ノ・ゾ・キ・ア・ナ

ノ・ゾ・キ・ア・ナ

壁の穴を通じて「覗き合い」をすることとなった男女の危うくも不可思議な関係を描いた異色のラブストーリー。

正式名称
ノ・ゾ・キ・ア・ナ
ふりがな
の ぞ き あ な
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊13巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

城戸龍彦は、専門学校に通うために一人暮らしを始めたが、その部屋はとなりの部屋との壁に穴が開いていた。となりの部屋に住む生野えみるは、同じ学校のクラスメイトで、龍彦は彼女に穴を通して覗き合い、裸を見せ合わないかと提案される。龍彦は拒絶するものの、後日自室でクラスメイトの琴引友里とセックスした場面を覗かれてしまい、えみるに穴を塞ぐならその情事を友里にばらすと脅されてしまう。龍彦は怒りを覚えながらも、結局穴をそのままにしてしておくのだった。そんな中、えみるに好意を持っている龍彦と同じ専門学校に通う「堀井」が彼女の部屋を訪れる。危うくえみるは堀井から強姦されそうになるが、すんでのところでその様子を覗いていた龍彦に救われるのだった。

第2巻

城戸龍彦琴引友里とラブホテルに来たが、生野えみるが堀井に性的暴行しようとする姿が頭をよぎり、気持ちが乗らない。そんな心境を察したえみるに電話で挑発された龍彦は、友里に告白して正式に付き合い始め、以降、友里とのセックスに溺れていく。そんなある日、アルバイト先の同僚で堀井に思いを寄せている野宮ナナミが、突然龍彦の部屋を訪れる。そしてナナミが龍彦を誘惑する中、そこに堀井と数人の男が乗り込んで来る。実は堀井はえみると龍彦のあいだに特別な秘密があると気づいており、龍彦の部屋に入る理由を作るため、彼の命令で龍彦を誘惑したのだ。それを知ったえみるは油をかぶり、ライターを手に龍彦の部屋に入り、捨て身で龍彦を救う。その後、えみるは裸になって龍彦に迫るが、龍彦は意地になって彼女の誘惑を退け、何もせず一夜を明かす。

第3巻

夏休みを迎え、城戸龍彦生野えみる琴引友里ら男女七人で、泊りがけで海水浴に来ていた。海の家の倉庫で、友達カップルのセックスシーンに遭遇した龍彦とえみるは、ロッカーに隠れ、水着姿で抱き合う形になってしまう。さらにえみるは、その場でオナニーを始めてしまう。その後、えみると龍彦の様子にただならぬものを感じた友里は、みんなで雑魚寝している部屋で龍彦を求める。えみるに見られている事を感じつつ、龍彦はえみるの事を思いながら友里との行為に及ぶのだった。旅行の帰り、えみると友里を自分の部屋に招いた龍彦は、部屋の前で、かつて龍彦が思いを寄せていた幼なじみの成瀬珠子と再会する。いきなり龍彦に抱きつき、キスを迫る珠子の存在に不安を覚えながらも、友里はえみるに二人を見張るように頼んで帰っていく。えみるは龍彦に珠子を受けとめるよう促すが、龍彦はえみるの事が頭によぎり、結局珠子を抱く事はなかった。えみるが友里に二人は何もなかったと報告する中、龍彦は自分が友里ではなく、えみるのために珠子を抱かなかった事にショックを受ける。

第4巻

生野えみるは、自分の事が好きだという友達の高畑充を自分の部屋に招き入れたが、彼に身体を触られても何も感じる事はなかった。一方、となりの部屋からその様子を覗いていた城戸龍彦は、どうしようもない感情が湧き上がり、壁を叩いて妨害してしまう。これを機にますますえみるを意識するようになった龍彦は、琴引友里とセックスした直後だというのに、欲求が抑えられずえみるを覗いてしまう。そして夢中になるあまり、龍彦は日付をまたいで自分が覗く権利のある日を越してしまう。えみるはさっそく龍彦の部屋を訪れ、ルール違反の罰ゲームとして龍彦のイク姿を見せてほしいと迫る。龍彦はそれを承諾し、えみるに愛撫される事になるが、その最中に友里がやって来てしまう。バスルームにえみるを隠したまま、龍彦は彼女に覗かれている事を意識しつつ、友里と行為に及ぶのだった。後日、龍彦のクラスメイトである寺門巻子が、えみるの部屋を訪れる。そして、龍彦が覗いている事を知らず、えみるに対し、なぜ二人がとなり同士に住んでいた事を隠していたのか、二人は特別な関係ではないのかと尋ねる。

第5巻

密かに自分に恋愛感情を抱いていた寺門巻子に迫られ、生野えみるは彼女を受け入れる。だがその時、穴の秘密を巻子に知られてしまい、城戸龍彦とえみるとで示し合わせて自分を弄んでいたのだろうと、巻子に責められてしまう。巻子を傷つけてしまった事にショックを受けた龍彦は穴を塞ごうと考えるが、えみるが琴引友里にすべてをばらす事を恐れて実行に移せない。そんな中、えみるは友里と友人との会話から、実は友里には龍彦以外に本命の彼氏がいる事を知ってしまう。この事実は龍彦も知るところとなり、同時に友里も、龍彦に本命の彼の事がバレた事に気づく。その後、友里はこれまで本命の彼と過ごして来た週末に龍彦のもとを訪れ、二人は激しくセックスするが、結局は龍彦は友里に別れを告げる。

第6巻

生野えみるは、琴引友里と別れて傷心の城戸龍彦を優しく抱きしめて眠り、これをきっかけに二人は普通の恋人関係になると思われた。しかし、えみるの望みは恋人関係になる事ではなく、あくまで覗き合いの行為をするパートナーであった。そしてえみるは今後も覗き合いを続けるため、これまで撮影していた龍彦と友里のセックス動画をネタに龍彦を脅すのだった。後日、龍彦は自分の部屋で年上の女の子、亘まどかに迫られるものの、処女のまどかはいざとなると怯えて逃げ帰ってしまう。その一部始終を覗いていたえみるは、卒業後は龍彦の前から姿を消すので、それまではセックスする姿を覗かせてほしいと龍彦に告げるのだった。悩む龍彦だったが、絵のモデルを務めていた年上の女性、梶原奈緒と一夜の関係を持った事で気持ちを切り替え、再び恋人を作るため、改めてまどかに声を掛けるのだった。

第7巻

生野えみるの後押しを受け、城戸龍彦亘まどかを再び自分の部屋に誘った。となりでえみるが覗いている事を知りながら、穴に向かってVサインで宣戦布告したあと、龍彦はまどかとセックスを開始する。しかし、えみるの顔が泣いているように見えて、龍彦は動揺してしまう。後日、スパリゾートに学校の友人達と旅行に行った際、龍彦はえみるとクローゼットに閉じこめられて抱き合う事になるが、まどかの声によって現実に引き戻される。えみるは、卒業までもう言葉も交わさないと龍彦に告げるが、龍彦はそんなふうに割り切れないと答える。しかし龍彦は、まどかからの「大好き」と書かれた手紙を受け取り、もうえみるを追いかける事をやめようと決意する。

第8巻

城戸龍彦生野えみるは、覗き穴の事を専門学校の後輩、望月志郎に知られてしまい、仲間に入れてほしいと脅されてしまう。志郎を罠にはめるべく、えみるはオナニーを見せつけて彼を自分の部屋に誘い込み、警察に扮した龍彦が撃退する事に成功する。この時、えみるに自分の覗き合い相手は龍彦しかいないと言われて、龍彦は嬉しくなってしまう。一方で、龍彦はえみるに覗かれながら亘まどかとセックスする事を苦しく感じ、好きな相手だからこそ、なにもかもを見られたくはないと思いを吐露するのだった。そんな中、志郎が同級生で自分のセフレでもある植田理恵に、覗き穴の事を教えてしまう。理恵は龍彦の友達の米山を通して龍彦の部屋を借りてもらい、そこで米山とセックスして龍彦とえみるに見せつける。そして理恵は龍彦とえみるに、自分も覗き合いの仲間だと語る。

第9巻

城戸龍彦生野えみるは、覗き合いの秘密を知った植田理恵に、二人がセックスしている姿を覗かせてくれるよう強要される。えみるは秘密を守るため、自分を物のように使ってほしいと龍彦に告げるが、龍彦はそれを拒否。その様子を見た理恵は、龍彦とえみるが強い絆で結ばれた特別な関係である事を知り、二人の仲を残酷に壊したいと告げる。結局、理恵の事は米山を傷つける形で解決を見るが、この事に責任を感じたえみるは、覗き合いの解消を宣言する。だが、理恵は龍彦の恋人である亘まどかに、覗き合いの事を伝えていた。覗き穴の事実を知ったまどかは穴を塞がずに、えみるに龍彦と自分のセックスを見せつけて、龍彦は自分のものだと言い放つのだった。

第10巻

亘まどかは覗き穴や、城戸龍彦の浮気をすべて知る事となるが、すべては生野えみるに原因があると、龍彦を許す事にする。しかし、龍彦はそんなまどかから必要以上に求められるようになり、それに応じる事を苦痛に感じていた。そんなある日、えみるの姉だと名乗る相良つぐみが現れる。えみるはつぐみを見て倒れてしまうほど動揺し、自分が彼女の愛する人を殺したのだと口にする。そしてつぐみは龍彦の部屋に上がり込み、薬で龍彦を麻痺させて彼を襲うが、そんな彼を救ったのはえみるだった。

第11巻

城戸龍彦は、亘まどかと距離を置き、生野えみるとも会わなくなっていた。ある時、壁の穴が塞がれている事に気づいた龍彦は、えみるの部屋に入り、そこで彼女からの手紙を見つける。そこにはえみるの龍彦への思いと、別れの言葉が書かれていた。それによって自分はえみるにずっと恋をしていた事と、えみるが普通の女の子だと知り、まどかに別れを告げるのだった。その後、龍彦は寺門巻子からえみるの友達、麻田サキの名刺を渡される。サキのもとを訪れた龍彦は、そこで自分が知らない17歳の頃のえみるの話を聞かされる。

第12巻

生野えみるは昔はよく笑う明るい女の子で、父親の再婚相手の連れ子である義兄の生野智也と、その婚約者である相良つぐみとも仲がよかった。しかし、妹思いの優しい兄に見えた智也は実はえみるに歪んだ愛情を抱いており、壁の穴からえみるの部屋を覗いていたのだ。えみるは本当の自分を智也に見てほしいと、わざと穴の前でオナニーをするが、純真無垢なえみるを望む智也は、それを見て激怒する。その後、えみるは智也から逃げ出し、彼女を追いかけて来た智也は車にはねられて亡くなってしまう。傷ついたえみるの心を知った龍彦は、全力でえみるを探し出して思いを伝え、えみる自身も丸裸になった自分を見てほしいと告げるのだった。

第13巻

城戸龍彦生野えみるの過去をすべて知り、そのうえで彼女と結ばれた。その後、義兄の生野智也が眠る墓の前を訪れた二人は、そこで相良つぐみに会い、えみるは彼女と和解する。智也と真の別れをするために、この場で抱いてほしいとえみるに言われ、龍彦は彼女の気持ちを察して言葉通りに行為に及ぶ。しかし、その直後、えみるは龍彦の歩みを自分が阻みたくないと別れを告げ、姿を消す。それから1年後、同窓会から帰って来た龍彦は、壁の穴から光がもれているのを見つける。

登場人物・キャラクター

城戸 龍彦 (きど たつひこ)

美術の専門学校に通う。壁の穴を通じて隣人の生野えみると知り合い、お互いの私生活を覗き合うことを提案される。当初はえみるの真意がわからず戸惑っていたものの、心の中で徐々にえみるの存在が大きくなっていく。琴引友里とつきあっていたが、友里の二股を知り、別れることに。その後、亘まどかと付き合い始め、まどかの一途さに惹かれる一方で、どうしてもえみるのことが頭から離れなくなっている自分に気付く。

生野 えみる (いくの えみる)

龍彦のアパートの隣室に住み、同じ専門学校に通っている。ポーカーフェイスでミステリアスな雰囲気を持つ。冗談なのか本気なのかわからない言動で、龍彦や周囲の人間を煙に巻くことも多い。壁の穴を通して、互いの私生活を覗く、「自分見せ合いっこ」を龍彦に提案してきた。龍彦に対しては気を許している様子で、しばしば無防備な姿を晒している。

琴引 友里 (ことびき ゆり)

専門学校での龍彦のクラスメイト。知り合ってすぐに、積極的なアプローチで龍彦に迫り、彼女となる。しかし、実は以前から社会人の恋人がおり、龍彦はキープ扱いだった。そのことが発覚し、龍彦から別れを切り出される。

寺門 巻子 (てらかど まきこ)

専門学校での龍彦のクラスメイト。明るくさっぱりした性格で、男友達とも気さくに話す。実はえみるに対しひそかに恋愛感情を抱いていた。覗き穴の存在を知ったことで、一時期、龍彦たちと疎遠になるが、えみるのことがふっきれてからは、龍彦の良き理解者となる。

米山 (よねやま)

専門学校での龍彦のクラスメイト。明るくてお調子者。彼女なし。童貞だったが、植田理恵と関係を持つ。しかし、それは覗き穴の秘密を知った理恵の計略だった。後に龍彦に覗き穴のことを告白され、自分が利用されただけだったと知るが、やせ我慢しながらも、男らしい態度で龍彦や理恵を許した。 龍彦いわく「最高の友達」。

本並 翔子 (ほんなみ しょうこ)

龍彦の通う専門学校の講師。明るく生徒にも人気があるが、私生活では不倫で行き詰まっていた。不倫相手に振られた現場を龍彦とえみるに目撃された。その後、酔った勢いで龍彦と一線を越えそうになる。

成瀬 珠子 (なるせ たまこ)

龍彦の幼馴染みで、高校時代のクラスメイト。高校時代、男を誘惑しては取り巻き連中とともに笑い者にするという、悪質ないたずらを行っていた。龍彦に対してはほのかに想いを寄せていたが、不本意な形で傷つけてしまい、そのまま疎遠になっていた。龍彦のアパートに突然訪ねてくる。

小森 千里 (こもり ちさと)

龍彦と同じ専門学校に通う。男子に人気のある、かわいいタイプの女子だが、実は腹黒。琴引友里をねたんでおり、彼女の恋人である龍彦と肉体関係を持って友里を傷付けようと画策。強引に迫るもえみるの機転により失敗する。

亘 まどか (わたり まどか)

専門学校での龍彦の後輩。大学を卒業してから入学したので、龍彦より3つ年上。龍彦に惹かれて付き合うこととなる。龍彦のことを一途に想っており、えみるに対しても友達として仲良くなろうとしていた。龍彦とえみるが覗き穴の秘密を共有していると知った時、すべてをえみるのせいにして龍彦を許したが、龍彦の中でえみるの存在が大きくなっているのを感じ、結局は別れることとなる。

梶原 奈緒 (かじわら なお)

生活のためにヌードモデルをしている画家志望の女性。ミュージシャンを目指す恋人と別れ、傷心状態だった時に龍彦と会い、部屋に誘う。さっぱりとした性格で、龍彦に対し励ましの言葉を贈る。

望月 志郎 (もちづき しろう)

専門学校での龍彦の後輩。龍彦の不注意から偶然、覗き穴の存在を知り、龍彦とえみるに「覗き合い」の仲間に入れるよう迫る。3日間の約束だったが、覗いているだけでは我慢できなくなり、えみるの部屋に侵入するが、龍彦の策により自ら逃げるようにして部屋を後にした。それからはえみるたちと距離を置くようになる。

植田 理恵 (うえだ りえ)

専門学校での龍彦の後輩。望月志郎のセフレ。志郎から覗き穴の秘密を聞き、覗き合いの関係に加わろうとする。実は龍彦とえみるの関係に嫉妬し、それを壊してしまおうと目論んでいた。そのため、米山を利用したが、龍彦が米山にすべてを話したことで、手を引かざるを得なくなってしまった。

生野 智也 (いくの ともや)

えみるの父の再婚相手の連れ子で、義理の兄にあたる。相良つぐみと婚約していた。表向きは仲の良い兄妹のようだったが、実はえみるを病的に崇拝しており、自分の部屋に空けた覗き穴から、えみるの様子を覗いていた。覗き穴の存在を知って家を飛び出したえみるを追いかけた時に、車にはねられて死亡。 家族やつぐみに深い心の傷を残した。

相良 つぐみ (さがら つぐみ)

生野智也の同級生で婚約者。えみるのことも実の妹のように可愛がっていた。しかし、智也が事故死したあと、覗き穴の存在をえみるから聞かされたことにより、逆にえみるを憎むようになってしまう。

書誌情報

ノ・ゾ・キ・ア・ナ 13巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2009-11-30発行、 978-4091827265)

第2巻

(2009-12-26発行、 978-4091828590)

第3巻

(2010-03-30発行、 978-4091828774)

第4巻

(2010-04-28発行、 978-4091832238)

第5巻

(2010-07-30発行、 978-4091834492)

第6巻

(2010-10-29発行、 978-4091836052)

第7巻

(2011-03-30発行、 978-4091837691)

第8巻

(2011-06-30発行、 978-4091838759)

第9巻

(2011-09-30発行、 978-4091840981)

第10巻

(2012-01-30発行、 978-4091843401)

第11巻

(2012-05-30発行、 978-4091845399)

第12巻

(2012-09-28発行、 978-4091847133)

第13巻

(2013-02-28発行、 978-4091848369)

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