喜劇新思想大系

喜劇新思想大系

主人公逆向春助を中心に、欲望に忠実すぎる仲間たちの非常識で変態的な日常を描く連作ギャグ。えげつないほどにエロ・グロを追求したスラップスティックなギャグ表現が最大の特徴である。本作以前にはシリアスな作品を主としていた作者山上たつひこにとっては、ターニングポイントとなった作品であり、そのテイストは『がきデカ』へと引き継がれていくことになった。

正式名称
喜劇新思想大系
ふりがな
きげきしんしそうたいけい
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
グロテスク・エログロ
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概要・あらすじ

金も無ければ定職もない青年逆向春助は、鬱屈した性欲をひたすら自慰でなだめる毎日を送っている。その周囲に集まる友人たちもとびきりの変人ばかり。未亡人の志麻やその妹のめぐみなど、女性の影もないわけではないが、事あるごとに性欲が暴走してしまい、痛い目を見る羽目になる。それでも春助まったく反省などせず、明るく変態的な毎日を続けるのだった。

登場人物・キャラクター

逆向 春助 (さかむけ はるすけ)

フロなしトイレ共同のボロアパートに暮らす青年。一応大学出だが、定職には就いておらず、偽造エロ写真などの怪しげな商品を売って糊口をしのいでいる。常に明るくめげないのは美点だが、それを帳消しにして余りあるほどに性欲が強く、行動に抑制が効かない。

池上 筒彦 (いけがみ つつひこ)

逆向春助の学生時代からの友人で、売れない小説家(自称)である。極端な出っ歯で、友人一同からは「無修正反り出っ歯」と馬鹿にされている。

悶々 時次郎 (もんもん ときじろう)

逆向春助の友人で、陰徳寺というお寺で修行中の見習い僧。まともに修行している描写はほとんどなく、自慰用のコンニャクを大量に買い込んだり、春助とともに覗きに夢中になったりと、欲望には負けっぱなしの破戒僧である。

近松 亀丸 (ちかまつ かめまる)

三味線の手ほどきを生業としており、逆向春助たちからは「師匠」と呼ばれている。完全な同性愛者であり、春助を狙っている節もある。玉三郎という恋人がおり、ただれた性生活を楽しんでいる。

与一 (よいち)

逆向春助のいとこ。田舎者で東京の風俗や流行にはうといが、本人はまったく気が付いていない。なかなかの性豪であるらしく、未亡人の若尾志麻に気に入られ情夫となる。

隅田川 乱一 (すみだがわ らんいち)

隅田川外科という開業医の跡取り息子。猫などの動物を切り刻みながら自慰にふけるという猟奇的な青年で、骸骨に皮が張り付いたような風貌をしている。両親が大量殺人で死刑となり、墨田川外科の院長に納まった。

玉無 啓三 (たまなし けいぞう)

巨大な下顎でがっちりとした体つきの警察官。逆向春助が住むアパートに近い交番に勤務している。性格は凶暴で、性欲も強い。エピソードによっては寿司屋の職人や旅館の番頭として登場することもある。

若尾 志麻 (わかお しま)

逆向春助が住むアパートの隣の部屋に越してきた未亡人。大人の色香が漂う美女である。登場時には文子という小さな娘がいたが、いつの間にかいなくなってしまった。また、中盤からはおますという割烹を切り盛りするようになる。

小林 めぐみ (こばやし めぐみ)

若尾志麻の妹の美少女。高校生だが、放課後には姉の割烹を手伝っている。当初は姉の志麻に惚れていた逆向春助だったが、めぐみの登場と共に狙いをこちらに移している。めぐみも春助の変態性に困惑しつつもまんざらではない模様。

山上 竜太郎 (やまがみ りゅうたろう)

若尾志麻の恋人。志麻と共に温泉宿で楽しもうとするが、たまたま居合わせた逆向春助たちに邪魔されまくる。登場時にはまっとうな男性らしく描かれていたが、実は精神を病んでいたらしく病院に収容されてしまう。

館長様 (かんちょうさま)

悶々時次郎が修行している陰徳寺の館長。時次郎が言うには、厳格で崇高な人物とのことだったが、その実体は境内でゲイ専門のホストクラブ男の館を経営するという生臭オカマ坊主であった。

加賀尾 伝七郎 (かがお でんしちろう)

逆向春助の住むアパートに娘と共に引っ越して来た男性。三四込大学の教授を務める。物静かななふるまいの紳士だが、実は娘の生活を天井裏から覗くのが趣味という変態だった。

加賀尾 萩 (かがお はぎ)

加賀尾伝七郎の一人娘。女子高生で逆向春助たちの性欲をビンビン刺激する美少女である。小林めぐみとなかなかうまくいかず、悶々としていた逆向春助は、仲間と共に彼女をレイプしようと画策する。

山上 たつひこ (やまがみ たつひこ)

作者である漫画家山上たつひこ本人。頻繁に挿入される楽屋落ちギャグの際に、アシスタントや編集者と共に登場する。

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