竜の旗

竜の旗

海と拳銃が好きなブラジルの資産家の御曹司毛利竜馬が、志を誓った竜の旗を掲げながら七つの海を渡る夢を抱いて活躍するアクション漫画。港で巻き起こる黒鬼組の企む乗っ取り計画や月の輪一家との抗争、さらには街に広がるコレラ騒ぎなどの中で、行動力と大人物の器から次第に人々を惹きつけ仲間を増やしていくさまを描くサクセスストーリー。

正式名称
竜の旗
ふりがな
りゅうのはた
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

移民としてブラジルに渡り農園で成功を治めた大資産家の毛利元輝から、後継ぎとして必要な知識と教養を身に付けるようにと日本に来る事になった毛利竜馬。彼は学校嫌いで港で船を見る事が好きな少年。常識では計り知れない自由で豪快な行動により転校初日から不良グループバンチョーズと揉め事を起こし、世話役のじいや幼馴染のサユリに心配ばかりかけてしまう事になる。

祖父に反対されながらも七つの海に出る夢を諦めきれない竜馬は、港で働くために家を飛び出してしまう。そこは黒鬼組が福井海運から荷揚げの仕事を奪うために放火事件を起こし、荒くれ者の港湾労働者達が集まる危険な場所だった。騒ぎに巻き込まれ黒鬼組に雇われる事になった竜馬は、先輩のブラ源カンオケ班長から激しいしごきを受け続けるが、月の輪一家の差し向けた殺し屋を撃退した事から、次第に周りの仲間達からも認められるようになる。

そんな中で、街にコレラが蔓延した嵐の日に治療薬の抗生物質を積んだ船が港に着く。一刻も早く荷を下ろさなくてはいけなかったが、ちょうどその頃月の輪一家も殴り込みをかけてきてしまう。

登場人物・キャラクター

毛利 竜馬 (もうり たつま)

海と拳銃が何より好きな少年。九州訛りで話す。船に乗って七つの海を渡るのが夢。祖父は移民としてブラジルに渡り農園で成功を治めた毛利元輝。後継ぎとして必要な知識と教養を身に付けるために日本の天済学院に通う事になった。床屋嫌いで服装も粗末な物を好み、移動も自動車を使わないためとても資産家の御曹司には見えない。 喧嘩でボロボロになっても相手に必ず同じくらいのダメージを与える負けず嫌いな性格と、細かい事にこだわらない男らしさを持ち合わせている。幼い頃から慕っているサユリが作ってくれた手作りの竜の旗を心の支えとして今でも肌身離さず持ち歩く。農園の警護で子供の頃から玩具のように扱ってきた拳銃の腕前はオリンピック級で、特別に日本でも所持を許されている。 港での放火事件や荷下ろし競争に関わった事から黒鬼組で働くようになり、先輩のブラ源やカンオケ班長に激しいしごきを受けながら仕事を覚え、わずか半年で15人の部下を従える竜馬班の班長へと出世する。

サユリ

毛利竜馬が慕い祖父と同じくらい頭が上がらない存在の少女。ブラジルから日本に帰って来る際毛利竜馬にお別れとして竜の字を刺繍した旗を渡す。3年ぶりに日本で再会したときも、竜馬はその時の竜の旗を心の支えとして今も肌身離さず持っていた。ホテル暮らしで窮屈な思いをしている竜馬を自分の部屋に来るように誘い一緒に暮らし、家の中にあった亡き父の船長服を仕立て直して着させた。 次々と騒動を引き起こす竜馬の性格を理解し、苦労しながら真面目に勉強をするようにと仕向けて行くが、七つの海を渡る夢を諦められない竜馬は家を飛び出して行ってしまうため、心配が絶えない。

じい

ブラジルの農園主として資産家の毛利元輝に仕え、日本に来た毛利竜馬の世話をする老人。資産家の御曹司にも拘らず、床屋嫌いで髪はいつもボサボサ、服は粗末な物が好きで移動も自動車を乗りたがらない竜馬に手を焼き続ける。港に来て船を眺めている竜馬に、時計を首から下げ早く学校へ行き勉強をするようにと諭す。 竜馬が学校を辞めて船員になりたいと言い出したために困り果て、サユリのアドバイスにより祖父に報告の手紙を書き、許可できるかを確認した。

ブラジル源 (ぶらじるげん)

黒鬼組で一番古くから働いている男。港での荷役では副班長として、働きづくめの労働者達に威張り散らしながら仕事をさせている。道で拾った竜の旗を毛利竜馬が取り返そうとしてきた事から関わり合うようになる。丁寧な姿勢で頼む竜馬に力づくで追い返そうとするほどの荒っぽい性格。福井海運の仕事を奪い急激に不足した人員確保のために仕事にあぶれた他の組からの引き抜きや未熟な風来坊集めに奔走する。 飛島と領分と労働者を賭けて荷揚げ競争を行い、竜馬も含めた20人を黒鬼組に引き入れると、過酷な労働環境でのしごきを続けた。ボーナス代わりに譲り受けた外車に乗っていた所を黒鬼組社長と間違われ、敵対する月の輪一家が差し向けた殺し屋チャン・リーとその相棒に命を狙われるが、たまたま通りかかった竜馬に命を救われる。 その時に殺し屋相手に何もできなかった事で一気に評判を落とし、竜馬への恨みをより一層強いものにした。

飛島 (とびしま)

元々は大手福井海運の社員で荷役作業の現場監督として下請けの黒鬼組のブラ源達を使っていた。黒鬼組の策略により火災事故を起こされ次々と契約が取消となってしまったために責任を感じるが、一度の事故で請け負っていた仕事が激減した事に裏で動いている者の仕業だと考えるようになる。起死回生のために領分と労働者を賭けて黒鬼組との荷揚げ競争を行い毛利竜馬の協力を得ながらも、火つけのジョウを使ったブラ源の妨害を受けてあえなく勝負に敗れてしまう。 そのため自らも仲間20人と共に黒鬼組で雇われる事となり、過酷な環境での労働を強いられてしまう。女心を理解してないため、竜馬に恋心を抱くサナ子の気持ちが分からず、周りから注意されている。

冠桶 (かんおけ)

黒鬼組でドイツ軍の捕虜収容所のような劣悪な環境で働く各班の中でも、その名を聞いただけで誰もが怯えるカンオケ一家と呼ばれる冠桶班の班長として部下達を束ねる男。部下達にも酷い仕打ちをする暴力的な性格だが、仲間思いな一面もある。かつて「東洋の魔王ビッグタイガー」として知られた元プロレスラーで、リングで人を殺した事があると言われる。 実力はマカオで顔を合わせたチャン・リーさえも震え上がらせた。得意技は雷風落とし。

番長 (ばんちょう)

毛利竜馬が通う天済学院で仲間達とバイクに乗りバンチョーズとして幅を利かせている不良生徒達のボス。転校してきた竜馬に学校の掟として自分達のバイクを磨くように命令し、断れば仲間達にリンチをさせて従わせようとした。ボクシング部の主将を務め、自分達のバイクをバラバラにした竜馬の事を部員達を使って痛い目に合わせようとする。 落第生で放校処分になってもおかしくないが、親が裕福で学校に相当な援助をしているために教師も強く言えず、大人達を蔑視した態度を取る。暗闇の中で周りを囲んだバイクが次々と攻撃を仕掛ける車陣と呼ばれるリンチで竜馬を苦しめる。

五郎 (ごろう)

毛利竜馬が通う天済学院で番長に従う不良生徒。登校してきた竜馬をバイクに乗って脅したが無視され、ゴミやアブラムシのような扱いをされる。自分達のバイクをバラバラにされた仕返しとして放課後に竜馬を呼び出す。チェーンを武器に使う。

松本 (まつもと)

毛利竜馬が通う天済学院で生徒達から恐れられている数学教師。授業中に居眠りをしていた竜馬を怒鳴りつける。正体を知らずに資産家の息子を名乗る竜馬を職員室に連れて行こうとして落とした拳銃を拾うが、玩具と思っていたために不用意に銃口を向けて発砲してしまう。弾丸が飛び出し本物だと分かると、ショックで手が麻痺して銃を持ったまま離れなくなり、興奮して職員室で乱射騒ぎを起こす。

医者 (いしゃ)

無精ひげを生やし天済学院の近くでクズ拾いをしていた男。毛利竜馬がボクシング部の連中と喧嘩をしている所を目撃する。さらに怪我をしながらバンチョーズに追われる竜馬を橋の下に建てたオンボロな小屋にかくまい治療をしながら正義のためでなく不良相手に喧嘩をする奴は馬鹿だと諭す。しかし、止めるのも聞かずに挑発されて喧嘩に飛び出した竜馬の短気さに呆れてしまう。 その後デン助に呼び出されて黒鬼組を訪れ、カンオケ一家からリンチを受けた傷の手当で竜馬と再会する。

黒鬼組社長 (くろおにぐみしゃちょう)

港で船の荷役を請け負う黒鬼組の社長。火つけのジョウを使って船の貨物室に放火させる事で親会社の福井海運の信用を失わせ、ライバルの黄田組、茶川組を出し抜いて仕事を横取りしようと企む。計画に勘付いた火つけのジョウを相棒に付け、金と暴力による強引なやり方で次々と福井海運の取引先を奪い、羽振りが良くなると高級外車を購入して貫録を付けようとした。 ライバルの月の輪一家が差し向けた殺し屋チャン・リーとその相棒に命を狙われることになる。

団 重郎 (だん じゅうろう)

左手が義手で仕込み杖を使う殺し屋稼業の男。黒鬼組社長の依頼で福井海運が請け負った貨物船に火を付ける。東京大学卒業生。知恵が回り、火災事件で信用を奪い仕事を横取りする黒鬼組社長の計画に勘付き、近付いて相棒にするように申し出る。脅し役として福井海運の取引先を回り契約を取り付けていき、古くから働くブラ源を出し抜いて副社長となった。

虎丸海運社長 (とらまるかいうんしゃちょう)

16歳ながら父親の後を継いでみるみる業績を上げていったやり手社長。仕事仇の黒鬼組社長からも、頭が切れ度胸もある男だと目を付けられている。射撃の腕には絶対の自信がある。手柄を独り占めしようとする性格が部下からも快く思われてない。事故で怪我をさせた相手の介抱よりも取引の時間を優先したために毛利竜馬の怒りを買ってしまう。

ミィじい

福井海運の飛島の下で働いている男性。黒鬼組との荷揚げ競争で積荷が崩れる事故に遭い、間一髪の所を毛利竜馬に救われたものの、腕を負傷してしまう。

サナ子 (さなこ)

港湾労働者のミィじいの娘。船を探していた毛利竜馬が事故に遭いかけた所を慣れた態度で救い、気を付けるようにと注意する。やがて密かに竜馬に好意を抱くようになり、その事をデリカシーのない飛島にからかわれている。

デン助 (でんすけ)

カンオケ班長を兄貴と呼ぶ腰巾着。毛利竜馬がリンチに遭った時にはカンオケ班長の命令で、雨の中で医者を呼びに行かされた。ブラ源と一緒に黒鬼組社長の車に乗っていた所を、チャン・リーとその相棒に襲われる。口が軽く、自分の命を救ってくれた竜馬の活躍を仲間達に触れ回ると同時に、何もできなかったブラ源の評判を落としてしまい、ブラ源の竜馬への憎しみを深めてしまう結果を招く。

チャン・リー (ちゃんりー)

月の輪一家が勢力を伸ばしてきた黒鬼組社長を殺すために雇った二人組の殺し屋の一人。黒鬼組社長が車で出てくる所を待ち伏せして暗殺しようとしたが、乗っていたのはブラ源とデン助だったために計画は失敗。ブラ源とデン助を見せしめに始末しようとした時に救援に来た毛利竜馬に邪魔をされてしまう。 元プロレスラーで、10人の耳をそぎ落とし13人のアバラを砕き、腕をもぎ取った事も3度で、これまでに51人の対戦相手を再起不能にしている。

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