がきデカ

がきデカ

日本初の少年警察官を自称するこまわり君の変態的な行動が巻き起こす騒動を描く1話完結式のギャグ漫画。ギャグ漫画なのに劇画調のリアルな絵で描かれている、ボケ役とツッコミ役の明確な役割分担がある、ツッコミ役のリアクションも含めてギャグが構成されているなど、当時の少年漫画としては画期的な表現が採られている。これらに加えて、読者に強烈なインパクトを与えたのが、死刑!、あふりか象が好き!などの一発ギャグと、直接的で過激な下ネタの数々だった。連載当時はそのあまりの下品さが全国のPTAに非難されたものの、読者からは圧倒的な支持を受けて大ヒットし、作者山上たつひこの代表作となった。なお、連載終了から9年後にTVアニメ化に応じる形で完結編となる『がきデカファイナル』が月一連載された。さらにその5年後には、大人になったこまわり君を主人公とする『中春こまわり君』も発表されている。

正式名称
がきデカ
ふりがな
がきでか
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
下ネタ
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概要・あらすじ

日本初の少年警察官になったというこまわり君。しかし、警察官らしいのは頭に被った制帽だけで、毎日を変態的な馬鹿騒ぎに費やしている。両親はもちろんのこと、こまわり君が通う逆向小学校の友人や先生たちも、こまわり君の非常識な行動に振り回されてばかり。時にはツッコミ役の西城君から、手厳しい反撃を受けたりもするが、どんな目に会おうと反省など一切せず、今日も健全な変態行為に勤しむこまわり君なのだった。

登場人物・キャラクター

こまわり君 (こまわりくん)

2頭身で、口の中に白菜が丸ごと入るほどほっぺが膨らんだ下膨れ顔の少年。いつも大きな制帽を被っている。動物や昆虫などの姿に瞬時に変身することができる、興奮するとタマキンが高熱を発する、動物と意思の疎通ができるといった特殊な能力を持つ。ただし、その能力の大半を、セクハラまがいの変態的ギャグのために費やしている。 日本初の少年警察官であり、警視庁ねこ自慢警察署に所属しているが、普段は小学生として逆向小学校に通っている。なお、キャラクターデザインは、作者である山上たつひこの短編ギャグ漫画『さるとび佐助』の主人公のものが流用されている。

西城君 (さいじょうくん)

こまわり君の同級生で、文武両道に優れた美少年。こまわり君の変態行為には、毎回迷惑しているが、なんだかんだで行動を共にすることが多く、意外に馬が合うようでもある。役どころの上では、こまわり君のギャグに対する最高のツッコミ役であり、過激で暴力的なものから、レトリックを駆使した高度なものまで、さまざまなツッコミでこまわり君のギャグを補強する。

モモちゃん

こまわり君の同級生の女の子。黒髪のショートヘアで活動的な優等生である。西城君とは相思相愛の仲で、一緒にいることが多い。また、西城君に次ぐツッコミ役でもある。洋裁店を経営する母親と、マッチョな兄文夫、双子の妹ジュンの4人暮らし。

ジュンちゃん

こまわり君の同級生の女の子でモモちゃんの双子の妹。ただし、二卵性双生児なのか、モモちゃんとは似ておらず、髪も明るめのロングヘアーである。姉に比べると頭がやや軽く、天然ボケな面もある。そのため、こまわり君のギャグに同調したり、悪乗りを煽ったりすることも多い。

とーちゃん

こまわり君の父親。保険会社に務めるサラリーマンで、ごく普通の常識人だが、まれにこまわり君と同様の奇行に走ることもある。また、こまわり君に引きずられて、悪乗りさせられてしまうことも多い。息子、妻ともども劇中では姓は不明のままである。

かーちゃん

こまわり君の母親。専業主婦で、なかなかの美人である。夫と同じく常識人ではあるが、時折ボケに回ることもある。また、家計が苦しいためか、お金にはシビア。母親相手でも平気でセクハラまがいの変態行動を繰り返すこまわり君には手を焼いている。

あべ先生 (あべせんせい)

こまわり君のクラス担任を務める女教師。まだ結婚前の黒目がちな美人で、基本的には真面目。超問題児であるこまわり君の奇行に、いつも悩まされている。ただし、私生活はけっこうだらしなく、こまわり君に乗せられてしまうことも少なくない。清治というハンサムな婚約者がいる。

福島君 (ふくしまくん)

こまわり君の同級生で、がっちりとした体つきの少年。家業は魚屋で、店番を務めていることも多い。かなり老成した性格で、こまわり君を適当にあしらう術も心得ているようだが、時にはいっしょになって悪乗りすることも。

亀吉 (かめきち)

こまわり君の同級生で、銭湯の息子。にやけたような目に豚鼻の不細工な少年で、こまわり君とは妙に馬が合うらしく、度々行動を共にする。しゃべる際におかしなポーズを取る癖があり、こまわり君もつられて同じポーズを取ってしまうことが多い。

岬君 (みさきくん)

こまわり君の同級生で、アメリカ帰りの少年。ボクシングの心得があり、常にサングラスを身に着けているなど、ワイルドさを感じさせる。渡米前もこまわり君たちと同じクラスであり、帰国後もすぐにクラスに溶け込んだ。

西城 正直 (さいじょう まさなお)

西城君の父親。パイプを愛用するダンディな人物で、職業は小説家。普段は非常に落ちついた雰囲気だが、締め切りに追われると行動が怪しくなる。また、こまわり君には乗せられやすく、一緒になって悪乗りすることもある。

西城 雪子 (さいじょう ゆきこ)

西城君の母親。インテリ風の眼鏡をかけた上品な女性。当初は登場してもこまわり君と絡むことは少なかったが、次第に息子同様に過激なツッコミを見せるようになった。

木ノ内家のお母さん (きのうちけのおかあさん)

モモちゃんとジュンちゃんの母親で木ノ内洋裁店の店主。夫に先立たれ、女手ひとつで三人の子供を育てている。会うたびに下品極まる変態行動を見せるこまわり君を忌み嫌っている。

木ノ内 文夫 (きのうち ふみお)

モモちゃんとジュンちゃんの兄で、筋骨たくましい青年。腕っ節が強く、こまわり君にも強気な態度で接するが、おだてられるとコロリと騙されてしまう単純な性格である。出番は少なく、中盤以降はほとんど登場しなくなってしまう。

清治さん (せいじさん)

あべ先生の婚約者の青年。ハンサムなサラリーマンで、いつもスーツ姿をしている。真面目な性格だが、あべ先生となかなか一線を越えることができず、気を揉んでいる。

栃の嵐 (とちのあらし)

犬種不明の野良犬。こまわり君によると、先祖代々由緒正しい野良犬で、日本野犬スモウ二十三代横綱であるらしい。登場後しばらくはこまわり君の子分的な立場で、法螺貝や口笛で呼び出されてはこまわり君を乗せて走り回っていた。しかし、いつの間にやら犬ねこ進学塾の講師兼経営者として大成功を収め、街の名士となった。

磯貝 若女 (いそがい わかめ)

ヌード写真を得意とするカメラマン。顔や言動にやや変態的なところはあるが、一応まともな社会人で、モモちゃん、ジュンちゃんをモデルに健康的なヌード写真を撮影した。後にヌードから離れ、日常をカメラに収める生活写真家となる。

植村 (うえむら)

白クマ書房の雑誌週刊エスキモーの編集者。西城君の父である小説家西城正直の担当である。外見はどこからどうみても白熊なのだが、ごく普通の社会人として生活している。

猫又刑事 (ねこまたけいじ)

雪国にあるかめはめんねん警察署に所属する刑事で、その名のとおり猫っぽい顔をしている。後に警視庁ねこ自慢警察署に転勤し、こまわり君と共に連続少女しり切り魔事件などの捜査に当たった。

土手島 (どてじま)

清治さんに好意を抱く同僚の女性。若く美人ではあるが、かなりしたたかな性格で、あべ先生と清治さんを別れさせようと画策した。

集団・組織

練馬変態クラブ (ねりまへんたいくらぶ)

『がきデカ』に登場する集団。いきなり白ブリーフ一丁の裸体で登場し、ポーズをとりながらおかしなセリフを放つマッチョな3人組である。ブリーフの局部には、動物の顔が描かれており、変態性を強調している。1回しか登場していない出落ちキャラクターだが、そのインパクトは強烈であった。

古代大和民族体型保存会 (こだいやまとみんぞくたいけいほぞんかい)

『がきデカ』に登場する集団。日本人成人男子の平均身長を140cm以下にすることを目的とする集団。短身、短足、胴長は日本が世界に誇れる伝統美であると主張している。会員は全員ふんどし姿で活動しており、こまわり君を「先生」と呼んでいる。こまわり君の妄想の産物と思われる。

犬ねこ学習塾 (いぬねこがくしゅうじゅく)

『がきデカ』に登場する塾。栃の嵐が講師兼経営者を務める学習塾で、近隣の犬や猫にネコ式算数やブタ式国語などを講義している。こまわり君は、この塾で唯一の人間の塾生だが、成績は非常に悪く、逆向小学校の場合と同じく劣等生扱いを受けている。

その他キーワード

死刑! (しけい!)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。こまわり君のギャグの中でも最も有名で、尻を目標に向かって突き出し、上半身をひねって顔と両手の人差し指を尻と同じ方向に向けながら「死刑!」と発声する。相手を非難したり、相手からの非難をそらす際に良く使われた。

んが!

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。顔を斜め上に向け、大きく口を開けて「んが!」と発声する。相手の言葉がこまわり君にとって期待外れだったり、予想外だったりした際に使われることが多かった。

んぺと

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。すねとつま先を上に向け、太腿(大腿二頭筋)で力こぶを作りながら「んぺと」と発声する。

あふりか象が好き! (あふりかぞうがすき!)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。顔と両腕がアフリカ象のものに変わり、両腕を高く掲げながら「あふりか象が好き!」と叫ぶ。

ずるむけ赤ちんこ (ずるむけあかちんこ)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。こまわり君にとっては罵倒語であるらしく、西城君などのハンサムな相手に向かって発せられる。

八丈島のきょん! (はちじょうじまのきょん!)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。全身がシカ科の動物である“きょん”になり、左右どちらかの腕(前脚)を上げる。

白クマ黒クマ白クマクマ (しろくまくろくましろくまくま)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。白熊と黒熊に変身しながら「白クマ黒クマ白クマクマ」と発声しながら踊る。さらに「金があるのが白クマで、金が無いのが黒クマ…」と周囲を巻き込みながら続く場合もある。

ふたりこまわり

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。右半身と左半身で別の人物(男女であることが多い)に変装し、性交を匂わせる一人芝居を始める。

にゃおんのきょうふ

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。いきなり巨大な猫が出現し、招き猫のようなポーズから猫パンチを振り下ろす。

ぺぽかぼちゃ~

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。アイドルのブロマイドや似顔絵を見て興奮し、局部が巨大なぺぽかぼちゃになる。千両二号~などのバリエーションもある。

おしり段違い

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。腰を固定したまま、右の尻たぶを上に、左の尻たぶを下に動かす。単なる尻見せよりも破壊力があるらしい。

○○○○○○の顔~ (○○○○○○のかお~)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。○○○○○○には「銀座ワシントン靴店社長」などの実在しそうな人物の社会的な肩書が入り、使用されるたびに中身が入れ替わる。巨大な顔のその肩書きを持つ人物と思われる姿に変身しながら「○○○○○○の顔~」と発声する。

練馬名物あやつり納豆 (ねりまめいぶつあやつりなっとう)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。糸引く納豆を用いて、相手を操り人形のように操作する。

練馬名物股座納豆 (ねりまめいぶつまたぐらなっとう)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。股間に納豆を塗りたくり、相手に向かって片足を上げ、納豆で糸を引く局部を見せ付ける。

とても珍しいニホンカモシカのおしりっ (とてもめずらしいにほんかもしかのおしりっ)

『がきデカ』で使用される一発ギャグ。下半身がニホンカモシカのものになり、その尻を相手に向かって突き出す。別の動物を使ったバリエーションが複数存在した。

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