少年守護神

少年守護神

合戦が絶えない戦国の世を舞台に、最強の守護神に憧れる少年・火野大々が活躍する姿を、生き生きとしたタッチで描いた和風ファンタジー作品。「週刊少年ジャンプ」の平成16年17号から28号にかけて掲載された。

正式名称
少年守護神
ふりがな
しょうねんがーでぃあん
作者
ジャンル
和風ファンタジー
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概要・あらすじ

兵どもが戦いに明け暮れる戦国時代。人々を守る侍である守護神に憧れていた孤児の少年・火野大々は、立派な守護神になるために、付近で行われる合戦に乱入するという危険な日々を送っていた。そんなある日、国盗り合戦で敗れ、大々が暮らす茶飯寺へと落ち延びて来た織部の姫・廬遮那に出会った大々は、彼女に一目ぼれ。何とか廬遮那の役に立とうと考えていた矢先、大々は彼女に付き添っていた守護神の堊羅総十兵衛龍秋が、先の合戦で暗躍し、織部を滅ぼそうとしていた黒幕であることを知ってしまう。

廬遮那を悲しませた堊羅に怒りを爆発させた大々は、父親の形見である籠手を装着し、堊羅に勝負を挑むのだった。

登場人物・キャラクター

火野 大々 (ひの だいだい)

「織部」という国にある茶飯寺に住んでいる、底抜けに明るい孤児の少年。今は亡き父親のような、立派な守護神になることを夢見ている。侍に憧れるあまり、住職である笨矩珍源斎の教えに背き、たびたび合戦に乱入していたが、誰からも相手にされていなかった。寺に落ち延びて来た織部の姫・廬遮那に一目ぼれし、彼女を守れる強い人間になることを決意。 その後、織部に代わって国の支配者になる野望を抱いていた守護神の堊羅総十兵衛龍秋を打ち破ったことで、本格的に守護神としての道を歩みだす。猪突猛進気味だが、心優しい性格をしており、父親が残した「人を守れるような人間になれ!!」という言葉を胸に刻み、死力を尽くして廬遮那たちを守ろうとした。年頃の少年らしくスケベな面があり、ちょくちょく妄想の世界に入り込んでしまうのが玉に瑕。 また、基本的に怖いもの知らずだが、育ての親である珍源斎だけは苦手。戦いの際には、右腕に父親の形見である、完全具足の籠手を装着する。鉄砲使いである紀ノ屋堂治との戦闘中に導殺眼に開眼し、敵の攻撃領域を視覚的に見られる特殊能力を会得した。

廬遮那 (るしゃな)

歌姫として名をはせる、「織部」の城に住んでいた美しき姫君。織部が妻木軍との合戦に敗れた際に城から落ち延び、同盟国の「一馬」を目指す途中で、守護神の堊羅総十兵衛龍秋と一緒に火野大々の住む茶飯寺にやって来た。大々をはじめとする孤児たちにも優しく接する、おおらかなで優しい性格をした少女。彼女の歌声は「神の声」と称され、人々の心を操る大きな力があるとされている。 そのため、天下統一の野望を抱いた堊羅によって、その身を狙われることになった。

堊羅総十兵衛龍秋 (あくらそうじゅうべえたつとき)

落ち延びた廬遮那に付き従い、火野大々の住む茶飯寺にやって来た守護神の男性。織部赤母衣精鋭特別護衛部隊に所属しており、廬遮那を守ることを仕事としていた。冷徹な性格をした凄腕の侍で、野盗の集団をほんの一瞬で蹴散らせるほどの実力者。廬遮那の歌声の力に気づかなかった織部に見切りをつけ、隣国の軍隊を手引きして国を崩壊へと導く。 廬遮那を守っていたのも、彼女の歌の力を己の野望である天下統一に利用するためだった。火野大々との戦いに敗れた後は、野盗の首領におさまり、紀ノ屋堂治などの刺客を雇って大々を陰から苦しめていく。

紀ノ屋 堂治 (きのや どうじ)

鉄砲の使い手である青年。堊羅総十兵衛龍秋の依頼を受け、火野大々の「左眼」を撃ち抜こうとしていた。ぶっきらぼうな口調を特徴とする美男子で、仕事中にも酒を欲する無類の酒好き。鉄砲の腕前は一流で、酒を飲むとより正確に目標を射抜けるようになることから、「酒天童子」という異名で呼ばれている。プライドが高いうえに少々荒っぽい性格。 配下の柴犬千代をまるでを奴隷のように扱い、「犬」呼ばわりしている。得意技は「鷲爪早炮(イーグルショット)」と、導殺眼の持ち主にすら銃弾の軌道が読めないという「無限軌道」。

笨矩 珍源斎 (ほんのり ちんげんさい)

戦災で孤児となった近隣の子供たちを養い、皆から「お父上」と呼ばれている茶飯寺の住職。普段は滔々と仏の教えを説く穏やかな性格をした男性だが、怒りが頂点に達すると抜刀して、ところ構わず切りつけるという危険なタイプでもある。仏の道を歩もうとせず、合戦への乱入を繰り返す火野大々に業を煮やし、たびたび抜刀しては追い掛け回していた。 頭髪はないが、これは住職の責務として3日に一度剃っているだけで、「ハゲ」呼ばわりされると激怒する。のちに、織部お庭番の黒部重倉の良きライバルとなる。

父親 (ちちおや)

10年前に病気でこの世を去った、火野大々の実父。もともとはとある殿様に仕える高名な守護神だったが、農家の女性と恋に落ち、守護神を辞めて一介の農民となった。生前、まだ幼かった大々に「好きなことを命がけで守る」ことこそが、守護神の本分であると説いており、その言葉が今もなお大々の生き方に大きな影響を与えている。

木猿 (きざる)

茶飯寺に住んでいる孤児の少女で、「草の里(忍者の里)」で生まれたくノ一の見習い。落ち着きがなく、予想ができない火野大々の言動をいたく面白がり、たびたび合戦に乱入する大々を尾行して観察していた。身のこなしが非常に軽く、敵の攻撃も鮮やかにかわすことができる。面倒見が良く、誰にでも好かれる性格。

柴 犬千代 (しば いぬちよ)

紀ノ屋堂治に仕えている明るく元気な少年。髪型が犬の耳に似た形になっているのが特徴。もともとは孤児で、犬によって育てられたため、仕草や行動全般が犬っぽい。現在の主人である堂治からは犬呼ばわりされており、たびたび理不尽な暴力を振るわれている。堂治の命令で酒を買いに出た際に火野大々たちと出会い、仲間にならないかと誘われる。 木猿のことが大好き。

黒部 重倉 (くろべ しげくら)

織部お庭番の男性。もともとは織部の精鋭部隊に所属していたが、すでにかなりの老齢。一見すると頼りない老人だが、過去に「守護神狩り」として配属されていた経験を持ち、守護神に対しては並々ならぬ敵対心を抱いている。そのため、守護神という言葉を聞くと一時的に若返り、「守護神死すべし」と絶叫しながら見境なく大暴れする。のちに笨矩珍源斎の良きライバルとなる。

極道 仙一 (きわみち せんいち)

茶飯寺のふもとにある町を治めている、組合の長を務めている強面の男性。笨矩珍源斎とは古くからの知り合い。屋敷の厳重な警備をかいくぐって自分のもとへとたどり着いた火野大々の力量を認め、廬遮那と大々に物資の支援をすることを決める。

その他キーワード

守護神 (がーでぃあん)

全身に完全具足をまとって多くの敵を倒し、味方大名の命を身を挺して守ったという、300年前に存在した伝説の大男。男の死後に猛者たちが完全具足を奪い合い、すべてがバラバラに散らばったため、全国各地に多くの守護神が生まれることになった。300年後の世界では、命を張って何かを守る侍の総称となっている。

完全具足 (かんぜんぐそく)

300年前に守護神だった大男が全身にまとっていた、いかなる攻撃も受け付けない無敵の甲冑。男の死後にバラバラになってしまい、再び1つになることはなかった。守護神の1人だった火野大々の父親が右腕の籠手を所持しており、大々に形見として遺している。

導殺眼 (どうさつがん)

敵の攻撃の「軌道」を視認する一種の予知能力。開眼した者は、これから放たれる弾丸の軌道や剣閃が「羽根」や「蛇」の形で見えるようになり、通常の人間ならなすすべもなく食らってしまう攻撃であっても、たやすくかわすことができる。紀ノ屋堂治との戦いで、火野大々が開眼させた。

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