悔い改めよと叫ぶ声在り -萬探偵高円寺歩事件簿-

悔い改めよと叫ぶ声在り -萬探偵高円寺歩事件簿-

「月刊コミック・ブレイク」2009年5月号から11月号にかけて掲載されたハードボイルドな探偵漫画。コミックス刊行の25年前に神崎将臣が描いた、本作『悔い改めよと叫ぶ声在り -萬探偵高円寺歩事件簿-』の雛型にあたる短編『HEAT UP!』が巻末に収録されている。

正式名称
悔い改めよと叫ぶ声在り -萬探偵高円寺歩事件簿-
ふりがな
くいあらためよとさけぶこえあり
作者
ジャンル
裏社会・アングラ
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概要・あらすじ

すべての記憶を失っている冴えない探偵・高円寺歩は、自身が望んでいた華麗な探偵ライフとは程遠い、「どぶさらい」とも呼ばれる萬屋(よろずや)稼業を生業として生活していた。ハードボイルドに憧れながらも、正体不明の女金貸し「歌舞伎町の峰不二子」から借りた借金返済のため、彼女が持ち込んでくる仕事に従事させられる日々を送っている。

一方で、借金を負わせた張本人でありながら、歌舞伎町の峰不二子は高円寺が直接探偵業を請け負うことを何故か極端に恐れている様子だった。そんな中、数々の事件を追うにつれ、少しずつ冴えていく高円寺の頭脳は、失われた過去を思い出していく。

登場人物・キャラクター

高円寺 歩 (こうえんじ あゆむ)

25歳の冴えない男性で、過去の記憶をなくしている。ぼさぼさの長めの髪に無精ひげを生やし、姿勢も目つきも気だるげな雰囲気を漂わせている。おんぼろキャンピングカーに寝泊まりしており、常に金欠気味。「歌舞伎町の峰不二子」と呼ばれている正体不明の女高利貸しの持ってくる仕事をこなすことで、細々と生活している。捜索対象であった大企業の娘・三島由美子と短時間で固い信頼関係を築いたりと、実は人間的な魅力のある人物。

歌舞伎町の峰不二子 (かぶきちょうのみねふじこ)

正体不明の高利貸しの女性。見た目は20代前半くらいの、豊満な体つきのセクシー美女。パーマをかけた長い茶髪と、口元のほくろが特徴。記憶を失くした探偵・高円寺歩を助け、半ば無理矢理借金させてそのカタに仕事をさせている。自身の仲介した仕事のみに従事するように高円寺に忠告したり、唐突に高円寺を誘惑したりと、その行動には謎が多い。 本名は「加峯美穂」だが、わけあってその名を隠して生活している。

三島 勇造

貫禄のある初老の男性。従業員5万人を抱える大企業「三島商事」の会長を務めている。行方不明になった娘である女子大学生・三島由美子を、醜聞になる前に連れ戻すよう、ヒルズ興信所に捜索を依頼。その興信所を介して高円寺歩のもとに依頼が持ち込まれる。

三島 由美子

三島勇造の娘で、大学生。仕事ばかりで家庭を顧みない勇造の気を引きたくて行方をくらます。悪ぶっているが、本心では親の愛に飢えている。そのことを私立探偵・高円寺歩に見透かされ、わざと去り際に悪役を演じた高円寺のおかげで、勇造に歩み寄ることができた。

田中 泉

キャバクラ「エンジェルシティー」のNo.1キャバ嬢。源氏名は「萌」。垂れ目で可愛らしい外観の若い女性だが、私生活では少し言葉がガサツになる。マンションのドアノブにプレゼントが掛けられていることが続き、そのプレゼントが次第に変わっていくことに不安を覚えていた。切り裂かれた下着がプレゼントとして掛けられていた時点でさすがに身の危険を感じ、歌舞伎町の峰不二子経由で高円寺歩にストーカー対策を依頼する。

橋口 玉男

田中泉が以前に別のキャバクラ店で働いていた頃からの常連。短髪で糸目、ずんぐりした体形の若い男性。泉の後を尾行するなど、不審な行動で泉にストーカーだと疑われている。

高円寺歩の馴染みのソープ嬢で、若く可愛らしい女性。髪を片側に寄せてポニーテールにした、豊かな胸の持ち主。高円寺には、実家の借金を返済するためにこの仕事を選んだと打ち明けるほど気を許している。交際相手の羽原健吾から、厄介事に巻き込まれたから100万円を貸して欲しいと言われ、金を渡した途端に音信不通になったことを心配している。 このことを高円寺に相談し、ソープでサービスする代わりに羽原の安否確認してほしいと依頼する。

羽原 健吾

蘭と交際していた男性。染めた髪を逆立て、ピアスなどのアクセサリーをじゃらじゃら付けた軽薄そうな外見をしている。所属しているチームに金を納めるために蘭から100万円をだまし取った後、彼女との連絡を絶った。

煙草屋の婆さん

年配の痩せた女性。ツケばかりで煙草代を3カートン分も滞納している高円寺歩が、悪びれもせずに持っていこうとした煙草を、奪い返すほどに元気な老女。孫が交際相手として紹介した今村京子に嘘の気配を感じ、歌舞伎町の峰不二子を介して高円寺に京子の素性を探ってほしいと依頼した。

今村 京子

さらさらストレートヘアの可愛らしい若い女性。高円寺歩がいつも利用している煙草屋の婆さんの孫が、婆さんに交際相手として紹介した。客商売歴の長い煙草屋の婆さんからも「清楚で良いお嬢さん」と評される感じの良さを持ちながら、どこか嘘くさい雰囲気のある人物。

土田 玲菜

「RENa」のペンネームで携帯小説を書いている、売れっ子の若い女性作家。長い髪を2つの三つ編みにして両肩に垂らし、眼鏡をかけている。夜逃げした前の住人宛ての郵便物が未だに届くことにうんざりしている。彼女の相談を受けた不動産業者から、夜逃げした前住人に郵便物を渡してほしいと高円寺歩に依頼が持ち込まれる。

御佐田 真理 (おさだ まり)

杉並警察署の女性刑事。髪先が肩に触れるくらいの黒髪ストレートに、ミニ丈のタイトなスカートスーツを着た凛々しい雰囲気を持つ。高円寺歩とは幼なじみで、ずっと行方を探していた。婚約者で杉並署刑事だった大塚啓介が殺害され、迷宮入りになった事件を今も追っている。高円寺には過去に恋愛感情を抱いていたことがあるが、その時は振られている。

大塚 啓介

杉並警察署の巡査部長だった爽やかな好青年。御佐田真理の婚約者だったが、5年前、とある事件の捜査に携わっていた際に、何者かとマンションの踊り場で激しく争った痕跡を残し、転落死している。享年は28歳。

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