ヘタコイ

ヘタコイ

駒井静と篠原流香のキャンパスライフを中心に繰り広げられるお色気ラブストーリー。中野純子の「ヤングジャンプ」連載3作品目で、作者はコミックス第1巻のあとがきで、「恋っていいな」と思える作品を目指すと語っている。なお、中野純子は本作『ヘタコイ』の番外編執筆後に病気で亡くなったため、本作が遺作となる。

正式名称
ヘタコイ
ふりがな
へたこい
作者
ジャンル
恋愛
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概要・あらすじ

入試を終え、無事に希望の大学に入学した駒井静は、5月の誕生日に一人寂しく温泉旅行に出かける。そこで駒井は、裸でのぼせて倒れている篠原流香を発見してしまう。その後、2人は同じ大学であることが発覚。流香のことが気になって仕方ない駒井は、彼女に近づくべく所属サークルである「タビセン」への入部を決める。

登場人物・キャラクター

駒井 静 (こまい しずか)

K大学の学生で20歳の1年生。高校時代には卓球部に所属しており、矢治三朗が一つ上の先輩だった。言葉遣いが古臭い、ぬか床を大切にする、趣味が盆栽などから、「御隠居様」「コマじぃ」という老齢を連想するあだ名を付けられている。また、恋愛に関する考え方も古風。高校時代にとある女性に思いを寄せていたが、その時は成就せずに終わった。 車の免許を持っているため、よく知人の送り迎えをしている。

篠原 流香 (しのはら るか)

K大学の2年生で駒井静と同じ20歳の女性。温泉が好きで「タビセン」に所属している。ミスキャンに出場するようにお願いされたり、キャンパス内で面識のない男性から告白されるのが日常茶飯事なほどに美人。ただ、見た目ほど恋愛経験は豊富ではない。酔ってあまり親しくない状態だった駒井を膝枕で介抱するなど性格は優しい。 しかし、幽霊が苦手でお化け屋敷では周囲の目を気にしないほどに怖がりで、海では誰かに助けてもらわなければいけないほどにカナヅチ。ある理由から髪を伸ばしている。

矢治 三朗 (やじ さぶろう)

駒井静の大学の同級生。しかし2浪しているため、年齢は一つ上。あだ名の「わいチン」は、最初の1年生歓迎会で彼が酔った勢いで起こしたアクションを見て女性陣が付けた、「猥褻物陳列野郎」を略したもの。女性に対して積極的にアプローチするにもかかわらず、そのデリカシーのなさがたたって、成就率は高くない。ただし迷惑をかけたら殴ってでも正すなど兄貴肌の正義漢で、駒井も悩みごとを抱えた際には彼に相談している。

野島 那智 (のじま なち)

「タビセン」のメンバーで駒井静の先輩の女性。大学2年生の20歳。篠原流香とはルームシェアするほどに仲がいい。ただ、同居中の家のリビングで男性と裸で戯れる、下ネタをためらいなく口にするなど、オープンで解放的すぎる性格。流香とは大学1年生からの知り合いなので、彼女の過去の恋愛にも詳しい。流香の良き相談相手。

ミカ

駒井静と矢治三朗が、夏休み中に海で声をかけて知り合った女の子で、えりと仲がいい。自称フリーターで、ロングの黒髪の女性。駒井に好意を抱き、関係を持とうと考えた。幼く純真な性格で、ふられても諦めない押しの強さを持つ。

えり

駒井静と矢治三朗が、夏休み中に海で声をかけて知り合った女の子で、ミカと仲がいい。自称フリーター。見た目はミカとは対照的で、明るい髪色を結わいている。ミカと共にあることをコンプレックスとして抱えている。駒井と矢治ならば、矢治のほうが好み。

三宅 (みやけ)

「タビセン」のメンバーで駒井静の先輩女性。サークルの歴史にも詳しく、会長と仲がいい。黒髪でメガネをかけている。駒井の恋愛を積極的に応援している。温泉でのアルバイト時に、篠原流香と小西くるみの裸を見てため息をつくなど、自分の胸の小ささを気にしている。

会長 (かいちょう)

K大学に通う駒井静の2つ上の先輩男性で、同じ学年の三宅と仲がいい。自身のアパートがあまり広くないにもかかわらず、特定の住まいを確保できない土屋剛基の大量の荷物を置いてやり、かつ何日も泊めてやるなどお人好し。

小西 くるみ (こにし くるみ)

駒井静や篠原流香、三宅が有馬温泉でアルバイトした際に世話役を務めた女性。年齢は駒井たちと同じ20歳だが、仲居歴が2年と社会人歴は長い。普段は温和な性格だが、流香が酔っ払い客に絡まれた際に自身でなんとかするように放置したりと、仕事については厳しい。仕事柄目立たないようにしてはいるが、三宅がコンプレックスを抱くほどに胸が大きい。

島津 なぎさ (しまづ なぎさ)

駒井静の中学および高校の同級生で、駒井勇とも面識がある女性で大学生。髪型はショートカットで中学時代は飾り気のない容姿だったが、高校になると勇が気にせずにはいられないほどに美人になった。高校以来、久しぶりに再会した静とのサシ飲みの際に乾杯もせずに飲み始めるなどマイペースな性格だが、サバサバしていて思いやりがある。 お酒が大好き。

土屋 剛基 (つちや たけき)

「タビセン」のOBでK大学の卒業生。かつて7年ほど大学に在学していた。世界各地を旅行してまわるのが心底好きな、バイタリティー溢れる大胆な性格である。また、そのために料理がうまく、旅行に関する面白いエピソードを多く持つ。前歯がかけているが、端正な顔立ちであることから異性からモテる。

堂本 清 (どうもと きよし)

「タビセン」のメンバーで駒井静の後輩。「タビセン」に入った理由としては、美女が多く、あわよくば温泉で混浴に入れるかもという期待から。入部時の動機が非常に似ており、異性に対しての興味も非常に強いことから、矢治三朗には尊敬の念を抱いている。野島那智の見立てでは「異性と付き合ったことがないのでは」と推測されている。

倉橋 リナ、倉橋 レナ (くらはし りな、くらはし れな)

「タビセン」のメンバーで駒井静とは同級生。双子の女性でいつも同じ服を着ており、言動もほとんど一緒。2人とも男性に対しては好き嫌いがはっきりと出る性格で、駒井とはキャンパス内で手をつないだり、バレンタインに共作したチョコレートを送ったりと好意を抱いている。

森園 紫 (もりぞの ゆかり)

「タビセン」のメンバーで駒井静の後輩女性。髪型は茶髪のセミロング。堂本清や岡野愛、山根早希と同時に「タビセン」に入部した。岡野、山根とはいつもグループで行動しており、その中ではリーダー格。やや強引に駒井と篠原流香を結びつけようとするなどお節介なところがある。

岡野 愛 (おかの あい)

「タビセン」のメンバーで駒井静の後輩女性。髪型は茶髪のショート。堂本清や森園紫、山根早希と同時に「タビセン」に入部した。森園、山根とはいつもグループで行動しており、グループの中では、暴走する森園をたしなめる役割が多い。

山根 早希 (やまね さき)

「タビセン」のメンバーで駒井静の後輩女性。髪型は黒髪のセミロング。堂本清や森園紫、岡野愛と同時に「タビセン」に入部した。森園、岡野とはいつもグループで行動しており、受け身体質で世話を焼かれることが多い。中学時代は卓球部に所属していた。

駒井 勇 (こまい ゆう)

駒井静の実弟、年齢は17歳で高校3年生。バレーボール部に所属している。兄とはあらゆる面で対照的で、非常に整った容姿を持ち、恋愛経験も豊富。その経験を活かして兄に対してアドバイスを送ることが多い。ただし、飽きっぽい性格が災いしたトラブルも多い。花木琴乃とは兄と同様に幼なじみの間柄。

花木 琴乃 (はなき ことの)

高校1年生で15歳の少女。黒髪のショートカットでバレーボール部に所属している。駒井静や駒井勇の幼なじみで、静にとっては家庭教師の教え子でもある。自身が異性との付き合いがないにもかかわらず、他者の恋愛に対して何かと口を出すなど、やや耳年増なところがある。他人の恋愛話を聞いて号泣してしまうほどに感受性豊か。

五十嵐 (いがらし)

駒井勇の後輩で花木琴乃の友人の少年。年齢は16歳。長身でバレーボール部に所属しており、髪型はカールの癖っ毛。琴乃にはバレーボールを教えたり、宿題を写させたり、通りすがりに飴を渡したりと、何かと親切にしている。琴乃曰く、性格は駒井静に似ているとのこと。

集団・組織

タビセン

駒井静、篠原流香などが所属するサークル。正式名称は「旅と温泉愛好会」で、所属メンバーは女性の方が多い。サークルの歴史は古く、歴代のメンバーのアルバムが棚いっぱいに詰まっている。その活動内容から温泉宿とコネクションを持ち、繁忙期に要請を受けた際にはアルバイトを複数人派遣している。「常勤制度」という、常に誰かしらが部室にいる制度を設けている。

場所

K大学 (けーだいがく)

駒井静、篠原流香などが通う大学。入学するための難易度は非常に高く、矢治三朗が2浪してでも入学を志すほど。ミカ曰く、彼氏にするとかっこいいブランド力のある大学である。大規模に学園祭が開かれるなど、イベント活動も盛んに行われている。

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