百舌谷さん逆上する

百舌谷さん逆上する

好きならば好きなほど対象に対しひどい暴力を振るったり暴言を吐いてしまうという障害、ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害を持って生まれた主人公・百舌谷小音が引き起こすトラブルと彼女に対する周囲の人間の様々な感情や愛情をコメディタッチで描いた群像劇。いわゆる「ツンデレ」をパロディとして描いた作品。

正式名称
百舌谷さん逆上する
ふりがな
もずやさんぎゃくじょうする
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

小学生・百舌谷小音は優れた容姿と才能を持ちながら、好きならば好きなほど対象に対しひどい暴力を振るったり暴言を吐いてしまうという障害、ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害を持って生まれてきた。そのため、彼女は行く先々で問題を起こし、引越しと転校を繰り返していた。そんな小音はいくつめかの転校先として元樹小学校に転入。

様々な騒動が引き起こるなか、小音は信頼出来る友人を得てゆく。

登場人物・キャラクター

百舌谷 小音 (もずや こと)

元樹小学校に通う女子小学生。小学5年生。資産家の家に生まれるが、孤児院へ預けられていた。現在は養父母である百舌谷達規・百舌谷美沙緒夫妻に育てられている。ツインテールにした金髪、青い瞳を持つ美少女で、学力は大学生を凌ぐほど高く、株を運用し資産を50倍にした実績を持つほど優秀で、カリスマ性も持ち合わせる。 好きならば好きなほど対象に対しひどい暴力を振るったり暴言を吐いてしまうという障害、ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害を持って生まれてきたため、行く先々の学校で問題を起こし、引越しと転校を繰り返している。自身の持つ障害やそのために引き起こしてしまった問題に関して深く傷ついており、その対応のために大人びた冷静さや辛辣な発言で他者を遠ざけようとするが、本来は優しく、好みも年齢相応。 養父母からはお嬢様と呼ばれている。

樺島 番太郎 (かばしま ばんたろう)

元樹小学校に通う男子小学生。小学5年生。百舌谷小音のクラスメイト。丸刈りで小太り、ランニングを着ている。優しく穏やかな性格だが要領が悪いところがあり、クラスメイトからいじられることが多い。誤解から小音に弱みを握られ、以降、下僕のような扱いを受け続け、徐々にマゾとして目覚めはじめる。 体は頑強で回復力も高く、小音の暴力にもへこたれない。弟・樺島勇次郎は心臓を患っている。弟思いの兄で、弟には頼り甲斐のある兄を演出している。

竜田 揚介 (たつた ようすけ)

元樹小学校に通う男子小学生。小学5年生。百舌谷小音のクラスメイト。容姿と運動神経がよく、怖いもの知らずでテンションが高いため、男子のリーダー格となっている。勉強は嫌いで、成績もあまり良くない。小音のことが気になり、ちょっかいをかけることが多い。同じクラスの女子五島千鶴とは幼馴染。 葛原未来と同じ学校に通っているオタクの兄がいる。

五島 千鶴 (ごとう ちづる)

元樹小学校に通う女子小学生。小学5年生。百舌谷小音のクラスメイト。長髪の黒髪をした少女。性格は真面目で気が強い。学級委員長を務めており、クラスの女子のリーダー的な存在である。クラスメイトで幼馴染の男子・竜田揚介のことが好き。そのため、揚介にかまわれがちな小音を疎ましく思いいじめることもあるが、本質的には友達思いの良い子である。 母はアナウンサー、父はドキュメンタリー番組制作をしているため、両親は不在がちで食事は自分で作って食べることが多い。

韮澤 合歓 (にらさわ ねむ)

元樹小学校に通う男子小学生。小学5年生。百舌谷小音のクラスメイト。五島千鶴の親友で、韮沢珠美のいとこ。彼女のイラストから運動会のチアリーディングの衣装が決まるなど、絵が上手い。百舌谷小音とは仲良くなりたいと思っていたものの、内向的な性格や周囲の女子との関係から言い出せずにいた。 従姉の韮沢珠美の影響からかオタク趣味があり、一緒にコスプレをして楽しむこともある。

樺島 勇次郎 (かばしま ゆうじろう)

樺島番太郎の弟。4・5年内に手術できないと生き延びることが難しい心臓疾患を抱えているため、韮沢珠美や塩畑綾香が看護師を務める病院に長期入院中。学校にも通っていない。優しく穏やかな性格のためか流されやすく、珠美に頼まれ時々コスプレをしている。容姿は兄の番太郎とは全く似ておらず、女装をすると少女と見間違えるほどかわいい。 兄のことを心から尊敬し、かっこいいと思っている。

葛原 未来 (くずはら みく)

原箕高校に通う女子高生。高校3年生。模試では毎回トップ、アメリカの大学から留学の誘いが来るほど成績優秀。過去、女子校に通っており、そこでいじめられていたことがあるが、その際、飛び級で転校してきた百舌谷小音に出会い、心酔。別れたのちも小音からもらったチョーカーを常に身につけ、小音のことを調べている。 また、借金取りに追われている権田月菜を匿っているため、住居を転々としている。内向的でオフ会に行けないほどコミニュケーション能力が低く小心ながらも、目的のためには手段を問わず、自作のスタングレネードやテーザー銃などで武装。月菜のトラブルに巻き込まれた際は、武闘派ヤクザの番場組に一人で乗り込み、五体満足のまま帰るなど戦闘能力が高い。

権田 月菜 (ごんだ るるな)

葛原未来の同居人。色黒でギャル風の服装を好む。語尾に「やんす」をつけるなど、昔のドラマの丁稚のような話し方をする。勤めていた風俗店の店長に騙され、五千万の借金を背負わされてしまい、借金取りに追われていたところを未来に匿われた。頭はあまり良くないが、分け隔てをせず、壁を作らない大らかさと優しさがあるため、他人とすぐ仲良くなることができる。 そのため、コミュニケーション能力の低い未来の代わりにオフ会に出ることもある。

百舌谷 達規 (もずや たつき)

百舌谷小音の養父。マスコミ系の会社でルポライターとして勤務している。気骨のある人間として社会派の記事を書いていたが、小音を引き取ったのちフリーランスになった。職業的な経験からか事態を俯瞰的に眺め、冷静に対処することができるが、小音には振り回されがち。とある事情で小音を引き取ることになったものの、紆余曲折の悩みののち、深く小音を愛するようになる。 鴫沢家の分家筋の人間だが、妻である百舌谷美紗緒と結婚するため、実家とは絶縁している。

百舌谷 美沙緒 (もずや みさお)

百舌谷小音の養母。百舌谷達規の妻。母性が強く子供好きで、小音を引き取ることにも積極的だった。小音のことを心から愛しているが、好きな相手から愛情を示されると混乱し、暴力を振るってしまう小音を刺激しないよう強く我慢をしている。

韮沢 珠美 (にらさわ たまみ)

樺島勇次郎が入院している病院で、小児病棟の看護師を務める女性。韮澤合歓の従姉で、塩畑綾香の後輩。オタクで腐女子のコスプレイヤー。勤務時間中に勇次郎にコスプレをさせて写真を撮るなど問題行動が多く見られるが、子供には好かれている。豆腐屋の娘で、車を運転すると性格が変わり、交通ルールを無視した荒っぽい運転をする。 相手を自分のペースに引きずり込むのが上手い。

塩畑 綾香 (しおはた あやか)

樺島勇次郎が入院している病院で、小児病棟の看護師を務める若い女性。性格は真面目で常識的。問題行動の多い後輩・韮沢珠美をよく叱っているが、仲は良く、行動を共にすることが多い。父は古武術の館長を務めているため、自身も古武術のたしなみがあり、不審者を投げ飛ばすほどの腕前を持つ。悩みは固い性格のためか、子供が懐いてくれないこと。

本郷 (ほんごう)

百舌谷達規に雇われた男性の探偵。左眉に傷がある。特殊コマンド出身で、戦闘力のほか精神的にも強く、政治・経済の黒幕として名高い鴫沢大観の圧力に屈しないと言われるほど。悪漢を装うことはあるものの、職業意識は高く、義理堅い。依頼から権田月菜を追っていたことがあるため、葛原未来とも顔見知りである。

鴫沢 大観 (しぎざわ たいかん)

百舌谷小音の祖父。ドイツ系アメリカ人で日本に帰化した後、鴫沢財閥の養子となり、現在では政財界の黒幕として恐れられる存在となる。自身もヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害を持っているが、強靭な意志の力で病気を完全に押さえ込み、数十年発作を起こしたことがないと言われる。非常に冷静だが感情が全く感じられず、相手に恐怖を感じさせるほど人間味に欠ける。 作曲の才能がある。

その他キーワード

ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害 (よーぜふつんでれはかせがたそうきょくせいぱーそなりてぃしょうがい)

発生は20万人に一人とも言われる奇病。通称は「ツンデレ」。誰かと仲良くしたい、好きだと思ったときに攻撃的な言動や行動を取ってしまい、しかも自身ではそれを抑えられないという症状が発生する。重度の患者では愛しているが故に我が子に暴力を振るってしまい、本人も自責の念で鬱状態になってしまうこともあるため大きな問題となっている。 この病名を命名したのは、作者篠房六郎の大学時代の先輩であるSF作家・伊藤計劃。

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