旅人還る

旅人還る

藤子・F・不二雄によるSF短編の一作。限りなく光速に近い航法とコールドスリープにより、何百億年とも何兆年とも分からない年月をひとり漂う男を描く、極めて正統派のSF作品。

正式名称
旅人還る
ふりがな
たびびとかえる
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

「宇宙の果てを目撃する」という人類の夢を実現するプロジェクトに参加する主人公。しかし肉体的にはほとんど年を取らないまま宇宙を漂ううちに途方も無い年月が流れ、観測データを送る先の地球はとうに滅んでいることを知る。そしてもはや何の意味も見出だせないまま、地球から観測可能な限度である200億光年先へ到達。しかしそこで宇宙が膨張から収縮へと転じる瞬間に立ち会い、主人公は信じられない体験をすることになる。

登場人物・キャラクター

(おとこ)

作中に名前は登場しない。「宇宙の果て」を目撃することが目的の「フダラク計画」に、恋人の反対を押し切って参加。亜光速で宇宙船は移動するため、「ウラシマ効果」によって地球で流れている時間とは大きく開き、さらにコールドスリープを繰り返しているため肉体的にはほとんど歳を取っていない。

恋人 (こいびと)

主人公の恋人。「フダラク計画」に参加の意志が固い彼を止めることができず、二度と会うことはないとの思いから出発するロケットを遠くから涙ながらに見送る。

その他キーワード

チクバ

『旅人還る』に登場するコンピューター。ただ独りで宇宙の果てまで旅をする主人公のために、宇宙船内で話し相手となる。

フダラク計画 (ふだらくけいかく)

『旅人還る』に登場するプロジェクトの名称。人類が個の目で宇宙の果てを見ることに意義を見出した計画。宇宙船に100年分の食料を搭載し、亜光速での航行とコールドスリープを繰り返すことで、数百億光年先へ到達することを可能としている。いわば究極的な片道旅行となるが、フロンティア精神あふれる者たちが多数参加を希望した。なお「フダラク計画」という名称は、仏教などに見られる捨身行の「補陀落渡海」に由来するもの。

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