警察署長

警察署長

警視庁本池上署で10年にわたり署長を務める超エリート警視正・椎名啓介。彼は部下の警察官や住民たちを暖かく見守りながら、地域の問題を解決していく。作者のたかもちげんは連載半ば(単行本3巻)で大腸ガンのため他界。4巻以後はやぶうちゆうきが作画、高原泉が脚本を担当して作品が受け継がれた。やぶうち版で伏線が描かれた啓介の過去は、明らかにされないまま終了する。

正式名称
警察署長
ふりがな
けいさつしょちょう
原作者
たかもち げん
作画
ジャンル
警察官・刑事・検察官
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概要・あらすじ

国家公務員Ⅰ種試験をトップ合格して警察庁へ進んだ椎名啓介。だがその後はなぜか出身地の本池上で、本池上署署長を10年にわたり務めている。警察官にとって出身地勤務は禁忌、また通常1〜2年で異動するキャリアが同じ署の署長を10年務めるのも異例。さらに超エリートらしからぬのほほんとした仕事ぶりも加えて、署内では椎名啓介三不思議と囁かれていた。

同期で入庁した親友・堂上滉一は同じく同期の高杉大二郎の不審死が絡んでいると確信するが、啓介は固く口を閉ざす。本池上署での啓介は昼行灯と揶揄されながらも、部下にさりげなくヒントを与えてさまざまな問題を解決。彼を監視するため本庁から送り込まれたキャリア・相馬利彦も、次第にその人柄に惹かれていく。

こうして啓介はベテラン刑事・篠田三郎、新人の前田吾郎中村あずさららとともに、本池上の暮らしを守るため日々奮闘を続ける。

登場人物・キャラクター

椎名 啓介 (しいな けいすけ)

38歳の警視正。妻・椎名英子、娘・椎名由美。柔道6段。幼い頃に父を亡くし、本池上で母と2人で暮らしていた。東京大学法学部から国家公務員Ⅰ種試験首席合格を経て、警察庁へ。その後何らかの経緯があって本池上署の署長に着任。以後、10年にわたり同署署長を務めている。 一見やる気のなさげな態度で具体的な指示も出さず、署内の一部では昼行灯とも囁かれることも。だが人並み外れた観察力と記憶力を持つ啓介は、解決策の手がかりをさりげなく部下に気づかせる形で管轄区域内の問題を次々に解決していく。

椎名 英子 (しいな えいこ)

椎名啓介の妻。東京大学文学部出身。東大在籍中、椎名英子が被疑者扱いされた強盗事件を啓介が解決して親しくなる。啓介が本池上署署長に着任して2年目に結婚した。旧姓・犬飼。現在は海外児童文学の翻訳をしている。

椎名 由美 (しいな ゆみ)

椎名啓介の1人娘。物語序盤は保育園、後に幼稚園へ通う。本池上駅盗撮事件の犯人を目撃し、解決に貢献した。

堂上 滉一 (どうがみ こういち)

38歳。警視庁第一方面本部長、警視長。椎名啓介の親友。父は地方の駐在所の警官で殉職、現場の限界を見てキャリアを目指した。啓介がトップ合格した国家公務員Ⅰ種試験で、2番の成績。本池上署でのさまざまな事件に際して、しばしば警視庁第一方面本部長の立場で個人的に啓介に協力する。

高杉 大二郎 (たかすぎ だいじろう)

椎名啓介、堂上滉一が警察庁に入庁後、警察大学校で同期となる。教科書とヘッドホンを片時も手放さない変わり者。ほどなく交通事故で死亡するが、警察は飲酒運転と断定。しかし高杉は酒が飲めなかった。没後、高杉が死ぬ前日に出した手紙が啓介に届く。警察庁幹部や遺族はその内容を知りたがったが、啓介は誰にも見せなかった。 高杉の死が啓介のその後の処遇に大きく影響したとされるが、手紙の内容も含めて真相は不明。

青柳 十三 (あおやぎ じゅうぞう)

50歳。警視庁本池上署副署長、警視。柔道5段。椎名啓介が信頼を置く有能な堅物で警察功績章を受ける。家庭では恐妻家。

篠田 三郎 (しのだ さぶろう)

56歳。警視庁本池上署刑事課主任、巡査部長。妻・篠田雅子、娘・篠田聡美(後に結婚)。ベテラン刑事で窃盗捜査のスペシャリストとして知られた。水木健司、前田吾郎らの上司で、とりわけ前田を厳しく教育。後に初孫ができる。

水木 健司 (みずき けんじ)

26歳。警視庁本池上署刑事課巡査。巡査部長の昇格試験および柔道5段の合格が当面の目標。篠田三郎の部下として、恋人・美保の誘拐事件をはじめさまざまな事件解決に奮闘。後に別の警察署へ異動となる。

前田 吾郎 (まえだごろう)

25歳。警視庁本池上署刑事課巡査。水木健司の異動後に着任する。地方での交番勤務の際、強盗逮捕で手柄を立て、刑事になる署長推薦を受けた。絵を描くのが趣味で、似顔絵が得意。後に本池上署で似顔絵捜査官の研修を受けた。上司の篠田三郎から厳しくしごかれる。

中村 あずさ (なかむら あずさ)

22歳。警視庁本池上署地域課巡査。佐賀県出身、父親も警察官で駐在所に勤務。しばしば前田吾郎と組んで、事件解決に貢献した。ロードバイクが趣味。

相馬 利彦 (そうま としひこ)

26歳。警視庁本池上署刑事課係長代理、警部。研修として本池上署に着任したキャリア。実は椎名啓介を調査する任務で公安から送られた。次第に啓介の手腕や人柄に理解を示し、本池上署の活動にも積極的に参加するようになる。マラソンが得意。

信藤 敦子 (しんどう あつこ)

警視庁本池上署警察職員。警察官を志望していたが身長が規定に届かず、警察職員として遺失物届の処理などを担当する。後に同署刑事課巡査長・政野優作と婚約した。父親は第一線級の刑事だったが、警察官との結婚に反対している。

政野 優作 (まさの ゆうさく)

警視庁本池上署刑事課巡査長。後輩の前田吾郎と同じく待機所兼独身寮で暮らし、寮長も務める。屈強で酒好きの熱血漢。信藤敦子とつき合う。

宮本 憲一 (みやもと けんいち)

24歳。毎朝新聞・城南地区担当記者。当初は椎名啓介三不思議の取材を試みていた。後に椎名啓介のメディア露出を通じた治安改善策に協力する形で、紙上での本池上署PRキャンペーンを手がける。

クレジット

原作

脚本

高原 泉

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