初めて恋をした日に読む話

初めて恋をした日に読む話

東大合格という受験をテーマに、それを目指す男子高校生と女性塾講師との恋愛を描いた作品。経験の少なさから恋愛に奥手になっている女性と、積極的に距離を縮めようとする男子高校生の関係が描かれる。「Cookie」2016年7月号から連載中の作品。

正式名称
初めて恋をした日に読む話
ふりがな
はじめてこいをしたひによむはなし
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
既刊16巻
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あらすじ

第1巻

塾講師として働く春見順子は、31歳になったばかりのある日、付き合っていた彼氏にふられてしまう。順子の母親は、彼女が東大受験に失敗した日からずっと順子に対して不満を抱いており、結婚まで逃してしまった順子を冷たくあしらっていた。さらに順子は仕事先の塾からも契約終了を告げられてしまう。そんなある日、順子はひょんな事から出会った高校生・由利匡平に、勉強を教えてほしいと頼まれる。匡平の父親は地元でも有名な代議士であり、素行不良な匡平はそんな父親からつねに疎まれて来た。そんな匡平にかつての自分を重ねた順子は塾に契約延長を頼み込み、匡平に勉強を教える事を決意する。匡平がかつての自分と同じく東大合格を目指している事にたじろぎながらも、順子は熱心に指導する。そんな順子に匡平は少しずつ親近感を覚えていき、いつしかその感情は恋ではないかと思い始める。

第2巻

由利匡平は、友人の誘いで女子校との合コンに参加するが、自身の目標である東大合格の勉強ために途中で抜けて帰ってしまう。そこで出会った江藤美香は匡平を気に入り、春見順子に自分も匡平と同じ塾に通いたいと告げる。美香と共になし崩し的に勉強をするようになった匡平の前に、さらに順子のいとこである八雲雅志が現れる。幼い頃から順子の事を知っており、親しげに話す雅志の登場が匡平には面白くない。そんな折、順子は軽井沢で行われる塾講師の研修に参加する事になる。そのうえ雅志の務める会社でも部署内研修が軽井沢で行われる事が判明、さらに匡平の通う学校でも修学旅行の行き先が軽井沢という事になり、にわかに順子の周辺が騒がしくなる。

第3巻

軽井沢での塾の合宿が始まった。塾講師の春見順子は、生徒の由利匡平と共に合宿に参加する。折しも研修で軽井沢を訪れていた順子のいとこの八雲雅志と出会った順子は、ふとしたはずみで雅志から告白されるものの、告白された事に気づかないまま合宿へと戻っていく。だがその合宿で、匡平につきっきりで勉強を教えている順子の事を妬んだ一部の生徒に陥れられ、順子は足をケガしてしまう。匡平に介抱された順子は、匡平がいつしか自分にとってかけがえのない存在になっている事に気づく。そして匡平もまた、自身が18歳の誕生日を迎えたら改めて順子に告白する事を決意するが、それまでは受験に成功する事だけを目標として励む事を順子に約束する。

第4巻

春見順子由利匡平の受験勉強は順調に進み、匡平は初めての模試に臨む。しかし、まだ東大に合格するには程遠い結果に終わってしまう。匡平の成績を見た順子はいとこの八雲雅志に相談し、雅志から勉強法についてのアドバイスを受ける。自分にとって順子を巡るライバルである雅志から教わる事が面白くない匡平だったが、順子の紹介という事で雅志のアドバイスに耳を傾ける。だがそんな匡平の姿は、彼に恋する江藤美香にとっては決していいものではなかった。匡平に相手にされない状態が続いていた美香は、中学時代の教師と再会しそのままなし崩し的に身を委ねようとする。それを見た順子は美香を説得し、美香もまた自身が寂しさですねていただけという事に気づいて順子に心を開くのだった。

第5巻

由利匡平の東大模試の結果を受けて、春見順子は新たな指導法を模索する事になる。そこで見つけてきたのが東大合格率No.1の実績を誇る塾「花恵会」だった。「花恵会」の人気講師である牧瀬朋奈は、なぜか順子の事を意識しつつも、匡平に近づいていく。朋奈の指導もあってか国語の成績が上がっていく匡平だったが、それでも朋奈に対して違和感が拭えない。さすがに気になった順子が調べてみると、彼女はかつて順子と同じ高校で同じ学年だった事が判明する。朋奈は順子のいとこである八雲雅志に恋心を抱いていたが、それを実らせる事ができず、その責任が順子にあると思っていたのだ。誰かに必要とされたいと願って塾講師になったという朋奈だったが、同じ塾講師である順子に塾講師のあり方について諭される。その帰り道、順子は自身が32歳の誕生日を迎えた事を匡平に告げ、匡平はそんな順子を抱きしめキスをするのだった。

登場人物・キャラクター

春見 順子 (はるみ じゅんこ)

契約社員として塾講師を務める女性。年齢は31歳で、最近、付き合っていた彼氏に結婚目前のところでふられた。学生時代は母親の教育のもと東大合格を目指して必死に勉強していたが、受験に失敗し、それ以降母親との関係が悪化したまま現在に至っている。高校生の由利匡平と出会い、彼が自分と同じく親から期待されていない事、そして東大を目指している事を知り、匡平を東大へと合格させるべく指導を行う。 学生時代から勉強しかしてこなかったため、男性関係についてはかなり奥手であり、匡平をはじめ八雲雅志や山下から寄せられる好意にはまったく気づいていない。

由利 匡平 (ゆり きょうへい)

春見順子の務める塾に通う男子高校生。地元では有名な代議士を父親に持ち、エリートコースを歩む事を強制されて育ったが、そんな父親に反発して高校生ながら夜遊びを繰り返していた。ふとした事から順子と出会い、順子の持つ魅力に惹かれ彼女のもとで勉強する事を決意する。幼い頃に母親を亡くしており、当初は順子に対して母性を求めていた節があったが、やがてそれが彼女に対する恋心である事に気づく。 東大合格という目標と、順子との距離を縮めたいという自身の欲望とのあいだで葛藤する。

八雲 雅志 (やくも まさし)

春見順子のいとこの男性。幼い頃から順子と共に育って来たため、順子にとっては兄弟のような存在だが、八雲雅志自身は順子に対して恋心を抱いていた。学生時代は「7秒目が合えば恋に落ちる」とまで言われるほどの好青年であり、成績優秀・スポーツ万能と絵に描いたような優等生だった。順子と共に東大を目指していたが、順子が受験に失敗した一方で雅志は東大へと進学し、その後はエリートコースを順調に歩んでいる。 順子に対して自身の気持ちが伝わらないながらも、何かと彼女の事を気にかけ、折に触れてさまざまなアドバイスを送っている。

松岡 美和 (まつおか みわ)

春見順子の親友の女性。順子とは中学時代からの付き合いであり、彼女の事を最もよく知る存在でもある。離婚歴があり、現在は結婚を前提としていない彼氏がいる。男性関係に疎い順子とは異なり豊富な恋愛経験の持ち主であり、由利匡平の友人達から恋愛相談を頼まれる事も多い。八雲雅志とも学校が同じだったため順子と共に雅志の事もよく知っており、雅志にとっては順子の事を話せる唯一の相談相手でもある。

江藤 美香 (えとう みか)

春見順子の務める塾に通う女子高校生。合コンで知り合った由利匡平に一目惚れし、匡平のそばにいたいという理由から同じ塾に通うようになった。見た目はかなりの美少女である事から、出会ってすぐにデートに誘われたり告白されたりする事も多かったが、自分が本当に好きになった相手と出会えなかったために心の中で寂しさを抱いていた。 匡平に対しては、当初はこれまで出会った男達と基本的に同じだと考えていたが、東大合格を真剣に考えている匡平の姿を見たことで、本気で好きになっていく。

山下 (やました)

由利匡平が通う高校の男性教師。高校時代は春見順子と同じ学校であり、その当時は教師すらも手を焼く不良生徒だった。高校時代に順子と出会い、彼女によって勉強の大切さを教えられて教師になったという経緯がある。そのため、高校時代から順子の事を「初恋の相手」と認定している。過去に結婚していたが離婚しており、現在は独身という事から順子に対しても積極的なアプローチをかけている。 匡平にとっては自身の通う高校の教師であると共に、八雲雅志と同じく順子を巡るライバルでもある。

牧瀬 朋奈 (まきせ ともな)

東大合格率No.1の塾「花恵会」で塾講師を務めている女性。「花恵会」では、屈指の人気講師として有名であり、特に男性からの支持が高い。塾講師として生徒の力を引き出す実力は高く、彼女の指導を受けて由利匡平の国語の成績が向上した。春見順子や八雲雅志と同じ高校に通っており、その当時は雅志の事が好きだったが、つねに順子が雅志の近くにいたため彼女に対して嫉妬心を抱いていた。 その反面、順子に対してあこがれにも似た感情を抱いており、塾講師として順子と再会した際には自身の複雑な感情を順子に吐露する。

書誌情報

初めて恋をした日に読む話 16巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2016-11-25発行、 978-4088456751)

第16巻

(2023-01-25発行、 978-4088446806)

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