VIVO!

VIVO!

やりたくもない教師の仕事を期間限定でやる事になった、ズボラで無神経なナカムラによる型破りな教育現場と、彼が顧問をする同好会に入れられた担当クラスの3人の生徒らの卒業までの日々を描く。瀬川藤子の初連載作品。

正式名称
VIVO!
ふりがな
びぼ
作者
ジャンル
学園
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概要・あらすじ

面倒事が嫌いで無責任な性格ながら、諸事情により1年間のみという約束で仕方なく高等学校3年生のクラス担任教師として着任してきた男、ナカムラ。そのズボラな教育姿勢はたちまち生徒達の不評を買うが、その一方で周囲の大人達からの干渉を嫌がっていた一部の生徒達にとっては気楽な存在となり、彼が新設した活動内容の特にない架空物具現化構想同好会を中心に、様々な問題や悩みを抱えた生徒達の物語が展開する。

登場人物・キャラクター

仲村渠 豊寛 (なかんだかり とよひろ)

年齢は30歳前後。物語開始時点では投資家などをして気ままに暮らしていたが、昔馴染の井崎千加子が勤める学園が教員不足のため、彼女に誘われた結果そこの高等部3年6組の担任教師を一年間のみ務めさせられる事になる。架空物具現化構想同好会の顧問も務めるが、面倒事が嫌いなため、基本的に自分に迷惑をかけない限り生徒のやる事は一切関知しない放任主義。 厚顔であり、生徒のみならず他の教職員に対しても言いたい事がある時は歯に衣着せぬ物言いをする。しかし観察眼はあり、生徒の心情などはよく理解しているため、時に強引な方法で問題を解決する事もある。

住吉 結子 (すみよし ゆいこ)

物語開始時は、ナカムラが務める学園の高校2年生の少女。以前は真面目な生徒だったが、担任の吉井の教育方針に馴染めず2年時の3学期から不登校になってしまう。吉井が離任する春以降も学校に行く気はなかったが、新しく担任となったナカムラの放任主義な人柄に触れ、彼が新設した架空物具現化構想同好会の部活と定期試験のみという形で3年次より登校するようになる。 読書が趣味。時折、癇癪を起こす事もあるが基本的には引っ込み思案な性格で、特に女子と接するのが苦手。不登校になって以来授業に出ていないため、成績は低い。

佐野 徹平 (さの てっぺい)

物語開始時はナカムラが教師を務める学園の高校2年生の少年。天文部の幽霊部員だったが、3年生に進級時にクラス担任となったナカムラが新設した架空物具現化構想同好会に、数合わせのため半ば強引に転部させられる。常識人で平凡な生徒。成績は低い。何かにつけてナカムラの使い走りをさせられやすい世話焼き体質。

蓮田 一臣 (はすだ かずおみ)

ナカムラが教師を務める学園の高等部3年生の少年。中学時代にコンクールで好成績を収めるほどの絵画の才能の持ち主で、美術部の特待生として高等部に進学した。現在は無目的に絵を描く事以外に何も興味がなく、授業にも出ていない。将来、画家になる事を期待する周囲の大人のを無視して絵を描き続けていたところ、ナカムラが顧問を務める架空物具現化構想同好会に数合わせのために誘われ、何の期待もしてこない雰囲気に惹かれて転部する。 自分が興味のない人間の姿や声は、意識しなくても目にも耳にも入らなくする事が出来る。

井崎 千加子 (いざき ちかこ)

31歳前後の女教師。古風なしきたりに縛られた家の生まれだが、高校3年生の時、親の決めた相手との結婚を嫌って家を飛び出し、親に勘当される。その際に出会ったナカムラらとはそれ以来の腐れ縁。勤める学園が教員不足のため、教員免許を持っていたナカムラを引き入れる。尊敬する人はナカムラの祖父。 自転車で移動する事を好む。

東本 幸太郎 (あずもと こうたろう)

29歳前後の青年。ナカムラとは家の近い幼馴染。以前は会社員だったが、いい加減な会社でやり甲斐を感じなかったため退社し、旧友の井崎千加子の紹介で彼女の勤める学園の用務員になる。その後ナカムラも教師として着任してきたため同じ職場で働く事となる。温厚な性格で、ナカムラには昔からこき使われやすい。

蒔田 弥生 (まきた やよい)

ナカムラが教師を務める学園の高等部1年生の少女。バレーボール部でエース候補といわれる才能の持ち主だったが、天才ゆえに責任ある立場を強要される部の雰囲気に嫌気が差していた。そんな折ナカムラが顧問を務める架空物具現化構想同好会の自由な活動内容に興味を持って転部する。 明るく気の強い性格。

吉井 (よしい)

ナカムラが担任を務めるクラスの前任担任教師。学園ドラマの熱血教師像を地で行くタイプで全ての生徒に一方的なまでの愛情を注ぐが、鬱陶しがっている生徒もおり、住吉結子に至っては耐えきれずに不登校になってしまう。高等部2年6組の学年が終了する3月に実家の都合で退職する事になり、後任の3年6組担任ナカムラと共に住吉結子の家を訪れる。

ヤマト

小学生の少年。通う学園の高等部の旧施設を友人同士の溜まり場にしていたが、高等部教師のナカムラが顧問を務める架空物具現化構想同好会がそこを部室として使用するようになり遊び場を奪われたため、彼らに報復を企てる。

田辺 真由 (たなべ まゆ)

ナカムラが教師を務める学園の高等部3年生の少女。同じクラスの特待生で顔も美形の蓮田一臣に好意を持って言い寄ろうとするも、歯牙にも掛けない扱いをされるが、その彼が住吉結子には平然と話しかけていたため、彼女を逆恨みする。

柏原 (かしわばら)

ナカムラが教師を務める学園の高等部1年生の少女。昔から何度も自殺をすると言っては教師達を動揺させていたが、本格的な行動に出た事はない。しかし、同様の事をしても一切止めようとして来なかったナカムラに対して興味を持ち、付きまとう。

小林 (こばやし)

ナカムラが教師を務める学園に用務員として採用された青年で東本幸太郎の後輩。無口で無愛想だが仕事に対しては度が過ぎるほど実直で真面目な人間。転職を繰り返しており、これまでに3つの会社を転々としている。

集団・組織

架空物具現化構想同好会 (かくうぶつぐげんかこうそうどうこうかい)

『VIVO!』に登場する同好会。1年間という予定で教師をする事になったナカムラが、名義上だけでも何らかの部活の顧問にならなければならない学園の事情により、部員を集めて新設した同好会。そのため活動内容は特に決めていない。学園内の取り壊し寸前の旧施設を部室としている。ナカムラの措置により、この部活に出ていれば授業に出なくても出席扱いとなる。 それゆえ元美術部の特待生で絵を描く事以外に興味のない蓮田一臣や、元不登校生徒の住吉結子らにとっての憩いの場ともなっている。また、何をしてもいいという活動内容に魅力を感じて蒔田弥生のように自ら入部してくる生徒もいる。

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