Happy World!

Happy World!

世界一不幸な少年と、彼のもとに突如現れた守護役となる美少女・天使の日常生活を描くコメディ漫画。しかし、終盤になると、天使と悪魔のバトルや紛争地域に焦点を当てたシリアスなエピソードが展開され、ヒューマンドラマの様相も呈するようになる。竹下けんじろうが「竹下堅次朗」名義で執筆した作品で、「ウルトラジャンプ」2000年6月号から2006年7月号にかけて連載された。全3巻のOVAが2002年から2003年に製作されている。

正式名称
Happy World!
ふりがな
はっぴー わーるど
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

大村猛は神様から「不幸せ」だけを与えられた不幸体質の中学2年生。これまでにありとあらゆる不幸を経験してきたが、最近は輪をかけて不幸続きで辟易していた。そんな猛の前に「不幸せからお守りする」役割を担っているという天使大村エルが現れる。そこでエルは「不幸せ」は指名制で、猛が他の人物を後任者として指名すれば、不幸体質から脱却できることを説明する。一刻も早く不幸体質から脱却したい猛は、ボールを上空に投げてそのボールに当たった人物を、自分に替わる後任者として指名することを決める。しかし、そのボールが年端もいかない幼女に当たりそうになったため、猛は幼女をかばう形で自分で投げたボールに触れてしまう。そして猛はその場で「オレが契約する、だからオレを守れ」とエルに宣言し、共同生活が始まるのだった。

作風の変遷

当初は主人公が多数の女性から好意を抱かれるハーレムもので、コメディ色が強い作品だったが、後期からはパルメキアという紛争地域を舞台とした、人の生き死にや世界を創造したの存在意義を問うような重いテーマとなる。作者の竹下堅次朗によると、これは「アメリカ同時多発テロ事件」に影響を受けたためであり、「幸せな世界とは何だろう」と考えるようになったことがきっかけであると語っている。

メディアミックス

OVA

本作『Happy World!』は全3巻でOVA化されており、それぞれ2002年12月13日、2003年3月28日、2003年6月27日に発売されている。監督は池端隆史が務めている。主なキャストは大村猛役を矢部雅史、大村エル役を花村怜美が演じている。

登場人物・キャラクター

大村 猛 (おおむら たけし)

中学2年生の男子。この世でただ1人、神様から「不幸せ」だけを与えられている超不幸体質の「神の落し子」。物心がつく頃からさまざまな不幸を経験していたが、大村エルの出現以降、天使との奇妙な日常に身を置いている。正義感が強く、困っている人間を放っておけない善人。しかし、その性格が災いして、貧乏くじを自ら引くことが多い。

大村 エル (おおむら える)

大村猛の「不幸せ」を中和するため、地上へ舞い降りた天使。猛の近くにいることにより、「不幸せ」を中和する力を持っているが、長時間離れていると、その効果は消失してしまう。猛の守護をする際に、地上での生活をするための肉体を手に入れており、見た目は普通の人間。しかし地上のことには疎く、常識に欠けるところがある。反面、ありとあらゆることへの習得スピードは速い。 当初は字もロクに書けなかったが、少し慣れると猛よりも上手い字を書けるようになり、勉強も完璧にこなして見せる。

江口 素子 (えぐち もとこ)

大村猛の従姉の女子高校生。小学生の頃からこっそりエロ本を集めていたという筋金入りの変態。高校では漫画研究部に所属しており、部長を務めている。しかし、顧問の栗巣からは危険人物と見なされ、信頼されていない。将来の夢は漫画家になること。

江口素子の父 (えぐちもとこのちち)

江口素子の父親。職業はデザイナーで、被服の専門学校でも非常勤講師をしていた。当時その専門学校の生徒だった江口早苗と知り合い結婚した。しかし、結婚から間もなく交通事故を起こし亡くなっている。

江口 早苗 (えぐち さなえ)

大村猛の叔母で、江口素子の母親。ブティックに勤めており、そのファッションセンスは独特で、常にメイド服のようなフリルの付いた服を身に着けている。「おばさん」と呼ばれることに抵抗があり、「おばさん」と呼ばれると笑顔で訂正を求めてくる。戦闘能力が非常に高く、人を咎める際の何気ないパンチで、人を壁にめり込ませてしまうほど。 実は過去に行われた格闘トーナメント「イリーガル・ファイト・トーナメント」で優勝した経験もある。当時は「熊殺しの早苗」という異名を持っていた。

ルエル

大村エルの母親で天使。「神の落し子」である大村隆の守護役を務めていた。不正を一切許さない真面目な性格で、当時マジシャンを廃業し、スリにまで落ちぶれていた隆を諭して支えていた。

大村 隆 (おおむら たかし)

大村猛の父親。もともとは有名なマジシャンだったが、演目中の事故で左手を失ってからは、スリなどをして生計を立てていた。幼い猛を残し、長年行方不明になっていたが、その間はパルメキアにて独立運動の支援や、ボランティア活動をして過ごしていた。その結果、「ノーブル平和賞」を受賞している。その後は日本に戻り、猛の学校で校長先生を務めている。 猛の前の「神の落し子」。

プレア

大村エルが生んだ子供の天使。名付け親はエルで、「プレア」は「祈り」を意味する言葉となっている。しかし、絶えず親のエルの生命力である「光力」を吸い取らなくては生きていけない弱い存在。そのため、エルが無理をして「光力」を分け与えすぎ、自分の生命維持が困難になってしまった。そこで、ネルによって「光力」の供給を強制的にストップさせられている。 その結果、「光力」を充分に得られないことが原因で消滅した。

星野 ひかる (ほしの ひかる)

大村猛と同じ中学校に通う女子。弱冠13歳でジュニアのみならず女子剣道の日本一になった美少女。写真集の発売やCDデビューも決まっている人気のアイドル。小学生の頃は引っ込み思案で、人と関わることが不得意だったが、大村猛からはよく遊びに誘われていた。その際に猛から剣道を教えられたり、優しく接してもらった思い出を大事にしており、今でも猛に好意を抱いている。

星野 みちる (ほしの みちる)

星野ひかるの妹。タバコから毒を抽出したり、酒と洗剤からクロロホルムを作ったり、農薬で爆弾を作ったり、電化製品で拷問道具を作ったりと、幼少期からさまざまな物を作ることを得意としていた。自分の力で人を痛めつけることでしか歓びを得られない、天性の問題児。

星野 理子 (ほしの さとこ)

星野ひかると星野みちるの母親。普段は優しい女性だが、アジを解剖するのに夢中になってご飯を作らなかったり、医学書片手に娘の身体を触ったりするなど、奇行が目立つ。ひかるいわく、「一言でいうとよくわかんない人」。

星野 大吾郎 (ほしの だいごろう)

星野ひかると星野みちるの父親。格闘技の心得があり、それなりに腕も立つが、極度のギャンブル依存症。ひかるにアイドルをやらせているのも、自分の借金を返済させるため。ひかるがアイドルを辞めたり、自分のもとから去ることを恐れている。

丸山 獅子男 (まるやま ししお)

中学2年生の男子で、大村猛のクラスメイト。アメリカ人と日本人のハーフの帰国子女のため、英語はペラペラだが発音は悪い。かなりの女好きかつ惚れっぽい性格で、これまで大村エル、江口素子、マリリンなどに想いを寄せていた。もともとは猛とは仲が悪く、お互い喧嘩することもあったが、殴り合いを介してお互いを認め合い、現在は親友となっている。 運動神経が抜群にいい。

日下部 ゆりあ (くさかべ ゆりあ)

中学2年生の女子で、大村猛のクラスメイト。生まれつき身体が弱く、生まれた時点で「長くは生きられない」と宣告されていた。そのため、動作がいちいちスローで、周りからは「トロい」と思われることも多い。しかし、本人は「特別扱いしないでほしい」と申し出ており、学校にも4時間もの時間をかけて毎日通っている。

秋葉 伸二 (あきば しんじ)

中学2年生の男子で、大村猛のクラスメイト。保健委員を務めているが、その動機は「保健室に隠しカメラを仕掛けて女子の着替えを盗撮するため」という不純なもの。男子が身体測定で胸囲を計る時に、女子は測定現場を見てもいいのに、その逆は許されないことに腹を立てている。その他にもスキー合宿の際に女子の風呂を覗こうとしたりするなど、エロへの探究心が人一倍強い。

鬼塚 優 (おにづか まさる)

中学2年生の男子で、大村猛のクラスメイト。クラスの中では寡黙な方だが、2-1ファイトクラブでは賞金が出ることを聞きつけ、参加を表明していた。顔に貼った絆創膏の下に、ヤクザと喧嘩した際にナイフで切り刻まれた傷が隠されているという噂もあり、周りからは恐がられている。中学生ながらに喫煙者で、常にジッポライターを持ち歩いている。

宮本 英治 (みやもと えいじ)

中学2年生の男子で、大村猛のクラスメイト。空手をやっているため、喧嘩が強いと噂されている。本人は「野試合はしない」という考えで、2-1ファイトクラブの参加にも消極的だったが、最終的に参加を表明した。しかし、クラスメイトから集中的に攻撃を受け、30分もの間粘る健闘を見せたものの早々と脱落してしまう。

氏神 勉 (うじがみ つとむ)

中学2年生の男子で、大村猛のクラスメイト。小学校からクラス委員長を7回連続務めてきた成績優秀な人物。しかし、今のクラスでは1票差で猛に敗れ、委員長の座を譲っている。昔から重機が好きで、特にショベルカーを好んでおり、運転もしたことがある。将来の夢はショベルカーを開発する技術者になること。

田宮 絵里 (たみや えり)

中学2年生の女子で、大村猛のクラスメイト。クラスでも発言力があり、面白がって大村エルをクラス委員に推薦したり、マラソン大会で足を引っ張るからという理由で、日下部ゆりあをメンバーから外そうと提案したりしていた。しかし、実際は心優しい性格で、マラソン大会で走るゆりあを応援していた。少々見栄っ張りなところがあり、性経験があることを友達に吹聴していたこともある。

柳 大介 (やなぎ だいすけ)

大村猛と同じ中学校に通う男子。剣道部の主将を務める人物で、女子剣道日本一となった星野ひかるを剣道部に勧誘していた。最初は物腰柔らかく勧誘していたが、ひかるに入部の意志がないことを知ると激昂。有段者のプライドに賭けて、ひかるに剣道の試合を申し込んだが、軽くひねられて敗北する。その後は剣道部を退部してしまう。

井ノ頭 薫 (いのかしら かおる)

大村猛のクラス担任を務める男性。担当教科は数学。30代後半に見えるが、老け顔なだけで実際は25歳。好きなものはアニメ鑑賞で、趣味は昆虫採集。小学生の時に従姉妹のみどりと見かけた幻の蝶である「ゲッコウアゲハ」を捕るため、いまでも毎年夏になると、「ゲッコウアゲハ」を目撃した森に行っている。

マリリン

大村猛の中学校で英語を教えている外国人の女性。授業で大村エルの発音を褒める一方、丸山獅子男の発音は「汚い」と罵っていた。獅子男から「ビッチ」と差別的な発言を受けても、その発音の間違いを指摘し、正しい発音ができるまで何度も矯正させるなど、気の強い性格。

ゆうこ

大村猛の中学校で保険の教師をしている女性。心優しい性格で、生徒からも頼られる存在。保健室では心の悩みや身体の悩みなど、さまざまな悩みを抱えている生徒を対象とした「ゆうこセンセの相談室」を開催している。

ネル

第弐位階第六級の天使。大村エルよりも上位の天使で、下界にいる時は基本的に白猫の姿となっているが、人間の姿になることも可能。しかし、その姿は完璧ではなく、猫耳や尻尾が出てしまうこともある。堅物で融通の利かない性格なため、感情的にならずに事実をストレートに伝えるなど、女性らしさは皆無。

イル

第弐位階第五級の天使。普段はイルカの姿をしているが、人間の姿になることも可能。ネルとともに行動することが多いが、性格は異なり、柔らかな雰囲気の、女性らしいおっとりとした性格をしている。

シャエル

第壱位階第一級の天使で、ネルの母親。脱天しそうになっていたイスラを止めようとしたところを返り討ちに遭い、亡くなっている。死ぬ間際には娘のネルに自分の目を譲渡しており、自分の代わりに神が消えた真実を確かめて欲しいという旨を伝え、その遺志を託した。

ミラエル

第壱階位第一級の天使。現在の天界における最高責任者。下界にいる時は鳥の姿をしている。過去は「神の落し子」であるアーナンダの守護者で、輪廻転生を信じていなかった。しかし、アーナンダの「死の淵に近づいた者にしか知り得ないことがある」という言葉を受け、死という経験を得てない自分には、まだわからないことがあると自覚している。

イスラ

悪魔。もともとはルエルの娘であり、エルの双子の姉。何故か執拗に大村猛をつけ狙っている。常に使い魔である影男を連れており、攻撃手段にも使用する。時には周りの人間を巻き込み、自分の目的達成のために利用するが、猛以外の人間は殺す気はない。光が苦手で、光を浴びせ続けられると身体が小さくなってしまう。

影男 (しゃってん)

イスラの使い魔。物理攻撃は効くが、すぐに再生するので意味がない。また、触手を擬態化させて人間のようなものを作り出すこともできる。イスラの悪魔の力を補給するために、人間の生気となる「元気」を吸い取る役割も担っている。

サリエル

悪魔。もともとは天使の力を研究していた第壱階位第弐級。しかし、探究心に捕らわれ、何体もの天使を殺害した罪で幽閉されていた。天使の力を研究していただけあって、天使対策に余念がなく、「ヘヴンズ=レイ」を無効化する障壁を作るために必要な天使の目が額に埋め込んである。

リズエル

悪魔。サリエルと同じく天使を殺害しており、ともに脱天した。当時脱天した悪魔を処理する追撃隊として活動していたネルによる攻撃を受けて、行方不明となっている。現在も生死は不明。

ラグドエル

悪魔。もともとは第壱階位第三級の天使だった。パルメキアと対立する組織であるムスルハドの一員に憑依し、ラサラ=ハマド=アル=ハザードの命を狙っていた。しかし、戦いの中で天使へと戻ることができ、最終的には我を取り戻していた。

ラサラ=ハマド=アル=ハザード

大村猛のクラスにやって来たパルメキアからの留学生。来日した当初はパルメキアと日本のギャップに戸惑っていたが、猛をはじめとした人の心に触れてからは、人を思いやる心には国の違いがないことを実感している。留学後はパルメキアに帰国し、パルメキアの指導者であった亡き父親の後を継いで、首長となっている。

ライラ=ハマド=アル=サバード

ラサラ=ハマド=アル=ハザードの双子の妹。現在はラサラの秘書を務めている。幼い頃に起こった紛争中に人質に取られたことがあり、その際に火の中に入れられたため、身体中に酷い火傷を負っている。現在でもその火傷跡が残っているが、自分の母親に火中から助けられたことを受けて、あえて手術をせずに、そのまま火傷痕を残している。

久保園 繭 (くぼぞの まゆ)

アイドルを務める高校1年生の女子。世間的に人気の高いアイドルの星野ひかるをライバル視している。さまざまな方法で足を引っ張ろうとしているが、すべて空回りに終わっている。それでも諦めず、悪魔と契約してまでひかるを殺そうとしていたこともあった。自分を真摯に応援してくれるファンの存在を知ってからは、改心している。

ミラエル=クラート

年齢は4歳の男児。生まれつき脳に障害を抱えているが、驚くべき速さで言語を習得し、絵本を完成させている。その絵本は「神さまの贈りもの」というタイトルで、42か国語に翻訳されている。内容は輪廻転生を描いたもので、神の視点から描かれたものとなっている。

(かみ)

この世界の創造をした創造主。天使とも密接な関係にあり、天界にいるとされている。しかし、実は2000年前に突然姿を消しており、その事実を知ることが天使の昇給試験とされている。その真実を知る天使の中には、「神に見捨てられた」と絶望する者も少なくなく、この事実にショックを受けて脱天する者もいる。

みどり

井ノ頭薫の従姉妹の女性。小学生の頃は薫に一緒に昆虫採集に出かけるなど仲良しだった。しかし、大人になってからはガングロキャバ嬢になってしまい、目や鼻、胸などのいたるところを整形している。

大山 増子 (おおやま ますこ)

「イリーガル・ファイト・トーナメント」に参加した女性。空手一筋22年、趣味が山籠もりという純粋なファイター。胴着の下はサラシを着用しており、着やせするタイプで、実はそこそこ胸がある。嫌いなタイプは不真面目な人。

岡野 洋 (おかの ひろし)

小学生の男子。模試での結果が悪かったことを理由に、志望校を変えざるを得なくなり、人生に絶望をして飛び降り自殺をしようとしているところを、大村猛に阻止されている。現在は大学入試までは頑張って生きていこうと考えている。将来の夢は医者になること。

栗巣 (くりす)

江口素子の通う高校で美術教師を務める男性。素子の所属する漫画研究会の顧問を務めているが、素子は何かと問題行動を起こすので、まったく信用していない。特に過去の文化祭の出し物で、素子が「バニーパブ」で酒を出したせいで、顧問である自分が責任を追及されたことを未だに根に持っている。

桐生 ゆかり (きりゅう ゆかり)

井ノ頭薫のお見合い相手。一見すると容姿端麗、品行方正と、結婚相手には理想的な女性。しかし、その正体は結婚詐欺グループに所属している人物で、ターゲットに近づき、自分に好意を持たせて金を騙し取ることを生業としている。

千代子 (ちよこ)

折り紙が特技の老婆。電車にひかれそうになったところを、丸山獅子男に助けられた。そのお礼に、一瞬で何羽もの鶴を折る達人技を見せた。また、自分の技術を一冊の本にした折り紙の教本も発売している。

アーナンダ

僧をしていた男性。大村隆の前の「神の落し子」で、当時はミラエルが守護を担っていた。二代前までの前世の記憶があり、その際に神らしきものの存在に触れたことがある体験により、輪廻転生があると信じている。

集団・組織

ニセジャスティス5 (にせじゃすてぃすふぁいぶ)

大村猛とその友人ら5人で構成された集団。大村エルの天使の力で、ヒーローの仮装を自由自在にできるようになった。子供向けの特撮ヒーロー「ジャスティス5」がもととなっている。当初は正義の名のもとにさまざまな人助けをしており、各メディアでも取り上げられるほど持て囃されていた。しかし、最終的に暴走族を粛清したり、暴力団相手に抗争を繰り広げるようになった。 以降は暴力でねじ伏せる危険な集団として、世間から恐れられている。

ムスルハド

パルメキアと敵対する宗教の極右派の人間の集団。一般的には「国際武装集団」という認識で、自分たちの思想のためであれば、人を躊躇いもなく殺すことのできる人間が多く在籍している。しかし、ラサラ=ハマド=アル=ハザードがパルメキアの首長となってからは組織は解体されている。

場所

パルメキア

首都をガザルとする国。昨年に独立運動を起こし、国連から独立を承認されている。隣国が敵国で現在も紛争が起こっており、地雷が多く埋まっているなど治安は良くない。去年の戦争での被害者は300人で、難民も多い。

イベント・出来事

マラソン大会 (まらそんたいかい)

大村猛の中学校で行われるマラソン大会。新学年になるとすぐ行われるイベントで、42.195キロをクラス全員で分割して走るクラス対抗制となっている。また、走る距離は一人最短1キロから最長2キロまでとなっており、誰がどの距離を走るかは、クラス委員長が適正を見極めて決定することになっている。

2-1ファイトクラブ (にのいちふぁいとくらぶ)

大村猛のクラスで行われた、クラスで一番強い人物を決める戦い。「いつでもどこでも戦う」「素手で戦う」「相手が降参するか気絶するまで戦う」「親、教師に現場を見られたら両者ノックアウトとする」「何があっても相手を恨まない」という5つのルールが制定されている。

井ノ頭先生と行く昆虫ツアー (いのがしらせんせいといくこんちゅうつあー)

夏休みに行う昆虫採集ツアー。大村猛の担任を務める井ノ頭薫が企画した。自分のクラスで参加者を募り、6人の生徒が参加した。目的は薫が長年追い求めている幻の蝶である「ゲッコウアゲハ」を見つけること。

イリーガル・ファイト・トーナメント (いりーがるふぁいととーなめんと)

ルールが「一対一で戦う」のみという、シンプルな無差別格闘トーナメント。武器の使用や、急所への攻撃も認められている。トーナメントの優勝者は、参加者になんでも1つ要求ができるという権利を得る。

その他キーワード

死の三角地帯 (ですとらいあんぐる)

小学生の大村猛が星野ひかるに教えた必殺技。「素早く剣を振って同時に3か所を斬る」というものだが、実際に斬っているのは1か所だけで、後の2か所は他の友達に協力してもらって、遠距離から銀玉鉄砲で援護射撃しているだけ。しかし、ひかるはのちにこの技を本当に体得し、同時に3か所への斬撃を可能としている。

ヘヴンズ=レイ

大村エルが使用する天使の能力の1つ。天使の輪っかからレーザー光線を発射して相手を攻撃する技。天使の輪っかを複製すれば、複数個所からのレーザー光線攻撃も可能となっている。

武装結身 (あーまーどゆにおん)

2体以上の天使を結合し1体の天使にする技。相乗増幅された力は4から20倍までに膨れ上がるが、その分負担も大きくなってしまうことが欠点。サリエルとリズエルが多数の天使を実験台に、数多くの犠牲を出して開発されたもの。

スパイラルドラゴン

大村猛のクラスで起きた「ペン回しブーム」。猛が何日も学校を休んで生み出した新技。最早、ペンではなく掃除の時に使うホウキを回す技となっており、ペン回しの領域を超えている。しかし、教室で「スパイラルドラゴン」を披露した結果、女子生徒にホウキが当たってしまい、この技は永遠に封印されることとなってしまった。

天使の羽 (てんしのはね)

天使が持つ羽のこと。天使の力である聖霊力が込められている。大きさは掌サイズなので持ち運び可能。肌身離さず持っていると、天使が近くにいなくとも、ありとあらゆる不幸を中和してくれるという優れもの。しかし、常に肌で触れていなければ効果は得られない。

スパイダー

星野みちるが発明した液体ゴム。空気に触れると瞬時に硬化する仕組みになっており、人の身体に付着すれば、体の自由を奪うことができる。しかし、熱と刃物には弱いという弱点がある。

天使 (てんし)

人間とは異なる存在の一種。本来は肉体を持たないが、地上での任務に就く天使は肉体を与えられることになる。また、その際の肉体は人間の姿だけではなく、動物などでも可能。過去に地上に降り立った天使の中には、「魔女」や「鬼女」と呼ばれて迫害を受けた者もいる。天使は太陽光などの「光」を吸収し、それを力に変換してさまざまな能力を使うことができる。 大村エルなどが該当する。

悪魔 (あくま)

人間とは異なる存在の一種。もともとは天使だった者が、負の感情に捕らわれて自分を見失うと悪魔と認識される。悪魔は人間の「元気」を吸収し、それを力に変換してさまざまな能力を使うことができる。イスラなどが該当する。

脱天 (だってん)

天使が悪魔になることを指す言葉。脱天にも段階があり、天使が負の感情に捕らわれて悪魔となった状態を「逃魔」。その「逃魔」が完全に天使を捨ててしまった状態を「墜魔」と呼んでいる。また、脱天した場合は、その時点で罪に問われてしまい、天使たちから追われる立場になる。

神の落し子 (ごっずちゃいるど)

世界でただ1人、不幸のみを与えられた人間のこと。大村猛のことを指す。不幸が続くと容易に死んでしまうので、「神の落し子」には守護役となる天使がつくことになっている。守護役となれるのは基本的に上級の天使のみとされているが、天使自身の強い要望があれば、例外として位の低い天使が守護役になることも可能。

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