取締役島耕作

取締役島耕作

作品発表当時の経済状況を物語に織り込みながら、日本屈指の大企業で取締役となった島耕作が、中国の表と裏のビジネス界で悪戦苦闘する姿を描く。弘兼憲史の代表作『エピソード1 課長島耕作』、『エピソード2 部長島耕作』に続くシリーズ3作目。

正式名称
取締役島耕作
ふりがな
とりしまりやくしまこうさく
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
講談社漫画文庫(講談社)
巻数
既刊5巻
関連商品
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概要・あらすじ

大手電器メーカー初芝電器産業に勤務する島耕作は部長から取締役へ昇進、上海地区担当役員となる。上海初芝電産の董事長(会長)として中国ビジネスを任されるが、急速に競争力を付けてきた中国メーカーを相手に苦戦、独特の商習慣を持つ中国ではこれまでの経験もなかなか通用しない。

しかし持ち前のバイタリティで中国の大手家電メーカー出発集団との事業提携を成功させ、中国ビジネスの障害となっている裏社会とも対決。そして、上海初芝電産の経常利益を200%以上にまで成長させたことが評価され常務取締役への昇進を果たす。

登場人物・キャラクター

主人公

キャラクター紹介『島耕作シリーズ』の主人公。1947年9月9日生まれ。1970年に大手電器メーカー初芝電器産業に入社した団塊世代のエリート。派閥争いに巻き込まれて左遷されることも多いがそれを糧に変える... 関連ページ:島 耕作

楊 春華 (よう しゅんか)

上海初芝電産に勤務する島耕作の秘書役。名門校復旦大学出身の才女。身長170cm以上。19世紀中頃に活躍し、太極拳楊派を確立した大武術家、楊露禅の子孫で、優秀な太極拳の使い手。父親が経営していた工場を柳燕生に乗っ取られ恨んでいる。柳燕生を窮地に追いやる情報を得る手柄を立てた。 島耕作を慕い、馬島典子に嫉妬する。

中国で三本の指に入る大手家電メーカー出発集団のCEO(経営最高責任者)。初芝電器産業の創始者吉原初太郎の著書で経営哲学を学ぶ。北京にやってきた馬島典子にひと目ぼれし猛烈にアタックする。初めは一般的な労... 関連ページ:孫 鋭

島耕作が中国に赴任していた時代の部下。上海勤務が長く、中国語も堪能で、中国の社会事情に詳しいため島耕作から頼りにされる。剣道5段の腕前を持つ。栄楽のホステス笑蘭が愛人。 島耕作と国分圭太郎 島耕作の評... 関連ページ:国分 圭太郎

キャラクター紹介 初芝電器産業のアジア地区販売担当役員。56歳。韓国ソウルに滞在中に島耕作の訪問を受ける。故中沢喜一に心酔し、一匹狼的な立場で、同じような考えを持つ島耕作を気に入っていた。次期社長とし... 関連ページ:郡山 利郎

出発集団の董事で、社内の順位的にはナンバー10にも入らないが、実質的にはナンバー2か3と言われている。出発集団から孫鋭を追い出そうと画策、裏社会にも通じ上海を支配しようと企むが、島耕作や孫鋭に見抜かれ... 関連ページ:曽 烈生

新宿ゴールデン街にあるCHACOのママ。ロンドン在住時代に高名なワイン評論家ロバート・ベイカーと付き合っていた関係で、さまざまな高級ワインを手に入れることができる。中沢喜一と男女の仲。島耕作を追って福... 関連ページ:片桐 久子

柳 燕生 (りゅう えんせい)

投資会社上海青花集団のオーナーで、公安や役人を買収し、裏では中国人マフィアに護られながら、企業乗っ取りを行っている。欽明電子経営者の王淑蓮が愛人。島耕作の秘書役である楊春華が得た情報を元に、島耕作はタクズコンサルティングに調査を依頼、さまざまな方面に悪事がばれてしまたため身を隠すが最後は組織によって亡き者にされる。

陳 民生 (ちん みんせい)

上海初芝電産で島耕作の部下として働く。家電営業部拡販部長。他社からの好待遇でのヘッドハンティングを断ったことを聞いた島耕作は、営業部門の統括責任者に抜擢、給料を倍増させた。

馬 志南 (ま しなん)

マクレガーコンピュータ社を経て上海初芝電産に入社。北京大学、マサチューセッツ工科大学卒、28歳。孫鋭を尊敬する。

湖 芳蘭 (こほうらん)

蘇州のレストランやホテルで働いている際に島耕作と知り合い、男女の仲となる。5年以上前の記憶がなく、島耕作に自分の過去を調べてもらう。湖芳蘭は仮の名で本名は周紅梅。売春組織馬馬虎虎の表向きの経営者周錦麗を姉に持ち、自身もホステスとして働いていた。 馬馬虎虎が以前に摘発された際に責任を追わされ死刑となった周錦麗の霊が取り憑いてしまう。そのため当時恋人だったフレッド・ワトソンが催眠術師に依頼して過去を忘れさせていた。記憶が戻ると島耕作の元を離れ、フレッド・ワトソンと暮らすことになる。

重田 励 (しげた はげみ)

上海初芝電産で島耕作の部下として働く。家電営業部主管経理。仕事を優先するため婚約者のかおりから婚約を取り消されてしまうが、島耕作の計らいで帰国が決まり、初芝電器産業本社企画室で、中国アジア担当部署へ異動する。

宮路 公一 (みやじ こういち)

ソラー電機の中国営業所所長。国分圭太郎の愛人笑蘭を利用して上海初芝電産をスパイする。剣道が強く、国体個人戦で優勝経験がある。

岸 紅子 (きしべにこ)

栄楽のママ。島耕作と同じマンションで暮らし、たびたび島耕作に言い寄るが相手にされていない。

キャラクター紹介 初芝電器産業第6代社長。企画力があり、義理人情に厚く部下から慕われている。社長退任後も初芝電器産業に残ってトップ人事に幾度となく奔走、社長島耕作を誕生させるに至る。長年連れ添った愛人... 関連ページ:万亀 健太郎

初芝電器産業経理本部部長。冷静な状況判断ができることで万亀健太郎が次期社長として大泉裕介に推薦。平成13年度の取締役会で第8代社長に就任した。 経歴 中国の大手家電メーカー出発集団と京都で事業提携を結... 関連ページ:勝木 清春

キャラクター紹介 初芝電器産業第4代社長大泉裕介の愛人だったが、島耕作とも関係を持つ。しかし大泉裕介が倒れた後は献身して島耕作とは良き友人になる。大泉裕介死後、島耕作が赴任していた中国に渡り、北京でカ... 関連ページ:馬島 典子

福岡初芝販売センター営業課長。赴任してきた島耕作に付き添い、秘書的な役割を果たす。自分から能動的に動くタイプではないが、非常に常識的で、そつなく何でもこなし、知識も豊富、島耕作も何かあれば彼を頼りにす... 関連ページ:徳永 翔介

島耕作が初芝電器産業営業本部販売助成部課長時代の部下。 部下に厳しく上司にごまをするタイプで、自分のミスを他人に押しつける、女性スタッフへのセクハラなど典型的な悪質社員。ミス松原市の経験もある美人の妻... 関連ページ:今野 輝常

ロバート・ベイカー

高名なワイン評論家。元恋人の片桐久子とともに、柳燕生を共同経営者に迎えてワインバービクセンを上海に開くが柳燕生の罠にはまって麻薬中毒となり、ビクセンを乗っ取られる。謎の集団に銃で襲われ最後を迎えた。

浜坂 元

昭和22年6月10日生まれ54歳。70年入社、奈良工場の工場長を務めているときに早期退職者制度で会社を退職。新人研修で島耕作と同じクラスになり、ディベイトで完敗したことをきっかけに島耕作を恨むようになる。初芝電器産業本社のロビーに日本刀を持って現れ、自殺をほのめかして島耕作を呼び出す。 島耕作の説得に応じるかと思われたが持っていた日本刀を自分のクビに突き立てて自殺を図る。一命を取り留めたものの入院先の病院で飛び降り自殺。

島耕作と島怜子の娘。両親の離婚に伴い、母親である島怜子に引き取られたが、「島」の姓を名乗っている。島耕作とはたまの休日に会っている。明朗な性格で成績も優秀、子供ならではの発想で島耕作にヒントを与えるこ... 関連ページ:島 奈美

初芝電産貿易に出向した島耕作の秘書。昭和48年6月6日生まれ、聖清女子大学英文科卒、英検1級、趣味はゴルフ。成城に住むお嬢様だが実は関東泉連合会二代目会長高市信雄の一人娘。16歳の時に彫った般若の刺青... 関連ページ:高市 千鶴

池端 純一郎 (いけはた じゅんいちろう)

初芝電器産業第4代社長、現相談役となっている大泉裕介の世話係として北鎌倉の屋敷に勤務。

集団・組織

初芝電器産業 (はつしばでんきさんぎょう)

『島耕作シリーズ』に登場する架空の企業。島耕作が勤めている日本最大手の電器メーカーで、カリスマ経営者吉原初太郎が町工場から育て上げた。初代社長吉原初太郎、第2代社長木野穣、第3代社長苫米地功、第4代社... 関連ページ:初芝電器産業

上海初芝電産 (しゃんはいはつしばでんさん)

『エピソード3 取締役島耕作』に登場する企業。初芝電器産業の上海にある合弁会社。島耕作が董事長(会長)を務めている。

出発集団 (ちゅーふぁー)

『島耕作シリーズ』に登場する企業。中国で三本の指に入る大手家電メーカー。初芝電器産業とは業務提携している。CEO(経営最高責任者)は孫鋭。孫鋭の理念で引き抜きを行わず、生え抜きの社員を揃える。 歴史・... 関連ページ:出発集団

馬馬虎虎 (まーまーふーふー)

『エピソード3 取締役島耕作』に登場する組織。北京市人民政府の役人馬師坤と、日本の外務省と繋がりを持つ北京政経研究所代表の雨虎龍夫が、マフィアと組んで運営する大規模な売春組織。外国企業の要人を中心に、中国の役人、企業経営者、医者、弁護士などが会員で、孫鋭も参加させられている。 政府の役人と企業人の癒着の場所ともなっている。以前に摘発されたことがあるが、政府と取引をして、表向きの経営者だった周錦麗1人に責任を負わせて再開。しかし中国の未来を危惧した島耕作の工作によって壊滅する。

上海青花集団

『エピソード3 取締役島耕作』に登場する会社。柳燕生がオーナーの投資会社。製造会社、サービス会社、レストラン、電器店などさまざまな事業を運営している。

タクズコンサルティング

『エピソード3 取締役島耕作』に登場する企業。水戸卓郎が経営する調査会社。中国ビジネスや裏社会にも詳しく、アドバイザーとして島耕作が頼りにする。

場所

ビクセン

『エピソード3 取締役島耕作』に登場する店。片桐久子が上海に開いたワインバー。60%をロバート・ベイカーと共同出資、40%を上海青花集団の柳燕生が出資して共同経営。しかし柳燕生の罠にはまって乗っ取られてしまう。

鬼やんま (おにやんま)

馬島典子と銀座で親しかった夕子が北京に開いたカウンターバー。その後、夕子から馬島典子に経営が引き継がれる。夕子の時代はほとんどの客が日本人ビジネスマンだったが、馬島典子がママになってからは、孫鋭に紹介... 関連ページ:鬼やんま

栄楽 (えいらく)

上海にあるクラブで日本人ビジネスマンの多くが集まる。ママは岸紅子。国分圭太郎の愛人、笑蘭はここのホステス。 関連ページ:栄楽

関連

島耕作シリーズ (しまこうさくしりーず)

大手電機メーカー初芝電器産業に務める島耕作が課長から社長へと昇進して活躍する約30年間を描いた弘兼憲史の代表的シリーズ作品。初期はサラリーマンの悲哀、オフィスラブを中心にした物語だったが、出世するにつ... 関連ページ:島耕作シリーズ

書誌情報

取締役 島耕作 5巻 講談社〈講談社漫画文庫〉

第1巻

(2006-10-12発行、 978-4063703719)

第2巻

(2006-11-10発行、 978-4063703870)

第3巻

(2006-12-12発行、 978-4063703979)

第4巻

(2007-01-12発行、 978-4063704082)

第5巻

(2007-02-09発行、 978-4063704228)

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