なんて素敵にジャパネスク

なんて素敵にジャパネスク

平安時代、大納言家の姫君である瑠璃が幼馴染みの高彬と結婚するまでの紆余曲折と、京の都を揺るがす事件を解決して行くストーリー。氷室冴子著、同タイトルの小説1〜2巻を原作に山内直実が作画を担当。

正式名称
なんて素敵にジャパネスク
ふりがな
なんてすてきにじゃぱねすく
原作者
氷室 冴子
作者
ジャンル
ラブコメ
 
時代劇
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概要・あらすじ

時は平安、摂関家の流れを汲む名門の姫君である瑠璃は、幼い日の初恋の人「吉野君」への想いを忘れられないまま、家柄の良い公達との縁談を強く勧める父・藤原忠宗と言い争いする日々だった。その父の根回しによって権少将に夜這いをかけられそうになった時、助けてくれたのが幼馴染みの藤原高彬だった。

瑠璃は高彬との縁談を前向きに考えるようになったが、や東宮の弑殺を企む陰謀に徐々に巻き込まれて行く。

登場人物・キャラクター

瑠璃姫 (るりひめ)

摂関家の流れを汲む大納言藤原忠宗の娘である。連載開始時16歳。平安時代ではその年齢で結婚していないのは非常識と思われ、父親からは再三縁談を勧められるも耳を貸さない。それというのも、幼い頃、病がちだった母が倒れてしまい吉野里の祖母の元に預けられ、そこで出会った吉野君と交わした約束を忘れられずにいるからだ。 更には吉野里と言う田舎で幼少期を育った瑠璃は、人前に出ることを憚らず、夜道を供の者も連れずに一人歩きもし、実の弟である融を締め上げることまでする「変わり者」の姫と人々に噂されていた。父親が瑠璃の実の母が他界して1年と経たずに新しい北の方を迎え入れた不誠実を嫌悪しているのも、結婚を嫌う理由の1つ。 だが真実は、真っ正直で権力に屈することを潔しとせず、初恋の人を一途に想い続ける明朗快活な女性。また作中で瑠璃はいくつかの和歌を詠んでいるが、名門家の姫として恥ずかしくない教養も持ち合わせている。

藤原 高彬 (ふじわら の たかあきら)

主人公瑠璃の幼馴染みであり、右大臣家の四男。連載開始時15歳。子供の頃は瑠璃に適わず泣かされてばかりだったが、初恋の人を亡くして泣きくれていた瑠璃を慰め、ずっと一緒だと約束した仲。高彬に言われるまで瑠璃はその約束をすっかり忘れていたが。長じて、都の治安を守る衛門府に勤め、東宮の信も篤い青年に育った。 瑠璃と違って常識人で気配り上手、更に帝のご威光に心底心酔している。瑠璃の破天荒ぶりに目を回すこともあるが、そんな所も含めて大事に想っている。

吉野君 (よしののきみ)

高貴な血筋のご落胤だったが、母親の身分が低いため認知されず、吉野里に逃れて来て主人公の瑠璃に出会った。2人は片田舎で四季折々に共に遊び、いつしか幼い恋に落ち、やがて瑠璃に相応しい官位を得て迎えに来ると約束を交わしたが、流行病を得てあっけなく亡くなってしまう。

鷹男 (たかお)

東宮直々の命で、前左大臣である大海入道の陰謀の証拠固めのために動いている。活動の拠点として東宮の叔母である藤宮の二条堀川邸に出入りする、雑色と言う身分。主人公瑠璃とは、瑠璃の弟融を斬り付けた盗賊を追って、彼女が忍び込んだ屋敷の床下で出くわした。 その屋敷が陰謀の首謀者大海入道のものだった。協力を申し出る瑠璃を入道の屋敷に身分を偽って潜入させるなど、かなり大胆な策略の持ち主。それ以上に大胆な方法で情報を入手した瑠璃に、徐々に惹かれて行く。

ニの姫 (にのひめ)

病床だった高彬の祖母が、かつて自身と恋仲だった兵部卿宮に勧められた高彬の結婚話の相手。兵部卿宮の娘である。祖母が他界して結婚話はなくなったが、高彬が歌の先生として和歌を彼女に送ったため、瑠璃に2人の恋仲を疑われてしまう。誤解が解けた後は瑠璃の友達として文を交わす仲になったが、物語の後半では行きずりの僧侶唯恵に恋をして、その唯恵が瑠璃の命を狙っていると知って気の病に罹ってしまう。 美人の聞こえが高く、いかにも貴族のお姫様と言った感じの女性。

藤宮 (ふじみや)

前帝の第八皇女であり、東宮の叔母に当たる。瑠璃の弟融が彼女に一目惚れして、彼女の屋敷である二条堀川邸をうろついていた事から瑠璃と知り合う。自身の雑色である鷹男に協力して大海入道の陰謀を暴こうとしているが、女の身ではできる事は限られており、勇敢な瑠璃の行動力に羨望の眼差しを向ける。 身分にこだわらず優しい美女で、芯の強さも持ち合わせている。

藤原 忠宗 (ふじわら の ただむね)

瑠璃の父親であり、大納言という要職にある。口うるさく娘の瑠璃に結婚話を持ちかけ、あまつさえ手頃な公達に夜這いを仕掛けさせるなどと言う暴挙に出るが、当時の貴族としては当たり前の事だった。再婚や女遊びに関しても、弟の融が言うように平均的ですらあった。何かと言えばすぐに倒れたり祈祷に頼ったりと、瑠璃にとっては頼りなく見えたが、我が子を大事に思う普通の父親だ。

藤原 融 (ふじわら の とおる)

瑠璃の弟。子供っぽさが抜けないが前帝の第八皇女である藤宮に懸想するなど、大胆と言うより無謀なところがある。姉である瑠璃に付き纏う悪評を揉み消すために騒動を起こしたはいいものの、その事後処理にまでは考えが及ばない。破天荒な瑠璃にすら頭を抱えさせる数少ない人物である。 高彬とは親友で何でも話し合える仲であるにも関わらず、家出した際は何も告げずに置き手紙のみを残して姿を消した。あっけらかんとして良家のご子息らしくおっとりした性格。

宗平親王 (むねひらしんのう)

大海入道による前帝の呪詛、東宮の廃位という陰謀を暴き、無事東宮から帝に即位した人物。入道が新たな東宮として擁立しようとした正良親王は彼の腹違いの弟に当たるが、入道の流罪から類が及ばぬように、6歳だった正良親王を落飾させ仏門に入らせた。 その後も弟の様子を気に掛け、正良親王の世話をしている僧侶唯恵に近況を報告させたりしている。快活にして眉目秀麗、叡智に長けた若き帝、と高彬をして評されている。

大海入道 (おおみのにゅうどう)

下級官吏の佐馬頭、法珠寺の僧侶の観如を束ねて、前帝の呪詛と東宮廃位を企んだ首謀者。前左大臣であり現在は剃髪して僧侶となっているにも関わらず、右大臣家が後ろ盾となった宗平親王を排除し、その弟の正良親王を東宮として立てて左大臣家の権威を拡大化し、次の帝の外祖父として権力を握ろうとした。

佐馬頭 (さまのかみ)

大海入道に加担して前帝の呪詛と東宮廃位を企んだ謀反者。東宮がその名前を聞いた時に愕然としていた所を見ると、表では巧く立ち回っていた。実際、東宮の偽の書状を作成したのはこの男。それによって、東宮に帝の呪殺の疑いをかけ廃位させようとしていた。

観如 (かんにょ)

佐馬頭と同じく、大海入道に加担して前帝の呪詛と東宮廃位を企んだ法珠寺の僧侶。彼の目的は自身の師である観照の排除だった。僧侶であるからと言って計画の邪魔をした瑠璃を刃に掛けることは躊躇ったにも関わらず、追い詰めた瑠璃に向かって自ら番えた矢を迷わず放っている破戒僧。

観照 (かんしょう)

法珠寺の僧侶であり観如の師匠に当たる。東宮に信心される程の人物で、法珠寺も東宮が彼のために建立した。有験の僧とも呼ばれる祈祷僧であり、その中でも破格の神通力を持つと言われる。その能力を妬まれ観如の策に嵌められそうになったが、瑠璃と鷹男の活躍で悪事は暴かれた。

唯恵 (ゆいけい)

慈源阿闍梨の高弟にして学僧の律師。東宮の命を密かに受けて正良親王を助け出し、落飾を遂げさせた事から、東宮から帝に即位した宗平親王の信が篤い人物。だが、裏に回ればニの姫をその美貌で誘惑し、瑠璃の命を狙ってその屋敷を全焼させ、更には帝の命までを狙う鬼。 その正体を瑠璃に知られた上で、唯恵は、殺戮の手を止める事はなかった。

場所

法珠寺

僧侶観照のために東宮が建立した寺。物語では、病に臥せっている帝が実は東宮に命じられた観照によって呪詛されている、と言う偽の告発をするために選ばれた舞台。師の観照を排除したかった観如と利害の一致した大海入道の計画では、佐馬頭の書いた東宮の偽の書状を持った瑠璃を遣わせ、その場を検非違使が取り押さえる手筈だった。

クレジット

原作

ベース

なんて素敵にジャパネスク

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