赤い蛇

赤い蛇

家人でさえその規模を把握できていないほどの敷地を持つ迷宮の家。立ち入れば恐ろしいことが起きると言われる開かずの間に、主人公の少年が興味を持ってしまったことから、少年の家族に不可解な事件が起き始める。

正式名称
赤い蛇
ふりがな
あかいへび
作者
ジャンル
ホラー
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概要・あらすじ

主人公の少年は生まれ育った家のことが嫌いだった。古い日本家屋の屋敷は迷宮の家と呼ばれ、とにかく広く、家の周りを一周しようとしても必ず迷ってしまい大きさを確かめることはできない。家の中では、廊下を大きな鏡がふさぎ、どのくらい部屋があるのかもわからない。あるとき少年は立ち入れば恐ろしいことが起きると言われるあかずの間に興味を持つが、それを契機に、家族は屋敷に乗っ取られるように正気を失っていく。

登場人物・キャラクター

少年

迷宮の家に生まれ育った少年。迷宮の家と自分の家族に恐怖を感じており、物心ついた時から何度も家出を試みているが、広すぎる敷地に迷って一度も成功したことがない。彼が巨大な青銅の鏡と、その奥にあるあかずの間に興味を持ったことから、彼の家族に災いが降りかかり始める。

祖父 (そふ)

少年の祖父。右ほほに大きなコブがあり、毎日、母を呼んでコブの膿を出させている。迷宮の家のことをよく知っており、少年に巨大な青銅の鏡とあかずの間のことを教えた。

(ちち)

少年の父親。迷宮の家の一室で気味の悪い虫をたくさん飼っており、家中で飼育している鶏に餌づけている。卵を産まなくなった鶏を「つぶし」と蔑んで惨殺し、生首だけになっても暴行を加えるという奇癖を持つ。祖母と仲が良く、毎朝集めた卵を祖母の元へ持っていく習慣がある。

祖母 (そぼ)

少年の祖母。庭から拾ってきた枯れ木で部屋の中に巣を作って暮らしている。「コケコケ」と鳴く、両腕を翼のようにバサバサと振る、虫を食べる、父の持ってきた卵を温めるなど、鶏を思わせる振る舞いをする。母を嫌っており、何かにつけて暴行を加える。

(はは)

少年の母親。色白の美人。毎朝祖父の部屋を訪れ、祖父のコブの膿を出してやるのを日課としている。

少年の姉。虫が大好きで、父の飼っている虫を盗んできては、体中を這わせて恍惚としている。彼女が真っ赤な蛇に咬まれてから、次第に迷宮の家に怪現象が起きるようになる。

真っ赤な蛇 (まっかなへび)

『赤い蛇』に登場する蛇。全身が真っ赤な色をしている。姉の布団にもぐりこんでいるところを家人に発見される。祖父いわく、あかずの間の使いとされており、この蛇が姿を現したのを契機に、迷宮の家に怪現象が起きるようになった。

まご

異常妊娠した母の腹を食い破って出てきた赤ん坊。生まれたてにも関わらず鋭い牙が生えており、鶏化した祖母を食い殺すが、逆上した父に鎌で一刀両断にされた。

真っ赤な大蛇 (まっかなだいじゃ)

『赤い蛇』に登場する大蛇。真っ赤な色をしており、姉の口を裂いて出現した。真っ赤な蛇よりもかなり大きな体をしている。逃げ惑う少年をあかずの間まで追い詰め、全身に巻き付いて首から血を吸った。

場所

迷宮の家 (めいきゅうのいえ)

いわゆる旧家だが、想像を絶する広さを有し、その全貌を知る者はいない。家の周りには林があり、家の大きさを確かめようとする者は、必ず迷ってしまう。廊下に巨大な青銅の鏡があり、この奥には数々の魔物が潜むあかずの間があるとされている。

巨大な青銅の鏡 (きょだいなせいどうのかがみ)

迷宮の家の廊下を塞ぐように立っている大きな鏡。額の中央には「魔封」の字が、両側には一対の明王像が彫り込まれている。祖父によると、この鏡の奥には長い廊下が迷路のように入り組んでいて、数え消えないほどの部屋の中に、多くの魔物が住み着いているという。真っ赤な蛇が出現した際には、自然と割れてしまっていた。

あかずの間 (あかずのま)

迷宮の家の中の巨大な青銅の鏡の奥にあると言われる部屋。祖父によると、誰かがあかずの間を見ると、家族に必ず恐ろしいことが起きると言う。少年が夢の中であかずの間の扉を開いたことときから、真っ赤な蛇が出現し、家族が段々と狂っていくことになった。

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