新ジャングルの王者ターちゃん

新ジャングルの王者ターちゃん

『ジャングルの王者ターちゃん』の続編として連載された作品。一話完結形式のギャグだった前作から連載ページが増え、物語も長編格闘バトルへと変化した。ターちゃんが仲間と共に悪と戦うシリアスな物語となったが、作者の持ち味であるギャグは随所にちりばめられている。下ネタギャグとストーリー性、善と悪・自然と人間の対立という深いテーマが融合した、作者の代表作。

正式名称
新ジャングルの王者ターちゃん
ふりがな
しんじゃんぐるのおうじゃたーちゃん
作者
ジャンル
バトル
 
下ネタ
レーベル
集英社文庫(コミック版)(集英社)
巻数
既刊12巻
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概要・あらすじ

ジャングルの平和を守る男ターちゃんは、密猟者たちを退治しながら、妻ヂェーンや動物たちと仲良く暮らしている。野生の力で驚異の強さを誇るターちゃんの評判は世界に轟いており、助けを求めに来る者や挑戦者たちが後を絶たない。争い事は好まないが優しくて弱い者を見捨てられないターちゃんは、一番弟子のペドロや仲間たちと共に今日も正義のために戦い続ける。

登場人物・キャラクター

ターちゃん

アフリカのジャングルに暮らす筋骨隆々の男。身長187cm、体重110kg。動物たちと心を通わせており、ジャングルの平和を乱す者は許さない。マッチョな肉体にパンツ一丁の姿。人間離れした強さと驚異的な回復力を持つ。世界中の猛者に名前を轟かせているが、少年のように無垢な性格で、争い事は嫌い。 スケベであり本能を隠さないので、作中ではよく勃起する。妻ヂェーンの尻に敷かれており、畑仕事や家事すべてをこなすのが日課。アルバイトとして観光客のガイドをすることもある。金玉の皮をムササビのように広げて空を飛べる。ピンチになるとジャングルの様々な動物のパワーを模した特殊能力を発揮することも。 助けを求めに来た者は見捨てられない優しさを持つので、様々な戦いに巻き込まれることとなる。捨て子だったが、猿のエテ吉親子に拾われ育てられた。野生児として育ったが、その後結婚したヂェーンに人間界の常識を教えられた。ラスベガスの富豪アレクサンド・コーガンの息子かと思われたこともあったが、血液型が違うとわかり、誤解だと判明した。

ヂェーン

ターちゃんの妻。かなりの肥満体。強気でズケズケ物を言い、ターちゃんを完全に尻に敷いている。下ネタや天然ボケの多いターちゃんのツッコミ役。料理は下手で、お金にもがめつい。恐妻のターちゃんを毎日こき使っているが、心の中ではターちゃんを世界一愛している。 元はニューヨークのトップモデルだったが、ターちゃんと結婚しアフリカに移住した。モデル時代はナイスバディだったがターちゃんと暮らすうちに幸せ太りしてしまった。読書が趣味で語学も堪能、かなりのインテリであり、ターちゃんたちの参謀的存在でもある。梁師範の妻蓮苞からもらったやせ薬の効果で、一時的にナイスバディに戻った。 しかし、その後、太古から蘇った軍神アペデマスに瀕死の状態に追い込まれ、智光が皆の気を集めて送り込んだことで命は取りとめたが、気を送りすぎたせいで太っちょ体型に戻ってしまった。

エテ吉 (えてきち)

ジャングルに暮らすオスの猿。エテ吉の父がジャングルに捨てられていた赤ん坊のターちゃんを育てた。エテ吉はターちゃんの兄弟や友達として共に成長した。ターちゃんとヂェーンはサル語がわかるのでエテ吉と会話できる。スケベかつ浮気性で、メス猿を見かけるとすぐ手ごめにする。 そのスケベさはターちゃんに受け継がれたようである。

ペドロ・カズマイヤー (ぺどろかずまいやー)

ターちゃんの強さに心酔し一番弟子となった空手家の青年。フランス人。ターちゃんのことを「先生」と呼ぶ。生真面目な性格で、ターちゃんのボケにも真面目に反応する。恋愛に関しては不器用で、苦手。ターちゃんと共に様々な死闘を潜り抜ける中で着々と強くなってゆく。

アナベベ

アフリカの部族ウポポ族の戦士。昔ターちゃんと戦い、引き分けになったことがある。陽気でスケベなお調子者。妻のズベタは爬虫類や両生類が大好き。ユンケル帝国で開催されたトーナメントに優勝し、多額の賞金を得て成金になった。豪勢な屋敷に住み外車を乗り回すなど、富豪生活を満喫している。 それでもターちゃんたちが戦いに巻き込まれた際には、文句を言いながらも助太刀する情の厚い男。

(しょう)

中国拳法・白華拳の拳士。身体の小さい少年だが流派の中でトップの実力者。気を駆使しテレパシーやサイコキネシスも使える。同門の黒龍拳の拳士たちが力を邪悪に使おうとしていることを危惧し、同門のトーナメント大会で黒龍拳を負かすため、アフリカまで遠征し、ターちゃん、ペドロ、アナベベに大会に参加してくれるよう懇願した。

梁師範 (りょうしはん)

中国拳法・白華拳の拳士。口ヒゲをたくわえ鋭い眼光、顔の中心に大きな傷を持つ。白華拳随一の実力者。大導師の蓮苞は婚約者。大導師と門下の者は結婚できない掟なので、ターちゃん流空手道に入門した。そのためアフリカで暮らす羽目になった。ターちゃんの良き友達となり、一緒に様々な悪と戦ってゆく。 気を使い、怪我の治癒を行なうこともできる。

リサ・コーガン (りさこーがん)

父アレクサンドの経営する格闘カジノで活躍し、ラスベガスではスター。ターちゃんに本当の親を伝えにアフリカへやって来た。父アレクサンドがターちゃんをラスベガスに迎え、兄弟そろって仲良く暮らせると無邪気に考えていた。しかし父アレクサンドはターちゃんを実子と思っておらず、マイケルとマットを守るための身代わりとしか考えていないことを知り、苦悩する。

マイケル・コーガン (まいけるこーがん)

コーガン一家の長男。父アレクサンドの経営する格闘カジノで活躍し、ラスベガスではスター。格闘エリートとして育ち、プライドが高い。ターちゃんのことも田舎者と軽蔑していたが、格闘カジノでターちゃんに敗れたことでつまらないプライドを打ち砕かれ、改心した。

マット・コーガン (まっとこーがん)

コーガン一家の次男。父アレクサンドの経営する格闘カジノで活躍し、ラスベガスではスター。ターちゃんに会いにアフリカを訪れた際に梁師範を負かしたが、復讐のため渡米した梁師範とラスベガスの格闘カジノで再戦し、真の実力差を思い知らされた。

アレクサンド・コーガン (あれくさんどこーがん)

アラブのある王国の騎馬隊長だったが、王妃と恋に落ちた。不倫の果てに王妃は子供を宿したが、不義密通がばれ、子供はアフリカに捨てられた。アレクサンドは国外に脱出してアメリカに渡り、ラスベガスで格闘技をギャンブルとする高級カジノを経営し巨万の富を築いた。 成功する前に地下格闘組織MAXに所属していたが、殺人プロレスに嫌気がさし、足抜けの代わりに子供を組織に残した。その子供ソドム兄弟が自分の愛する息子たちマイケルとマットを自分への復讐のため殺そうとしていることを知り、ターちゃんとソドム兄弟を同士討ちさせようと企む。

ロド・ソドム (ろどそどむ)

地下格闘組織MAXに所属する格闘家。アレクサンド・コーガンの子供。生まれた時から格闘マシーンとして過酷な人生を歩んできた。そんな境遇の原因である父アレクサンドを恨んでおり、父の愛を受けて育ったマイケルとマットを殺すため、アレクサンド主催の格闘カジノへ参戦した。

ニド・ソドム (にどそどむ)

ロド・ソドムの弟。アレクサンド・コーガンの子供。兄ロドと同じく地下格闘組織MAXで幼い頃から格闘マシーンとして過酷な人生を歩む。そしてMAXの残酷な方針によりロドとニドは互いに殺し合いをさせられた。結果として弟ニドは負けて死んだと思われていたが、MAXの科学力により自我の無い殺人改造人間として蘇生した。 痛みを感じず驚異的な力を得たニドはMAXの指令によりコーガン一家やターちゃんたちの命を狙い、アポロニア仮面という覆面レスラーに扮し、格闘カジノに参戦した。

シーマ・マルソー (しーままるそー)

ルーマニアの辺境にあるヴァンパイア王国の王女。父である国王ダン・マルソーが退陣に追い込まれ、ツェペシ一族に国を支配されかけ、ターちゃんに助けを求めに来た。悪の医学組織ケルベロスのメンバーのエドガーに恋をしており、彼らに利用されていることに気づいていない。

ランジェラ・ツェペシ (らんじぇらつぇぺし)

ヴァンパイア。国王に謀反を起こしたツェペシ一族の御曹司。婚約者のシーマを追ってターちゃんたちの前に現われ、対戦した梁師範の血を吸った。そのため梁師範はヴァンパイア化してしまった。一週間以内にワクチンを打たないと助からないとシーマに知らされたターちゃん一行は、ワクチンを合成できるダン国王を助けるため、ルーマニアへと旅立った。

アリサ・ミラノ (ありさみらの)

19歳の女性。フリーライターと称して取材のためターちゃんの前に姿を現わしたが、正体はCIAの諜報部員。ターちゃんたちの情報収集のために近づいてきた。当初は怪しい行動を取っていたが、真の目的は悪の医学組織ケルベロスからターちゃんたちを守るためであった。

アイアン・マスク (あいあんますく)

全世界格闘王決定トーナメントに参戦しているマスクの戦士。悪の医学組織ケルベロスがターちゃんの細胞から培養したクローン人間である。身長・体重ともにターちゃんを上回る。ターちゃんゆずりの回復力と攻撃力を持ち、相手の強さを学習し驚異的なスピードで強くなる。 身体は大人だが知能は子供同然。ケルベロスの所長を母親と思い込んでおり、戦って相手を殺すことが善だと洗脳されている。

ドロシー

ショートカットのアメリカ人女性。アフリカのジャングルで密猟者から動物を守る私設レンジャー隊員。このレンジャー部隊に秘密裏に資金提供をしているのはヂェーンである。動物好きが高じてレンジャー入りをした。動物保護に熱い意欲を燃やしており、ターちゃんたちのことを尊敬している。 いつの間にかペドロと恋仲になっていた。

中村 政彦 (なかむら まさひこ)

一流総合商社の会社員だったが、自分の会社が業績のため環境汚染をしている事に嫌気がさし退職。罪ほろぼしのため密猟者から動物を守るレンジャー部隊へと入隊した。メガネに七三分けでワイシャツ姿という典型的なサラリーマンの格好。身体は強くないが、会社員の経験からレンジャー部隊の経費削減に貢献している。 妻とともにアフリカに移住し暮らしている。

智光 (ちこう)

中国拳法・白華拳の師範代。中国に戻った梁師範に代わりターちゃん一家を守るためアフリカへやって来た。見た目はちんちくりんの中年男。しかも筋金入りのスケベ。ふだんはバカな行動ばかり取っているが、ターちゃんたちが強敵と戦う際には気を用いて回復役として後方支援を務める。

アンリ・ノート (あんりのーと)

考古学者。長年探していたアフリカの伝説の古代文明ルシュ王国の遺跡を60年前に発見し、そこで不老長生の水を飲み、それから老化が止まった。現在130歳。その後も調査を続け、ルシュ王国の軍神アペデマスの眠る石棺を発見した。助手の裏切りにより封印されていたアペデマスが復活してしまい地球支配をもくろみはじめたので、ターちゃんに助けを求めた。

アペデマス

古代文明ルシュ王国で軍神と呼ばれた男。恐ろしいほどの美貌の大剣の使い手。侵略に来た5000人の兵を一人で三日で全滅させた伝説を残す。森の剣聖ナパ・火神アグニ・風神ヴァーユ・獣人バルカン・智将メロエら五人の特異能力を持つ戦士を従えていた。国王が発達しすぎた文明を捨て自然と共存する農耕生活に還る方針を命じたことに反発し、アグニとヴァーユを従え反乱を起こした。 反乱は鎮圧され、3人は封印された。現代に蘇ったアペデマスは5000年前の野望を叶えるため、アフリカ及び世界を支配しようとする。予知能力を持ち圧倒的な強さの冷酷非道な男で、ターちゃんたちを瀕死に追い詰め、苦しめる。

シブチ

ターちゃんたちの暮らす地域を領土とする国家ザソビアの環境大臣。ターちゃんの続けてきた動物保護活動に勲章を与えた。一見温厚で誠実そうだが裏では密猟団と通じ、環境保護の名目で頭数調整をしたゾウの死体から象牙を売りさばくなど、私腹を肥やしている。

ローズ

希少動物の密輸商に雇われターちゃん暗殺の使命を受けた美女の殺し屋。確かな腕前を持つが、アフリカへ行きターちゃんたちの周囲にいると彼らのノリに巻き込まれ、常に間抜けな理由で暗殺に失敗してしまう。ペドロだけが何となく彼女は怪しいと考えているが、ターちゃんやヂェーンは全く気付いていない。 何度も暗殺のチャンスをうかがうも失敗し続け、しまいにはアフリカに馴染んで住み着いてしまった。

エンド

西暦2045年の未来からやって来た女性。ターちゃんとヂェーンの間の末娘。やせていた頃のヂェーンにそっくり。外魔瑠派教団が人類の救世主空総を赤ん坊の時に殺し歴史を改変しようとする計画を阻止するため、後を追ってタイムスリップして来た。後に親となるターちゃんたちに事情を説明し、助けを求めた。

集団・組織

ハンター組合 (はんたーくみあい)

『新ジャングルの王者ターちゃん』に登場する組織。アフリカで動物の密猟を行なうが、ジャングルの平和を守るターちゃんにしばしば妨害されるので、彼を目の敵にしている。様々な殺し屋を雇いターちゃんを倒そうとするが、いつも返り討ちにあっている。

ケルベロス

『新ジャングルの王者ターちゃん』に登場する組織。世界中の医学者が集結した医学組織。ヘリの遭難を装いヴァンパイア王国へ侵入し、目を治療すると偽りダン国王の脳内に装置を埋め込み、思いのままに操った。組織メンバーのエドガーは王女シーマを誘惑し利用している。その目的は、ヴァンパイアを征服し彼らの不老不死能力を手に入れることであった。 地下格闘組織MAXの資金源のひとつであり、MAX配下の改造人間手術にも関わった。最先端の遺伝子研究技術を持ち、ターちゃんの細胞から培養したクローン人間を生み出した。

外魔瑠派教団 (げまるはきょうだん)

『新ジャングルの王者ターちゃん』に登場する宗教団体。未来において隆盛を誇る。西暦2045年、地球に小惑星衝突の危機が訪れた。地球防衛軍は対策を講じていたが、末法思想を旨とする外魔瑠派教団は人類が滅びるのが神の定めであると考え、地球防衛軍と全面衝突した。当初は外魔瑠派教団が優勢だったが、彼らの前に空総という坊主が立ちふさがり、戦況は一変した。 追い詰められた外魔瑠派教団は過去にタイムスリップし、生まれたばかりの空総を殺そうと計画し、科学力によって生み出した兵器の昆虫人間たちを過去に送り出した。

イベント・出来事

異種格闘技オープントーナメント (いしゅかくとうぎおーぷんとーなめんと)

『新ジャングルの王者ターちゃん』に登場する格闘技の大会。アフリカの小国ユンケル帝国で開催された。優勝賞金1000万ドルで、世界各国から強者が集められた。真の目的は国防大臣が開発したバイオ戦士の兵器としての性能を試すことだった。大会に参加したターちゃんたちはバイオ戦士を破り、国防大臣の野望を打ち砕いた。

全世界格闘王決定トーナメント (ぜんせかいかくとうおうけっていとーなめんと)

『新ジャングルの王者ターちゃん』に登場する格闘技の大会。主催は地下格闘組織MAX。世界中から格闘家を招待し、衛星チャンネルで全世界に放送された。ターちゃんたちも招待された。会場は悪の医学組織ケルベロスの研究所のある島。真の目的は、ケルベロスの製造したMAXの改造人間やクローン人間の手で宿敵のターちゃんたちを始末すること。

その他キーワード

ルシュ王国 (るしゅおうこく)

『新ジャングルの王者ターちゃん』に登場する用語。紀元前3000年にアフリカ全土を支配していたと言われる伝説の古代文明。象形文字・太陰暦を使い、首都アクムスには近代都市を思わせる高層ビルが立ち並ぶなど高度に発達した文明だった。その文明を授けたのは異星から訪れた円頭人と呼ばれる民だという。軍神アペデマスを頂点とした最強の軍隊を持っていた。 最期はエジプト王国に侵略され、地上から姿を消した。

書誌情報

新ジャングルの王者 ターちゃん 12巻 集英社〈集英社文庫(コミック版)〉

第1巻

(2009-12-15発行、 978-4086190626)

第2巻

(2009-12-15発行、 978-4086190633)

第3巻

(2010-01-19発行、 978-4086190640)

第4巻

(2010-02-18発行、 978-4086190657)

第5巻

(2010-03-18発行、 978-4086190664)

第6巻

(2010-04-16発行、 978-4086190671)

第7巻

(2010-05-18発行、 978-4086190688)

第8巻

(2010-06-18発行、 978-4086190695)

第9巻

(2010-07-16発行、 978-4086190701)

第10巻

(2010-08-18発行、 978-4086190718)

第11巻

(2010-09-17発行、 978-4086190725)

第12巻

(2010-10-15発行、 978-4086190732)

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