バケモノの子

バケモノの子

母と死別した少年・九太は、ひょんなことからバケモノの住む渋天街へと迷い込む。粗暴なバケモノ・熊徹に引き取られた九太は、たびたび衝突しながらも熊徹と絆を深めていくのだった。同名のアニメ映画のコミカライズ作品。

正式名称
バケモノの子
ふりがな
ばけもののこ
漫画
原作
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

母を喪い、帰る場所を無くした少年・は、渋谷の街をさまよい歩くうち、バケモノの住む異世界である渋天街に迷い込んでしまう。粗暴だが気のいいバケモノ熊徹に引き取られ、九太と名付けられたが、熊徹との生活は衝突の連続。それでも二人は歩み寄り、親子のような関係を築き上げていく。やがて九太は、熊徹から武術を習い、力と優しさを兼ね備えた立派な少年へと成長。

しかしそれは同時に、九太としてバケモノの世界で生きるか、として人間の世界に暮らすかの選択を迫られることでもあった。一方熊徹は、バケモノ界の長老である次期宗師の座をめぐり、ライバルである猪王山と雌雄を決する戦いに挑むことになる。

登場人物・キャラクター

(れん)

物語の開始時は9歳の少年。両親の離婚後、母親と暮らしていた。母親が死亡したことにより親戚に引き取られそうになるが、これを嫌って家出。渋谷の街をさ迷い歩くうち、異世界・渋天街へと迷い込む。孤立無援で戦う熊徹に自分の姿を重ね合わせてからは、弟子入りを志願し、その剣技を学んでいく。 異世界の渋天街で卵の賞味期限を気にし、熊徹に個人情報だからと名前を明かさない現代っ子気質。ナーバスだが我を曲げることがない。強くなる手始めとして、苦手な生卵を吐きながら食べるなど、一度決意したら後には引かない強さを持つ。熊徹とは本音を言い合う親子のような関係になり、あからさまに態度には表さないものの、彼のことを慕う。

熊徹 (くまてつ)

中年男性を思わせるバケモノ。異世界・渋天街の住人で、熊と人間を足したような姿をしている。粗暴で気まぐれという、はた迷惑な人物。次期・宗師になる条件として弟子を取ることを命ぜられ、たまたま出会った蓮を弟子に仕立て上げる。人間を渋天街にとどめ置いてはならないという掟を破って蓮を引き取り、年齢が9歳だったことから勝手に九太の名前を付けるなど、人の都合を顧みずに行動。 膂力に優れ、猪王山と次期・宗師の座を争うが、品格に欠けるとして周囲からは軽く見られている。剣も使うが、力任せの我流剣で、口べたなため他者に上手く教えることもできない。人情に厚いが、素直に表すことができない。

猪王山 (いおうざん)

中年男性を思わせるバケモノ。イノシシと人間を合わせたような姿をしている。異世界・渋天街で、次期・宗師の筆頭に挙げられている大物。優れた剣技の持ち主の上、体力も熊徹と組み合って一歩も引かない。多数の弟子を従え、周囲からの評判も良い人格者で、一郎彦、次郎丸の息子2人を立派に育て上げるなど、何から何まで熊徹と正反対の人物。 人間を渋天街にとどめ置いてはならないという掟に従い、蓮が渋天街で暮らすことに反対する。

一郎彦 (いちろうひこ)

少年のようなバケモノ。猪王山の長男で、次郎丸の兄である。異世界・渋天街に住む真面目な少年。強く人望のある父・猪王山に心酔しており、稽古に励む日々を送る。熊徹と猪王山との決闘でも、迷わず父・猪王山を応援する。異世界・渋天街のバケモノは獣と人間を合わせたような姿をしているが、なぜか一郎彦にだけは獣の特徴が見られない。 そのためか、イノシシのバケモノである父に倣い、イノシシの子供を模した頭巾をかぶっている。

次郎丸 (じろうまる)

少年のようなバケモノ。猪王山の次男で、一郎彦の弟である。兄・一郎彦とは違い、父・猪王山と同様にイノシシと人間を合わせたような姿。頭部には、子供のイノシシと同様に縞模様が走っており、耳が付いている位置も人間より高く獣に近い。大盛りのかき氷を一人で平らげようとするほど食い意地が張っているが、兄・一郎彦に分けようとするなど、兄弟仲は良好。 兄・一郎彦と同様に父・猪王山に心酔しているが、兄よりは子供らしい気質を残している。

百秋坊 (ひゃくしゅうぼう)

中年男性を思わせるバケモノ。豚と人間を合わせたような姿をしており、大きな耳と鼻を持つ。修行の身を自称する僧侶で、物静かで穏やかな性格。異世界・渋天街に住んでおり、蓮がチンピラのようなバケモノに捕まっているところを助けるなど、渋天街でも一目置かれている。熊徹とは古い馴染みで、その粗暴な性質を知り抜いている。 まだ子供の蓮に対して手荒い扱いをする熊徹に対して度々忠告はするものの、聞き入れて貰える様子がない。

多々良 (たたら)

中年男性を思わせるバケモノ。百秋坊と同じく熊徹の知り合い。口が悪い現実主義者で、蓮との関係に苦戦する熊徹に対し、蓮を人間の世界へ帰すことを勧める。人の噂に詳しく、熊徹の心情を見抜くなど、頭は良いが、熊徹と猪王山の喧嘩を煽っているところを見ると、思慮深いと言うよりは騒動好き。 熊徹と共に人間の世界へ赴くなど、良く行動を共にしている。

宗師 (そうし)

長い眉と髭を持つ、老人を思わせるバケモノ。ウサギと人間を合わせたような姿をしている。異世界・渋天街を束ねており、周囲からの尊敬も篤い。神への転生を控えた身であり、そのため、後継者候補として熊徹と猪王山を指名した。粗暴さゆえに周囲から軽んじられている熊徹に目をかける、独特の選定眼の持ち主。 熊徹を成長させるために弟子を取ることを命じ、本来は禁忌である人間・蓮と共に暮らすことを認めるなど、熊徹に肩入れしている節がある。

集団・組織

バケモノ

『バケモノの子』に登場する種族。人間のような二足歩行の身体に、毛や牙が生えているなど獣の特徴を持つ。熊徹と猪王山がより獣に近い姿に変身したほか、物語の冒頭では馬から人間型に変化する者が登場しているが、バケモノのすべてがこうした能力を持つかは不明。人間とは違い、宗師の座についてしばらく経つと神に転生する権利を得られる。 また、人間はひ弱な故に心に闇を宿すが、バケモノはそうしたことがない。帯刀する者も多いが、宗師の言いつけに従い、刀とサヤを結んで抜けないようにする高い精神性を持っている。

場所

渋天街 (じゅうてんがい)

『バケモノの子』に登場する架空の世界。約1000のバケモノが住んでいる。東京の渋谷に入り口があり、定められた道筋を通って初めてたどり着くことが可能。人間の世界で居場所を失った蓮が偶然に迷い込み、熊徹と共に暮らすようになった。神奈川県横浜の中華街を思わせる牌楼(門)が建ち、石造りの建物が林立する中に大きな市場が開かれているなど、中国と中東を合わせたような無国籍風の赴きを持つ。 文明レベルは人間の世界ほどではなく、未だに手工業がメインである模様。

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