腐女子っス!

腐女子っス!

「腐女子」と呼ばれるオタク女子の高校生活と、その恋愛模様を描いたラブストーリー。稜北高校漫画部に所属する3人の女子を中心に物語が描かれ、高校生という思春期特有の進路の悩みや将来への不安、彼女たちの友情もひとつのテーマとなっている。「comic SYLPH」vol.3からVo.6まで、及び「シルフ」vol.1(2008年5月発売号)から2014年11月号まで掲載された作品。

正式名称
腐女子っス!
ふりがな
ふじょしっす
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
シルフコミックス(KADOKAWA)
巻数
既刊7巻
関連商品
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概要・あらすじ

稜北高校漫画部に所属する青井由紀佐藤めぐみ吉沢えりの3人は今をときめく女子高生。しかし、実はあまり周りには大きな声で話せないオタク趣味を持つ、いわゆる「腐女子」だった。そんな趣味から、3人は現実に恋愛することを諦めていたが、由紀が幼なじみに告白されたという話を聞いて、にわかに色めき立つ。

登場人物・キャラクター

青井 由紀 (あおい ゆき)

稜北高校漫画部に所属する女子生徒。ショートカットのボーイッシュな髪型とメガネ、そばかすが特徴。170センチを超える身長を活かした男装のコスプレが趣味で、日常生活でも「ボク」という一人称を使う。引っ込み思案の大人しい性格で、幼なじみである沢口雅紀に告白されるも、どうすればいいのか分からず悩んでいる。特に勉強をしなくてもテストで学内30位に入るほど優秀な成績を誇る。 雷が大嫌い。

佐藤 めぐみ (さとう めぐみ)

稜北高校漫画部に所属する女子生徒。美しいロングストレートの黒髪が特徴で、同性の吉沢えりや青井由紀がうらやむほどの整った顔と容姿の持ち主。趣味は同人マンガの制作。非常に芯が強く、凛とした性格で自分の意思を強く持っているタイプ。しかし、趣味も相まって部屋着は割とだらしない。ほとんど話したこともなかった山田和明とばったり私服時に出会ってしまい、それがきっかけでのちに交際を始める。

吉沢 えり (よしざわ えり)

稜北高校漫画部に所属する女子生徒。漫画部の3人のなかでは最も小柄で、ゆるくパーマをあてたようなショートカットが特徴。体形もぽっちゃり気味だが、胸のサイズは佐藤めぐみたちから「最終兵器」と評されるほどの大きさを誇る。趣味は同人小説の執筆。可愛らしい容姿の割に、言いにくいこともズバスバと切り込む性格で、どこか斜に構えたようなところがある。

沢口 雅紀 (さわぐち まさき)

青井由紀と付き合うことになった1歳年下の彼氏。由紀とは幼なじみの関係で、隣の家に住んでいる。爽やかな黒髪ショートカットの髪型に少しきつめの目元が特徴。見た目に違わず少々強気な性格で気弱な由紀をリードする。付き合い始めた当初は由紀よりほんの少しだけ背が低かったが、のちに追い越した。

山田 和明 (やまだ かずあき)

佐藤めぐみのクラスメイト。柔らかい天然パーマで前髪を上げて、ヘアピンで留めた髪型が特徴。コンビニでアルバイトをしている最中に部屋着姿のめぐみと出会い、アドレスを交換して告白した。髪の毛と同じくふんわりとした優しい性格で、周囲からは「ワンコ(犬)系」と言われる。のちにめぐみと付き合うことになる。

溝口 重幸 (みぞぐち しげゆき)

吉沢えりの弟である吉沢健太の友人。がっしりとした大きな体に鋭い眼光を持つが、見た目に反してシャイですぐに緊張する人見知りな性格。健太の家に遊びに来た際、えりと出会って一目惚れ。その後、正式に付き合うことになる。

六本木 健文 (ろっぽんぎ たけふみ)

稜北高校演劇部に所属する男子生徒。青井由紀と並んでも頭ひとつ高いほどの長身に整った顔立ちで、明るく誰とでもすぐに打ち解ける明るい性格も相まって「演劇部のスター」と呼ばれている。女生徒のファンも多数いる。コスプレ趣味があり、共通の趣味を持つ由紀にはほのかな好意を寄せていたが、沢口雅紀が由紀に告白したことを知って自分の気持ちを確信。 強烈なアプローチをかけるも玉砕する。

赤松 一也 (あかまつ かずや)

稜北高校漫画部の部長を務める男子生徒。ぼさぼさの黒髪を後ろでまとめた髪型と、レンズの分厚いメガネが特徴。漫画部の活動の他に武井智則とバンド活動もしているため多忙な日々を送っている。たまに漫画部に来ても、青井由紀ら女子3人が居座っているため、なかなか中に入れなかったり、入っても存在に気づかれなかったりする。 作品開始時点で3年生であり、卒業するものの、その後もちょくちょく登場する。

武井 智則 (たけい とものり)

稜北高校漫画部の副部長を務める男子生徒。サイドとバックを伸ばした特徴的な髪型と細い目、そばかすが特徴。漫画部の活動の傍ら、赤松一也らとバンド活動も頻繁に行っている。赤松と常に一緒にいるため、後に赤松と同じ大学に入学した時には、周りから「あらぬ関係」ではないかと勘繰られる。

吉沢 健太 (よしざわ けんた)

吉沢えりの弟。溝口重幸を家に呼んで以来、溝口の姉への想いに気付き、何かと理由をつけては2人きりにしようとするなど、2人の恋を応援する。姉の性格については、少々卑屈なところがあるのを認めたうえで、どうにかしたいと考えているが、自分も悪ノリしてしまう面があることを思い悩んでいる、姉思いで友達思いの優しい性格。

井田島 聡 (いだじま さとる)

六本木健文の親友で、稜北高校剣道部に所属する男子生徒。切れ長の目を持ち、あまり表情を表に出さないクールな性格。相手の性別を問わず恥ずかしいことを臆面もなく口に出す性格から、「天然たらし」の異名を持つ。しかし本人にその自覚はない。健文のことは「ろっぽ」と呼ぶ。

石岡 ゆり (いしおか ゆり)

幼稚園から小学校までの間、六本木健文と幼なじみの関係だった女の子。小学校1年の時に山形に引っ越して以来、ずっと健文と文通を続けており、今も淡い恋心を抱いている。健文とは稜北高校の文化祭で再会して以来、急接近する。

小村 舞 (こむら まい)

稜北高校漫画部に入部してきた新入生の女子生徒。中学時代に稜北高校の文化祭に訪れており、その時には漫画部の刊行した部誌に佐藤めぐみのサインをもらっていた。文化祭で誓った通り、その後見事に稜北高校に入学を果たし、沢田ゆみを連れて漫画部に入る。青井由紀ら先輩のことを慕っており、あまり漫画部に顔を出さないでいると寂しがる。

沢田 ゆみ (さわだ ゆみ)

稜北高校漫画部に入部してきた新入生の女子生徒。眉が隠れるぐらい密度の濃いぱっつん前髪が特徴。初対面の段階で、部活動の少ない漫画部室を「素晴らしいたまり場提供システム」と皮肉ったりしているが、実は人見知りで照れ屋。マンガはマイナーなジャンルが好き。

米川 秋人 (よねがわ あきと)

稜北高校漫画部に入部してきた新入生の男子生徒。癖がかった明るい色のショートヘアに糸のように細く、少したれがちの目が特徴。見た目に違わず穏やかな性格で、緩い雰囲気の漫画部にもすぐに溶け込む。性格同様、ゆるい作風の同人漫画を描いていて、「趣味程度」と公言するが、中村慎吾からはその作品に対して高い評価を受けている。

中村 慎吾 (なかむら しんご)

稜北高校漫画部に入部してきた新入生の男子生徒。襟足の長いストレートの黒髪に切れ長の目、スクエアタイプのメガネをかけており、近づきにくい印象を与える。また性格もぶっきらぼうでそっけない。本気で職業漫画家を目指した漫画制作をしているため、なんとなく緩く活動している漫画部をあまり快く思っていなかった。漫画制作への意気込みや意見の食い違いから佐藤めぐみと衝突する。

三原 塔子 (みはら とうこ)

稜北高校漫画部の面々が同人誌即売会で出会った作家の女性。同人作家として、青井由紀、佐藤めぐみ、吉沢えりの3人が共に憧れている人物。その後、折に触れて関係を深めていった。のちに大学生ながら漫画誌デビューを果たし、その経験からめぐみの漫画制作に関してアドバイスを送る。

山ちゃん (やまちゃん)

赤松一也や武井智則のバンド仲間でドラムを担当している。アシンメトリーのセミロングヘアに垂れ目が特徴。左耳に多数のピアスをつけたチャラい外見だが、赤松らと同じくオタクであり、再生ピッチを変えて女声にした赤松の歌声を聞いて萌えている。

藤村 (ふじむら)

山田和明のクラスメイトで、共に文化祭実行委員を務めた男子生徒。長く明るい髪をカチューシャで上げ、オールバックのような髪型にしている。見た目はチャラいが山田が佐藤めぐみのことを嫌っていることを見抜いていたりと観察眼に優れ、委員会の抱える大量の案件を記憶してスラスラ説明できるほど要領もいい。

田中 春奈 (たなか はるな)

稜北高校漫画部のOG。石岡ゆりなどから中学生と間違われるほど若々しく、身長も低いが29歳。「田中ルナ」のペンネームで少女漫画誌に連載を持つプロの漫画家だが、現在連載している作品は連載終了が決定してしまっている。自分が漫画を描いているモチベーションや理由に不安を持っており、昔の感性や漫画への熱意を思い出そうと漫画部を訪れる。 「康介」という名の彼氏がいる。

森川 千里 (もりかわ ちさと)

田中春奈の友人。以前春奈と共通の友人の結婚式で出会い、その際に不用意な発言をして傷つけたことを謝りたいと春奈を飲みに誘った。子供がおり、その関係の付き合いで疲れているが春奈の作品に勇気づけられていると語る。真面目な話の後は萌え話をしようというオタク属性の持ち主。

沼南 アキラ (しょうなん あきら)

稜北高校漫画部のOB。部室のある校舎の取り壊しが決まったことで過去の制作物を処分することになり、それを知って荷物を受け取りに漫画部を訪れた。実はプロの漫画家。代表作は「浦田鉄筋暴走組」。

中村 聡介 (なかむら そうすけ)

中村慎吾の兄。過去にサッカーをやっており、慎吾いわくプロ級の実力を誇ったものの、父親が経営している企業へ就職するために夢を諦めた。自分の境遇を慎吾に重ね合わせ、夢を追う慎吾のことを応援している。

林原 みさ (はやしばら みさ)

佐藤めぐみが入学した有総那大学に通う女子大生で、三原塔子の知り合い。漫画研究会に所属しており、漫研への加入と色紙のプレゼントを引き換えに、めぐみへ簡単な単位取得方法を伝授する。

場所

稜北高校 (りょうほくこうこう)

都内にある青井由紀らが通う高校。入学時に髪を染めていても草むしり程度の罰で許されてしまう自由な校風がウリ。またピアスやアクセサリーをしている生徒もいる。そういった緩い校風とは裏腹に卒業生の大半が大学へ進学するという進学校の一面も持っており、中学時代の沢田ゆみも「稜北に入るのは少し(成績上)難しい」と発言している。

漫画部

青井由紀らが所属する稜北高校の部活。第一校舎の多目的教室Bを部室として使用している。主な活動といえば年に一度ある文化祭での展示ぐらいのもので、それ以外は部員が自由に過ごしてOKという自由な活動内容。実際、佐藤めぐみや吉沢えりも制作活動はほとんど家でしており、部室内で制作をしている姿はほとんど見られない。 一方で、部活としては10年以上の歴史を誇っており、過去に少なくとも2人のプロ漫画家を輩出していることが判明している。のちにプロになるめぐみを含めると3人もの漫画家を輩出したことになる。

書誌情報

腐女子っス! 7巻 KADOKAWA〈シルフコミックス〉

第1巻

(2008-09-22発行、 978-4048673150)

第2巻

(2009-05-22発行、 978-4048678926)

第3巻

(2010-05-22発行、 978-4048686167)

第4巻

(2011-06-22発行、 978-4048705387)

第5巻

(2012-06-22発行、 978-4048868389)

第6巻

(2013-10-22発行、 978-4048660389)

第7巻

(2015-02-21発行、 978-4048691963)

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