篠原家は祝福ムードに包まれていた。そんな中、早乙女太陽とホテルの同室になった篠原展は、二人の関係を進展させる絶好のチャンスだと意気込む。しかし太陽は以前、佐伯と偶然出会って話をしており、展は本当は佐伯の事が好きなのではないかと疑っていた。そして太陽は展の恋心には応えられないと拒絶してしまった。次の日、太陽の前に女装姿の展が現われ、あきらめるから最後に一日だけデートをしてほしいと依頼する。(女装度95)

料理好きの篠原軒は一人で市場に遊びに行き、海外の調理器具や食材を見て楽しんでいた。そんな中、日本人の血を引いている女性、ステッラと出会う。そしてステッラは試したい道具や食材があれば、自分の家で料理をしてもいいと、軒を自宅に誘う。ステッラが軒を連れていったのは母親の経営していたレストランで、最近母親が亡くなったと打ち明ける。ステッラは母親が大切にしていたレストランを継ぎたいが、自分には日本風にアレンジされた料理は再現できないと自信を失くしていたのだ。そんな中、レストランの常連客がどうしてもこのレストランのパスタが食べたいと訪れ、軒とステッラは調理を開始する。(女装度96、女装度97)

苑は欄を溺愛し、いつも傍から離れようとしなかった。ひなたはこの時間を利用して苑へのプレゼントを購入し、二人の交際記念日に渡す計画を立てる。そしてひなたは明日は二人でどこかに行かないかと苑を誘うが、苑は欄といたいからと断ってしまう。(女装度98)

第16巻

篠原苑が篠原欄から離れようとしなかった時に、早乙女ひなたは欄に嫉妬してしまった自分に嫌悪感を抱く。自分には苑以外何もなく、からっぽな存在だと危機感を覚えたひなたは、このままではいけないと思い立ち、自分のしたい事を見つけるまで苑と離れていたいと切り出す。苑は最初は反対したものの、ひなたの気持ちを受け入れる。そしてひなたは自分の好きなものやしたい事を探すため、これまで経験した事のない世界へと果敢にチャレンジしていく。(女装度99)

ひなたが在籍するクラスに転校生の桃野千尋がやって来る。声や見た目、雰囲気まで完璧な美少女の登場にクラスはざわめく。そして女装で学校生活をしている苑に興味を抱いた千尋が挨拶に行くと、苑はなぜか吐血してしまう。なぜ千尋に拒絶反応を示したのか不思議に思っていると、千尋は自身が男だと打ち明ける。実は千尋は「身体は男で心は女」という、性同一障害者だったのだ。千尋は見た目も心も女なのに、苑には男としか見てもらえなかった事に傷つく。そして千尋は苑に対し、「何をもって女性と男性を線引きしているのか」と問い、その答えを教えてほしいと懇願。千尋を傷つけてしまった罪悪感から、苑は自分の中の線引きを探ろうとする。(女装度100~女装度102)

久々に黒瀬拓真がひなたと苑を訪ねてやって来た。拓真は二人に対して自分の姉が女性と付き合っていると悩みを打ち明ける。拓真が話をしている最中、偶然にも花苗黒瀬景子が通りかかり、景子と拓真は兄弟だったと発覚。ひなたも苑も花苗と景子の交際を気にせず受け入れている姿を見た拓真だったが、やはり女同士で付き合ったり、結婚を考えたりするのはおかしいと、景子を説得し始める。(エピソード番外編「sisters lily」)

いつもひなた達が暮らす世界と分岐したパラレルワールドでは、男装をして日常を過ごす「男装女子」のひなたが存在していた。そして男装のひなたと付き合う男装の苑の姿は、高校内ではボーイズラブの世界の住民カップルだと注目されていた。あくまで男装女子と言っていたひなただが、途中で性別も男なのではないかという疑惑が浮上したり、ボーイズラブ好きの女子、城田悠里がひなたと苑の同人誌を制作したりと、ドタバタの日常が続く。(パラレル番外編「ボーイズリリィ」)

第17巻

早乙女ひなた篠原苑は付き合っていたが、今は事情があって別れていると知った桃野千尋は、ひなたを激励する。苑以外好きなものがなくてもいいとはっきり明言した千尋に背中を押され、ひなたは苑と再びやり直す事を決意。一方、わざと記憶喪失にさせられた苑は、「身体は男だけれども心と外見は女の苑」になる。そして千尋を自分と同じ仲間だと喜び抱きしめるが、苑は吐血しない。千尋はどんな形であれ苑から受け入れられた事、そして自分の性別を全員からも認めてほしいとわがままになっていた事を認め、苑に謝罪する。そんな中、ひなたは気持ちが悪くなり、もしかすると妊娠しているかもしれないと芦屋小町に打ち明ける。その後、ひなたは苑にも妊娠疑惑を伝えると、苑はなぜかそのまま行方をくらませてしまう。そして戻って来た苑は女装をやめ、これからはひなたのお腹の子供の父親として生きていくと宣言し、ひなたにプロポーズをする。(女装度103~女装度105)

vol.0 番外編

女装男子の篠原苑から告白された早乙女ひなたは、最初は断り切れずに交際をスタートさせたものの、苑の優しい人柄に惚れこんでしまう。だからこそ苑に女装をやめてほしいと願うひなただったが、苑はなかなか応じてくれない。そしてひなたは今度のデートは男装をしてきてほしいとお願いしたにもかかわらず、しっくりこないという理由で、苑はいつものように女装で待ち合わせ場所にやって来た。ひなたは感情的になり、勢いで苑に別れの言葉を告げてしまう。(読み切り「うそつきリリィ」)

女子生徒から圧倒的な人気を誇る双子の兄弟、沢村理央・沢村塁だったが、理央は塁と共に双子の女性としか付き合わない、と周りの女子を相手にしなかった。そればかりか勇気を出して告白をした相手に対し、傷つける言動ばかりをする理央に怒りを覚えた橋本笑・橋本ニコの双子姉妹は、理央と塁と交際してこっぴどく振るという計画を立て、実行する。そして笑は理央、ニコは塁と交際をスタート。最初はあくまで理央への復讐のために交際を開始した笑だったが、次第に理央へ本物の恋心を募らせていく。そんな中、これまで理央に傷つけられて来た女子が「笑とニコは自分達に代わって復讐するために付き合っている」と理央に当初の計画を暴露してしまう。(エピソード「CLO CLO」)

中学生時代、芦屋小町に剣道で勝ちたいと思っている小次郎は、毎日勝負を挑んでいた。しかし小次郎は小町には勝てず、全敗の日々が続く。毎日相手をするのが嫌になった小町は、ある日わざと小次郎との勝負に負ける。すると小次郎は小町が手を抜いた事を即座に見抜いて激怒し、次の日から小町の前に現われなくなった。(エピソード「夏吹雪」)

中学時代、女子から人気のあった高梨直太は、彼氏持ちの先輩と遊びの付き合いをするなど奔放な生活を楽しんでいた。そして高校入学後、直太は女装男子の苑と出会い、苑が女性に夢を見ていると感じ、女も男と同じ汚い生き物なのだと説得。すると苑はそんな事は知っているし、大きなお世話だと直太を拒絶。二人の関係は最悪なものとなった。そんなある日、かつて遊びで付き合った先輩の彼氏が直太を呼び出し、お前が彼女を誘惑したのだろうと激しい暴行を加える。(エピソード「素直」)

登場人物・キャラクター

早乙女 ひなた (さおとめ ひなた)

超イケメン好きの女子高校生。高校入学から一か月にして理想を絵にかいたような顔の男性・篠原苑に告白され、初めての彼氏ができる。しかしその彼は女装が趣味という特殊な男だった。初めひなたは抵抗を感じていたが、時間が経つにつれて愛情と理解を深めていく。喧嘩することもあるが基本的にバカップル。 料理が不得意でクラスメイトの芦屋小町からお菓子の作り方を教わったりしていたが、ひなたは特別美味しくも不味くもない微妙な味の料理を生み出してしまう。男装する事もあり、その時は「ひなたくん」と呼ばれて女子からモテてしまう。可愛駆が店長を務めるカフェで男装をして苑と共にアルバイトをしている。

篠原 苑 (しのはら えん)

入学早々早乙女ひなたに告白して付き合うことになった男子高校生。喧嘩することもあるが、ひなた一筋でいる。すべての女性に対して優しく女好きな反面、極度の男嫌いで、苦手な男に触ると吐血してしまう。身も心も男だが女装が大の趣味で、ひなたと並ぶと苑のほうが美人に見えてしまうほどクオリティが高い。 素顔はかっこいいのに、女装で通学しているため本来の姿を知る者は校内でも少ない。世間体を気にする彼女のために、女装趣味をやめられるように努力中だが苦戦している。鏡に自分の姿が映るだけで鏡を割る癖がある。

早乙女 太陽 (さおとめ たいよう)

早乙女ひなたの一つ下で、同じ学校に通っているひなたの弟。姉によく似た顔をしているため、ひなたの男装姿(通称ひなたくん)の影響で入学時からモテていた。女装趣味を持つひなたの彼氏、篠原苑を、本物の女性だと思って告白した過去を持つ。苑が男だと分かってからも仲のいい先輩として慕い、そして苑の弟である展に気に入られている。

高梨 直太 (たかはし なおた)

天然の巨乳しか認めないと公言する女好きな男子高校生。起業家の父を持ち、豪邸に住むおぼっちゃま。幼い頃から護衛役の影と共に生活している。篠原苑と意気投合し、一番の仲良しになる。苑と彼の彼女である早乙女ひなたをからかいたがるサディストな性格。後に学校の先輩である虎嶋玲那と付き合うが、下の名前をはずかしがってなかなか呼べない一面もある。

虎嶋 玲那 (こじま れいな)

ツンデレな性格をした巨乳の肉食系女子校生。スタイルを武器に同じ学校の有名人、篠原苑に誘惑をかけた。ガオという名の小さな生き物を連れている。後に苑の友達である高梨直太とカップルになり、苑達とも仲良くする事になる。実は音痴なのを気にしている。

小次郎 (こじろう)

普段は着物を羽織り武士語を話す侍風の男。剣道を一緒に習っている芦屋小町と付き合っていて、彼女と同じ高校に通う。学年は小町の1つ下で、早乙女ひなたの弟・早乙女太陽と同級生。女装趣味の篠原苑と初対面の際、本物の女性と勘違いした。

芦屋 小町 (あしや こまち)

料理が上手な女子高校生。早乙女ひなたのクラスメイトで、よく一緒に遊んでいる。剣道を同じ学校にいる彼氏の小次郎と習っている。きっぱりと物事を言うタイプだが、恥ずかしがり屋な一面もある。

藤崎 英護 (ふじさき えいご)

起業家である高梨家に雇われ、跡継ぎの高梨直太を幼いころから守り続けている護衛役の男。普段は「影」と呼ばれているが、虎嶋玲那に出会った際には本名を伝え、その後密かに思いを寄せている。

橋本 笑・橋本 ニコ (はしもと えみ・はしもと にこ)

双子同士の恋愛を夢見る高校生の姉妹。二人とも物静かで大人しい。笑には幽霊が見える。顔もほとんど同じだが、高校の制服をリボンが笑、ネクタイがニコという風に分けている。同じく双子の沢村理央・沢村塁達と運命を感じてカップルになった。不思議な味覚を持っていて、作る料理も謎の味になる。

沢村 理央・沢村 塁 (さわむら りお・さわむら るい)

双子の恋愛にこだわり続けていた兄弟。同じような考えの姉妹、橋本笑・橋本ニコと付き合っている。理央には幽霊が見えるらしく、彼女である笑と一緒に何もない空間に喋りかけたりしている。橋本姉妹の料理を唯一食べられる不思議な味覚を持っている。

委員長 (いいんちょう)

美男子だが、普段はメガネをかけて地味な顔をしている男子高校生。同級生で女装趣味のある篠原苑があまりにも可愛いので気になっていたが、しだいに早乙女ひなたと友達の後藤という女子生徒に惹かれいく。

後藤 (ごとう)

身長がとても高くてスタイルの良いモデル体型をしているが、それがコンプレックスで、前髪で顔を隠す内気な女子高生。同級生の早乙女ひなたとの出会いをきっかけに前を向きはじめ、彼女の影響で男装をするようになると周りから注目される。後に自分を女性として見てくれる委員長に惹かれ、付き合う事になる。

篠原 慎之介 (しのはら しんのすけ)

四人の息子を持つ篠原家の父親。妻は仕事で海外にいるため、めったに会うことはない。女好きで有名で、息子の篠原苑が家に連れてきた彼女、早乙女ひなたに言い寄るほどである。ちなみに女好きな性格は息子たちにも受け継がれている。特殊な趣味を持つ苑の理解者でもある。

篠原 展 (しのはら てん)

四人の息子が居る篠原家の四男。女の子のように可愛い顔をしていて、たまに女装する事もある。自ら男の子が好きと発言していて、三男の篠原苑の女装に反対している。男の姿の苑が好きだったが、後に早乙女ひなたの弟、早乙女太陽に思いを寄せる。

篠原 軒 (しのはら けん)

四人の息子が居る篠原家の次男。女好きな性格で、料理が得意。ほとんど家族の食事を任されている。三男の篠原苑が女装する事を喜んでいて、彼のためにかわいい服を買う事もある。顔は苑に似ていて、女装すると可愛くなる。

篠原 庵 (しのはら あん)

四人の息子が居る篠原家の長男。下の兄弟である軒や苑と並ぶ女好きで、風邪など体調を崩すと誰よりもエロくなる性格をしている。美容師として仕事をしていて、苑が女装するためのカツラやメイク道具を揃えている。

城田 悠里 (しろた ゆうり)

百合好きの内向的な男子高校生。常に前髪で顔が隠れているが、実はかわいい顔をしている。篠原苑の女装姿と、早乙女ひなたのツーショットに萌えていた二人の後輩。性格はMっ気があり、そのせいでトラブルを起こすこともある。

可愛 駆 (かわい かける)

カップル専用カフェ店、ラヴァーズ・カフェの店長。奥さんはすでに亡くなっていて、息子の可愛わたると一緒に店の仕事をしている。篠原苑に店の窓ガラスを割わられて怒っていたが、後に和解して良き理解者になった。ちなみに苑は駆の店でバイトをしてガラス代を返している。

可愛 わたる (かわい わたる)

カップル専用カフェ店、ラヴァーズ・カフェで働くパティシエ。店長の可愛駆は父親でもある。チンピラ顔で常に目つきが悪いが、名前のせいでからかわれる事が多い。『うそつきリリィ』番外編で初登場し、本編にも出演している。

ルーカ

篠原苑の実母、篠原琳と海外でいっしょに仕事をしている男性。琳の意向もあり、海外とはどこなのかは具体的に明かされていない。ダンディかつ危険な匂いを漂わせており、早乙女ひなたからは「ちょいワルおやじ」と評され、イケメン認定された。罪悪感を覚えつつも、琳に対して恋心を抱いている。ラテン系の血が入っているため、本来は明るく、女性に対しても開放的な性格であるはずが、やや人見知りで他者とコミュニケーションを取るのが苦手な傾向がある。日本からやって来た琳の夫、篠原慎之介に宣戦布告したものの、慎之介と琳の絆の深さを前に潔く身を引いた。

黒瀬 景子 (くろせ けいこ)

一般企業で働く若い女性。花苗とは学生時代からの親友。黒瀬拓真の実姉。花苗が経営している雑貨屋兼カフェが大のお気に入りで、ヒマな時や嫌な事があった時には入り浸っている。花苗の事が好きだが、花苗からも好意を寄せられている事には気づいていない。明るくノリのいい性格で、花苗のもとでアルバイトとしいる早乙女太陽ともすぐに打ち解けた。太陽曰く、ノリが早乙女ひなたに非常によく似ている。花苗とはのちに恋人同士となった。

黒瀬 拓真 (くろせ たくま)

早乙女ひなたの中学時代の同級生の男子。ひなたの初恋の人。見た目は完璧なイケメンで、面食いのひなたから一目惚れされた。ひなたが自分に恋心を抱き、猛烈にアプローチをしていた事には気づいていたが、当時の親友がひなたに恋をしていたため、ノーリアクションを貫いていた。しかし、ひなたが篠原苑とデートをしている場面を目撃し、ひなたにアプローチを開始するが、ひなたと苑のあいだには入り込めず身を引いている。見た目が完璧ながらも性格は天然なうえにナルシストで、のちにひなたと苑からは「残念な人」扱いされている。姉に黒瀬景子がおり、ややシスコン気味。

花苗 (かなえ)

雑貨屋兼カフェを経営する若い女性。非常にスリムな体型で、顔にはそばかすがあり、素朴な雰囲気を漂わせている。カフェオレづくりが得意だが、本人はカフェインが苦手なので飲まない。気に入った松ぼっくりを手に入れるために木に登っていたが落下。早乙女太陽に助けられた事で太陽と知り合い、アルバイトに誘った。つかみのどころのない不思議な性格であるため、当初は太陽から苦手意識を抱かれていたが、次第に一人の女性として見られるようになった。雑貨屋兼カフェは利益を求めている訳ではなく、密かに恋心を抱いている学生時代からの親友、黒瀬景子のために経営している。景子とはのちに恋人同士となる。

相川 さくら (あいかわ さくら)

委員長の実姉。スタイル抜群の美女。ハーフのため、顔立ちも非常に整っている。さらに派手なファッションを好んでいる事もあり、チャラチャラとした男性に弄ばれる事が多い。そのため、最近は分厚いメガネをかけるなど自衛している。相川さくら自身がデザインしたドレスを篠原苑に着てもらうため、打ち合わせをしようとカップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」に入店した際、そこで働いていた可愛わたるに心惹かれるようになった。意地悪でつかみどころのないわたるに翻弄されつつも、交際をスタートさせた。

篠原 琳 (しのはら りん)

篠原慎之介の妻。篠原庵、篠原軒、篠原苑、篠原展の四兄弟の実母。子供がいるとは思えないほどスタイル抜群で、完璧な美貌の持ち主。現在は仕事のため一人で海外赴任をしており、時々帰国している。赴任先が海外のどこなのかは明かさない変なこだわりを持つ。嫌いなものは「女好きな男」「女々しい男」で、四兄弟はもちろん夫の慎之介までもが女好きである事に心を痛めている。のちに四兄弟と年の離れた娘、篠原欄を出産した。

桃野 千尋 (ももの ちひろ)

性同一性障害の男性。早乙女ひなた達が在籍する高校に転校して来た。完璧なかわいらしい美少女で、声も骨格も外見上は女性のように振る舞っている。物心ついた時から身体は男なのに心は女という違和感を抱えていたが、感情を極力抑えながら男として生きて来た。高校に進学した際、男性の親友に性同一性障害の事を打ち明けたところ、女の恰好をして堂々と振る舞えとアドバイスを受けた。その後、彼とは交際に発展したが別れてしまい、気まずさから転校して来た経緯がある。桃野千尋と手をつなぐと気持ち悪さで吐血してしまう篠原苑に対し、見た目も心も女なのに女の子扱いしてもらえなかった事に傷つく。つねに明るく前向きな性格で、行動力もある。面食いなところがひなたと気が合い、転校先での初めての友達になる。密かにひなたからあこがれられている。

ステッラ

篠原苑の実母、篠原琳の海外赴任先の街で暮らす少女。日本人の血が少し入っており、簡単な日本語は話せる。実家の母親が日本風のアレンジを加えたレストランを経営していたが、亡くなってしまう。母親が大切にしていたレストランを自分が継ぎたい気持ちはあるものの、日本風のアレンジが再現できずに落ち込んでいた。街の市場で篠原軒と出会い、いっしょに料理をする事でいつの間にか恋心を抱くようになる。

佐伯 (さえき)

中学3年生の男子。篠原展の友達。展からは普通の男友達だと思われているが、実は展に恋心を寄せていた。デート気分を味わいたいと女装した展をカップル専用カフェ「ラヴァーズ・カフェ」に誘ったものの、そこで展が片思いをしている早乙女太陽と鉢合わせになる。その後、展と太陽のあいだには入り込めないと自覚して、潔く身を引いた。たまたま好きになった相手が男性の展だっただけで、毎回男性が恋愛対象というわけではなく、元彼女もいる。

場所

ラヴァーズ・カフェ

男女のカップルでしか入店できないカフェ。雑誌でも取り上げられる有名店。オーナーは可愛駆が務めており、駆の息子、可愛わたるが調理を担当している。男装した早乙女ひなたがウエイター、女装した篠原苑がウエイトレスとして勤務している。ちなみに店名の「ラヴァーズ」とは「lover(恋人)」ではなく「robber(盗賊)」であり、「恋どろぼう」という意味が隠されている。

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