かおす寒鰤屋

かおす寒鰤屋

『王様の仕立て屋』シリーズの作者である大河原遁の連載デビュー作。東京で明治時代から続く骨董屋・寒鰤屋。若くして寒鰤屋の店主となった倉本駆馬のもとにさまざまなトラブル案件が持ち込まれる職業アクション漫画。骨董屋が舞台だが、骨董そのものを掘り下げるというよりも骨董にまつわる人々のエピソードに主眼を置いたストーリー展開がされる。

正式名称
かおす寒鰤屋
ふりがな
かおすかんぶりや
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

明治時代から続く老舗骨董屋の寒鰤屋。この寒鰤屋を営む倉本家は元々は徳川家に仕えた隠密で、明治維新になって骨董界のトラブルシューターとなるべく起ち上げた店であった。その6代目店主となったのが倉本駆馬。確かな目利きで業界内の信頼も厚い駆馬のもとには、さまざまな案件が寄せられる。

ときに悪徳な御曹司に狙われるうら若き乙女のため、ときに亡き夫の思い出の品を探し求める老婦人のため、ときに悪徳業者に搾取される仏師のため、ときに腕の良さが災いして贋作作家になることを求められた陶芸家のため、駆馬は倉本家に伝わる上泉神陰流を振るい悪漢たちを打ち倒していくのだった。

登場人物・キャラクター

倉本 駆馬 (くらもと かるま)

骨董屋・寒鰤屋の6代目店主。若くして店主になった青年だが、古今東西を問わず目利きの確かさには定評がある。骨董品に対する深い愛情の持ち主で、不正な手段で貴重な骨董品を手に入れようとする者を許さない。また、たとえお金にならなそうな案件でも、依頼人のために真摯に向き合う。 一方、腕っ節は強く、複数の空手の達人を相手にしても軽く打ち倒してしまうほど。駆馬の正体は、かつて徳川家に仕えた隠密の末裔で、上泉神陰流なる武術の使い手。寒鰤屋は駆馬の5代前の当主が明治維新に際して、野に下って骨董界のトラブルシューターとして起ち上げたものであった。また駆馬は、他者の魂を自身の身体に宿す口寄せの術にも長けている。

森山 長蛇 (もりやま ちょうだ)

腕利きの仏師で、もともとは宮城の山寺で黙々と仏像を作っていた。金への執着や俗世への関心が薄く、辻堂という美術商に作品を二束三文で売り渡していたが、辻堂は数万円で入手した長蛇の仏像を数百万円で売却し、暴利をむさぼっていた。倉本駆馬からその事実を知らされた長蛇は、それならそれで構わないと答えるが、駆馬に「職人には自分の作品がどう扱われるかについての責任を感じてもらいたい」との言葉をかけられ考えを改め、また誠実に自分に向き合う駆馬に信頼を寄せるように。 隻眼で左目に眼帯代わりの刀の鍔をつけている。戦いにおいても実力者で、あるとき駆馬と戦うことになるが、駆馬の攻撃をいくら受けてもまったく堪える様子を見せなかった。

水島 大魚 (みずしま たいぎょ)

唐津焼の陶芸家で、10代ながら技術は卓越している。しかしその腕がヨーロッパの贋作売買組織の目に留まり、贋作作家になるよう求められた。大魚には琉球古武術の心得があったため実力で拒否したが、組織が大魚の周囲の人間を襲撃して脅迫してきたたため、周りに迷惑をかけないよう九州から上京。 知り合いだった森山長蛇の勧めで倉本駆馬の家に居候することに。

倉本 韻雅 (くらもと いんが)

倉本駆馬の父親で考古学者。大学で非常勤講師を務めるが、フィールドワークで世界中を飛び回っており、日本にいることは少ない。幼いころも父親に連れられ世界中を旅していた。手癖が悪く、良い骨董品を見つけると無断で拝借することもしばしば。トラブルメーカーで、駆馬を巻き込んで大立ち回りを繰り広げることも。 ただし本質的な部分では事の理非をわきまえており、正しいことのため力を尽くす人物。

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