世界でいちばん大嫌い

世界でいちばん大嫌い

弟の零が通う、保育園の水嶋先生に片思いしていた女子高生の万葉だったが、婚約者がいることを知り、失恋する。そして、大嫌いだったおネェ言葉の美容師、真紀のことがだんだん気になるようになってくる。女子高生と美容師の恋愛ストーリー。

正式名称
世界でいちばん大嫌い
ふりがな
せかいでいちばんだいきらい
作者
ジャンル
恋愛
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概要・あらすじ

弟の零が通う保育園の水嶋先生に片想い中の女子高生、万葉は、万葉目当てで現れるおネェ言葉の美容師、真紀に恋愛相談をするが、それは恋ではなく憧れで、頼れる何かが欲しかっただけだと指摘される。怒りにまかせて水嶋先生に告白しに行くが、婚約者の真奈美に会い、告白をしないまま水嶋先生への想いは終わりを告げる。

苦手だった真紀に慰められ、だんだんと真紀のことが気になるように。しかし、元から真紀のことが好きだった扇子に遠慮し、なかなか素直に気持ちを伝えることができずにいた。

登場人物・キャラクター

秋吉 万葉 (あきよし かずは)

秋吉家の6人兄弟の長女。西宮女子高等学校に通う高校2年生。身長179cmで血液型はB型。人に頼れない性格で、少々パニック体質。また、カッとなりやすい性格でもあり、すぐに手や足が出ることも。根は単純で素直。妹の十波に弱い。背が高く美人なので、女生徒の憧れの存在であり、ラブレターやバレンタインのチョコなどをたくさん貰う。 4,5歳の頃父親に振り落とされて以来、自転車恐怖症。扇子とは中1のときから仲が良く、麻子とは小学校時代からの友達。弟の零が通う保育園の水嶋先生が好きだったが、婚約者がいることを知り失恋。その後、いろいろとちょっかいを出してきて苦手だった真紀のことを、だんだん好きになっていく。 真紀との出会いは、学校の文化祭で、水嶋先生の紹介により髪を結うために来ていた美容師・真紀に、『竹取物語』の帝役の衣装の着付けを直してもらったとき。真紀の影響もあり美容師を目指す。ファッションショーや雑誌のモデルを務めたことで、モデルと美容師どちらを選ぶかで悩む。その結果、美容師になり真紀と共に美容院を切り盛りしていくことに。 19歳で真紀と結婚。8年後の27歳の時に、テレビのニュースのコーナーで真紀と万葉の店が紹介される。

杉本 真紀 (すぎもと まき)

兄である由紀の店MONOPOLYで働く美容師。3人兄弟の末っ子だが、全員異母兄弟。子供好き。日仏ハーフの母をもつため、日本人離れした端正な顔立ちで、バランスのとれた素晴らしい等身をしている。明るい髪色で顔も母親似だが、薄茶に緑がかっている裸眼は祖母ゆずり。青いカラコンをすると母カレンと瓜二つになり、浮気性の父へのいやがらせのため、普段からつけている。 普通にも話せるが、おネェ言葉がクセになっており、ほとんどその口調で話す。万葉のことがとても好きだが、実は最初は万葉のことが嫌いだった。しかし、気が付くと目で追っており、目が離せない存在に。いい加減なようでいい加減じゃなく、また、ふざけていたかと思うと急にまじめになり、たまに鋭いところをつく。 中学時代、水嶋先生と徹とは悪ガキ3人組で、今もつるんでいる。複雑な家庭の事情もあり、前に父紀一の店QUESTにいた時は、お客様以外には冷血で無愛想で人当たりの悪い嫌なヤツだったが、万葉に出会い付き合うようになってからは、驚くほどに丸くなり、おバカになる。 紆余曲折の末、万葉と結婚。一緒に店を切り盛りし、8年後の34歳の時に、テレビのニュースのコーナーで店が紹介される。

松岡 扇子 (まつおか せんこ)

万葉と同じクラスの17歳の女子高生。茶髪のワンレンロングヘアー。ちなみに茶髪は地毛である。身長168cm。スタイルがよく、特に脚がキレイ。万葉とともに女によくモテる人気者で、男にも人気があり、外を出歩くとよく声をかけられる。酒にとても弱い。万葉とは中1から仲良しで、万葉のことが大好きだが、よくケンカもする。 和行という弟がいる。文化祭で真紀を一目見た時から恋に落ち、杉本様と呼び、真紀の働く美容院の常連さんになる。万葉も真紀を好きになりライバル同志になったが、万葉の心配ばかりしていた。万葉と真紀の間をかきまわしたり、その言動から徹を天敵としていたが、後に好きになっていく。 真紀にフラれた時に涙を見られたことで素直になれず、なかなか徹との仲が進展しなかったが、誕生日に徹に告白され両想いになる。大学受験に失敗し、浪人生になる。

本庄 徹 (ほんじょう とおる)

新の兄。真紀と水嶋先生とは中学からの連れで、悪ガキ3人組だった。1月25日生まれの水瓶座。23歳。血液型はB型。身長は175cm。旧姓は工藤で、親が離婚したため本庄に変わる。母が経営する雅という美容院で働く美容師。タレ目で、よく見ると整った顔をしている。 目が悪くコンタクトレンズを使用。ストレートな物言いをし、悪人面で性格も凶悪だが根はいい人。仕事中は営業用スマイルで顔が違う。運転は上手い。パチンコをよくやり、「今日は暇になる」と言ってパチンコに行く日は、なぜだか決まって暇になる。そのくせお客様が増え始める頃には丁度良く帰ってくる。扇子のことが好きで、扇子の誕生日に告白し、両想いになる。

石塚 麻子 (いしづか あさこ)

万葉と同じクラスの女子高生。ツインテールでかわいい感じだが、甘ったれた声を出す時はろくな事を言わない。人気者である万葉と扇子の隠し撮り写真を、学校のファンの子達に売りさばく。北城高校に通う先輩の鷹崎とは中学の時から付き合っており、同じ趣味を持っている。手先は器用だが料理はダメで、殺人的にマズいものを作る。 調理実習では、ビーフシチューを妖怪人間のオープニングに出てくるような物体にした。万葉とは小学校時代に友達だったが、中学は別になってしまい、高校で再会する。

秋吉 千鶴 (あきよし ちづる)

秋吉家長男で高校1年生。バリバリの進学校である北城高校に通う16歳。新は、同じ学校に通う先輩。万葉にそっくりで、かっこいい。血液型はAB型。万葉の部屋でよくくつろいでいる。優等生でしっかりしており、学年トップだったが、夜中にバイクの後ろに乗って出掛けたり、学校のテストで答案用紙を白紙で提出したりと問題を起こすようになる。 その後、飲食店の雑用のバイトを始め、無免許でバイクを乗り回すように。学校でタバコを吸っていたのを生活指導の先生に見つかり停学になる。

水嶋 通 (みずしま とおる)

さくら保育園の保父さんで、万葉の好きだった人。身長183cmで24歳だが、かわいい外見をしている。執着心がなく、来る者拒まず去る者追わずな人で、一番タチが悪い。ゴーイングマイウェイな人でもある。深く狭くがモットーのため、友達が少ない。小学6年生のときに徹のクラスに転校してきた。 中学時代は徹と真紀と悪ガキ3人組だった。婚約していた真奈美と結婚する。昔、沙紀に真奈美をバカにされたことをまだ根に持っている。

本庄 新 (ほんじょう あらた)

徹の弟。8月9日生まれの獅子座。血液型はO型で、惚れっぽい。身長は180cm。北城高校の3年生で、鷹崎とは親友。万葉の一歳上。ものおじなく女の子と喋れるので、人気があり、「新くんとはずっと友達でいたいの」と言われるタイプ。黙っているとカッコイイ。運動神経はいいが、持久力はない。 歩くのが速い。雑誌に真紀と万葉が載ったツーショット写真を見て、万葉を気に入り、麻子を通して万葉に会うことに。万葉に会った時、写真と髪型が違うため、男と勘違いする。万葉の顔がとても好みで告白するが、振られてしまう。しかし、万葉にとって男友達の中では一番。美容師を目指していて、高2の時から通信教育を受けており、兄に技術を教えてもらう。 卒業したら家を出る予定。

杉本 沙紀 (すぎもと さき)

父親である紀一に怖いくらいそっくり。真紀の2番目の兄で、真紀と上の兄由紀とは異母兄弟。元の名前は川澄沙紀。4月3日生まれの牡羊座。血液型はA型。25歳で独身。身長181cm。趣味は映画鑑賞。好みのタイプは特になし。前職は塾の先生で、その後、万葉たちの高校の講師になる。 端正で繊細な顔立ちに加えて長身なため、女子生徒がほっとかない。喜怒哀楽の判断しにくく、得体のしれないオーラをまとっており、つかみどころがなくて、雰囲気に隙がない。子役モデルをやっていた時に真紀に出会い、日陰の存在である元モデルの母親から、本妻カレンとその子供真紀に対する憎しみを聞きながら育ったため、真紀をとても憎んでいた。 真紀の笑顔が崩れる瞬間が見たいと思うようになり、中学時代に真紀が好きだったあづみを自殺に追い込む。カレンに自分を産んでもらいたかったと思っており、結婚相手はカレンにソックリな人を選ぶ。

白石 あづみ (しらいし あづみ)

真紀が10年以上前に好きだった女性で、真紀がずっとつけていた、赤いピアスをあげた人。19歳のときに初めて真紀に出会い、真紀たちより年は6つか7つ年上。とりわけ美人ではなかったが、気さくで明るく、ちょっと変わった人。真紀の母、カレンの実家に下宿していたため、真紀とはしばらく一緒に住んでいた。 自分の父親を知らず、小4の時に母親が再婚。義父の暴力行為を母親は庇いもせず、中学を卒業してすぐのころ、自殺をしようとする。そこで真樹の父、紀一に声をかけられ、紀一の美容院で働くことに。紀一のことが好きになり、側にいるのが辛くなってしまったため、紀一の妻、カレンに相談し徹の母の店で働くことにする。 そこで、沙紀に追い込まれ、自殺未遂を起こし、消息不明になってしまう。後に結婚して塚本あづみになり、子供と共に幸せに暮らしていて、美容師を続けていることが判明。

杉本 カレン (すぎもと かれん)

杉本3兄弟の母親だが、長男由紀と次男沙紀にとっては義理の母。旧姓は佐久間。青い瞳をした日仏ハーフで顔は真紀とそっくり。カレンのファンでもあるあづみいわく、キレイでかっこよくて、かわいくて、おかしい人。また、頑固だった父親の影響か、曲がったことが大嫌い。徹の母雅とは昔なじみである。 職業はカメラマンで、真紀が子供の頃は、よくスタジオに真紀を連れて行った。夫の紀一は浮気性だが、すばらしい面も知っており、心が弱い紀一を嫌いになれない。

神谷 (かみや)

真紀の父親である紀一の店QUESTで働く美容師で、紀一の崇拝者。身長170cm。25歳で、真紀と同い年だが、真紀とはそりが合わず、真紀と正反対のタイプ。真紀いわく、真面目で、お堅くて、ちまっとしてて、ホワホワしている人。普通の一般家庭で育ち、姉が3人おり、一番上の姉も美容師。 高校を卒業してすぐ専門学校に入り、そこで初めてたまたま講師として来ていた紀一に会い、紀一のようになりたくて、QUESTで働くことに。2年前に真紀と派手に喧嘩して以来、美容師としての力をつけてきた。努力家で、休みの日も練習している。昔、真紀に言われたことや態度が忘れられないため、修復しようがないくらい嫌っているが、いつまでも真紀を許せないため、万葉に喝を入れられる。

杉本 紀一 (すぎもと きいち)

杉本3兄弟の父親で、中でも沙紀は父親にそっくり。美容院QUESTのオーナー。女にだらしなく、仕事以外いい加減。真紀が世界で一番大嫌いな人。心がとても弱い人で、自分に甘い女の子が大好き。とても勝手で周りの迷惑を省みない。沙紀いわく、普段は頼りなさそうで、情けなげで、半世紀以上ダメに生きてるオッサン。 ただし、ひとたび仕事が絡むと別人になり、何かが取り憑いたように自分の向上に余念がない。若いころは温和で人当たりも良く、その上仕事が出来たため、誰からも好かれ、女の子からも人気があった。

集団・組織

秋吉家 (あきよしけ)

『世界でいちばん大嫌い』に登場する家族。6人兄弟で父と母を入れて8人家族。長女万葉高校2年生、長男千鶴高校1年生、次女百華中学2年生、三女十波小学4年生、次男一久小学2年生、三男零年長組。父と母は仕事が忙しく、あまり家にいない。ちなみに母は看護師。万葉は特に十波に弱く、一久はお調子者で、千鶴は万葉にシスコン気味。 千鶴の急な変貌ぶりに家族みんなが振り回される。

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