概要・あらすじ
和月伸宏の漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の原型とされる短編。読切形式で2編が雑誌掲載された。幕末期に人斬り抜刀斎と呼ばれた剣客が、温厚な青年の流浪人として明治十年ごろの東京をさすらい、行きずりで知り合った人のため剣をふるう。
登場人物・キャラクター
緋村 抜刀斎 (ひむら ばっとうさい)
幕末期、京都で多くの人を斬り、人斬り抜刀斎と呼ばれ恐れられた剣客だったが、明治10年ごろの東京では気の抜けたような青年として流浪の生活を送っている。人を殺さぬよう刃と峰を逆にした「逆刃刀」を所持し、人々を苦しめる悪党に対しては、峰打ちで命を奪わずに退治する。自ら過去を語ろうとせず、普段は流浪人とだけ名乗る。 作者・和月伸宏によれば当時「剣心」という名が設定されていたが、この『るろうに -明治剣客浪漫譚-』においては記されていない。
神谷 薫 (かみや かおる)
剣術道場の娘だったが、弟子の西脇に道場を乗っ取られ、姉の恵、弟の弥彦と共に長屋で暮らしている。流浪人と名乗る男を西脇の手下と誤解し木刀で打ち据えた。雇われた博徒程度の相手なら倒す剣技を持つ。
神谷 弥彦 (かみや やひこ)
剣術道場の跡取り息子だったが、幼いうちに父が西南の役で亡くなり、亡き父とその父が讃えていた「人斬り抜刀斎」に憧憬を抱いている。道場を乗っ取った西脇とその一派を敵視し、立ち向かおうとする。
来迎寺 千鶴 (らいこうじ ちづる)
貿易商の孫娘で、身代金目当てに不逞士族の一派・回天党に狙われる。