すべてがFになる -THE PERFECT INSIDER-

すべてがFになる -THE PERFECT INSIDER-

世紀の天才と謳われる博士に会うため、孤島に建つ研究所を訪れた大学の准教授と女子大生。島内の完全な密室で行われた殺人に遭遇した2人が、事件を解決するべく奔走するミステリー作品。工学博士でもある森博嗣原作の小説『すべてがFになる』のコミカライズ。「ARIA」2015年7月号から2016年3月号にかけて掲載された。

正式名称
すべてがFになる -THE PERFECT INSIDER-
ふりがな
すべてがえふになる ざ ぱーふぇくと いんさいだー
原作者
森 博嗣
漫画
ジャンル
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

N大准教授である犀川創平とN大の学生西之園萌絵は、世紀の天才と呼ばれる真賀田四季に会うため、真賀田研究所がある孤島でゼミ旅行のキャンプを計画する。研究所に足を踏み入れた人が目にしたのは、ウェディングドレスを身にまとい、両手足を切断された死体だった。その直後にシステムがダウンし、島は完全に外部から遮断されてしまう。

創平と萌絵は完全な密室で起きた殺人事件の捜査を始める。

登場人物・キャラクター

犀川 創平 (さいかわ そうへい)

N大で准教授を務める男性。ラフな格好にサンダルを履き、無精ひげを生やした容姿をしており、コンタクトを愛用している。専門は建築だが、コンピュータにも造詣が深い。学生時代は西之園萌絵の父親の研究室に所属しており、萌絵が小学5年生の頃に出会っている。愛煙家であんこが苦手。

西之園 萌絵 (にしのその もえ)

N大の学生の女性。名門西之園家の令嬢で、両親を飛行機事故で亡くしている。お嬢様らしく浮世離れした性格をしているが、ミステリィ好きで頭が良く、発想力は天才的。犀川創平とは小学5年生の頃からの知り合いで、ずっと想いを寄せている。

真賀田 四季 (まがた しき)

情報工学の第一人者である真賀田左千郎博士と、言語学の最高権威の1人である真賀田美千代博士の間に産まれた美しい女性。9歳の時にプリンストン大学のマスターを授与され、11歳でMTIの博士号を取得した天才少女。だが、14歳の時に両親を殺害。心神喪失で無罪となったものの、事件以降世間から姿を消し、真賀田研究所の隔離された空間でプログラマとして研究を続けている。 自他ともに認める多重人格者。

山根 幸宏 (やまね ゆきひろ)

真賀田研究所の副所長を務める男性。若く見えるが37歳で、新藤清二を除く研究所内では一番年上である。真賀田四季に憧れて研究所に就職し、15年経ったが、未だに一度も四季に会えたことがない。研究所に訪れた犀川創平と西之園萌絵を快く迎え入れた。

島田 文子 (しまだ あやこ)

真賀田研究所のプログラマを務める女性。長い髪を後ろにひとまとめにし、眼鏡をかけ白衣を着用している。きちんと睡眠をとらないと、仕事がはかどらないタイプ。儀同世津子の取材を受けるため、研究所で会う約束をしていた。

新藤 清二 (しんどう せいじ)

真賀田研究所の所長を務める男性で、真賀田四季の叔父。医学部の出身で、大きな病院をいくつも持つ名門の新藤家に養子に入った人物。四季が両親を殺害した事件の後、病院の院長を退職し、研究所の所長に就任した。

新藤 裕見子 (しんどう ゆみこ)

新藤清二の妻で、真賀田四季の叔母で上品な女性。真賀田研究所の所長となった清二とともに、研究所内で生活をしている。四季が両親を殺害した場面に居合わせていたが、その後も四季に対して優しく接していた。

弓永 富彦 (ゆみなが とみひこ)

真賀田研究所で医師を務める男性。新藤清二の医学部時代の後輩で、白髪に髭を蓄え、白衣を着用している。四季と清二の主治医ではあるが、四季の部屋に入ったことは一度もない。妻も一緒に生活をしているが、妻は2度ほど四季の部屋を訪問している。

水谷 主税 (みずたに ちから)

真賀田研究所の主任プログラマを務める男性。小太りで眼鏡をかけた気の弱い人物で、白衣を着用している。デボラが暴走した理由を島田文子とともに調べていた。研究所が作られた時からアルバイトとして出入りしていたため、内部の構造には詳しい。

長谷部 聡 (はせべ さとし)

真賀田研究所の警備員を務める男性。真賀田四季に届けられる荷物のチェックや監視を行う業務をしている。年齢は若いようで、西之園萌絵と話す時はフランクな口調になる。望月俊樹の事を「兄貴」と呼んでいる。

望月 俊樹 (もちづき としき)

真賀田研究所の警備員を務める男性。帽子を目深にかぶった体格のいい人物。以前は真賀田左千郎博士の運転手をしていた。真賀田四季が両親を殺害した事件後、四季を管理する監視設備が出来たため、そこの警備員となった。

真賀田 未来 (まがた みき)

真賀田四季の妹。アメリカに住んでおり、姉である四季に会うため来日していた。迎えに来た叔父の新藤清二とともに、ヘリコプターで真賀田研究所に到着する。そこで殺人事件に巻き込まれ、新藤裕見子の部屋で伏せっていた。日本語は話せない。

儀同 世津子 (ぎどう せつこ)

犀川創平の知り合いのスタイルのいい美しい女性。夫人雑誌の記者をしている。創平とは7つ違いで、出張のたびに横浜の自宅に創平を泊めるなど、親しい付き合いをしている。島田文子に取材をするために真賀田研究所を訪れた。

国枝 桃子 (くにえだ ももこ)

N大の助教授でメガネをかけた女性。犀川創平のサポートをしている。常に無表情なうえにベリーショートの髪型をしており、スカートも履くことはないため、よく男性と間違われてしまう。冷静で鋭いつっこみをするので、研究院生には怖いと思われている存在。

浜中 深志 (はまなか ふかし)

N大の大学院生の男性。犀川創平の研究室の生徒で、ゼミ旅行のキャンプにも参加した。その際、大量のトランクを持ち込んだ西之園萌絵の荷物運びを手伝っていた。本人には言えないが、国枝桃子のことを男前だと思っている。

場所

真賀田研究所 (まがたけんきゅうじょ)

真賀田四季の父親である真賀田左千郎が作った研究所。四季が両親を殺害した事件が起きた場所でもあり、四季を隔離して監禁する施設でもある。左千郎が死んだ後、四季が設計した完璧なプロテクトを持つコンピュータ「デボラ」によって管理されている。研究所のスタッフは全部で52名。

その他キーワード

デボラ

真賀田四季が設計した真賀田研究所のコンピュータシステム。研究所のパソコンはもちろん、電話や電気系統、P1もすべてデボラで管理している。四季が作ったオリジナルのOS「レッドマジック」を搭載しており、現在のバージョンは4。

ミチル

真賀田四季によって作られたロボット。円柱型の本体に長いアームが付いており、車輪で動く構造の簡単な作りのロボット。四季の声がプログラミングされているため、彼女の声で話す。四季が隔離されている部屋の中で稼働していた。

P1 (ぴーわん)

デボラによって管理されているロボット。研究員の代わりに物を運ぶために作られたため、ワゴンのような形をしている。P1が行き来しやすいように所内には階段がなく、すべてスロープでつながっている。載積荷重は30キロと決まっている。

クレジット

原作

森 博嗣

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