Persona4 the ANIMATION

Persona4 the ANIMATION

田舎町で起こった、都市伝説であるマヨナカテレビと絡む連続誘拐殺人事件の調査を軸に、高校生の主人公鳴上悠の、他者との絆の形成に伴う成長、それに伴う自我の確立が描かれた、バトル要素のあるジュブナイル伝奇ミステリ。事件捜査や、それに伴うテレビの中の世界の探索と同時に、仲間達との交流と、仲間達自身の成長も描かれていく。株式会社アトラスより発売のPlayStation 2用ゲームソフトを原作とし、本作では演出として、原作ゲームの雰囲気やユーザーインターフェンス、例えば、楽曲や、日付変化時のカレンダー表記、バトル時のカットイン等を忠実に再現することが試みられている。

正式名称
Persona4 the ANIMATION
ふりがな
ぺるそなふぉー じ あにめーしょん
原作者
制作
AIC ASTA
監督
岸 誠二
放送期間
2011年10月7日 〜 2012年3月30日
放送局
TBS
話数
25話
ジャンル
バトル
 
推理・ミステリー
 
怪談・伝奇
関連商品
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概要・あらすじ

主人公鳴上悠は、両親の事情で一年間、稲羽市八十稲羽に住む、叔父の堂島遼太郎の元に預けられる事となった。引越し早々に連続殺人事件が発生し、友人となった、花村陽介の思い人も犠牲となる。

同じ頃、八十稲羽では「マヨナカテレビ」という怪異が噂されていた。怪異の正体を突き止める過程で、花村陽介里中千枝は、テレビの中の世界がある事を知る。「マヨナカテレビ」と連続殺人事件の間に関係性を見出した彼等は、「シャドウ」と呼ばれる存在が跋扈する、テレビの中の世界の中を探索する。

その中で、と仲間達は、自らの影「シャドウ」と対峙し、受け入れるなどして「ペルソナ能力」を発現させていく。

能力を発現させた彼等は、事件や、テレビの中の世界に隠された真実を解き明かすべく、自称「特別捜査隊」を結成することになる。

登場人物・キャラクター

鳴上 悠 (なるかみ ゆう)

八十神高校2年生。特別捜査隊のリーダーを務める。作中において、精神を象徴するアルカナは、愚者(ワイルド)。長身で白髪(はくはつ)気味の髪が特徴の少し大人びた少年。両親の事情で、一年間、稲羽市八十稲羽に住む叔父、堂島遼太郎の元に預けられた。 引越し早々に、身近な人達が関係した連続殺人事件が発生し、その謎を解き被害を防ぐために、自称「特別捜査隊」を結成する。冷静沈着で無口で、あまり積極性をもたない性格だが、物語が進むにつれ、交友関係が広がり、同時に、意思を明確にし自我を確立させていく。 その過程で、天然ボケ気味で、ユーモア溢れる一面をもつ性格も、表に出すようになった。 基本的に、他人を「~さん」など敬称で呼ぶが、物語中盤以降、花村陽介に対しては、友情を込め「陽介」と呼ぶようになった。従妹である堂島菜々子には愛情を持ち、妹のように接しており、彼女が害された時は、その犯人への強い怒りと、落涙するほどの悲しみを露にした。 例外的に、自分の影「シャドウ」と向き合う事を経ずに、「ペルソナ」能力を発現させており、「何にでも成れる事」を象徴する愚者(ワイルド)のアルカナを持つ、特別なペルソナ使いとなる。 そのアルカナの特性により、運命の旅路を支援する、精神と物質の狭間の場所にある「ベルベットルーム」に入室が許されている。戦闘では、愚者の属性を持つ「イザナギ」を中心に、異なるアルカナの属性をもつ、複数のペルソナを使いこなす。

花村 陽介 (はなむら ようすけ)

八十神高校2年生。特別捜査隊に所属。鳴上悠の相棒を名乗る少年。作中において、精神を象徴するアルカナは、魔術師。面倒見の良い性格で、陽気なムードメーカー。長身で細面の美男子だが、言動がなにかと残念な為「ガッカリ王子」と呼ばれている。 市内のデパート「ジュネス八十稲羽店」店長の息子で、元々は都会育ち。半年前に引っ越してきた。大抵はスケベ心や、虚栄心の結果で、自業自得気味ではあるが、なにかと散々な目に合いがち。 先輩の小西早紀に懸想していたが、彼女が連続殺人事件に犠牲者になったことを切欠に、鳴上悠、里中千枝と共に特別捜査隊を結成した。その過程で、テレビの中の世界にて、彼が深層心理に抱えていた、「田舎暮らしに対する退屈」と「周囲の状況に振り回される苦悩」から生まれた、自らの影「シャドウ」と対峙する事となる。 しかし、仲間の力を借りつつも、それも自分の心の一部であると受け入れ、自身の精神の象徴である、「ペルソナ」「ジライヤ」を顕現させた。 戦闘では、ペルソナ「ジライヤ」を使い、風属性の魔法を操る。誕生日は1994年6月22日、身長175cm体重58kg、血液型A型。

特別捜査隊 (とくべつそうさたい)

『Persona4 the ANIMATION』の登場組織。田稲羽市八十稲羽で起きた、マヨナカテレビに絡む連続誘拐殺人事件の謎を解くために結成された素人探偵団。鳴上悠をリーダとし、花村陽介、里中千枝、クマをメンバーとして結成された。 後に天城雪子、巽完二、久慈川りせ、白鐘直斗が所属する。陽介の父親が店長を務めるジュネス(JUNES八十稲羽店)の屋上フードコートに集まる事が多い。 全員が「ペルソナ」能力を持ち、現実世界での捜査と平行して、誘拐された人物を助ける為や、状況の元凶を探る為に、テレビの中の世界を探索していく。

堂島 菜々子 (どうじま ななこ)

小学1年生。刑事の父を持つ鳴上悠の従妹。母親を事故で無くし、男手一つで育てられている。幼いながらも家事を一通りこなせるしっかり者だが、本心やわがままを、心に仕舞い込んでしまいがちな側面も持つ。悠に対して打ち解けていくと、「お兄ちゃん」と慕うようになった。 郊外型のショッピングセンタージュネスのCMソングがお気に入りで、よく口ずさんでいる。兄の友人である特別捜査隊の仲間とも親交があり、彼等からも可愛がられている。 テレビで見知っていた「久慈川りせ」に憧れを持つ。また、クマとは、精神年齢が近い事もあり、遊び友達になり、また後に親友となる。 物語終盤、とある犯人の手によってテレビの中の世界に誘拐され、悠達に助けられたが、幼い身に心身に悪影響を与えるテレビの中の世界の霧を浴び続けており、救出時には、既に衰弱状態にあった。 衰弱は進み、一度は心肺停止に到るが、クマの力添えなどもあり奇跡的に生還する。

里中 千枝 (さとなかちえ)

八十神高校2年生。特別捜査隊に所属。作中において、精神を象徴するアルカナは、戦車。ショートカットにスパッツ姿の、見るからに活動的な少女で、運動神経抜群。社交的でもあり異性の友達も多いが、あまり女扱いはされない。 天城雪子の親友で、彼女の天然ボケのフォローもする。緑系の色の服を好む。直感力に優れるが、余り学業成績の方は良く無い。無類の肉好きで、好きなお菓子は「肉ガム」。物語序盤、テレビの中の世界にて、彼女が深層心理に抱えていた、雪子に対し劣等感や嫉妬を抱き、彼女から頼られる事で自尊心を保つ、という負の感情から生まれた、自らの影「シャドウ」と対峙する事となる。 しかし、仲間の力を借りつつも、それも自分の心の一部であると受け入れ、自身の精神の象徴である「ペルソナ」、「トモエ」を顕現させた。 戦闘では、ペルソナ「トモエ」を使い、物理攻撃や、水属性の魔法を操る。 誕生日は1994年7月30日、身長158cm、血液型B型。

巽 完二 (たつみ かんじ)

八十神高校1年生。特別捜査隊に所属。作中において、精神を象徴するアルカナは、皇帝。脱色した髪をオールバックにした、鋭い目付きが特徴的な大柄の少年。ドクロ柄を好み、また、学生服の上着は肩に掛けている事が多い。 老舗の染物屋「巽屋」の一人息子。中学時代に、一人で暴走族を潰したと噂されるほど、札付きの不良。その強面と、噂される経歴とは裏腹に、根は素直で優しく、人を見る目もあり義理堅い性格。 学業成績は今ひとつだが、運動能力に長け、また、手先も器用。裁縫と手芸が趣味で、その出来はプロレベル。天城雪子とは、幼い頃からの知人。物語中盤、テレビの中の世界にて、深層心理に抱えていた、小学生時代の経験から来る内面と外面の不一致に対する悩み、また、女性への苦手意識から生まれた、自らの影「シャドウ」と対峙する事となる。 この直前、男装していた白鐘直斗を意識してしまっていた事を切欠に、自身に対し同性愛者疑惑を持ち始めていた為、「シャドウ」は、他の例と比べても異様な姿となって現れたが、仲間の力を借りつつも、それも自分であると受け入れた。 結果的に、自身の精神の象徴である、「ペルソナ」「タケミカヅチ」を顕現させる事となった。 戦闘では、ペルソナ「タケミカヅチ」を使い、物理攻撃や、雷属性の魔法を操る。誕生日は1996年1月19日身長183cm体重65kg、血液型A型。

久慈川 りせ (くじかわ りせ)

八十神高校1年生。特別捜査隊に所属。作中において、精神を象徴するアルカナは、恋愛。上結びのツインテールの髪型をした、小顔でスレンダーな美少女。トップクラスジュニアアイドル「りせちー」でもある。 突如、芸能活動を休止し、父方の実家「丸久豆腐店」がある稲羽市に引っ越してきた。高い感受性を持ち、明朗で優しく、人懐っこい性格だが、過去のイジメや芸能界での苦労を経験からか、ドライで達観したような側面も持つ。 テレビの中の世界から助け出してくれた、鳴上悠に対して隠さない好意を見せ、事有る毎にアプローチを掛ける。物語中盤、テレビの中の世界にて、深層心理に抱えていた、作られたアイドル像ではなく、「本当の自分を見て欲しい」という願望から生まれた、自らの影「シャドウ」と対峙する事となる。 「シャドウ」は、「見て欲しい」という願望から、水着姿や、サイケデリックに彩られたポールダンサーの姿をしており、衣装や形質の異なる6体の分身を見せ、りせに「本当の自分とは一体どれのことか」と問いかけた。 しかし、りせは、仲間の力を借りつつ、それも全て自分であると受け入れ、結果的に、自身の精神の象徴である、「ペルソナ」「ヒミコ」を顕現させる事となった。 戦闘や探索では、ペルソナ「ヒミコ」を使い、戦況分析や、ナビゲーションなどの補助を行う。 誕生日は1995年6月1日、身長155cm体重41kg、血液型AB型。

クマ

特別捜査隊に所属。作中において、精神を象徴するアルカナは、星。テレビの中の世界に住んでいた、生物かも不明な謎の存在。可愛らしいキグルミマスコットのような外見で、不思議の国のアリスに登場するハンプティダンプティのような体型に、丸い熊の耳を持つ。 「クマ」と名乗り、台詞の語尾も「クマ」と付ける事か多い。マイペースで天真爛漫なお調子者。物事に独特の拘りを見せる事もある。駄洒落好き。 精神年齢は低いが、女好きの一面もある。鳴上悠を「センセイ」と呼び尊敬し、テレビの中の世界の異変の解決に協力する。中の世界から人間を外に帰す力を持つ。キグルミの中身は空洞だったが、物語中盤、突きつけられた、自身には「なにも無い」という事を乗り越え、ペルソナ「キントキドウジ」を顕現させた時、同時に、人型の実体を得た。 人型の実体は、金髪の小柄な美少年姿で、キグルミを着る様な形で、従来の姿と使い分けがされた。 熊田」と名乗り、花村陽介の家に居候する事となる。その正体は、自我に目覚めた「シャドウ」の突然変異体。他人に好かれる為に、可愛らしい姿を作り出し、自己の記憶を封印していた。 戦闘では、当初はナビゲーションなどを行っていたが、「ペルソナ」発現後は、「キントキドウジ」を使い、氷結属性の魔法を操る。

白鐘 直斗 (しろがね なおと)

八十神高校1年生。特別捜査隊に所属。作中において、精神を象徴するアルカナは、運命。ショートヘアのパンツスタイルに、キャスケットを被った、細身で小柄な美少年にも見える少女。連続殺人事件の特別捜査員として稲葉市を訪れる。 探偵一族の五代目で、メディアにも良く露出し「探偵王子」という愛称を持つ。少年として登場するが、正体は所謂、男装の麗人。当初は、生真面目で論理に囚われ、融通の利かない性格を見せるが、物語の進行と共に、激情家である側面や、やや幼いともいえる優しく純粋な部分を表に出すようになる。 名探偵と呼ばれた祖父の影響や、探偵物の推理小説の影響で「ハードボイルドな探偵」に憧れを持つが、理想と現実の違いに、やや苛立っている。 物語中盤、テレビの中の世界にて、理想と現実の差異を克服したいという、強い変身願望から生まれた、自らの影「シャドウ」と対峙する事となる。 仲間の力を借りつつも、その願望を受け入れ、克服し、結果的に、自身の精神の象徴である、「ペルソナ」「スクナヒコナ」を顕現させる事となった。戦闘では、ペルソナ「スクナヒコナ」を使い、無属性の攻撃魔法を中心に、反射系や即死系の魔法を操る。 誕生日は1995年4月27日身長152cm血液型B型Rh陰性。

天城 雪子 (あまぎ ゆきこ)

八十神高校2年生。特別捜査隊に所属。作中において、精神を象徴するアルカナは、女教皇。黒髪ロングヘアの清楚で大人しそうな、大和撫子と形容されるような美少女。鋭い論理的な推理力や思考力を持つ。 赤いカチューシャを着用。里中千枝の親友。千枝から似合うといわれた赤系の色の服を好む。異性からのアプローチを全て気付かず袖にするため、彼女を口説く事は「天城越え」と呼ばれている。見た目とは裏腹に、ズバッと意見を言う割に、マイペースな性格で、人の話を全く聴いてなかったりと、天然ボケ気味。 笑いに関して独自のセンスを持ち、突然笑いだしたりする。旅館の娘であり、女将になる事が半ば決められている。 表面では仕方ないと諦めていたが、深層心理では、その環境を息苦しい「檻]」と捉え、其処から助け出してくれる白馬の王子を望んでいた。この事が、テレビの中の世界にて、向き合うべき内面の象徴であるシャドウを呼び起こす引き金となったが、仲間の力を借りつつも、それも自分であると受け入れた。 結果的に、自身の精神の象徴である、「ペルソナ」「コノハナサクヤ」を顕現させる事となった。 戦闘では、ペルソナ「コノハナサクヤ」を使い、火属性の魔法を操る。誕生日は1994年12月8日、身長164cm、血液型O型。

その他キーワード

マヨナカテレビ

『Persona4 the ANIMATION』の用語。稲羽市に流布する、「雨の降る夜の午前0時に、点いていないテレビで自分の顔を見つめると、運命の相手が映る」という都市伝説。鳴上悠と仲間が試した所、実際にその現象が起きたが、その内容は、運命の相手ではなく、街で発生している連続殺人事件に関係するものだった。 その本質は、事件の真の黒幕によって作られた、特定の人物に対する「内面を覗きたい」という人々の願望を投射するシステムであり、一度明確に報道され、巷間の話題となった人物が主役となる傾向がある。 映し出される人間の精神と共に、見ている人間の精神も影響するため、各々見えている物は微妙に異なる。 同根の別の現象、テレビの中の世界と間接的に影響しあっており、主役となった上で世界に入った人間は、より鮮明に映し出され、最終的にはバラエティなどの「番組」が形成される。「番組」の内容には、当該人物の潜在意思も大きく反映される。

ペルソナ

『Persona4 the ANIMATION』の用語。誰しも持っている、心に秘めた「もう一人の自分」の事で、神話、共有幻想的な由来を持ち、力の覚醒者のみ顕現させられ、また使役できる。抑圧された存在、自らの影であるシャドウと本質的には同質の存在で、対抗可能な唯一の手段。 拒絶せずに受け入れ昇華され、意思により制御されたシャドウが、ペルソナと呼ばれる存在となる。本作では、日本の神話や物語、歴史上の人物に材を取った、人型のペルソナが多く登場する。 その存在は心と密接に繋がりがあるため、その者の精神の属性、アルカナに対応した、一人一体ペルソナが基本だが、「何にでも成れる事」の象徴とされる愚者のアルカナを持つ、鳴上悠は複数のペルソナを顕現、使役できる。

クレジット

原作

インデックス

監督

シリーズ構成

総作画監督

中原清隆

音楽

目黒将司

アニメーション制作

AIC ASTA

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