猛獣性少年少女

第1巻

平凡な男子高校生の宇佐美亨はある夜、クラスメイトの綾部玲里がフェンスの上を身軽に走る、異様な光景を見かけた。その翌日、学校で玲里と会った亨は、彼女から昨日の事を黙っておいてほしいと懇願される。以前から玲里の事が気になっていた亨は、秘密を黙っておく代わりに自分と付き合ってほしいと、軽い気持ちで提案する。玲里はその条件を承諾し、二人は付き合う事となる。しかし亨は玲里と付き合う内に、彼女の普通の少女とは違う、猛獣のような一面を目にする事が多くなり、やがて命の危機すらも感じるようになっていく。こうして平凡な日常が非日常に変わってしまった亨は、玲里を中心とする「猛獣性少女」達に振り回される日々を送る事となる。

第2巻

綾部玲里との交際を続けている宇佐美亨は、普通の人間とは違う行動や仕草を見せる玲里と接する中で、彼女の野生味に満ちた行動に、時おり危機感や疑問を抱いていた。それでも玲里が見せるあどけない表情や、色っぽさに惹かれ続ける亨は、少しずつ彼女との距離を縮めていた。そんなある日、家に泊まる事になった玲里が発情した獣のようになり、普通の人間とは違う玲里の様子に疑問を抱いた亨は、江田島天乃にその事を訪ねる。天乃の話を聞いた亨は、玲里や天乃が黒豹やフクロウといった猛獣の性質を持つ、「猛獣性少女」であった事を知る。そして新たな猛獣性少女である白狼のギャル、伊勢崎蘭佳と出会った亨は、蘭佳と、嫉妬する玲里の奇行に、さらに翻弄されていく。