怨み屋本舗

怨み屋本舗

栗原正尚の代表作で、後にシリーズ化される「怨み屋本舗」シリーズ第1部。怨みを持つ人間に代わって、復讐を代行する怨み屋を生業とする宝条栞が頭脳を駆使し、依頼人に代わって復讐を果たす様を描く。2009年7月に実写ドラマ化され、怨み屋(本作の宝条栞)を木下あゆ美、情報屋を加藤雅也が演じている。

正式名称
怨み屋本舗
ふりがな
うらみやほんぽ
作者
ジャンル
推理・ミステリー
 
サスペンス
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

妻が妊娠し、幸せの絶頂にいた福沢だったが、一転して絶望のどん底に突き落とされる。何者かに、妻が強姦され殺害されてしまったのだ。犯人への怨念を募らせる福沢に宝条栞は「怨み屋本舗」の名刺を差し出す。後日、妻が殺害された事件の担当刑事が犯人だと栞に知らされた福沢は、勝手な事をしたらそれ相応の報いがあるという栞の言葉を無視して刑事を殺害する。(エピソード「怨みの方程式」)

味山は事故を装って三人の妻を殺し、保険金を得た疑惑の人物としてマスコミに追いかけられていた。妻の死因は、風呂場での溺死、自動車での単独事故死、飛び降り自殺だった。三番目の妻の両親は、栞に味山の抹殺を依頼。栞は味山に、殺し屋に注意しろとの電話を入れる。そんな中、味山のとなりに越して来た御法川は、味山に不気味なプレッシャーをかけ、その後、味山は風呂場で火傷して自動車事故に遭う。さらにマンションの廊下で、御法川から執拗な揺さぶりをかけられた味山は、御法川を押しのける。すると、ここぞとばかりに御法川は階下へ身を投げるのだった。(エピソード「殺しの方程式」)

大手食品メーカー「マツジリフーズ」の専務・松尻信一から、弟で社長の松尻信二の社会的抹殺を依頼された栞は、信二と彼が気に入っている女性社員・梅元さゆりの電話を操作し、信二のストーカー行為をでっちあげる。激昂して梅元の家に向かった信二は警察に捕まるが、依頼金を払おうとしなかった信一には、栞の鉄槌が下される。(エピソード「天使のハンマー」)

出会い系サイトで知り合った三郷一郎から、盗撮ビデオをネタに金をゆすられていた女性は、栞に三郷への復讐を依頼。栞は三郷に近づき、誘いに乗ったふりをして薬を飲ませ、彼をセキュリティーの甘い暴力団事務所に放置。栞の細工により、落書きされた車の損害賠償を暴力団に請求された三郷は、失う物のない人間という事を逆手に取られ、男色家用の娼夫として「蛇頭」に売られる。(エピソード「失わない男」)

援助交際をしているOLに取材し、デタラメな記事を作成して素顔を晒していた週刊誌のデスク・東佐倉学のせいで、OLの花村が自殺。彼女は獅堂詠示の知人の妹だった。東佐倉は、何人もの女性に貢がされた過去があり、男を喰い物にする女性に対する復讐心を持っていたのだ。そんな東佐倉を下着泥棒に仕立て上げた栞は、彼のプライバシーを暴き立てる。(エピソード「白日のプライバシー」)

マンションに越して来た新婚の松沢は、隣人で管理組合の副理事の中年女性からいわれのない嫌がらせを受け続け、栞に復讐を依頼。副理事は自分達が高額で購入したマンションを、松沢が半額以下で買ったのが許せなかったのだ。ある日、松沢が郵便物を盗むのを見たとのタレコミを受けた副理事は、可燃ゴミの日に松沢のゴミを検査するが、盗まれた郵便物が出てきたのは副理事のゴミ袋からだった。(エピソード「イヤな女」)

第2巻

16歳の時に強姦目的で同級生宅に侵入して姉妹を殺害した鬼島勝は、宝条栞から「怨み屋本舗」の社員にスカウトされ、キシベヨシエの殺害を依頼される。事故や自殺に見せかけての実行を命じられた鬼島は、ヨシエを強姦して絞殺したところをヨシエの男に見つかり、銃で撃たれる。栞はヨシエにヤクザのヒモがいる事を、わざと鬼島に伝えていなかったのだ。(エピソード「社員育成」)

栞は、医療ミスを起こした医者・長谷矢透の社会的抹殺を、被害者の父親から依頼される。透の伯父である病院の理事長が透のミスを隠ぺいした一方で、透は理事長の運営費の使い込みの証拠となる帳簿を持っていた。栞は帳簿を盗み出し、警察に告発書を送付。捕まった理事長は、透を道連れにすべく、彼の医療ミスを警察に暴露する。その頃、透は精神を病んだとされていた被害者の母から制裁を受けていた。(エピソード「怨念のレベル」)

大学時代の友人イタクラヤスシに保険証を貸した事で、サラ金業者から借金を背負わされた夏沢は、栞にヤスシの社会的抹殺を依頼するが、依頼料の代わりに機密性の高い顧客情報の提供を負わされる。一方、栞はカードと暗証番号を書いたメモを入れた財布をヤスシにつかませる。そして、キャッシングで現金を手に入れたヤスシは、偽造カードを使用した罪で警察に捕まるのだった。(エピソード「怨みの代金」)

百円ショップを全国展開させている会社の社長・大居山純介は、ある日、何者かにカードを使われ、PCを通じて、1000万円用意しなければ秘書との不倫を暴露すると脅される。大居山は、栞と獅堂詠示に犯人の社会的抹殺を依頼。栞は、大居山の秘書の兄・久保田裕が犯人だと探り当て、獅堂は裕にハッキングの罪を被せる。後味の悪さを覚える獅堂だったが、栞は一方で不倫相手の秘書あてに、ある画像と「怨み屋本舗」の名刺を送っていた。(エピソード「見えざる敵」)

平日の昼間にスーパーの地下駐車場で若い夫婦が10代の三人組に拉致され、廃墟となった病院で、妻は夫の前で凌辱される。夫が意識を取り戻した時、既に妻は首吊り状態で死亡していた。夫から三人組の殺害を依頼された栞は、警視庁の巡査長「浜崎亜里沙」となって三人組に接触し、リーダー格の男を孤立させ、殺し合いをさせるよう仕向けるのだった。(エピソード「十代の暴走」)

五反野サトル夫婦は、保険金目当てに子供を作っては殺害する事を繰り返していた。それを偶然知ったサトルの母は、栞に嫁である五反野ユカリの殺害を依頼。だが、サトルに関しては第二の人生を与えてやってほしいと懇願する。栞はユカリに懸賞品と見せかけた睡眠薬入りのダイエットドリンクを飲ませ、ガス漏れにより死亡させる。一方のサトルは、母子殺害事件の容疑で捕まってしまう。(エピソード「丸まった背中」)

第3巻

電車の中で女子高生の姉妹から痴漢にでっちあげられた男性は、宝条栞に彼女達への復讐を依頼。家族ぐるみの犯行だと知った栞は、姉妹の父親を痴漢にでっち上げ、誠意を見せろと脅迫する。父親から金銭的援助を求められた姉妹は、鉄道警察の諸田和友を痴漢のターゲットにしてしまい、警察に捕まる。一方、栞は怨みのとどめを自分で刺しなさいと、被害者男性の背中を押す。(エピソード「満員電車の罠」)

犬嫌いの達は家族で公園の前の家に引っ越して来たが、自己中心的な愛犬家の中年女性とトラブルになる。その女性に犬殺しの汚名を着せられた達は、栞に愛犬家への復讐を依頼。愛犬家からぞんざいな扱いを受けている夫に、栞は「鮎川沙織」という高校教師として接触。奥さんがうちの学校の生徒と不倫し、そのうち亭主を殺鼠剤で殺すと言っていたらしいと、耳打ちするのだった。(エピソード「自己中心的愛犬家」)

獅堂詠示は情報収集屋の源が、電車内の喫煙を注意した事から、10代の二人組の男達に殴り殺された事を知る。実直な源に一目置いていた獅堂は、栞に協力を依頼。警視庁の諸田から情報を入手した獅堂は、栞と共に少年課の刑事に扮し、二人組を暴走族から盗んだ車に乗せ、暴走族の溜り場に置き去りにするのだった。(エピソード「情報屋は忘れない」)

地元の大地主・白川家の家計は火の車だった。そんな中、白川はオタクでひきこもりの息子・白川タカヒコを自立させようとするが、彼に階段から突き落とされ死亡する。それ以降、タカヒコは要求が通らないと家で暴れ、さらに1歳の姪を性の対象とするようになった事から、タカヒコの姉は栞にタカヒコの殺害を依頼。タカヒコのPCにウィルスをまき、タカヒコが大型家電店に来るよう仕向けた栞は、タカヒコが階段で転げ落ちるよう仕向ける。これにより大ケガを負ったタカヒコは車で帰ろうとするが、そんな彼に対し栞は、あなたは白川家に不必要だと家族会議で決定したので、急いで帰らないと部屋がなくなると、彼を急かすのだった。(エピソード「家族会議」「メッセージ」)

強盗殺人で殺害された会社社長・南条の妻の南条ミユキは、栞に自分の元恋人でストーカーの田之島アキラの実質的殺害を依頼する。ミユキが夫の南条殺害を田之島に頼んだ事を知った栞は、口封じに私を利用するつもりかと、ミユキに詰め寄るが、ミユキはあんたは田之島を必ず殺すと予告。そしてミユキは、田之島に栞を殺害するよう色仕掛けで迫る。一方、いつもの黒髪のロングヘアのウイッグを取りはずし、保険屋を装った栞は田之島にミユキと黒髪ロングヘアの女が田之島に1億円の生命保険を掛けたと報告する。ロングヘアの女と自分を相討ちさせようとミユキが企んだと確信した田之島はミユキを刺す。駆けつけた寄木聡警部に、ミユキは虫の息で怨み屋と告げる。(エピソード「怨み屋の主義」「逆襲」)

第4巻

連続放火事件を起こした小学三年生の男子は、夏崎正の妻と二人の子供が亡くなったと聞いても何も感じていなかった。半年後、夏崎は犯人の殺害を宝条栞に依頼。男子の家にジュースとせんべいが常備してあるのを知った栞は、児童相談所の人間を装い男子の家を訪問。栞は菓子に入っている乾燥剤の「生石灰」をゴミ箱の中にまき、水と反応し発火するのを待つ。(エピソード「炎の少年」)

車で接触事故を起こし、脇見運転していた事を彼女に証言された大学生の男は、彼女を逆恨みする。ポストに入った「怨み屋本舗」の名刺から栞に元彼女への復讐を依頼した男は、依頼料の代わりに自分が元彼女の身辺を洗う事に協力。そして男は元彼女のアパートに侵入して盗聴器を仕掛け、現金を盗んだところを警察に捕まってしまう。(エピソード「逆恨み」)

「電脳探偵K」が大ヒットした漫画家の漆原正太郎は、ストーカー女シモキタリカコの被害に遭う。たまりかねた漆原は宝条栞に復讐を依頼。リカコが市役所の戸籍係だと知った栞は、同じくストーカーの十二月田猛臣をリカコにぶつける。宇宙人になりきった栞は十二月田に、前世で十二月田とリカコは夫婦だったと告げたのだった。十二月田の執拗なストーカー行為に恐れをなしたリカコは、職場の住基ネットで十二月田の個人情報を調べるが、その時、リカコから嫌がらせを受けた住民が次々現れ、リカコの違法行為が明るみになる。(エピソード「漫画家の災難」「ストーカー女の受難」)

共同漁業権設定区域で釣りをしていたカミサトは、岩場で足を踏み外し、ある青年に救助された。だがその後、青年が誤って転落。共同漁業権設定区域での窃盗行為を咎められる事を恐れたカミサトは、警察に通報もせずにその場を立ち去る。翌日、その様子を偶然目撃していた週刊誌記者の記事により、カミサトはマスコミに追われる事となる。死亡した青年の母親からカミサトの抹殺を依頼された栞は、料理研究家を名乗って釣りをするカミサトに接触。80号オモリ三つをカミサトのポケットに入れ、彼が防波堤から足をすべらせるよう仕向ける。(エピソード「助けない男」)

夫を奴隷としか思っていない川之内ミカは、SEX嫌いを公言し、毎日夫に暴力を振るっていた。ミカの夫から復讐を依頼された栞は、弟の宝条脩にミカを虜にさせるよう協力を要請。大金持ちを装った脩はミカをメロメロにさせ、1週間後ミカは夫に離婚を申し出る。一方、夫はミカに共有財産を放棄する旨の念書を書かせるよう栞に助言されていた。(エピソード「我儘妻と奴隷夫」)

第5巻

串焼き屋・溝下屋の換気扇の排気口からの煙が隣家を直撃していた。溝下屋は隣家の苦情を無視し、示談金100万円を渡しただけで一向に改善しようとしない。自己中心的な溝下屋に対抗すべく、隣家は宝条栞に復讐を依頼。そしてある日、串焼き屋で食中毒が発生する。(エピソード「一寸先は闇」)

「集英商事」の営業部の西川は、同期の北沢にミスをなすりつけられたうえに、自分の企画書を北沢の案として提出されてしまう。北沢のせいで左遷の可能性が高くなった西川は、栞に北沢の社会的抹殺を依頼。栞のアドバイスに従い、北沢をある店に誘った西川は、北沢に自分の企画書を盗んだ事を白状させる。翌日、西川はその店が上司の甥が経営する店だと知る。(エピソード「椅子取りゲーム」)

スーパーで躾のなってない子供に万引き犯に仕立て上げられたサラリーマンは、若い母親から子供を殴ったとして慰謝料を請求される。サラリーマンから親子への復讐を依頼された栞は、スーパーで子供に接触。警備員を呼んだ子供に万引き犯にされた栞だったが、サラリーマンがその親子の手口だと、親子の犯行が写った証拠写真を公開する。(エピソード「躾」)

若い女性からある男の社会的抹殺を依頼された栞は、ターゲットの写真が弟・宝条脩である事に驚く。脩が勤めるホストクラブに客として出向いた栞は、わざと脩を罵倒する。店を出た栞を待ち構えていたのは依頼人の若い女性で、栞は彼女が自分を騙した事を見抜いていたのだ。栞は隠れて様子を窺っていた脩の後輩ホストを引きずり出す。(エピソード「姉と弟」)

田舎の村に住む高齢男性・筒井源太郎に電話を借りた栞は、彼が殺人を犯して来た過去を聞かされる。警察官だった源太郎は、村に来た女性達を監禁し殺害していたのだ。久々の獲物を前に胸が高鳴る源太郎だったが、栞に狭心症の薬と杖を奪われる。実は栞は、源太郎の息子から、母親と嫁を殺害した父親の殺害を依頼されていたのである。(エピソード「最期の仕事」)

栞は、息子がぼったくりバーで睡眠薬入りの酒を飲まされ、冬空の下に放置され死亡したとして、その母親から八ッ橋というヤクザの殺害を依頼された。その仕事の手助けを買って出た獅堂詠示は、木崎というヤクザになりすまし、八ッ橋の経営するぼったくりバーを訪れ、八ッ橋と酒を酌み交わす。睡魔に襲われた八ッ橋に銃を向けた獅堂だったが、八ッ橋に銃を奪われてしまう。(エピソード「悪の心」)

第6巻

春田美由紀に「恋人商法」で高額な商品を購入させられた田舎者の五反野進は、宝条栞に春田の社会的抹殺を依頼。キャッチセールスで男から金をむしり取る女という内容のビラをまかれた春田は、大学のゼミの男子学生に、五反野にストーカー行為を受けていると泣きつく。男子学生達は五反野に危害を加えるが、五反野は栞から、やられて慰謝料等を取りなさいと事前に指示されていた。匿名の通報で男子学生達が警察に連行される中、ほかのキャッチセールスの被害者達が春田を待ち伏せしていた。(エピソード「ハートキャッチャー」「綻び」)

インターネットの掲示板「自殺ネット」で集団自殺に参加した栞は、その発起人が生命保険セールスレディの大木である事をつき止めていた。参加者に葬式代を残そうと生命保険に加入させ、睡眠薬を飲んで練炭自殺させるというのが大木の常套手段であり、栞は別の自殺の会に参加した自殺者の両親から大木抹殺の依頼を受けていた。栞は大木に致死量の睡眠薬を飲ませたあと、練炭を消し、眠っている参加者・杉河里奈十二月田猛臣に声を掛けて部屋を出て行くのだった。(エピソード「自殺ゲーム」)

里奈は義父に犯されるという地獄の日々を送っていたが、集団自殺の際に知り合った栞から、500万円で義父を片付けてあげると持ち掛けられる。栞は里奈の義父に近づいてある店に誘い出し、義父がハードゲイから犯されるよう仕向ける。2週間後、女に興味がなくなった義父は里奈の家を出て行く。(エピソード「支払い」)

琴美との披露宴を控えた赤沼真介に「戸籍偽造」が発覚。久我山道子という女性と入籍した事になっており、結婚は延期せざるを得なくなる。栞に道子への復讐を依頼した真介だが、道子と組んだ室田久夫に交通事故を装い殺害される。道子と久夫は「戸籍偽造」を繰り返し、夫となった人物を殺害して保険金を得ていたのだ。半年後、真介の従兄弟と名乗り久夫に近づいた獅堂は、次に殺されるのはあなただと久夫に揺さぶりをかけ、道子と室田が夫婦になっている住民票と、宝条脩と道子の浮気現場を見せるのだった。(エピソード「踏み台人生」)

車を運転している母親にロケット花火を打ち込み、母子を交通事故死させた大学生の4人組は、未成年であった事から1年ほどで自由の身となった。妻と子供を失った男性は、栞に彼らが生きながら苦しむように復讐を依頼。栞は彼らをアルバイトとして雇い、廃屋となった病院でガラスの破片を集める作業をさせ、最後にアンモニアをかけるよう言い残し外出する。すると、元から仕込んでおいたある薬品とアンモニアが反応し、ガラスが散弾銃のように飛び散るのだった。(エピソード「光無き未来」)

第7巻

班長からの「聖福教」への勧誘を断った若いサラリーマンは、「聖福教」の勧誘部隊の仕業で、痴漢や万引きの濡れ衣を着せられる。サラリーマンから依頼を受けた宝条栞は、十二月田猛臣にマクロイン王国の同志として、地球人を騙す班長を改心させろという新しい任務を与えた。十二月田は得意のストーカー行為で班長と彼女の用心棒を追い詰める。(エピソード「神の微笑」「ストーカー男発信」「骨を断つ」)

義母が資産家の父親を毒物で殺害した証拠を捜してほしいと、資産家の息子は栞に依頼。殺人の証拠を手に入れ、義母を訪ねた息子は証拠を突きつけ、義母が電話にでた隙に、出された茶を義母の茶とすり替える。開き直った義母は、食堂を営んでいた前夫の復讐のためだけに、現夫と結婚したと自白を始める。前夫は地上げ屋の現夫に騙され自殺に追い込まれたのだ。息子を殺人者にするつもりの義母は、自分の茶にヒ素を入れていた。(エピソード「臥薪嘗胆」)

美鈴は大ファンだった漫画家・漆原正太郎に弄ばれたとして、栞に復讐を依頼した。漆原がデート中に出版社名で領収書を書かせたと聞いた栞は、漆原の担当編集者・山本タクロウの仕業だと見抜き、漆原に山本のコーヒーに体が痺れる薬を入れるようけしかける。(エピソード「怨まれた漫画家」)

近所で評判の偏屈老人の悪業がエスカレートし、隣家の奥さんの下着まで盗むようになる。隣家から老人への仕返しを依頼された栞は、杉河里奈にある薬を老人に飲ませ変化が出るまで家にいるよう指示する。老人の家でトイレを借りた里奈は、突然興奮し始めた老人に襲われるが、忌まわしい義父との過去を乗り越えるべく老人に立ち向かう。(エピソード「偏屈な隣人」「脱皮」)

第8巻

娘を中国人の2人組に目の前で強姦された父親から、復讐を依頼された宝条栞は、既に尾行がついている二人組を拉致すべく、「[◇怨み屋本舗]」メンバーに集合をかける。仲間を装い中国人の二人組を車に乗せた栞達は、怨念を抱いた父親の待つ別荘へ到着する。(エピソード「安全な楽園」「楽園のリスク」)

宝条脩は3年前、チンピラから自分を救ってくれたヒロミという女性と自身が働くホストクラブで再会。ヒロミは今、ろくでなしの夫にソープで働かされているという。ヒロミに恩返しすべく、脩は栞にヒロミの夫への復讐を依頼。夫がひき逃げに遭い死亡したという連絡を受けたヒロミは大喜びする。だが、脩はヒロミが複数のホストに貢ぎ、借金まみれだった事実をヒロミに突きつけるのだった。(エピソード「シュウの恩返し」)

元刑事・竜ヶ崎寅男は複数の前科者を脅し金をゆすっていた。そんな竜ヶ崎への復讐を、夫が自殺した女性から依頼された栞は、竜ヶ崎に睡眠導入剤を飲ませ水死させようとするが、失敗。竜ヶ崎は元部下の寄木聡に栞の似顔絵を渡し、助けを求める。そんな中、竜ヶ崎は夫が自殺した女性が首謀者ではないかとの疑念を抱き、彼女に体の関係を強要。翌日、竜ヶ崎の遺書を十二月田猛臣に偽造させた栞は、陸橋で彼を挑発する。(エピソード「過去を喰う男」「道」)

木経透子から惚れられた荻窪は、透子のメールを無視した事から執拗な嫌がらせを受け、栞に復讐を依頼。妻の荻窪ヒサエは透子から、栞と荻窪の写真を見せられ、二人が不倫関係にありヒサエを殺そうとしていると信じ込ませる。栞の正体を明かせない荻窪は、ヒサエから激しく罵倒される。そんな中、栞はヒサエに透子の虚言癖を告げ、そこに現れた透子はボロを出す。栞は仕上げに、「聖福教」を透子に差し向けるのだった。(エピソード「復讐される男」「人生の脇役」「リセット」)

9巻

杉河里奈の親友・井賀見秋美が失踪。里奈は秋美が「聖福教」に捕まったかもしれないと、宝条栞に訴えかける。秋美は「聖福教」信者の母親・井賀見タエ子が、警察官の水無川に指図され、姉・井賀見早苗を刺殺する現場を目撃し、水無川に拉致監禁されたのだ。水無川は秋美を精神的に追い込み、タエ子と殺し合いをさせようと目論んでいた。一方、諸田和友獅堂詠示に反旗を翻すが、栞は多額の契約金をちらつかせ諸田を「怨み屋本舗」の工作員にスカウトする。そんな中、秋美の監禁場所をつき止めた栞だが、水無川のアパートには、栞から金を渡すとの連絡を受けた諸田が先に到着。監禁された秋美を見た諸田は、警察官として状況を解明しようとするが、タエ子に刺され、現場は修羅場と化す。栞は事前に、神からの予言と題して、タエ子あてにもうすぐ悪魔がやって来るとのメールを送信していたのだ。(エピソード「依頼人不在」「家族愛」「里奈・情報屋・諸田」「獅堂と諸田」「諸田大活躍」)

パチンコ中毒の女は再婚して子供が生まれ、前夫との連れ子が邪魔になる。女は意図的に息子を暑い車内に置き去りにし熱中症で死なせ、自分はパチンコに興じていたのだ。孫の死が不憫でならない祖母は、元嫁の復讐を栞に依頼。宝条脩にナンパされたパチンコ中毒の女は、気づけば灼熱の車の中に閉じ込められていた。(エピソード「オーブン」)

刑務所から出て来た男は、自分を罠にはめた行川愛蘭への復讐心を抱いていた。男は愛蘭と合意のもと肉体関係を持ったが、彼女の夫に見つかり、彼を刺した事で実刑判決を受けたのだ。男は栞に復讐心を刺激され、埠頭の倉庫に連れて行かれる。そこで待っていたのは、愛蘭の夫だった。そして彼は、愛蘭が男に暴行された事で自殺し、自分が男に左足を刺されたのだと語り出す。(エピソード「復讐する男」)

「BJ商事」に勤める道永は、課長から執拗ないじめを受けており、そのストレスをアニメオタクの新入社員・田山にぶつけていた。我慢の限界を超えた道永は、栞に課長を目の前から消し去ってほしいと依頼。栞はライバル会社の人間だと偽り、課長にヘッドハンティングの話を持ち掛け、「BJ商事」のトップシークレットを聞き出しマスコミに売る。責任を取らされた課長は地方に飛ばされるが、喜ぶ道永もまた田山の怨みを買っていた。(エピソード「パワーハラスメント」)

第10巻

ブランド店オーナーの端下夏代は、夫でカード会社の営業マンの端下誠と連携し、女性客にリボ払いでブランド物を購入させ、返済が滞ると街金に借りさせ一括返済させるという手段を取っていた。彼らの手口に乗せられ自殺した女性の父親は、宝条栞に復讐を依頼。栞は宝条脩十二月田猛臣を夏代の店に送り込み、脩のパトロンのヨシエも呼び出す。店内でひと悶着起こした三人だったが、十二月田がブランドバッグを落としたのがきっかけとなり、夏代がスーパーフェイクと呼ばれる偽物バッグを販売している事が明るみになる。一方、誠は悪評高い闇金に、金を騙し取ったとして拉致される。(エピソード「最高のパートナー」「最悪のパートナー」「マワリモノ」)

悪質な訪問業者・古林に口八丁で丸め込まれ、修理すると見せかけ家を壊された一家の主は、栞に復讐を依頼。だが、何事も自分で調べようとしない依頼者に対して栞は、消費者生活センターに相談すれば被害金額を回収できる時があると告げる。(エピソード「ハウス・デストロイヤー」)

飛び降り自殺した男性の巻き添えになり、妻子を失った男性は、自殺した男性の元妻ナオミこそが元凶と知り、栞に復讐を依頼する。ナオミはパチンコで借金を作り、彼女の夫はそれが原因でリストラされていた。しかもナオミは、リストラされた夫を見限り、元彼の見沼辰也のもとへ走ったのである。夫はこれを苦に飛び降り自殺したのだった。妻子を失った男性は栞の協力のもと、ナオミに復讐するため自ら投身を試みる。(エピソード「怨みの矛先」)

栞は、漫画家の漆原正太郎から、アダルトサイトの広告リンクを書き込み自分の掲示板を荒らす奴に復讐してほしいとの依頼を受けた。出会い系業者の管下ヒロキの架空口座を調べた獅堂詠示は、ヒロキの口座を凍結させ、クレジットカードも使用不可能にする。家に戻ったヒロキは、荷物を運び出していた不動産会社の人間から、自分の死亡診断書を見せられるのだった。(エピソード「削除」)

好きな男性を取られたと逆恨みされ、濃硫酸をかけられて元の顔を失くした女は、硫酸をかけた不美人の女への復讐を栞に依頼する。不美人の女は、3年で出所し結婚していた。脩からデートに誘い出された不美人の女は、眠らされ、さらに不美人になるようドクターに整形手術を施される。一方、元の顔を失くした女のプロポーションに目をつけていた栞は、彼女を自らの影武者に仕立てるべく、薬品焼けを治すための大金を渡すのだった。(エピソード「顔を失くした女」)

第11巻

杉河里奈の通う舎人川西高校で、教師が校内で生徒を盗撮していた。宝条栞からその証拠を捜す任務を受けた里奈は、疑惑視されている脇田卓己に近づくが、女性教師の桂田が隠しカメラを仕込むのを目撃。栞は桂田の部屋を盗撮して生中継し、桂田は事件に巻き込まれた被害者として退職する。この件を依頼したのは、自分の経歴に傷がつく事を恐れた舎人川西高校の校長だった。(エピソード「復活!!杉河里奈」)

オタクバスターズを名乗る三人組に恐喝されたオタクの男性は、彼らへの復讐を栞に依頼。十二月田猛臣は陽動作戦でオタクバスターズを袋小路に導く。栞達は催眠スプレーで彼らを眠らせ、暴力団の車へ放り込むのだった。(エピソード「オタク狩り」)

妻が警視監の権藤徳雄にひき逃げされたおじいさんは、栞に復讐を依頼。一方、寄木聡警部は宮野警察署長に、権藤のひき逃げ事件を昇進と引き換えにもみ消したのではないかと詰め寄る。明日発売の週刊誌にひき逃げ疑惑の記事を出す手配をした獅堂詠示だが、それを知った権藤は宮野と共におじいさんを麻薬常習者に仕立て上げようとする。権藤は、慎重を期して宮野を殺害するが、その様子を十二月田に携帯電話で撮影される。逃げた十二月田に権藤は翻弄されるが、そこへコンビニ強盗を追っていた寄木が駆けつける。十二月田が落としていった携帯の動画を見た寄木により、権藤は逮捕される。(エピソード「特権者」)

中学時代に自らを使いパシリにしていたマルヤマケイコから、子供を預かるよう頼まれた事で、タカハシユミの悪夢は始まった。ケイコに保育所代わりに利用され、家の金品がなくなるようになる。トラブルの匂いを嗅ぎつけた里奈はタカハシ家に名刺を入れ、早急に依頼を取ろうと、ケイコが偽装離婚して児童扶養手当を受け取り、公営住宅に暮らしている事を、児童相談所と住宅供給公社に密告。タカハシ家にチクられたと勘違いしたケイコは、ユミの夫を傷つけ傷害罪で逮捕される。(エピソード「悪魔の親子」)

第12巻

姪が覆面暴行魔の被害に遭い怒り心頭のヨシエは、宝条脩を通して「怨み屋本舗」に犯人への復讐を依頼。十二月田猛臣と脩が犯人の可能性が高い「田之谷鶴治」を捜すが、脩が田之谷の暴行現場に踏み込むと犯人はもう一人いた。苦戦する脩のもとへ武器を調達した十二月田が駆けつけ、右往左往しながらも犯人を確保。ドクターの手で犯人は去勢されてしまう。(エピソード「覆面とビデオ」)

ヨシエ所有のアパートが同一犯人の空き巣被害に遭い、またもや宝条栞が動く事になる。栞は泥棒がつけたマーキングを利用して空き巣をおびき寄せ、罠を仕掛けた部屋へ誘導する。(エピソード「マーキング」)

素人童貞のエリートサラリーマン幸田孝太郎はお見合いパーティーで知り合った西園寺由美と交際をスタートさせるが、クレジットカードのキャッシング被害に遭う。由美の仕業としか思えない孝太郎からの復讐依頼を受けた栞は、由美がスキミングで暗証番号を抜く装置を持った男と暮らしている事をつかむ。栞はヤクザから掏った財布を彼らの目に触れるように置く。(エピソード「渡る女」)

私立栗島学園高校3年で野球部補欠の貴章はユニフォーム姿のまま飲酒し、栗島学園高校の甲子園出場の道は断たれてしまう。貴章は部員達にリンチされ、投身自殺する。貴章の母親から自殺の原因となった人物への復讐依頼を受けた栞は、この事件に陰謀が隠されていると知る。ライバル校の集英大付属高校の理事長が自分の実績を上げるため、中国人を雇って貴章に酒を飲ませたのだ。栞と獅堂詠司は、理事長と中国人が殺し合うよう仕向ける。(エピソード「連帯責任」)

「BJ物産」の火之元課長は、クライアントである会社の専務が実兄であるのをいい事に、仕事をせずに杉浦専務のご機嫌取りに忙しい。火之元に迷惑している部下達は、栞に復讐を依頼。栞は火之元には何もせず、杉浦にインターネットで誹謗中傷の書き込みを仕掛け、彼を火之元の敵に仕立て上げるのだった。(エピソード「働かない上司」)

第13巻

15年前、奈良崎保の両親と弟を殺害した久我山進は、時効成立後にTV出演を期に一躍時の人になる。奈良崎から久我山への復讐依頼を受けた宝条栞は、「怨み屋本舗」の工作員にスカウトした安本良介を久我山にぶつけ、久我山が安本を殺すよう仕向ける。それは、安本殺害の依頼も受けていた栞の作戦だった。(エピソード「心の時効」)

東栗原中学校に通う伊与田は、いじめられっ子の南野を助けた事から、いじめっ子集団からいじめのターゲットにされる。伊与田から亀の飼育法を教わっていた獅堂詠示はそれを知り、復讐を開始。かつていじめっ子集団をいじめていた上級生を使い、獅堂に代わり栞はいじめっ子を追い詰める。(エピソード「浦島太郎」)

オタクでひきこもりの丸筒サダオは、メイドカフェのメイドのぷりりんに大金を搾取されたとして栞に復讐を依頼する。ぷりりんの調査に出かけた十二月田猛臣は、マクロイン王国の同志だというぷりりんを守ると宣言。ぷりりんを護衛しようと尾行した十二月田は、彼女が貢いでいる健司に戦いを挑み、空から降って来たという写真を見せる。そこには健司の鬼嫁と子供が写っていた。(エピソード「メイド」)

沖縄に新婚旅行に来た30代夫婦の復讐依頼が、栞を通じて相果川剛志に告げられた。ダイビングのツアーガイドを務める相果川は、夫がコザメに襲われるよう細工。夫はパニックを起こし頭痛を起こす。ホテルへの帰り道、夫婦に抜け道を教えた相果川は、彼らを縦穴に落としハブを投げ入れる。(エピソード「沖縄支店」)

第14巻

結婚式を控えた城之内飛鳥は、ファッション雑誌のカメラマンを名乗る丸川雪子に読者モデルとしてスカウトされ、写真を撮ってもらう。しばらくして、飛鳥の写真が出会い系サイトに掲載されている事が発覚し、婚約は破談になる。飛鳥から丸山への復讐を依頼された宝条栞獅堂詠示は丸川夫婦宅に侵入し、不正アクセスの罪を着せ、彼らの個人情報を公開する。(エピソード「モデル」)

カモノハシという会社員の歩き煙草で、娘の顔に火傷を負わされた若い母親から復讐依頼を受けた栞は、カモノハシを気絶させる。さらにカモノハシは、テープで簀巻きにされ、狭い箱の中に閉じ込められる。(エピソード「歩き煙草」)

米軍人ジェフ・ランドルフは車で、バイクに乗っていた男性を轢いてしまう。同乗していた知念夕子は救急車を呼ぼうとしたが、ジェフは米軍憲兵隊への連絡が先だと夕子に暴力を振るう。死亡した男性の父親は相果川剛志にジェフへの復讐を依頼。ジェフに愛想をつかした夕子を味方につけた相果川は、海辺にジェフをおびき出し、急所を連打する。(エピソード「沖縄支店・米軍基地」)

息子を交通事故で亡くした松並京子は、友人の雫元に占い師・大探田伯英を紹介される。大探田に大金をつぎ込む京子を案じた夫の松並は、大探田と雫元へ相当の報いを与えてほしいと栞に依頼。大探田が「聖福教」の城東支部の幹部だと知った栞は、大探田のもとへ乗り込み、暴発するよう仕掛けた拳銃を発射させようと誘導する。だが栞は、総務部長である桐野美鈴が城東支部に来ている事を知って作戦変更し、総務部長と対峙しようとする。それを阻止しようとした獅堂は、大探田に撃たれる。大探田は別の銃を使っていたのだ。車で逃げた大探田と雫元は、「聖福教」が敵対する「衆叡教」の建物に突っ込むよう仕向けられる。(エピソード「VS.占い師」)

第15巻

愛犬を探していた女性は、動物愛護団体員を名乗る男に、犬を保護していたとして、治療代を請求される。不審に思った女性は、彼が飼い犬を盗んで大ケガをさせ、見世物にして寄付金を集めていた事を知る。女性は人の善意につけこんだ男への復讐を宝条栞に依頼し、眠らされた男は栞達にプレス工場に運ばれる。(エピソード「動物愛護」)

酔っていた大瓦華子を助けようとした松戸良平は、ラブホテルで目を覚ました。乱暴されたと主張する華子に、結婚か慰謝料を払うかの選択を迫られ、泣く泣く慰謝料を払う。半年後、華子が男性に薬を入れた酒を飲ませ、ラブホテルに担ぎ込もうとしている姿を目撃。良平から華子への復讐を依頼された栞は、宝条脩に華子を誘わせオカマのいる店へと連れ込む。(エピソード「酔った女」)

沖縄本島のR島にルポライターの夫婦が移住して来てから、彼らの扇動で内地人達は何かと村人に反抗するようになった。村をひっかきまわす害虫を駆除する事になった相果川剛志知念夕子は、台風の日にルポライターの夫婦の家の電線を切り、触っただけで痒くなる沖縄裏名物「台湾黄毒蛾」を家の中に送り込む。(エピソード「沖縄支店・移住」)

何者かにネット詐欺の容疑者に仕立て上げられた畑山幸市は、社運をかけたプロジェクトから外される。畑山から犯人探しと報復を依頼された栞と獅堂詠示は、ネットオークションでいつも畑山から落札を阻まれるIDの持ち主・光浦を犯人だと断定。光浦が郵送事故を装い金を騙し取ったコレクター達に、光浦の名で、コレクションを好きなだけ持ち帰っていいとメールする。(エピソード「ID」)

梅下透は、泥酔して信号を無視した男性を車で轢いてしまう。幸い、梅下の過失は不問に付されたものの、人を死なせてしまったという十字架を背負ってしまう。一方、被害者の妻は保険金が全額支払われない事に腹を立て、梅下に執拗な嫌がらせを開始。会社から冷遇され、婚約者にも去られた梅下は、被害者の妻への復讐を栞に依頼する。実は被害者の妻は夫から離婚を迫られており、泥酔させたうえで浮気相手に道路へと押し出させたのだ。それを知った梅下は被害者の妻に詰め寄る。あせった妻は金を持ち出し、浮気相手に罪をなすりつけ逃亡。そして信号を待っていた妻は、浮気相手が追いかけて来たその瞬間、誰かに車道に押し出される。(エピソード「怨みの連鎖」)

さとうきび畑にゴミが不法投棄されたというオジイから、相果川剛志と知念夕子は、不法投棄する業者「城間商会」への復讐を依頼される。相果川の仕込みにより、無料でゴミを引き取ると書かれたチラシを受け取った業者は、城間商会の敷地に次々とゴミを置いていく。さらに城間商会は無許可の産廃処理業者として罰金を請求される。(エピソード「沖縄支店・ゴミの道」)

第16巻

杉河里奈は同じマンションに住む中学生の久留美が、中学生の女子三人組に援助交際を強要されているのを目撃する。里奈は彼女を助けようとするが、報復を恐れた久留美から余計な事をしないでと言われてしまう。その後、里奈は女子三人組に久留美の身代りになれと客を取らされそうになるが、客を装った「怨み屋本舗」メンバーが三人組を車で拉致する。そして三人組は、ドクターに男性化させる薬を注射されるのだった。(エピソード「里奈の受難」)

同じ服を着ていた事から、「オヤマケンイチ」に間違えられ、柄の悪い若者達からリンチを受けた戸尾村弘志は、宝条栞に彼らへの復讐を依頼。オヤマケンイチを追っているオオタユカリの彼氏は、オヤマの家で栞からオヤマの実家の住所を教えられる。そこを訪れたオオタユカリの彼氏と仲間達は大金が入った鞄を見つけるが、ヤクザから自らが経営する闇金に入った強盗だと捕まえられてしまう。(エピソード「間違えられた男」)

「模合」とは、1か月一口いくらかを決め、参加者から集金した金を毎月順番に参加者が受け取る沖縄の一般的な金銭的相互扶助システム。奥武島は、そんな「模合」という風習を利用し、詐欺を働く常習者だった。奥武島への復讐依頼を受けた相果川剛志は、協力者のオカマバーのママにより奥武島を見つけ出し、被害者に金を返せるよう彼にある就職先を用意するのだった。(エピソード「沖縄支店・モアイ」)

「栗正物産」に勤める大沢は上司・桃田宗造から青森工場への転勤を言い渡される。しばらくして、妻・大沢美鈴を驚かそうとこっそり家に戻って来ると、桃田と美鈴の不倫現場を目撃する。怒りに震えた大沢は栞に桃田への復讐を依頼。桃田は取引先の専務の姪だと知らず、彼女をホテルに連れ込み、その写真を専務に送られた事で転勤させられる。(エピソード「元の鞘」)

小学4年生の越山綾乃が同じクラスの「郡沢亜打夢」に殴られ、綾乃は母親に連れられ郡沢の家に抗議に行く。郡沢は、謝るどころか出過ぎた親の子供はいじめられっ子になると綾乃の母親を脅し、翌日、綾乃は亜打夢から顔にケガを負わされる。だが郡沢は校長の弱味を握っている事から、事件をもみ消したうえで綾乃の母親を牽制する。綾乃の母親から相応の報いをと依頼された栞は、綾乃の母親に関する怪文書を作り、それを郡沢の家に置くのだった。(エピソード「木に立って見る」)

酔って寝ていたスーツ姿の男は、キャップをかぶった男に財布を抜き取られ、十二月田猛臣を犯人だと決めつけて追いかける。恐怖を感じた十二月田は、歩道橋でキャップをかぶった男を突き飛ばし、追って来た男にぶつける。(エピソード「十二月田VS.酔拳」)

第17巻

商社勤めの冬木努は、興味本位で出張ホストとなり、楽して大金を稼ぐ事を覚える。だが、夫は出張ホスト倶楽部店長、妻は客のヤクザ組長の妻という出張ホスト詐欺夫婦に騙され、慰謝料と称して大金を騙し取られる。努から依頼を受けた宝条栞は、宝条脩を出張ホストとして派遣。脩にメロメロにされた詐欺夫婦の妻は、投資で大金を稼いでいるという脩の口車に乗せられ、5000万円を出資する。(エピソード「出張ホストの罠」)

沖縄支店の相果川剛志は、義父の息子の三兄弟から乱暴されているという専門学校生の女性から、三兄弟への復讐依頼を受けた。知念夕子が三兄弟に高額アルバイトの話を持ち掛け、彼らは無人島で深い穴を掘らされる。相果川は穴底にいる彼らに、差入れと称してヤシガニを投げ入れるのだった。(エピソード「沖縄支店・穴」)

「天祐寺剛太」という偽名で漫画家・漆原正太郎のアシスタントとなった男は、奇行を咎められ、原稿を破ってしまう。さらに漆原はその男に、アイディアノートをネットに晒される。男は木経透子の弟・木経薫だと判明、漆原から依頼を受けた栞は透子に脩を、薫には十二月田猛臣を差し向ける。漆原のリクエストは肉体的苦痛を与え、秘密をネットに晒し、合成写真で辱しめを受けさせる事だった。(エピソード「地獄の姉弟」)

隣の男にオタクだというだけでイチャモンをつけられ、フィギュアを壊されたモリヤマは、十二月田に助けを求める。モリヤマの押し入れの天井裏から男の部屋に忍び込んだ十二月田は、男が寝ているあいだに宇宙人が部屋中に落書きしたという状況を作り出す。十二月田の狙いは、男が宇宙人を怖がって引っ越しする事だった。だが、十二月田が男の部屋にフィギュアを落として来た事から、男はモリヤマの部屋で暴れ出す。(エピソード「十二月田本舗」)

第18巻

銀条路沙和子は夫・銀条路オサムのマザコンっぷりに辟易し離婚を考えていた。オサムの母は慰謝料を払いたくないため、ホストのジンを雇い、沙和子の不倫をでっち上げる。屈辱を味わわされた沙和子は、宝条栞に銀条路親子への復讐を依頼。「怨み屋本舗」メンバーは、オサムの母親が所有する貸しビルが雨漏りするよう細工し、オサムと母親の秘蔵写真と音声をオサムの会社の社内メールで暴露する。(エピソード「ママとぼく」)

福吉康夫が開発した末期ガンに効く「超磁水」がインチキだったと知った増山は、栞に福吉の復讐へを依頼する。増山が福吉を信じたばかりに増山の妻のガンは進行し命を落としたのだ。栞にドクターを差し向けられた福吉は、特製発ガン薬スペシャルを点滴される。(エピソード「薬」)

広尾絵美は高校の同窓会で、時沼由美香と再会しメールアドレスを交換した事から、トラブルに巻き込まれる。由美香は自分勝手な理由から絵美を怨んでおり、絵美を一途に思っている立田進一をあやつり、絵美にストーカー行為をさせる。一方、高校時代の先輩・山木と不倫している絵美は、由美香と自分の夫を不倫させて離婚しようと企んでいたが、立田が参入して来た事から栞に、由美香と立田への復讐を依頼。二人への復讐を果たした栞だが、絵美の夫からの依頼を取りつけ、立田を使い絵美への復讐を敢行する。(エピソード「メル友」)

金城は、兄の殺害を相果川剛志に依頼した。軍用地地主の金城の父親は、兄に殺されたというのだ。知念夕子が調べた金城の兄は、感情を表に出さない不気味な人物だった。一方、オカマバーのママから情報を得た相果川は、兄の殺害を実行するので、アリバイ作りのためにある店に居てほしいと金城に伝える。待ち合わせた海岸で、相果川は金城に、お父さんを殺したのはあなただと畳みかける。(エピソード「沖縄支店・軍用地とアリバイ」)

第19巻

沖縄で観光客の失踪が相次いでいた。同時期にサバイバルゲーム感覚で人間を射殺する殺人ビデオが出回り、被害者の親から依頼を受けた宝条栞は、相果川剛志に犯人の処刑を託す。拳銃を横流ししている米兵から3人組の犯人にたどり着いた相果川は、彼らを拉致しテロリストの武装をさせ、米軍の演習場に送り込む。(エピソード「怨み屋支店・処刑」)

女の涙を利用して社内の男性を味方につけた新入社員・百合川美里は、鬼沢陽子をブスのお局と蔑み、彼女の社員証を利用して、陽子を極秘資料を盗んだ犯人に仕立て上げる。陽子から美里への復讐依頼を受けた栞は、ドクターが開発した「花粉症促進薬」を美里に注入。女子ロッカー室を社内に生中継し、涙が止まらなくなってイライラした美里の本性を男性社員に知らしめる。(エピソード「女の涙」)

連続強盗殺人事件が起き、杉河里奈の母も命を奪われた。犯人は里奈の義父で、外人同性愛者とのプレイにハマり、麻薬欲しさに犯行を繰り返していたのだ。里奈は自分の手で義父を殺すと決意。「怨み屋本舗」一行は義父がいる同性愛者達のアジトへ向かい、彼らが使うクリームを筋肉が一時的に縮小し締め付けるという「筋縮小剤」にすり替えたうえで、彼らに強力な幻覚剤を注射する。里奈が義父に手を下すまでもなく、彼らは殺し合いを始めるのだった。(エピソード「サヨナラ里奈」)

里奈が通う「都立舎人川西高等学校」では、戸蓑タカシがイジメ部と呼ばれる五味沢翔達から陰湿ないじめを受けていた。ある日、母親と妹を犯すと脅された戸蓑は五味沢達に反抗したため、自殺にみせかけ殺害される。事件の真相を知らされた戸蓑の母親は、五味沢といじめを隠ぺいしようとした校長への復讐を依頼。一方、数学教師の手塚和夫は、自分をいじめていた体育教師・品川の社会的抹殺を依頼する。十二月田猛臣の陽動作戦で五味沢達は、「イジメ部狩りオフ会」の知らせをネットで知った人間達につけ回され、火炎瓶を投げつけられる。一方、品川と校長は栞が仕組んだ女子高校生が参加する乱交パーティーに食いつく。(エピソード「イジメ部」)

春沢潤也を事故に見せかけて抹殺するという任務は、栞と相果川が10年ほど前にやり残した仕事だった。当時、マルチ商法の元締めだった春沢は、栞達が手を下す直前に狙撃され、自首したのだった。沖縄にバカンスに来ていた春沢を見かけた相果川は海辺に春沢をおびき出し、彼が大事にしている真鍮のブレスレットを海に投げる。春沢が見つけたブレスレットにはフグと同じ猛毒を持つヒョウモンダコが絡みついていた。(エピソード「怨み屋支店・やり残した仕事」)

第20巻

獅堂詠示は、ガス中毒による一家無理心中事件の記事から、大学生の頃にアルバイトしていた定食屋の店主・峰島が死亡した事実を知る。生き残った高校生の息子・峰島達裕と再会した獅堂は、峰島が債務者リストで闇金のターゲットにされたと知り、峰島のカタキを討つ事を決意。だが達裕は偶然、獅堂が個人情報を売買しているのを目撃してしまう。獅堂は闇金業者を食い物にする「闇金殺し」というグループのリストを「債務者リスト」として、闇金「天国金融」の手に渡らせる。(エピソード「情報屋のジレンマ」)

母親が「聖福教」に取り込まれた事に我慢ならなくなった数学教師・手塚和夫は、「聖福教」を潰してほしいと宝条栞に依頼する。来るべき時が来たと、栞は「聖福教」との因縁を「怨み屋本舗」のメンバーに話す。「聖福教」信者の桐野美鈴は、かつてギャルにからまれていたところを高校時代の栞に助けられ、彼女にあこがれてストーカーとなったのだ。一方、栞の両親は「聖福教」の「被害者の会」の顧問弁護士に就任。栞から無視された事に腹を立てた美鈴は、整形し栞と同じ顔を手に入れ、援助交際や万引き等を繰り返すようになる。そんな中、宝条脩が栞と同じ顔の女性が桐谷家に入るのを目撃。宝条一家に乗り込まれ不利になった美鈴は、「聖福教」の信者男性に薬物を打ち、宝条家に放火するようそそのかす。そうして、栞の両親は焼死してしまったのだ。「聖福教」を潰すべく、栞は薬物を入れたお守りを信者に配り、脩は美鈴を埠頭におびき出す。栞は美鈴と対峙するが、銃を手にした美鈴に射殺される。だが、栞と同じ顔を持つ美鈴は栞への復讐に燃える木経透子に刺殺される。その頃、お守りを渡されて埠頭の倉庫に集まった信者達は、麻薬不法所持で逮捕される。(エピソード「VS.聖福教-依頼」「VS.聖福教-過去聖福」「VS.聖福教-因縁」「VS.聖福教-始動」「VS.聖福教-交差」「VS.聖福教-対決」「VS.聖福教-最期」「人を呪わば穴二つ」)

メディアミックス

TVドラマ

2006年7月、本作『怨み屋本舗』のTVドラマ版がテレビ東京系列で放映された。全12話。また、2008年1月には『怨み屋本舗スペシャル 家族の闇 モンスター・ファミリー』が、2009年1月には『怨み屋本舗スペシャル2 マインドコントロールの罠』がそれぞれ放送された。「怨み屋」こと宝条栞役を木下あゆ美、「情報屋」こと獅堂詠示役を寺嶋進、十二月田猛臣役を前田健がそれぞれ演じている。

登場人物・キャラクター

宝条 栞 (ほうじょう しおり)

「怨み屋」を生業とする女性。長い黒髪で長身の美女。ただし、髪はウィッグなので髪型は一定していない。本名は物語終盤近くまで明かされることはなく、通称「怨み屋」と呼ばれていた。表の顔は探偵業。情に流されることなく、冷静に仕事を進めるプロフェッショナル。桐野美鈴によって両親を殺されており、「怨み屋」の活動の裏で聖福教への復讐も練っていた。 口癖は「しかるべく」。

獅堂 詠示 (しどう えいじ)

結んだ長髪にヒゲ、眼鏡がトレードマークだが、物語後半では短髪になる。通称「情報屋」で自称クラッカー。ネットワーク上のデータを非合法に入手して怨み屋に情報を売り、「総理大臣の預金残高も調べられる」と豪語する。他にもハッキングでの偽装工作からピッキングなど様々な技術を持つ。 入浴と掃除が嫌いで、外出もめったにしない。風呂に入らず、頭をかいたフケの匂いを嗅ぐクセがある。住んでいるマンションの表札には「ホキマ情報研究所」となっており、「怨み屋」たちの作戦会議は、しばしばここで行われる。好きな言葉は「仁義」。趣味はパソコンの自作。愛車はフェラーリマラネロ。

宝条 脩 (ほうじょう しゅう)

宝条栞の実弟で「怨み屋」の協力者。ホストクラブ勤務で人気もトップクラスだが、専門が金持ちの熟女専門という特殊なスキルを持つ。ホストらしく端正な顔立ちが特徴。自信家なうえナルシストで話術に長けている。また、復讐業務の際は、容姿と話術を駆使してターゲットの女性を籠絡するなど、女性に対する工作を行う事が多い。

十二月田 猛臣 (しわすだ たけおみ)

25歳独身。オタクでストーカーで同人作家。完成品ガレージキットなどのグッズをネットオークションで売っている。過去に作ったフィギュア作品は、自身のサイト「十二月田本舗」で閲覧可能。宇宙からの電波を受信するなど、妄想が激しくストーカー気質。両手の指からラブラブ光線が出ると思っている。 宝条栞のことをマクロイン王国の同志と思っており、「上司」と呼ぶ。両親はそこそこ知名度のあるマラソン選手で、本人もかなり足が早いが球技などは苦手。後に正式に怨み屋本舗の工作員として採用されるが、本人はまだ「怨み屋」のことを宇宙人だと信じている。

杉河 里奈 (すぎかわ りな)

髪はショートカット。内気で男性恐怖症の、都立高校三年生。クラスでも存在感が薄く、友達作りが下手。母親の再婚相手に犯されており、思い悩んで集団自殺の集まりに参加。宝条栞に救われる。後に「継父を自分と母親の前から消して欲しい」と宝条栞に依頼したために,505万円の負債を負って工作員となる。 宝条栞は密かに彼女に「怨み屋」を継がせようと考えている。

相果川 剛志 (あいかがわ たけし)

怨み屋本舗、沖縄支店の支店長。体格のいいオカマで、自称アイちゃん。元々は琉球空手を学ぶために沖縄にやってきて、そのまま沖縄に住み着いた。怨み屋の仕事だけでは食えないので、兼業でお水のバイトや、観光客向けのダイビングツアーガイドをしている。海を愛する男で、海にゴミを捨てない。 女性の生の胸を見ると嘔吐する。

知念 夕子 (ちねん ゆうこ)

昔はアメ女(米兵好きの女)だったが、海兵隊の彼氏が交通事故を起こし、その相手が死亡したのをきっかけに、相果川と知り合う。その後住む場所もなくなり、相果川の家に転がりこんだが、家賃も払っていない居候状態となっている。「怨み屋」の仕事をサポートをする工作員の一人。私生活は意外とだらしない。

ドクター

年齢不詳。裏の世界では有名な闇医者で、免許はあるが開業届を出していないだけ。非合法の整形手術や去勢などを行う。「怨み屋」のことを「お嬢様」と呼ぶマゾ。シュウとも幼い頃からの知り合い。人に会う際にはアイマスクを着用。桐野美鈴の顔を整形したのも彼である。他にも宝条栞の替え玉として整形した別人を用意し、宝条栞が死んだように見せかるなど、「怨み屋」の偽装工作に多く関わっている。

栞の両親 (しおりのりょうしん)

父、宝条拓人 母、由貴。円満な家庭を築いていたが、父親が民事専門の弁護士で、聖福教「被害者の会」の顧問弁護士となったことから、聖福教と対立。桐野美鈴にそそのかされた薬物中毒の男によって殺され、家は炎上する。

寄木 聡 (やどろぎ さとし)

警視庁松島警察署の刑事。風貌は逆立てた短い髪で左顎に傷。「怨み屋」の関わる事件に度々遭遇し、関係者の残した「ウラミヤ」という謎の言葉を追って独自に捜査を開始する。公明正大を心情に生きており、警察内部の腐敗や悪しき慣習に対する処分の甘さにジレンマを感じている。その堅苦しさから嫌われることもあるが、部下の秦野からは好かれている。 後に課長代理として刑事課を仕切る。

諸田 和友 (もろた かずとも)

ギャンブルで借金を作ったことから、「情報屋」に警察の情報を売るようになった公務員。通称「耳」。後に警視庁鉄道警察隊から、本庁の刑事総務課に異動。自分の弱みを握っている「情報屋」の正体を突き止め、逆に脅迫するが「怨み屋」にはめられ、殺される。

秦野 誠一 (はたの せいいち)

寄木聡とコンビを組む、警視庁松島警察署の若き刑事。署内では寄木は堅物扱いされ、快く思っていない物もいるが、秦野は気に行っている。

漆原 正太郎 (うるしばら しょうたろう)

かつては「電脳少年K」をヒットさせたマンガ家。次回作を練っている時期に、「前世は妻だった」と信じるストーカーに付きまとわれ対処を「怨み屋」に依頼。解決後は、その顛末をマンガにした。その後も度々トラブルに巻き込まれ、その都度依頼しているお得意様。本当は「怨み屋」のことをマンガにしたいと思っている。

木経 透子 (きつね とうこ)

思い込みが激しく、悪知恵だけは回る。他人を怨むのが趣味。実家は地方の資産家で、金には困っていない。プライドが異様に高く、過去に警察に逮捕されたりアイコラをばらまかれたことから怨み屋に怨みを持っている。その後宝条栞と同じ顔を持つ桐野美鈴を狙って聖福教に入信、最終的には桐野を刺殺して逃亡する。

桐野 美鈴 (きりの みすず)

宝条栞の高校時代の同級生。聖福教を信仰している両親の元で育つ。父は聖福教の幹部職員(総務部長)。いじめから助けたことから、栞に好意を持ちストーカーと化した。その後栞の父親が聖福教被害者の会を支援していることから、ドクターに依頼し栞と同じ顔に整形。栞の評判を落とし家庭にもダメージを与える。 その後は聖福教の総務部長となり、辣腕を振るう。性格は冷酷で、不要な人間は無情に切り捨てる。鼻をほじる癖がある。

大学生4人組 (だいがくせいよにんぐみ)

エピソード「光無き未来」に登場する。悪ふざけが過ぎる大学生の男性四人組。車の運転中、ふざけてロケット花火を通行車に打ち込み、運転していた母親の目に命中させ、母子を事故死させた。反省の色がまったくないが、未成年という事で、1年後には自由の身になった。妻と子供を失った男性が宝条栞に復讐を依頼した事から、光無き未来を味わう事となる。

専門学校生 (せんもんがっこうせい)

エピソード「沖縄支店・穴」に登場する。専門学校に通う18歳の女性。母親が再婚し、新しい義父の三人の息子に毎日乱暴されている。義父は4軒の酒場を経営し、その店を母親も手伝っているため、夜は三兄弟と自分しか家にいない。本当の父親が亡くなってから女手一つで育ててくれた母親を離婚させられないと、相果川剛志に三兄弟への復讐を依頼する。

五反野 進 (ごたんの すすむ)

エピソード「ハートキャッチャー」「綻び」に登場する。上京してまだ1年目の男性会社員。年齢は23歳。彼女いない歴23年で、「大野弥生」事春田美由紀と出会い系サイトで知り合い、「恋人商法」で高額な商品を売りつけられる被害に遭った。

理事長 (りじちょう)

エピソード「連帯責任」に登場する。集英大付属高校の理事長を務めている高齢の男性。甲子園出場のライバル校である私立栗島学園高校に汚名を着せようと中国人を雇ったが、貴章の殺害までは依頼していなかった。甲子園に出場する事で自分の実績を上げ、大学へ戻ろうという野心を持っている。

溝下屋

エピソード「一寸先は闇」に登場する。串焼き屋「溝下屋」の店主の男性。山から拾った木の枝を栃木から送ってもらって串にする、というワイルドな演出が受け、店は連日大盛況。しかし換気扇の排気口の煙が隣家を直撃し、トラブルになっている。この世は金で解決できない事はないという考え方の持ち主。

オタクバスターズ

エピソード「オタク狩り」に登場する。秋葉原でオタク狩りをしている男性三人組。全員年齢は17歳。雑誌で人気ソフトの発売日を確認し、オタクが金を持っている日を調べて恐喝している。

パチンコ中毒の女 (ぱちんこちゅうどくのおんな)

エピソード「オーブン」に登場する。パチンコ好きの若い女性。4歳の息子を車に置き去りにし、熱中症で死なせた。10か月前に元彼の子供を妊娠し、養育費ほしさに前夫とあいだにできた息子を連れて再婚。二人目の子供が生まれてからは長男が邪魔になり、保険金目当てでの殺害を企てていた。

伊与田 (いよだ)

エピソード「浦島太郎」に登場する。区立東栗原中学校の男子生徒。獅堂詠示が通うペットショップの息子で、「亀っ子クラブ」というHPを制作しており、亀の飼育方法のアドバイスを獅堂にしている。将来はブリーダーになりたいという夢を持つ。正義感が強く、いじめられっ子の南野を助けた事で、自分がいじめのターゲットになる。

宮野 (みやの)

エピソード「特権者」に登場する。所轄の警察署長を務めている警視正の男性。メガネをかけている。年齢は36歳。キャリア組で、権力にすり寄るタイプ。昇進と引き換えに権藤徳雄のひき逃げ事件をもみ消す手伝いをし、おじいさんに覚醒剤を注射するが、権藤に殺害されてしまう。

火之元 (ひのもと)

エピソード「働かない上司」に登場する。BJ物産の課長職にある男性。杉浦専務の腰巾着。実の兄は取引先である帝都物産の専務という事もあり、会社から見れば、いるだけで価値ある存在となっている。それをいい事にサボり放題で、昼休みは部下のパソコンでアダルトサイトばかりを見ている。

百合川 美里 (ゆりかわ みさと)

エピソード「女の涙」に登場する。鬼沢陽子と同じ会社に勤める新入社員の女性。年齢は20歳。美人だが性悪で、女の涙を利用して男性社員を自分の味方につけている。日々ジムやエステで自分を磨いているため、男にチヤホヤされる権利があると思っている。また、高校までヤンチャだったので、ケンカには自信がある。

カモノハシ

エピソード「歩き煙草」に登場する。マロン商会と取引のあるサラリーマンの男性。左眉毛の上にホクロがある。ベビーカーに乗っていた赤ちゃんの顔を歩き煙草で火傷させるが、まったく罪の意識がない。

ジェフ・ランドルフ

エピソード「沖縄支店・米軍基地」に登場する。知念夕子と車でデートしていたマッチョな米軍人。米国人と比べ日本人は、平和を守る努力をしていない腑抜けだと思っている。バイクに乗っていた23歳の日本人男性を跳ねるが、救急車を呼ぼうとした夕子に暴力を振るって止めさせた。警察より先に到着した米軍憲兵隊に基地に帰され、飲酒運転の事実はなかった事になる。

中国人 (ちゅうごくじん)

エピソード「連帯責任」に登場する。便利屋の中国人男性。集英大付属高校の理事長に雇われ、私立栗島学園高校の貴章に酒を飲ませた。面が割れる可能性があるとして、独断で投身自殺に見せかけるべく貴章を屋上から突き落とした。

南野 (なんの)

エピソード「浦島太郎」に登場する。区立東栗原中学校の男子生徒。いじめられっ子で、勉強ができて快活な性格の伊与田をうらやましく思っていたが、伊与田から助けられるたび、自分に対するいじめが増すので迷惑していた。そのため、いじめの対象が伊与田に向かった事を喜んでいる。

広尾 絵美 (ひろお えみ)

エピソード「メル友」に登場する。昨年結婚した専業主婦の女性。押しに弱く断れない性格で、高校の同窓会で再会した時沼由美香とメールアドレスを交換した事から、由美香にあやつられた立田進一も交えてのトラブルに巻き込まれる。実は、高校時代の先輩の山木と不倫中で、夫と離婚するため、当初は自分の夫と由美香を引き合わせて付き合わせる算段をしていた。

脇田 卓己 (わきた たくみ)

エピソード「復活!!杉河里奈」に登場する。都立舎人川西高等学校で生物を教える男性教師。高校内で盗撮DVDを撮影した犯人だと目されている人物。40歳過ぎの独身で、学内では生徒に一番人気がない。生物室でネズミを爆死させる実験を繰り返し、一人で楽しんでいる不気味なところがある。

峰島 達裕 (みねじま たつひろ)

エピソード「情報屋のジレンマ」に登場する。一家無理心中事件の生き残りである男子高校生。峰島の息子。獅堂詠示が父親の営む定食屋でアルバイトしていた当時はまだ幼かった。獅堂と再会し、父親が「債務者リスト」のせいで闇金に追い込まれた事を告げるが、偶然、彼が個人情報を売買する人間だと知ってしまい、憎悪を募らせる。

赤沼 真介 (あかぬま しんすけ)

エピソード「踏み台人生」に登場する。サラリーマンの男性。恋人の琴美との結婚を控えている。だが、披露宴前日に「戸籍偽造」の被害に遭っている事が発覚。久我山道子という女性と結婚している事になっており、琴美との結婚は延期となる。宝条栞に道子への復讐を依頼するが、道子と組んでいる恋人の室田久夫に横断歩道で押され、交通事故に見せかけて殺害される。

三郷 一郎 (みさと いちろう)

エピソード「失わない男」に登場する。出会い系サイトで出会った女性との行為を盗撮し、それをネタに女性をゆすっている若い男性。女性を金づるや性欲のはけ口としてしか見ていない。家族も定職もなく多額の借金だけがある、失う物が何もない人生を送っている。それを宝条栞に逆手に取られ、蒸発しても誰も心配しないと、人身売買をしている暴力団に男色家の娼夫として売られる。

被害者の妻 (ひがいしゃのつま)

エピソード「怨みの連鎖」に登場する。梅下透が車で轢いた男性の妻。過失割合で夫の保険金が全額おりず、梅下に嫌がらせを繰り返している。夫から浮気を責められて離婚を言い渡されたため、夫を自動車事故に遭わせて保険金を得ようと企み、夫を泥酔させたうえで、浮気相手に道路に押し出させた。「私はそんなに安い女じゃないのよ」が口癖。

妻子を失った男性 (さいしをうしなっただんせい)

エピソード「怨みの矛先」に登場する。飛び降り自殺したナオミの夫のせいで妻子を失った男性。当初はナオミの夫の両親を怨んでいたが、ナオミのせいで男性が自殺したと知り、怨みの矛先をナオミに向けた。あまりのショックに神経だけが過敏な状態であり、復讐に自分の身を投じる事を決意している。

サトルの母 (さとるのはは)

エピソード「丸まった背中」に登場する。五反野サトルの母親。末期ガンでいつ死んでもおかしくない状態にある。保険金目当てで、孫がサトル夫婦に殺されている現場を偶然目撃した。1年近く悩み、宝条栞に嫁の五反野ユカリの殺害を依頼。自分の息子は昔から心の優しい子だったと主張し、息子が狂ったのは鬼嫁のせいで、息子に第2の人生を歩んでほしいと栞に懇願する。

味山 (あじやま)

エピソード「殺しの方程式」に登場する。事故を装って三人の妻を殺害して多額の保険金を得たとされている男性。最初の妻は泥酔して風呂場で溺死、2番目の妻は自動車の単独事故、3番目の妻は飛び降り自殺した。「怨み屋」を名乗る宝条栞から、殺し屋に注意しなさいとの電話を受け、となりに引っ越して来た不気味な御法川を警戒するようになる。

井賀見 タエ子 (いがみ たえこ)

エピソード「依頼人不在」「家族愛」「里奈・情報屋・諸田」「獅堂と諸田」「諸田大活躍」に登場する。宗教マニアの中年女性。現在は娘の井賀見早苗と共に「聖福教」にハマっている。早苗と井賀見秋美の母親で、夫は早苗を刺殺した容疑者として警察に拘束されている。水無川と体の関係を持ち、彼から強く洗脳されており、早苗を刺殺した。

里奈の母 (りなのはは)

エピソード「サヨナラ里奈」「支払い」に登場する。杉河里奈の母親。女手一つで里奈を育てて来たが、里奈の義父と再婚。当時、里奈が夫に犯されている事には気づいていなかった。ずっと仕事は続けており、里奈の大学費用を貯金していた。しかし、同性愛者との快楽に溺れたうえに路上強盗を繰り返すようになった元夫に殺害され、貯金を奪われる。

夫が自殺した女性 (おっとがじさつしたじょせい)

エピソード「過去を喰う男」「道」に登場する。竜ヶ崎寅男への復讐を宝条栞に依頼した女性。年齢は42歳。出所後ラーメン店を経営して、まじめに働いていた前科者の夫が、元担当刑事だった竜ヶ崎にゆすられて自殺。栞の関与を他人に漏らせば死ぬのはあなただけではないと口止めされており、栞に命を狙われた竜ヶ崎には口を割らず、代わりに体の関係を強要される。夫の出所後に生まれた娘がいる。

小学三年生の男子 (しょうがくさんねんせいのだんし)

エピソード「炎の少年」に登場する。小学3年生の男の子。水商売をしている母親と二人でアパートで暮らしている。連続放火事件の犯人。住んでいる人が必死で逃げ惑うのが楽しいからという理由で放火を繰り返している。母親が放任主義な事から、週に1回は学校をずる休みして、ゲームをしている。ジュースとせんべいが好物で、母親から「ターちゃん」と呼ばれている。

奈良崎 保 (ならさき たもつ)

エピソード「心の時効」に登場する。15年前、栗原町強盗殺人事件で両親と弟を殺害された男性。事件後、伯父を後見人に、父親の会社を大きく発展させた。金銭的になに不自由なく育ったが、犯人の久我山進への怨恨は深く、宝条栞に死以上の苦痛を与えてほしいと復讐依頼する。

三人組 (さんにんぐみ)

エピソード「十代の暴走」に登場する。若い夫婦を拉致し、夫の前で妻を凌辱した10代の少年達。いかつい顔をしたリーダー格の「タケウチコウ」、帽子をかぶった「ハルオ」、ビビりな性格の「ヒデ」の三人組。警視庁の巡査長を名乗る宝条栞に個別に揺さぶりをかけられ、仲間割れするよう仕向けられる。

松並 京子 (まつなみ きょうこ)

エピソード「VS.占い師」に登場する。息子の「松並タカノリ」を交通事故で亡くした母親。昨年には兄がガンで亡くなり、たび重なる不幸に意気消沈していた。友人の雫元に占い師の大探田伯英を紹介され、1000万円もの大金をつぎ込む。

大木 (おおき)

エピソード「自殺ゲーム」に登場する。インターネットの掲示板「自殺ネット」で死にたい人間を募った発起人の中年女性。ハンドルネームが「スッチー」。実は「集英生命保険」のセールスレディで、ノルマを達成するため、遺族に葬式代を残そうと提案して、自殺志願者全員を生命保険に加入させていた。

久我山 道子 (くがやま みちこ)

エピソード「踏み台人生」に登場する。「戸籍偽造」で赤沼真介の妻となった女性。左の法令線の上にほくろがある。「久我山」は旧姓であり、前の夫は、保険金目当てで室田久夫と共謀し、殺害している。金遣いが荒く、宝条脩との浮気現場を久夫に見られた事で修羅場になる。

竜ヶ崎 寅男 (りゅうがさき とらお)

エピソード「過去を喰う男」「道」に登場する。元刑事のゴリラ顔の男性。複数の前科者を脅してゆすっている。5年前、ホームセンターでカメのエサを万引きして停職処分となり、処分決定後依頼退職が、窃盗犯であるにもかかわらず退職金を受け取っている。宝条栞に睡眠導入剤を飲まされたあと、池で水死させられる寸前、鉛筆で自分の手を刺して難を逃れるという屈強さを見せた。部下だった寄木聡警部に、この女に狙われていると、ショートカットの栞の似顔絵を見せて助けを求める。

丸山 雪子

エピソード「モデル」に登場する。ファッション雑誌のカメラマンを名乗る女性。街で若い女性に、読者モデルにならないかと声を掛け、写真を撮影して撮影料の1000円を払って領収書を書かせている。実は、夫と共に出会い系サイトの経営をしており、撮影した写真でプロフィールを作り、その後別の業者にその写真を売って儲けている。

30代の夫婦 (さんじゅうだいのふうふ)

エピソード「沖縄支店」に登場する。沖縄を新婚旅行で訪れた30代の夫婦。昨年、二人で共謀して前妻にアルコールを飲ませ、海で溺死させている。夫は前妻に多額の保険金を掛けており、前妻の家族から夫婦への復讐依頼を宝条栞が受け、沖縄支店の相果川剛志が実行した。

出張ホスト詐欺 (しゅっちょうほすとさぎ)

エピソード「出張ホストの罠」に登場する。詐欺をはたらく夫婦。世間知らずの若い会社員をカモに出張ホストを募り、大金を巻き上げる。夫は出張ホスト「友愛倶楽部」の店長で、妻はヤクザの組長の妻という上客になりすまし、出張ホストとなった若い男から保証金や慰謝料と称して大金を巻き上げている。

イタクラ ヤスシ

エピソード「怨みの代金」に登場する。大学を卒業して4年になるフリーターの男性。夏沢の保険証を借り、サラ金業者から金を借りて姿をくらませた。不況のせいで出版業界に就職できなかったと世を拗ねている。うまくいかない自分を見てみんなが安心感を得ているという事を免罪符とし、友人から保険証を借りて借金する行為を繰り返している。

久保田 裕

エピソード「見えざる敵」に登場する。プログラマーの男性。大居山純介の秘書、久保田エミコの兄。人のパソコンに侵入するのが趣味で、偶然大居山のパソコンに侵入し、妹の痴態をアダルトサイトに投稿している事を知る。人道的ルールを破る男は許せないと大居山に制裁を加え、社会的に抹殺する事を企んでいる。しかし、妹にそれほどの愛情があるわけではない。

戸尾村 弘志 (とおむら ひろし)

エピソード「間違えられた男」に登場する。「オヤマケンイチ」という男性に間違えられたサラリーマンの男性。オヤマケンイチと同じ服を着ていたというだけで、オオタユカリの彼氏とその友人達にリンチされ、全身骨折と睾丸を切り取られるという大ケガを負った。

(げん)

エピソード「情報屋は忘れない」に登場する。獅堂詠示が情報を買っている情報収集屋の男性。会社のゴミ捨て場から個人情報が掲載された懸賞ハガキを集めている。ボーナスも受け取らない不器用で実直な性格で、獅堂から一目置かれており、彼から「源さん」と呼ばれている。電車内での喫煙を注意した事から10代の二人組に殴り殺された。本名は「寺之内甚平」で、長野出身の51歳。10年前に妻と子を交通事故で亡くし、事業に失敗して天涯孤独のまま東京に出て来ていた。

大居山 純介 (おおいやま じゅんすけ)

エピソード「見えざる敵」に登場する。全国チェーンの100円ショップ会社を経営する男性。年齢は40歳。去年、15歳年下の妻と結婚して子供が一人いる。秘書の「久保田エミコ」を愛人とし、社長室で淫らな行為にふけり、その痴態をアダルトサイトに投稿して楽しんでいる変態。

丸筒 サダオ (まるづつ さだお)

エピソード「メイド」に登場する。ネット株で大儲けしている男性。33歳という年齢より幼く見える。アニメと漫画が趣味のオタクだが、十二月田猛臣いわく、成金のひきこもり。同じ会社の女性にふられて会社を辞めたため、思い通りになるメイドを欲している。メイドカフェのぷりりんに恋をして2000万円貢いだが、彼女がイケメンの健司に貢いでいるのを知り、ぷりりんへの復讐を宝条栞に依頼した。

鬼沢 陽子 (おにざわ ようこ)

エピソード「女の涙」に登場する。OLの女性。年齢は28歳。高卒で現在の会社に勤めて11年目になる。不美人だが、仕事にはまじめに取り組んでいる。新入社員の百合川美里からお局扱いされ、ロッカールームで暴力を受けたのち、陰湿な罠にハメられる。

久我山 進 (くがやま しん)

エピソード「心の時効」に登場する。15年前、奈良崎保の両親と弟を殺害した栗原町強盗殺人事件の犯人の男性。時効成立後、自分が犯人だと自白したTV番組で毒々しいキャラクターが人気となり、一躍時の人になる。短気で怒りっぽい性格。

金城 (きんじょう)

エピソード「沖縄支店・軍用地とアリバイ」に登場する。沖縄に住む若いイケメンの男性。父親は利回りのいい軍用地の地主であり、父親を殺した金城の兄への復讐を相果川剛志に依頼。実は借金で首が回らなくなり、心臓の悪い父親の薬を盗んで殺し、兄を相果川に殺させようと企んでいる。

中国人の2人組 (ちゅうごくじんのふたりぐみ)

エピソード「安全な楽園」「楽園のリスク」に登場する。留学ビザで不法就労している中国人の男性二人組。日本人は戦後補償もせず、中国人を喰い物にする汚い民族だと思い込んでいる。日本は二人以上殺さなければ死刑にならない、まさに楽園だと、強盗に入った家で19歳の女性を両親の目の前で強姦し、廃人に追い込んだ。

里奈の義父 (りなのぎふ)

エピソード「支払い」「サヨナラ里奈」に登場する。警備員の男性。杉河里奈の母親の再婚相手であり、里奈の義父。里奈の母より年下で、一見さわやかな男を装っているが、毎日里奈を犯している鬼畜。里奈から復讐を依頼された宝条栞にハードゲイをあてがわれ、ゲイの世界に目覚める。のちに、外国人同性愛者に覚醒剤漬けにされて、快楽に溺れ、路上強盗を繰り返して里奈の母を殺害する。容疑者となった際、「北金目健治」という名前が明らかになる。

顔をなくした女 (かおをなくしたおんな)

エピソード「顔を失くした女」に登場する。四畳半の部屋で内職をしながら暮らしている仮面の女性。5年前、好きな男性を寝取られたと逆恨みした同僚OL、不美人の女に農硫酸をかけられ、顔を失った。もともとは綺麗な顔立ちで、身長165センチで体重45キロというプロポーションを宝条栞に気に入られ、薬品焼けの箇所を治してもらうよう大金を受け取る。のちに、栞の影武者として働く事になる。

隣の男 (となりのおとこ)

エピソード「十二月田本舗」に登場する。工場でアルバイトしている男性。モリヤマと同じアパートのとなりに住んでいる。仕事が減って妻子は出て行き、仕事先では年下にこき使われるという、日頃のストレスをモリヤマにぶつけて発散している。オタクを人間のクズだと思い込んでいる。

川之内 ミカ

エピソード「我儘妻と奴隷夫」に登場する。専業主婦の女性。男のようなキツイ顔つきをしている。夫が公務員という理由だけで結婚し、夫を自分を養うための奴隷としか思っていない。ブランドバッグを頻繁に購入しており、毎日パチンコに通っている。またSEX嫌いを公言し、夫とのSEXを拒んでいる。

荻窪 (おぎくぼ)

エピソード「復讐される男」「人生の脇役」「リセット」に登場する。大型家電店で販売を担当する男性。妻と二人暮らし。アルバイトの木経透子に惚れられ、透子からの意味不明なメールを無視した事から、過剰な嫌がらせを受ける羽目になり、配送センターに移動させられる。

荻窪 ヒサエ (おぎくぼ ひさえ)

エピソード「復讐される男」「人生の脇役」「リセット」に登場する。荻窪の妻の若い女性。気が強く、プライドを傷つけられるのが一番嫌い。木経透子が合成した荻窪の浮気写真を見て、家出してしまう。宝条栞が荻窪の浮気相手だと、いっしょに写った写真を透子から見せられ、二人が自分を殺そうとしているとの噓を信じてしまう。

キシベ ヨシエ

エピソード「社員育成」に登場する。不特定多数の既婚者と性的関係を持ってはお金をゆすっていた女性。そのうちの一人がサラ金に手を出し、借金地獄に陥り自殺した。男達から巻き上げた金で買ったスナックを経営している。口元にほくろがある、気の強そうな人物。宝条栞から「怨み屋本舗」の工作員にスカウトされた鬼島勝に殺害される。

梅下 透

エピソード「怨みの連鎖」に登場する。32歳のサラリーマンの男性。酔って信号無視した男性を車で轢いてしまい、その男性が死亡した事から、人を死なせたという自責の念に苦しんでいる。被害者の過失割合が多く、刑事上・行政上の責任は逃れたが、被害者の妻からの執拗な嫌がらせにより、婚約者には去られ、会社でも冷遇されるようになる。

校長 (こうちょう)

エピソード「復活!!杉河里奈」「イジメ部」に登場する。都立舎人川西高等学校の校長を務める高齢男性。来年春に定年退職したあとには教育センターの天下りが決まっている。自分の学校の教師が盗撮映像を売っている事が表に出れば管理責任を問われてしまうので、宝条栞に盗撮教師を見つけ出して隠密に処理できるよう依頼した。責任逃れしか頭になく、誠意のない人物で、のちにいじめのせいで戸蓑タカシが自殺したという問題を隠ぺいしようとする

端下 誠 (はしも まこと)

エピソード「最高のパートナー」「最悪のパートナー」「マワリモノ」に登場する。カード会社「BJカード」の営業部の期待のホープと呼ばれる男性。端下夏代の夫で、共に再婚同士で子供はいない。夏代と連携して客に無理な買い物をさせ、借金地獄に陥れている。会社では女子社員にも人気があり人望はあるが、裏の顔は顧客を闇金に紹介する悪党。

オカマバーのママ

エピソード「沖縄支店・モアイ」「沖縄支店・軍用地とアリバイ」に登場する。オカマバー「ちゅらさん」のママ。相果川剛志の友達であり、協力者。相果川から奥武島を捜す手伝いを引き受け、いろいろな村で「模合詐欺」を働いている事をつかむ。また裏社会の情報にも詳しい。

カミサト

エピソード「助けない男」に登場する。釣りが趣味の会社員の男性。左目の下に大きなホクロがある。釣りをしたら窃盗罪となる共同漁業権設定区域で釣りをしていた際、岩場から転落しそうになったところをある青年に救出される。だが、その青年が誤って海に転落した際、窃盗罪発覚を恐れて通報もせずに立ち去った身勝手な人物。

冬木 努 (ふゆき つとむ)

エピソード「出張ホストの罠」に登場する。商社に勤務する世間知らずの若いサラリーマンの男性。興味本位で出張ホストになり、楽して稼ぐおいしい思いを味わったあとに、大金を騙し取られた出張ホスト詐欺の被害者。

山本 タクロウ (やまもと たくろう)

エピソード「怨まれた漫画家」「地獄の姉弟」に登場する。出版社「集栄社」の男性社員。漫画家の漆原正太郎の担当編集者。軽いノリのいいかげんな人物だが、漆原よりはイケメン。顔を公表していない漆原になりすましてファンに手を出していた。新しいアシスタントとして、木経薫を漆原に紹介したトラブルメーカーでもある。

室田 久夫 (むろた ひさお)

エピソード「踏み台人生」に登場する。久我山道子の恋人の男性。道子が「戸籍偽造」で結婚した相手を交通事故に見せかけ殺害し、保険金を得ている。激昂しやすい性格を利用され、「怨み屋本舗」メンバー達により、道子と仲間割れするよう陥れられる。

オオタユカリの彼氏 (おおたゆかりのかれし)

エピソード「間違えられた男」に登場する。戸尾村弘志にリンチを加えた男性。彼女の「オオタユカリ」を食事に誘った「オヤマケンイチ」と戸尾村を間違え、戸尾村にひどいケガを負わせた。嫉妬心が強く、オヤマケンイチの行方を執拗に追っている。

先代怨み屋 (せんだいうらみや)

「怨み屋本舗」の先代社長を務めていた高齢の女性。メガネをかけた温厚そうな人物だが、その笑顔はいつも作り笑い。任務を言い渡す時には、「できますよね」と拒否を認めない口ぶりで威圧感を与える。ドクターからの紹介で、「聖福教」に両親が殺害された宝条栞を「怨み屋本舗」の工作員にスカウトした。

道永 (みちなが)

エピソード「パワーハラスメント」に登場する。「BJ商事」に勤める男性会社員。上司の課長から理不尽ないじめに遭っている。後輩のアニメオタクの新入社員、田山にそのイライラをぶつけている。

東佐倉 学 (とうさくら まなぶ)

エピソード「白日のプライバシー」に登場する。栗正出版で「週刊スクープ」のデスクをしている男性。援助交際している女性達に、顔にモザイクをかけると約束したにもかかわらず、「援交OL」として彼女達のヌードと素顔を雑誌に晒していた。被害女性は花村のほか多数いる。また、取材にかこつけて性行為を強要し、ギャラのピンハネも行っていた。若い頃に何人もの女性に金をだまし取られた怨みがあり、男を喰い物にする淫売には誰であろうと制裁を与えてやるとの復讐心を持つ。

奥武島 (おおじま)

エピソード「沖縄支店・モアイ」に登場する。沖縄のある島に引っ越して来た男性。証券会社に勤務している。気さくで陽気な性格で、人のよさそうな人物。実は出資金を3割増しにするという美味しい話を持ち掛け、「模合」の発起人となり、金銭を騙し取る詐欺師。本名は「大島」で埼玉出身。

タカハシ ユミ

エピソード「悪魔の親子」に登場する。結婚2年目の専業主婦。子供はいない。年齢は29歳。物事を断るのが苦手な事が災いし、中学時代にパシリにされていたマルヤマケイコから子供の世話を任され、保育所代わりに利用されている。

若い夫婦 (わかいふうふ)

エピソード「十代の暴走」に登場する。平日昼間のスーパーの駐車場で、10代の三人組に拉致された夫婦。廃墟となった病院で、妻が夫の目の前で凌辱され、夫は暴行されて意識を失う。夫が気づいた時には、妻は首吊り状態で死亡していた。法律は鬼畜を保護しているとして、夫は三人組の殺害を宝条栞に依頼した。

おじいさん

エピソード「特権者」に登場する。妻を権藤徳雄にひき逃げされた高齢の男性。警察がひき逃げ事件に取り合ってくれないため、宝条栞に権藤への復讐を依頼。だが、目撃者を消そうと権藤に協力する宮野警察署長に覚醒剤を注入される。命に別状はなく、権藤の堕ちていく様を見届けるべく、生きる気力を取り戻す。

ママン

エピソード「地獄の姉弟」に登場する。木経透子と木経薫の母親。地方の資産家でプライドが高く、木経家をナメる奴にはキッチリ思い知らせるという教育方針であり、そのためのお金は惜しまない。

五味沢 翔

エピソード「イジメ部」に登場する。都立舎人川西高等学校の男子生徒。「時村凌次」「紙田舞久」と共に戸蓑タカシをターゲットに陰湿なイジメを行っている。帰宅部ならぬ「イジメ部」を結成し、卒業しても進学も就職もできない自分達の道連れにしてやろうと、学校の評判をとことん落とそうとしている。

タカヒコの姉 (たかひこのあね)

エピソード「家族会議」「メッセージ」に登場する。没落した大地主の白川家の長女。夫と1歳の娘と共に白川家で暮らしている。自分の娘を殺人者の係累にするのが嫌で、父親を殺した弟の白川タカヒコの実質的殺害を宝条栞に依頼。タカヒコが娘を性の対象として見ているのがどうしても許せず、自分達夫婦、妹夫婦と母親で決断するに至った。栞からは、「怨み屋本舗」かかわっている事を誰かが漏らせば、全員に冷酷な死を与えると警告されている。

西川 (にしかわ)

エピソード「椅子取りゲーム」に登場する。「集英商事」の営業部に所属する若い男性。まじめで要領が悪く、同期の北沢に仕事の失敗を押しつけられたうえ、北沢に自分の企画書をこっそり上司に提出されて手柄を横取りされてしまう。網走支社に左遷させられそうになり、宝条栞に北沢の社会的抹殺を依頼した。

木経 薫 (きつね かおる)

エピソード「地獄の姉弟」に登場する。漆原正太郎のアシスタントとなった男性。ママンの息子で、木経透子の弟。姉と二人暮らし。自分の事を「拙者」と呼び、爪を嚙みきると姉上に叱られる、といって泣く奇人。漆原にいじめられたと騒ぎ立て、本棚を壊して原稿を破くが、自殺するまで相手を追いこめと透子に殴られ、さらに漆原への嫌がらせを加速させる。指しゃぶりの癖がある。

ヒロミ

エピソード「シュウの恩返し」に登場する。ソープ嬢をしている女性。左目元にホクロがある。3年前、チンピラに囲まれた宝条脩を助けた人物。通信教育でボクシングを習っており、チンピラをボコボコにした。脩が働くホストクラブで再会し、脩を利用するため、暴力夫からソープで働かされていると噓をついた。実は夫はまじめな公務員で、ヒロミ自身が複数のホストに貢いで借金まみれだった事が獅堂詠示の調査で発覚。

松尻 信一 (まつじり しんいち)

エピソード「天使のハンマー」に登場する。大手食品メーカー「マツジリフーズ」の専務取締役を務める男性。年齢は47歳。松尻信二の兄。社長だった父親が死亡し、遺言状に代表取締役には弟がなるようにと記されていた事に憤慨し、弟の社会的抹殺を宝条栞に依頼。長年経理部長として会社の屋台骨を支えてきたとの自負がある。器が小さくカッとなりやすく、利己的で屈折した性格。ちなみに味覚音痴。

金城の兄 (きんじょうのあに)

エピソード「沖縄支店・軍用地とアリバイ」に登場する。役所で働く沖縄の男性。おとなしい性格で、感情を表に出さないタイプ。職場の人付き合いは悪く、「飲む、打つ、買う」を楽しんでいるが、給料の範囲内で遊んでいる。

松沢 (まつざわ)

エピソード「イヤな女」に登場する。3か月前に中古マンションの一室に引っ越して来た新婚の若い女性。となりの副理事からいわれのない嫌がらせを受けており、二度と嫌がらせをされないようにと宝条栞に副理事への復讐を依頼する。仕事を安く引き受けてもらった代わりに、自分も代償を払う羽目になり、栞をイヤな女呼ばわりした気の強い性格の持ち主。一方の栞からは、この程度の事で復讐依頼までする人はいないと吐き捨てられてしまう。

品川 (しながわ)

エピソード「イジメ部」に登場する。都立舎人川西高等学校で体育を担当している男性教師。ジャージを常用している。手塚和夫を使いパシリとして扱い、100万円以上の金を立て替えさせているが、返すつもりはまったくない。女子高校生との乱交パーティーを杉河里奈に誘われ、宝条栞の罠にハマる。

大探田 伯英 (おおたんだ はくえい)

エピソード「VS.占い師」に登場する。占い師の男性。「聖福教」の幹部を務めている。本名は「太田英一」。年齢は50歳。眉間のホクロは手書きで、ロングヘアのカツラをかぶっており、ツケヒゲとツケ眉毛を愛用している。カツラ愛好者であるため、宝条栞の新品のカツラの匂いを嗅ぎ分ける自称「カツラー」。20歳の時に易学の専門学校を出ており、25年前にはフィリピンから拳銃などの運び屋をして逮捕された。「聖福教」に入信したのは7年前。占いで信者を集め、異例のスピードで幹部に昇進した。まずはおだてて心を開かせ、次に不安にさせて財布を開かせるのを常套手段としている。

光浦 (みつうら)

エピソード「ID」に登場する。ネットオークションを利用して寸借詐欺を繰り返している男性。コレクター兼転売屋。コレクションを出品し、落札した人達には商品をすでに送ったと噓をつき、少額の現金を騙し取っている。その金で新しいコレクションを増やすのを生きがいとしているが、入札したモノをいつも金にものを言わせて横取りしていく畑山幸市を怨んで、詐欺師に仕立て上げた。

端下 夏代 (はしも なつよ)

エピソード「最高のパートナー」「最悪のパートナー」「マワリモノ」に登場する。ブランド専門店「レジャー」の女性オーナー。端下誠の妻で、共に再婚同士で子供はいない。誠と連携して客に無理な買い物をさせ、借金地獄に陥れている。スーパーフェイクという偽物を売りつけていた事が、目利きが得意な宝条脩により暴かれる。

不美人の女 (ふびじんのおんな)

エピソード「顔を失くした女」「VS.聖福教」に登場する。刑務所を出所し、受刑者を支援する団体の男性と結婚した女性。会社の同僚だった顔をなくした女に好きな男性を寝取られ、逆恨みして濃硫酸をかけ、刑務所に入っていた。顔をなくした女への補償をする気はまったくない。宝条脩に誘い出されて眠らされ、ドクターから元の顔に戻すのは不可能なように骨格から整形され、さらにひどい顔にされてしまう。のちに、ドクターから再度整形手術を施されて宝条栞の替え玉となり、桐野美鈴に銃で撃たれる。

銀条路 オサム (ぎんじょうじ おさむ)

エピソード「ママとぼく」に登場する。会社員の男性。年齢は27歳。銀条路沙和子の夫で、オサムの母の息子。左目の下にホクロがある。度を越したマザコンで、今でも母親と風呂に入り、体を洗ってもらっている。外面がよく、意外と会社では女子社員に人気がある。

J (じぇい)

獅堂詠示が使う情報屋の男性。スーツ姿で、「J」のロゴが入った黒いキャップをかぶり、サングラスにマスクというスタイルで顔を隠している。個人情報を扱い、中国人等の外国人情報にも詳しい。

モリヤマ

エピソード「十二月田本舗」に登場する。フィギュア萌えのオタクの男性。十二月田猛臣のサイト「十二月田本舗」のファンで、十二月田がキラキラした男前に見えている。隣の男に十二月田から購入したフィギュアを壊され、十二月田に助けを求める。

出所した男 (しゅっしょしたおとこ)

エピソード「復讐する男」に登場する。刑務所を出所したばかりの中年男性。5年前、テレクラで知り合った「行川愛蘭」と合意のうえで肉体関係を持ったが、愛蘭の夫に現場を目撃される。愛蘭を逆恨みしているが、愛蘭の夫を刺し、その目の前で愛蘭を暴行して実刑判決が下った。

理事長 (りじちょう)

エピソード「怨念のレベル」に登場する。「長谷矢総合病院」の理事長を務める高齢男性。長谷矢透の伯父。子宝に恵まれなかった事から、透に病院を継がそうと裏口入学まで斡旋し、医師免許を取らせた。透の医療ミスをたびたびもみ消してきたが、理事長自身は病院の運営費を使い込んでいる。

白川 (しらかわ)

エピソード「家族会議」「メッセージ」に登場する。地元の大地主の男性。白川タカヒコとタカヒコの姉の父親。スリッパ履きで階段を踏み外して亡くなったとされているが、実はタカヒコが階段から突き落とした。賃貸アパートを15件所有して裕福そうに見えるが、実は家計は火の車である。

資産家の息子 (しさんかのむすこ)

エピソード「臥薪嘗胆」に登場する。資産を一代で築いた男性の息子。自分の父親を義母が毒物で殺害したという疑念を抱いており、宝条栞にその証拠をつき止めてほしいと依頼する。父親とは折り合いが悪く、10年前に父親が再婚した際、家を出た。赤の他人に遺産の半分を持っていかれるのが許せないという守銭奴。義母に父親の殺害を自白させ、自殺に見せかけて殺害しようとしている。

副理事 (ふくりじ)

エピソード「イヤな女」に登場する。松沢のとなりの部屋に住む、マンション管理組合の副理事を務める中年女性。6年前に苦労してやっと購入した6000万円のマンションを、中古とはいえ2000万円で買った隣人の松沢が許せず、執拗な嫌がらせを続けている。また松沢夫婦が、毎日夜の生活を営んでいるのも我慢ならない理由の一つ。ちなみに夫が交通事故で亡くなり、生命保険が下りて住宅ローンはチャラになっている。

義母 (ぎぼ)

エピソード「臥薪嘗胆」に登場する。10年前に資産家の高齢男性と再婚した女性。前夫と食堂を営み、幸せに暮らしていたが、15年前に地上げ屋が夫を罠にはめて権利書を奪い、前夫を自殺に追い込んだ。5年後、料亭で働きだした時に地上げ屋と再会し、復讐のためだけに再婚したという過去がある。息子を殺人者に仕立て上げるべく、自分は自殺する覚悟でいる。

鬼島 勝 (きじま まさる)

エピソード「社員育成」に登場する。宝条栞から「怨み屋本舗」の工作員にスカウトされた男性。16歳の時に強姦目的で同級生宅に侵入し、姉妹二人を刺殺して医療少年院送致となった過去がある。その過去を栞に見込まれ、殺害の仕事を請け負うようスカウトされる。サディスティックな性格で、子供の頃から他人が嫌がる事をするのが好き。人間の生命を破壊する快感は、SEX以上だと豪語している。

オジイ

エピソード「沖縄支店・ゴミの道」に登場する。沖縄県在住の高齢男性。自分のサトウキビ畑にゴミが不法投棄され、「怨み屋本舗」沖縄支店長の相果川剛志にゴミを捨てた産廃業者への復讐を依頼。警察と産廃業者がつるんでいる事も知っているが、「仕方ないさねー」と半ばあきらめている、のんびりした性格。

井賀見 秋美 (いがみ あきみ)

エピソード「依頼人不在」「家族愛」「里奈・情報屋・諸田」「獅堂と諸田」「諸田大活躍」に登場する。杉河里奈の親友の女子高生。井賀見と井賀見タエ子の娘で、井賀見早苗の妹。「聖福教」にハマる母親と姉に嫌悪感をあらわにしており、早苗が水無川にあやつられたタエ子に刺殺された現場を目撃したため、水無川に監禁される。孤独な里奈が唯一の友達だと思っていた人物。

動物愛護団体を名乗る男 (どうぶつあいごだんたいをなのるおとこ)

エピソード「動物愛護」に登場する。動物愛護団体を名乗って募金を募る男性。しかし、その実体は不幸な動物は同情を集めやすいとして、飼い犬を盗んでは大ケガをさせ、集めた寄付金でパチンコに興じている。

ヨシエ

宝条脩が勤めるホストクラブの女性客。脩の一番のスポンサーでもある。24軒のアパートを所有する未亡人で、総資産は20億円といわれている。ホストクラブを訪れた宝条栞と火花を散らせた事もあるほど気が強い。また、端下夏代が経営するブランド店の常連でもある。のちに高校生の姪が覆面暴行魔の被害に遭い、脩を通じて「怨み屋本舗」に復讐を依頼する。自分のアパートが空き巣に狙われる被害に遭った際にも同じく「怨み屋本舗」を頼っている。

安本 良介 (やすもと りょうすけ)

エピソード「心の時効」に登場する。「怨み屋本舗」の工作員となった男性。眉間にホクロがある。元強請り屋で10年前、抵抗された相手を殺害し、8年間服役していたが、現在は無職で金に困窮している。安本良介に殺害された人物の母親から安本殺害の依頼があったため、宝条栞が工作員に仕立て上げ、久我山進にぶつけた。

夏沢 (なつざわ)

エピソード「怨みの代金」に登場する。証券会社に勤めている若い男性。大学時代からの友人のイタクラヤスシに保険証を貸した事から、サラ金業者から借金を負わされてしまい、宝条栞にヤスシの社会的抹殺を依頼。200万円という依頼料の代わりに、レベル8(政治家等の最重要機密情報)を含む、証券会社の過去10年分の顧客情報を用意するよう命じられる。

郡沢 (こおりざわ)

エピソード「木に立って見る」に登場する。小学4年生の「郡山亜打夢」の母親。夫は単身赴任中。子供同士のトラブルに口を出して来た越山綾乃の母親を敵視するようになる。ずる賢く、人の弱みにつけいるのが得意。いつもタバコを吸っており、怒ると他人の子供を本気で殴る。

田之島 アキラ (たのしま あきら)

エピソード「怨み屋の主義」「逆襲」に登場する。南条を殺害した男性。南条ミユキの愛人。南条が経営するベンチャー企業で働いていたが、以前にミユキと付き合っていた事がばれてクビになった。南条殺害をミユキから依頼されて実行。ミユキといっしょになれると思っており、宝条栞を殺害するよう仕向けられる。

若い母親 (わかいははおや)

エピソード「躾」に登場する。小学生位の男の子の母親。小太りの体型をしている。スーパーで子供を使って客を万引き犯に仕立て上げ、その客に殴られたとして慰謝料を請求し、生計を立てている。別れた夫は養育費すらよこさないクズ男で、若い母親自身は働く事が大嫌い。

銀条路 沙和子 (ぎんじょうじ さわこ)

エピソード「ママとぼく」に登場する。OLの女性。銀条路オサムの妻。オサムの重度のマザコンに辟易しており、離婚を考えている。慰謝料を渡したくないオサムの母にハメられ、ホストのジンとの不倫をでっち上げられてしまう。

白川 タカヒコ (しらかわ たかひこ)

エピソード「家族会議」「メッセージ」に登場する。ひきこもりの男性。白川家の長男。年齢は30歳で、母親と2組の姉夫婦と1歳の姪とで高台の一軒家で暮らしている。高校を出てから一度も働いた事がなく、毎月50万円も浪費している。肥満体型のニキビ面で、メガネをかけているオタク。太陽が嫌いで自分の部屋を要塞と呼び、ほとんど外出しない。高校時代は「ブタオ」と呼ばれ、いじめられていた。知らない人とうまく話せず、触られると吐き気をもよおす。

南条 ミユキ

エピソード「怨み屋の主義」「逆襲」に登場する。年商20億円のベンチャー企業の会社社長の南条と結婚した美人女性。年齢は33歳。仲のよい夫婦を装っているが、実は財産目的で結婚し、愛人の田之島アキラに夫の殺害を依頼した女郎蜘蛛のような人物。復讐ではなく、口封じのために田之島の殺害を宝条栞に依頼した事がばれ、栞と対決する事になる。

シモキタ リカコ

エピソード「漫画家の災難」「ストーカー女の受難」に登場する。市役所の出張所の戸籍係で働く太った女性。年齢は27歳。漫画家の漆原正太郎のストーカーで、彼の「電脳探偵K」の大ファン。前世の「マクロイン王国」では漆原と夫婦だったと思い込んでいる。職場で個人情報を勝手に入手し、ムカつく市民には大量の出前を注文するという嫌がらせを行っている。

幸田 孝太郎 (こうだ こうたろう)

エピソード「渡る女」に登場する。一流大学を卒業し、そこそこいい企業に勤めている男性。彼女いない歴28年の素人童貞。お見合いパーティーで西園寺由美と付き合う事になり、浮かれる中、クレジットカードのキャッシング被害に遭う。由美にキスすらさせてもらえなかった事に怨みを抱いている。

大瓦 華子

エピソード「酔った女」に登場する。男性に薬を飲ませ、乱暴されたと主張して慰謝料を請求する女性。大柄で不美人。30歳になるまでに1億円を稼ごうとしており、自分の行為は子供の頃から男性に意地悪をされてきた復讐だと、自分を正当化している。バカな男がオロオロして自分に詫びる姿に快感を感じている。

3人組の犯人 (さんにんぐみのはんにん)

エピソード「怨み屋支店・処刑」に登場する。サバイバルゲームの同好会を通じて知り合った三人組の男性。一人は漁師で二人は会社員。一人旅の観光客を麻酔薬で拉致して無人島に連れて行き、ゲーム感覚で射殺してストレスを発散させていた。その殺害場面をビデオに録画し、会社員の一人がそのビデオを外部に流していた事から、被害者の一人の親から宝条栞が犯人の殺害依頼を受ける事になる。

美鈴 (みすず)

エピソード「怨まれた漫画家」に登場する。漆原正太郎のファンで、肉感的な女性。年齢は21歳。口の左上にホクロがある。自分の写真同封のファンレターを漆原に送った事から漆原と付き合っていたが、遊ばれたとして宝条栞に復讐を依頼。漆原をぶん殴って慰謝料を貰おうと思っている。

ぷりりん

エピソード「メイド」に登場する。メイドカフェのメイドをしている女性。「ぷりりん」は源氏名で、本名は「大迫範絵」という。アニメにはほとんど興味がないが、稼ぐために熱心に勉強し、時給2500円のNo.1メイドに登りつめた。丸筒サダオから搾取した金はイケメンの健司に貢いでいる。のちに、十二月田猛臣をも虜にする。

越山 綾乃 (こしやま あやの)

エピソード「木に立って見る」に登場する。小学4年生の女子。母親と父親の三人家族。同じクラスの「郡沢亜打夢」に傘で殴られ、母親と郡沢の家に抗議に行ったが、翌日亜打夢からサッカーボールを顔にぶつけられる。

畑山 幸市 (はたけやま こういち)

エピソード「ID」に登場する。ネットオークションでフィギュアを買うのが趣味のエリートサラリーマンの男性。何者かにネット詐欺の容疑者に仕立て上げられた事により、会社でのプロジェクトから外され、犯人探しと復讐を宝条栞に依頼する。

時沼 由美香 (ときぬま ゆみか)

エピソード「メル友」に登場する。広尾絵美と同じ高校だった女性。同窓会で絵美とメールアドレスを交換し、絵美へのストーカー行為をエスカレートさせていく。自己中心的でトゲトゲしい性格の持ち主。高校時代、絵美が自分に数学のノートを貸してくれなかったためにいい点が取れず、そのためいい会社に入れずにダメ男と結婚し離婚した、と思い込んでいる。絵美に未練がある立田進一の一途さを利用し、絵美のストーカーに仕立て上げる。

八ッ橋

エピソード「悪の心」に登場する。暴力団「集英組東海連合松澤組」の組員の男性。ぼったくりバーを経営している。26歳のサラリーマンに睡眠薬入りの酒を飲ませ、現金とカードを盗んで冬の寒空に放置して死亡させた。しかし2年3か月で刑務所から出所し、現在はぼったくりの規制が甘いR県に店を移転して、のうのうと暮らしている。

古林

エピソード「ハウス・デストロイヤー」に登場する。悪質な訪問業者の男性。自宅の一室に電話を置き「集英工務店」を営んでいる。全日本屋根復旧協会と名乗り、言葉巧みに修理を促す。実は家主が見ていないスキを見計らって、協力業者と家を破壊し、多額の修理代金を要求している。

健司 (けんじ)

エピソード「メイド」に登場する。メイドのぷりりんに貢がせているフリーターのイケメン男性。ぷりりんはただの金づると考えており、ルックスのよさとセックスの技さえあれば、バカな女はどんどん寄って来る、と内心は王様気取りでいる。実は太った鬼嫁と子供がいる恐妻家で、妻には完全に尻に敷かれている。

班長 (はんちょう)

エピソード「神の微笑」「ストーカー男発信」「骨を断つ」に登場する。「聖福教」の信者で、勧誘部隊第26班の班長を務める中年女性。黒っぽいハットと黒っぽい服装を身につけている。5年前に夫を交通事故で亡くし、友人の誘いで「聖福教」の会合に参加。難しい教義は理解していないが、自分の居場所を確保するため勧誘に精を出し、4年半で地区の班長に登りつめた。

井賀見 早苗 (いがみ さなえ)

エピソード「依頼人不在」「家族愛」「里奈・情報屋・諸田」「獅堂と諸田」「諸田大活躍」に登場する。専門学校に通う女性。年齢は19歳。井賀見と井賀見タエ子の娘で、井賀見秋美の姉。支配されたい願望が強く、水無川と体の関係を持っているが、それが原因でタエ子と口論になり、水無川にあやつられたタエ子に刺殺される。

手塚 和夫 (てづか かずお)

エピソード「イジメ部」「VS.聖福教」に登場する。都立舎人川西高等学校で数学を担当している男性教師。鉄仮面のように無表情なので、陰で生徒達から「テッカ」と呼ばれている。体育教師の品川に使いパシリとして扱われ、100万円以上の金を立て替えさせられている。品川の社会的抹殺を「怨み屋本舗」に依頼した際に会った女性が、舎人川西高等学校の生徒だった宝条栞だと思い出す。のちに、母親が「聖福教」から財産をむしり取られるようになり、「聖福教」潰しを栞に依頼する。

大沢 (おおさわ)

エピソード「元の鞘」に登場する。栗正物産に勤める男性。大沢美鈴の夫。新婚6か月だが、青森工場転勤を言い渡され、泣く泣く一人で単身赴任する事になった。妻を驚かせようと有給を取って帰って来た際、美鈴と上司の桃田宗造の不倫関係を知ってしまう。

被害者の母 (ひがいしゃのはは)

エピソード「怨念のレベル」に登場する。医療ミスで中学3年生の娘を失った母親。娘が死亡してから心を病んでおり、医者の診断によると入院が必要とされている。部屋に閉じこもり、藁人形をキリで刺して不気味な笑みを浮かべている。実は、夫が宝条栞に透の社会的抹殺を依頼していた。人を殺害しても無罪になる免許を病院からもらったと栞に告げ、自分に透を殺害させてほしいと申し出た。

北沢 (きたざわ)

エピソード「椅子取りゲーム」に登場する。「集英商事」の営業部に所属する若い男性。西川の同期で、仕事の実力は大差はないが、お調子者でおだて上手であるため、上司の受けがいい。自分のミスを西川のせいにしたり、西川の企画書を盗んで自分の企画書として上司に提出するなど、ずる賢い性格の持ち主。

西園寺 由美 (さいおんじ ゆみ)

エピソード「渡る女」に登場する。お見合いパーティーでカモを漁っている若い女性。クレジットカードの暗証番号をスキミングできる装置を持った男と組み、カモを狙っている。お見合いパーティーに参加し、幸田孝太郎に近づいた。

花村 (はなむら)

エピソード「白日のプライバシー」に登場する。一流企業に勤める若いOL。ブランド物欲しさにインターネットの出会い系の掲示板を通じて援助交際しており、東佐倉学に騙されて「援交OL」として「週刊スクープ」にモザイクなしの顔とヌードを載せられる。それが原因で婚約者に破談にされるなど、生活を滅茶苦茶にされたのを苦に自殺。部屋には300万円と、このお金で東佐倉を殺してくださいとの遺書が発見された。昔、獅堂詠示が世話になった男性の妹だった事から、獅堂への貸しとして、宝条栞が動く事となる。

愛犬家 (あいけんか)

エピソード「自己中心的愛犬家」に登場する。愛犬家の中年女性。飼育禁止のマンション内でビーグル犬のコロを飼っている。夫のせいで子宝に恵まれなかった事から、夫を邪険に扱い、コロを溺愛している。自分勝手な性格で、近所迷惑になるからと、達の家の前の公園まで散歩に来て愛犬家仲間と騒ぎ、犬の糞の始末もしない。トラブルとなった達に対しては、自分が殺鼠剤でほかの愛犬家の犬を殺し、その濡れ衣を着せて追い出そうとする。

御法川 (みのりかわ)

エピソード「殺しの方程式」に登場する。味山のとなりに引っ越して来た太った男性。中小企業を経営しており、5億円の負債を抱えている。死んだような目をしており、不気味な態度で味山にプレッシャーをかけ続け、味山に押された際に、そのままマンションから飛び降りた。実は借金を苦にした自殺志願者であり、飛び降りようとしたところを宝条栞に「殺され屋」としてスカウトされたという経緯がある。殺害されたのちには、栞の計らいのもと、自身の家族と会社には6億円の保険金が下りる事になっている。

大学生の男 (だいがくせいのおとこ)

エピソード「逆恨み」に登場する。自動車の接触事故を起こした大学生の男性。自分の彼女に脇見運転をばらされた事から彼女を逆恨みし、宝条栞に復讐を依頼。実は元彼女が先に栞に復讐依頼しており、ポストに入れられた「怨み屋本舗」の名刺に食いついた。

雫元 (しずもと)

エピソード「VS.占い師」に登場する。占い師の大探田伯英と組み、インチキ占いに大金をつぎ込んでくれるカモを探している女性。大探田とは男女の仲であり、忠実に従っている。離婚して旧姓「巣野村」となる。車の運転で信号無視だけは絶対にしない主義。

水無川 (みながわ)

エピソード「依頼人不在」「家族愛」「里奈・情報屋・諸田」「獅堂と諸田」「諸田大活躍」他に登場する。「聖福教」に入信している警察官の男性。制服を着ていると屈服する女性が多い事に味を占め、インチキ宗教にハマる判断力のない女性をつまみ食いするために、いつも警察官の制服を着ている。「聖福教」に「心に傷を負った犯罪被害者リスト」を与えている限り、地区の幹部としての地位を約束されている。井賀見タエ子に娘の井賀見早苗を殺害させ、それを目撃した井賀見秋美を監禁している。

エピソード「自己中心的愛犬家」に登場する。サラリーマンの若い男性。妻と息子の三人で公園の前の家を購入し、引っ越して来た。もともと犬が嫌いだったが、近所の自己中心的な愛犬家と対立した事から、犬殺しの汚名を着せられ、嫌がらせを受ける事になる。宝条栞に復讐を依頼したあとに「愛犬家狩り」に目覚め、心に闇を抱える事となる。

春田 美由紀 (はるた みゆき)

エピソード「ハートキャッチャー」「綻び」に登場する。ゼミのアイドル的存在である大学生の女性。年齢は20歳。キャッチセールス会社でアルバイトをしており、1回目のデートで相手のハートをつかみ、2回目で商品を売るのが常套手段。「大野弥生」という偽名を使い、出会い系サイトで知り合った五反野進に高額な商品を売りつけた。男はただのカモと思っているしたたかな性格。

女子高生の姉妹 (じょしこうせいのしまい)

エピソード「満員電車の罠」に登場する。電車で痴漢に遭ったかのように、騒ぎ立てる女子高校生の姉妹。妹が触られているところを、姉が助けるというのが常套手段であり、加害者に仕立てた相手の家に家族で押しかけ、慰謝料を請求している。2年間で6回も同様の手口を繰り返し、総額700万円強の慰謝料を手にしている。

五反野 サトル (ごたんの さとる)

エピソード「丸まった背中」に登場する。ギャンブル狂の若い男性。五反野ユカリの夫。4年前にユカリと「できちゃった結婚」をした。その後、6か月になる子供が嘔吐物をつまらせて窒息死し、生命保険を受け取った事に味を占め、保険金目当てで子供を作っている。二人目と三人目の子供は、意図的に風邪を引かせて肺炎で殺害した。幼い頃、父親が女性と蒸発したせいで、貧乏な家庭に育った。サトルの母の誕生日に本真珠を万引きしてプレゼントした事があり、これで母親が五反野サトルを心の優しい子と思い込むようになってしまう。

大沢 美鈴

エピソード「元の鞘」に登場する。栗正物産を寿退社し、大沢と結婚した女性。真性のマゾで、結婚前から上司の桃田宗造と不倫関係にあった。桃田の加虐性に反応してしまうため、夫を愛しているが桃田の誘いを断れない。

オサムの母 (おさむのはは)

エピソード「ママとぼく」に登場する。銀条路オサムの母親。子離れしていない。代々地主で駅前に2軒の貸しビルを所有しており、賃料は年間2億円。オサムと銀条路沙和子を離婚させようと、宝条脩の後輩ホスト・ジンを金で雇い、沙和子の不倫をでっち上げた。一方で、出費が大嫌いなケチでもある。

長谷矢 透 (はせや とおる)

エピソード「怨念のレベル」に登場する。「長谷矢総合病院」で医師をしている男性。理事長の甥。盲腸の患者に抗がん剤を点滴するという医療ミスを起こすが、担当看護師のせいにして責任を逃れた。今まで医療ミスで四人殺しているが、伯父である理事長にすべてをもみ消してもらっている。他人の命を救いたくて医者になったのではなく、病院は儲かると伯父に言われ、裏口入学で大学に入って医者になったという経緯がある。自分が切り捨てられた時のために、伯父の使い込みがわかる裏帳簿を保管している。

覆面暴行魔 (ふくめんぼうこうま)

エピソード「覆面とビデオ」に登場する。女子高校生を狙い顔面を殴ったうえ、暴行を加えてビデオ撮影し、それを販売している男性。隠し撮りという先入観から当初は単独の犯行と思われていたが、二人組だった事が発覚。大学を卒業したのに正社員にもなれない社会に問題があると、自らの犯行を正当化している。

福沢 (ふくざわ)

エピソード「怨みの方程式」「VS.聖福教」に登場する。会社員の若い男性。妊娠していた妻が何者かに強姦殺害され、犯人への復讐に憑りつかれる。怨念で心が曇っており、宝条栞の忠告を無視した事から、下手な復讐で身を滅ぼしてしまう。のちに、刑務所で寄木聡から「怨み屋」と名乗る女についての取り調べを受ける。

筒井 源太郎 (つつい げんたろう)

エピソード「最期の仕事」に登場する。田舎の村に住む男性。年齢は80歳。殺人に快楽を覚える性質で、合法的に殺人ができる戦争を経て、次なる正義を求めて警察官になった。村にやって来る女性を選別し、強姦と拷問を繰り返して殺害している。狭心症で、薬が不可欠。妻と息子の嫁を殺害した事実を記した「殺人日記」を自分の息子に発見された事から、宝条栞が実質的殺害を息子より依頼された。

貴章 (たかあき)

エピソード「連帯責任」に登場する。私立栗島学園高校の3年生の男子。野球部に所属している。甲子園への出場が有望視されていた野球部では補欠で、2年生レギュラーの荷物持ちをしていた。帰宅途中でユニフォーム姿で飲酒して暴れ、止めに入った人に暴力を振るって退学処分となる。この事件で栗島学園野球部は対外試合6か月禁止となって甲子園行きが断たれ、部員達からリンチを受けて投身自殺した。

桂田 (かつらだ)

エピソード「復活!!杉河里奈」に登場する。都立舎人川西高等学校で美術を教える女性教師。ブランドバッグ欲しさに、盗撮グループにアルバイトとして雇われ、学校の女子トイレに小型カメラを仕掛けているのを杉河里奈に目撃された。

福吉 康夫 (ふくよし やすお)

エピソード「薬」に登場する。超磁力細胞研究所の所長を務めている男性。末期癌を治す治療法を謳い、自分が開発した塩と酢を入れただけの「超磁水」を、1本5万円で売りつけている詐欺師。自分の兄が2年前に同じ手口でニセ薬を売っており、助手としてそのノウハウを学んだ。海外の口座にはマネーロンダリングした金が入っており、自分が捕まっても刑務所から出る頃には、さらに多額の金を手にできるよう仕組んでいる。

松尻 信二

エピソード「天使のハンマー」に登場する。大手食品メーカー「マツジリフーズ」の代表取締役を務める男性。年齢は45歳。ヒット商品を次々生み出した実績はあるものの、ワンマンな性格で激昂しやすい。愛人をとっかえひっかえしていたため、直近の部下には浅はかな人物だと呆れられている。

城之内 飛鳥 (じょうのうち あすか)

エピソード「モデル」に登場する。26歳のOLの女性。結婚式を控えて浮かれていた時に、読者モデルにならないかと丸山雪子に声を掛けられ、写真を撮る事を承諾。のちに出会い系のモデルにされていた事が発覚し、婚約を破棄される。

五反野 ユカリ (ごたんの ゆかり)

エピソード「丸まった背中」に登場する。懸賞金マニアの若い女性。五反野サトルの妻。4年前にサトルと「できちゃった結婚」をした。その後、6か月になる子供が嘔吐物をつまらせて窒息死し、生命保険を受け取った事に味を占め、保険金目当てで子供を作っている。子供を殺す事に対して良心の呵責はまったく感じていない。

戸蓑 タカシ (とみの たかし)

エピソード「イジメ部」に登場する。都立舎人川西高等学校の男子生徒。手塚和夫が担任を務めている。「イジメ部」と呼ばれる五味沢翔達から陰湿ないじめを受けている。五味沢達から自身の母親と妹を犯す計画に手を貸すように要請され、警察に行こうとしたところ、自殺に見せかけて殺害される。

春沢 潤也 (はるさわ じゅんや)

エピソード「怨み屋支店・やり残した仕事」に登場する。愛人を連れて沖縄にバカンスに来た中年男性。10年程前、マルチ商法の元締めをしていた。何もかもむしり取られた被害者を二人自殺に追い込んでいる。先代怨み屋から事故死に見せかけた殺害を依頼された宝条栞と相果川剛志が手を下す前に、何者かに狙撃され、おびえて自首する。ゲンを担ぎ、母親の形見の真鍮製のメッキのブレスレットを肌身離さずつけている。

管下 ヒロキ (かんした ひろき)

エピソード「削除」に登場する。「掲示板自動書き込みソフト」を使っている出会い系業者の男性。本名は「宮上広志」。太った体型で、いつもお腹を空かせている。漫画家の漆原正太郎の掲示板に、毎日のようにアダルトサイトの広告リンクを貼っており、「迷惑だったら削除して下さい」との言葉を免罪符に、好き勝手に書き込んでいる。これまで2万以上の掲示板を荒らしている。

ナオミ

エピソード「怨みの矛先」に登場する。夫を自殺に追い込んだ女性。元彼「見沼辰也」が傷害事件で刑務所に入ったので、住む場所を確保するために別の男性と結婚した。2歳の子供がいるが、その子は夫ではなく辰也の子供。パチンコで200万円の借金を作り、それが原因で夫はリストラされ、飛び降り自殺する事態を招いた。

課長 (かちょう)

エピソード「パワーハラスメント」に登場する。「BJ商事」に勤める男性会社員。道永の上司で課長職にある。学生時代に自分をいじめた相手に目元が少し似ているという理由で、道永を執拗にいじめている。

山木 (やまき)

エピソード「メル友」に登場する。サラリーマンの男性。広尾絵美の高校時代の先輩で、色黒で筋肉質であり、腕力が強い。絵美と不倫しており、絵美が離婚するのを待っている。

マルヤマ ケイコ

エピソード「悪魔の親子」に登場する。工場で事務をしているバツイチのシングルマザー。タカハシユミを中学時代に使いパシリにしていた女性で、ヤンキーがそのまま大人になったような人物。本業は売春婦で、一人親に支給される児童扶養手当を受け取るべく戸籍上は離婚し、公営住宅に夫と住んでいる。

桃田 宗造 (ももた むねぞう)

エピソード「元の鞘」に登場する。大沢の上司の男性。大沢美鈴とは、美鈴が結婚する前から不倫しており、彼女が真性のマゾだと早くから見抜いていた。美鈴と密会したいがため、大沢を青森工場に飛ばした張本人。一方、家では太った妻に下僕扱いされてこき使われている恐妻家。

偏屈老人 (へんくつろうじん)

エピソード「偏屈な隣人」「脱皮」に登場する。一人暮らしの高齢男性。近所でも有名な偏屈老人。昨年妻を亡くしてからは子供達も寄りつかなくなり、さらに近所に対する嫌がらせも多くなった。特に隣家の奥さんへの嫌がらせがひどく、風呂を覗いたり下着を盗んだりとやりたい放題。

立田 進一 (たつた しんいち)

エピソード「メル友」に登場する。高校時代に広尾絵美と付き合っていた男性。高校の同窓会で絵美に再会し、恋心が再燃。その一途な性格を利用され、時沼由美香にあやつられる事になる。

久留美 (くるみ)

エピソード「里奈の受難」に登場する。杉河里奈と同じマンションに住んでいる中学3年生の女の子。つねに暗い表情をしており、里奈と同様に友達を作れない性格。同じ中学校の女子三人組に援助交際を強要されている。里奈に助けられるものの、三人組からの報復を恐れ、彼女らに里奈を売ってしまう。

権藤 徳雄 (ごんどう のりお)

エピソード「特権者」に登場する。警視監の男性。全国に20人しかいないスーパーエリート。夜道でおじいさんの妻をひき逃げするが、権力でもみ消そうとした。権力志向が強く、努力を重ねてきた自分には特権があると信じており、庶民を馬鹿にしている。愛人とのホテル代などを捜査費の名目の経費で落としている。慎重な性格で、協力者である宮野警視正を口封じのため殺害する。

松戸 良平 (まつど りょうへい)

エピソード「酔った女」に登場する。会社を退職した若い男性。半年以内に店をオープンさせるという目標を持っている。しかし、大瓦華子から拉致同然で飲み屋に連れて行かれ、記憶をなくす。気がついた時はラブホテルで、性的暴行を加えられたと主張する華子から脅され、300万円もの慰謝料を払う事になる。

ルポライターの夫婦 (るぽらいたーのふうふ)

エピソード「沖縄支店・移住」に登場する。沖縄の過疎のR村に移住して来たルポライターの夫婦。自分に都合のいい自然を求めて沖縄にやって来た。どこか地元民を見下しており、移住組の内地人達を強引に味方につけ、なにかにつけて村人とトラブルを起こしている。

峰島 (みねじま)

エピソード「情報屋のジレンマ」に登場する。借金を苦に一家で無理心中した定食屋の主人の男性。峰島達裕の父親。大学生だった獅堂詠示がアルバイトしていた店の店主で、暖かい家庭に獅堂を招き入れ、よくしてくれた恩人。妻と高校生と幼い息子達を巻き込んで、ガス中毒で無理心中したと見られていたが、のちに「債務者リスト」で闇金「天国金融」にターゲットにされ、自殺に見せかけて殺害された可能性が高い事が発覚する。ジッポのライターを獅堂にプレゼントしくれた人物でもある。

後輩ホスト (こうはいほすと)

エピソード「姉と弟」に登場する。宝条脩と同じホストクラブで働く後輩のホスト。若い女性客からは「カッくん」と呼ばれている。上客ばかりゲットする脩を憎んでおり、また脩に説教された事を根に持っている。トラブルのない人生を過ごしたいという気持ちが異様に強い。

集団・組織

怨み屋本舗 (うらみやほんぽ)

『怨み屋本舗』に登場する集団。法律などでは晴らせない怨みを、依頼者から高額の依頼料を受け取り、怨みを晴らす。殺人だけではなく「社会的抹殺」も行う。料金は難易度や規模に応じて変わるが、数百万~数千万程度。対象を発見できなかった場合でも、手数料または手付金として50万、対象の情報だけ提供して依頼者が怨みを晴らす場合や、情報を依頼者自身が集める場合はもっと安くなる。 福岡や岡山、沖縄にも支店がある。

聖福教 (せいふくきょう)

『怨み屋本舗』に登場する宗教団体。信者数約四万人の新興宗教で、政界にもつながりがあるとされる。教祖は三像院輝子。元々は普通の宗教団体だったが、数年前に教祖が病気で倒れ、ひ孫の三像院輝臣が代理教祖となってからはカルト路線へと舵を切り始めた。インチキな聖水や壺などを売りつけ、売った側にもマージンが入るネズミ講的なシステムをとり急成長をしている。 同じ新興宗教の衆叡教とは、信者の引き抜きなどから敵対関係にある。

続編

怨み屋本舗 巣来間風介

怨み屋本舗 REBOOT (うらみやほんぽ りぶーと)

栗原正尚の代表作「怨み屋本舗」シリーズ第3部で、『怨み屋本舗 巣来間風介』の続編。怨みパワーが満ち溢れる現代日本の裏社会を舞台に、依頼者に代わって恨みを晴らす怨み屋たちの暗躍と、現代社会の闇を描いた本... 関連ページ:怨み屋本舗 REBOOT

怨み屋本舗 REVENGE (うらみやほんぽ りべんじ)

『怨み屋本舗』シリーズの第4部。他人の怨みをはらす復讐代行業を営む女性の暗躍を描く。依頼を受けた怨み屋が復讐を行う姿を描いたサスペンス。基本的に短編から中編で一つの復讐を完了させる連作形式で描かれるが... 関連ページ:怨み屋本舗 REVENGE

怨み屋本舗 EVIL HEART (うらみやほんぽ えゔぃる はーと)

『怨み屋本舗』シリーズの第5部。自らを「必要悪」と称する怨み屋が、頭脳を駆使して悪を成敗していく。短編から中編で1つの復讐を完了させる、連作形式で描かれたドラマティック・サスペンスだが、最後に展開され... 関連ページ:怨み屋本舗 EVIL HEART

怨み屋本舗 WORST (うらみやほんぽ わーすと)

『怨み屋本舗』シリーズの第6部。謎の女、怨み屋が、法では裁けない人の業を、悪の力をもって闇に葬る。一つの復讐を完了させる連作形式で描かれるドラマティック・サスペンスで、第1巻は連作短編だが、第2巻以降... 関連ページ:怨み屋本舗 WORST

怨み屋本舗DIABLO (うらみやほんぽでぃあぶろ)

栗原正尚の代表作で、テレビドラマにもなった「怨み屋本舗」シリーズの第7部。1~3話で完結する連作形式を基本とする。現代の東京が主な舞台。復讐(ふくしゅう)代行業を生業とする謎の女「怨み屋」が、社会には... 関連ページ:怨み屋本舗DIABLO

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