神かくし

神かくし

12年前に弟を神隠しで失った男と、その弟とちょうど同じ年の少年との出会いから始まる時代劇。恐るべき神入山を舞台に繰り広げられる2つのエピソード。「あすか」1985年11月号から1986年1月号にかけて掲載された。

正式名称
神かくし
ふりがな
かみかくし
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

郡奉行に任ぜられ、江戸から4年ぶりに故郷へ戻ってきた藤堂主計は、両親の墓参りに訪れた寺でどことなく母に似た少年・瀬ノ尾千冬と出会う。藤堂にはかつて8つ年下の弟「京也」がいたが、12年前、神隠しが起こるとして忌み嫌われている神入山(かみいりやま)で行方不明となっていた。京也も母に似た顔立ちだった。後日、親友である波岡が師範代を務める真貫流道場を訪れると、そこに千冬の姿があり、藤堂に手合わせを申し込んでくる。

藤堂は快く相手をするが、なぜか千冬は藤堂に対してすさまじいほどの殺気を放っていた。(エピソード「神かくし」)

登場人物・キャラクター

藤堂 主計 (とうどう かずえ)

エピソード「神かくし」に登場する。幼名は達也。郡奉行に任ぜられ、江戸から4年ぶりに故郷へ戻ってきた23歳の男性。11歳の時、神隠しが起こるとして忌み嫌われている神入山(かみいりやま)にて当時3歳の弟「京也」が行方不明になり、遺体も見つかっておらず、いまだに弟の死が受け入れられないでいる。心の中で弟がどこかで生きているのではないかという思いが捨てきれず、自分より8歳年下の男に無意識に必要以上の関心を示してしまう。

夏彦 (なつひこ)

エピソード「神入山(神かくしPART.2)」に登場する。美しい黒髪の青年。祖父母のことを「檀の家」と発言していることから、前作『神かくし』に登場した檀雪乃の家系の子孫と思われる。祖父母から近寄らないようにと言われていた神入山(かみいりやま)に入り、UFOを目撃する。

波岡 (なみおか)

エピソード「神かくし」に登場する。藤堂主計の親友。真貫流道場の師範代を務める男性。妻の松代、まだ幼い息子の小太郎と3人で暮らしている。かつて藤堂と共に「真貫流道場の龍虎」と呼ばれた。藤堂のことを思いやり、弟の死を受け入れるよう進言する。

瀬ノ尾 千冬 (せのお ちふゆ)

エピソード「神かくし」に登場する。15、6歳に見える美少年。波岡が師範代を務める真貫流道場に通っている。鋭い太刀を使うが、身体が細くて体力もなく、すぐにバテてしまう。道場に現れた男が藤堂主計であることを知ると、殺意を剥き出して手合わせを申し出てくる。

檀 雪乃 (まゆみ ゆきの)

エピソード「神かくし」に登場する。家老の娘で、城下でも評判の美人。おしとやかで照れ屋。顔を赤らめながら、手作りの杏の砂糖漬けを藤堂主計のもとへ届けにきた。自宅を訪れた藤堂にお茶を出そうとした際、着物の裾を踏んでよろめき、藤堂の頭からお茶をぶっかけてしまった。藤堂は檀雪乃との縁談を断りに訪問したのだが、雪乃の真っ赤になった泣き顔を見て気が変わり、嫁にもらうことにする。

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