異色列伝 怪力の母

異色列伝 怪力の母

戦国時代の武将、清水康英の妻が怪力だったという史書から着想を得て描かれた歴史漫画。北条家直轄の武家・伊豆の清水家に嫁いだ怪力を持つ娘、寿を中心に、戦国時代を生きる武家の一家を描く。

正式名称
異色列伝 怪力の母
ふりがな
いしょくれつでん かいりきのはは
作者
ジャンル
戦国
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

戦国時代、伊豆奥を支配する郡代清水家寿と言う娘が輿入れしてくる。寿は男ひとりを片手で持ち上げるほどの怪力と、敵に対し物怖じしない心の強さと、領民や子を思う慈愛、夫の留守を守る責任感を持ち合わせた娘だった。祖母や義母の教えを守りつつ、戦国の厳しい世に領民を守り、より良く暮らすために努力する寿の姿を中心に、夫、清水康英の合戦場での様子、息子達の成長や嫡男としての煩悶など、戦国時代を生きる武家の一家を描く。

登場人物・キャラクター

寿 (ひさ)

男ひとりを片手で持ち上げるほどの怪力と、敵に対し物怖じしない心の強さと、領民や子を思う慈愛、夫の留守を守る責任感を持ち合わせた娘。母としては時に厳しく、時に優しく子供達を育て上げる。海賊に襲われたことを機に、男達が合戦で居ない間、領地を守るために女水軍を作り上げる。この試みは失敗し、領民の信頼を失ったが、その後の振る舞いにより再び信頼を取り戻す。 夫は伊豆奥の郡代清水家当主清水康英。

清水 康英 (しみず やすひで)

寿の夫で、後に伊豆奥を支配する郡代清水家の当主となる。寿と同じく怪力の持ち主。戦いが続き、困窮する清水家と臣下、領民を努力してまとめあげる。戦場に赴いている事が多く、屋敷を離れがち。当主となってすぐは能力を不安視されたものの、主君、武家としての矜持が高く、部下を思いやることのできる主であったため、後に信頼を得る。

清水 又太郎正秀 (しみず またたろうまさひで)

清水家の長男。清水家嫡男として育つも、芸事に生きる事を望み、家を出奔する。流浪の最中、首代引受人と出会ったことで、京へ向うことを決意。戸部掃部の屋敷で絵を描くこととなる。後に、松永弾正久秀に召し抱えられ、正秀の名を与えられる。筋金入りの平和主義者。 実在した歴史上の人物、清水又太郎がモデル。

清水 新八郎政勝 (しみず しんはちろうまさかつ)

清水家の三男。13歳にして30名以上の女子を犯してしまうほどの性欲を持て余していたが、母である寿、および妹の梅と共に岩屋に籠もり、忍耐を学んだ以降は落ち着きを見せる。実在した歴史上の人物、清水政勝がモデル。

お権 (おごん)

清水家の領地である伊豆奥に住まう領民の中年女性。志乃の母。寿の要請に応じ、女水軍に参加する。良き理解者だったが寿の失敗から狼藉者に娘を攫われた際は、領主の妻である寿をなじればただではすまないことを理解しながら、寿を強く責めた。後に和解し、最大の理解者となる。

志乃 (しの)

お権の娘。清水家の領地である伊豆奥に住まう領民の女性。寿の教えを理解し、実践する。後に清水家へ戻ってきた清水又太郎正秀に愛され、妻にと願われる。

水柱 勢左衛門太吉 (みずばしら せいざえもんたきち)

清水康英に仕える家臣。城代家老に任命される。幼い頃康英と力比べをし負けたさい腹に深い傷を負う。この傷が癒えるまで康英が看病をしたこともあり、康英との信頼関係が厚い。

戸部掃部 (とのべかもん)

京を占拠している六角義賢に仕える武将のひとり。清水又太郎が屋敷の壁に書いていた竜の絵を気に入り、最後まで書く事を許す。後にポルトガル人がその絵を購入したいと申し出たことから、又太郎を屋敷にあげ、絵を描かせる。過去の戦で首代手形を発行しており、この代金を取り立てに現れた首代引受人を抹殺しようとする。

首代引受人 (くびだいひきうけにん)

戸部掃部の首代の取り立てを引き受け、屋敷に向かう途中、清水又太郎と出会い、その歌曲を高く評価する。その後、戸部掃部の屋敷で家人に追われたさい、絵を描くために部屋を与えられていた清水又太郎に命を救われる。

松永 弾正久秀 (まつなが だんじょうひさひで)

永禄五年の京を支配している実力者のひとり。清水又太郎正秀の芸術の理解者で、特に音楽の才能を高く評価しており、セッションを楽しんでいる。又太郎を召し抱え、正秀の名を与えた。後に又太郎が清水家に帰るために暇を乞うた際、餞として脇差と鼓を持たせる。 実在した歴史上の人物、松永久秀がモデル。

山科 言継 (やましな ときつぐ)

朝廷で音曲役を勤める公卿であるが、武士の世となり朝廷も荒れ果てているためお役を果たすこともなく、野草から薬を作製し、生計を立て、貧乏暮らしをしている。しかし明るさを忘れず、お人良しで子供のようなところのある人物で、戦で親を失った子供達を集めて育てている。情報収集が好きで、自身が見聞きしたことを言継卿記としてまとめている。 実在した歴史上の人物、山科言継がモデル。

上泉 伊勢守信綱 (こういずみ いせのかみのぶつな)

剣の達人。上野国勢多郡城主の子として生まれるも、武田に破れ国を離れる。一番弟子である神後伊豆守宗春、および甥の疋田文五郎と共に旅をしている。狼藉者の手から幼児を取り戻すところを清水新八郎政勝に目撃され、話を聞きたいと乞われたために同行する。実在した歴史上の人物、上泉信綱がモデル。

集団・組織

清水家 (しみずけ)

『異色列伝 怪力の母』に登場する一族。北条家より伊豆奥の土地を拝領し、郡代として治める、北条家直轄の武家。財政的には厳しいものの、武勇や武家としての矜持が高く、領民や臣下を大切にする一族として、や主君北条氏康や領民から信頼を得ている。

SHARE
EC
Amazon
logo