ウイグル無頼

ウイグル無頼

横山光輝が、『三国志』の連載が始まった1972年に並行して描いたピカレスク英雄譚。ウイグル、イラン、四川省などの実在地名が登場するが、時代は明記されていない。最終回で、ヘロデの没後に大洪水によってウイグル帝国は消滅し伝説になったとされている。2003年、講談社漫画文庫で初単行本化した時には「横山光輝 中国時代傑作選」という冠が付けられている。

正式名称
ウイグル無頼
ふりがな
ういぐるぶらい
作者
ジャンル
アドベンチャー
 
古代史
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概要・あらすじ

広大なウイグルの地を旅する青年ヘロデ。目的も無くさすらう中、悪習や苦境に困窮する人を助け、時には盗賊や盗掘などの犯罪に手を染めつつも自由奔放に生きていた。しかし旅の途中で理由も無く囚われ、ある国の奴隷にされてしまう。奴隷仲間の手を借りて脱出したヘロデは、それまでの旅で知り合った盗賊や北の王、南の女王と力を合わせてその国を乗っ取ることに成功。

さらには周囲の国々を従え、ついには巨大なウイグル帝国を打ち立てる。

登場人物・キャラクター

ヘロデ

ウイグルの平原を彷徨う自由人。髪の色は黒で無造作に伸び、顔に多くの傷が刻まれている。理不尽な暴力や陰謀を憎むが、困窮すれば盗賊団に加わりもする。目的も無くさすらっていたが、自分が解放した奴隷が民に暴行する姿を見て、自らが民を治めることを考え始める。

盗賊団の女首領 (とうぞくだんのおんなしゅりょう)

本名は不明。毒蛇が守るターゲと呼ばれる神殿から財宝を持ち出した人間を襲おうと、村娘を装って待ち伏せていた。ヘロデに返り討ちにされるが、その強さに惚れこんでしまう。後に奴隷の身から脱したヘロデと再会。奴隷解放に尽力を尽くすが、ヘロデを矢からかばって命を落とす。

ゴーダム

ターゲと呼ばれる神殿がある地方の領主。神殿の財宝を守るため毒蛇を放ったが、繁殖して手が付けられなくなった。神殿から出てきたヘロデから財宝を奪い去ると、彼を磔にして去って行った。

南の国の女王 (みなみのくにのじょおう)

豊かな黒の長髪を持つ高貴な雰囲気の女王。神託に従い、旅のヘロデを招き入れ、隣国の侵略から自国を守るよう懇願した。後にヘロデの要請を受け、軍を率いてウイグル帝国成立の手助けをする。

サダト

南の国の女王に仕える家臣の一人。女王がヘロデに弄ばれていることに憤慨。戦勝の宴の夜にヘロデに襲い掛かるが、逆に頭をかち割られる。

北の国の王 (きたのくにのおう)

砂漠の近くにある国の王。双子の弟に国を奪われ、穴ぐらの牢に監禁されていた。ヘロデに救われ、再び国王の座に就く。後に蜂起したヘロデの元へ援軍を引き連れて参戦、ウイグル帝国成立の手助けをする。

王の双子の弟 (おうのふたごのおとうと)

砂漠の近くにある北の国で、国王の双子の弟として生まれた。兄とそっくりな風貌をしている。双子が忌み嫌われる風習があり生まれてすぐに捨てられ、奴隷として成長する。双子の兄が王だと知り、その兄を秘密裏に監禁して入れ替わった。復讐として多くの国民を殺すが、ヘロデに正体を見破られ頭をかち割られる。

四川省の王 (しせんしょうのおう)

四川省西北部に広がる大湿原地帯。その近くにある小国を治めている太った王様。服装も漢風で、部下たちも『三国志』の兵と同じ武装をしている。城壁を作るために、奴隷たちに過酷な労役を課していた。盗賊団を率つれて奴隷と共に蜂起したヘロデによって倒された。

ヒダト

盗賊団の女首領の下で働いていた、白眼で角突き兜を被る男。リーダー面をするヘロデに反発し、自分が反乱兵の首領になろうと扇動する。ヘロデに一騎打ちを挑むが、力及ばず倒された。

ゴビの王 (ごびのおう)

ヘロデがウイグル帝国を築く中で、最後に攻め滅ぼした強国ゴビの王様。マントを纏った恰幅のいい王で、ヘロデと剣で渡り合う。しかし咽喉を剣で突かれて負けた。

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