装甲騎兵ボトムズ

装甲騎兵ボトムズ

日本サンライズ制作のアニメ『装甲騎兵ボトムズ』のコミカライズ作品。兵士・キリコ=キュービィがたどる過酷で数奇な運命を描いたSFロボット漫画。同時期に描かれたコミカライズ作品は本作の他に岡崎優版がある。

正式名称
装甲騎兵ボトムズ
ふりがな
そうこうきへいぼとむず
原作者
高橋 良輔
漫画
ジャンル
ロボット
関連商品
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概要・あらすじ

ギルガメスとバララント、二つの銀河の戦いは、十年の時を経ていよいよ休戦の時を迎えようとしていた。そのような微妙な状況の中、バララントのメルキア軍所属の兵士・キリコ=キュービィはある作戦に駆り出される。小惑星にある秘密研究所の襲撃が任務であったが、そこは味方の施設だった。更に施設内部でキリコは、カプセルに収容されたフィアナと呼ばれる謎の女を目撃する。

キリコには知らされていなかったが、作戦の真の目的はフィアナの強奪であった。意に反して裏切りの片棒を担がされてしまったキリコを、さらなる悲運が襲う。彼を置き去りにしたまま搭乗艦が小惑星を離脱。軍に拘束され、裏切りとフィアナ強奪の濡れ衣を着せられてしまう。スキを見てキリコは軍から逃亡するものの、それは星々を股に掛けた、長く過酷な旅の始まりであった。

登場人物・キャラクター

キリコ=キュービィ

メルキア軍に所属していた青年。寡黙で人との交わりを好まない性格。「吸血部隊」の異名で恐れられた特殊部隊・レッドショルダーにいた経歴を持つ。そのためATの操縦に優れ、バトリングや実戦で驚異的な強さを見せる。休戦直前に参加した作戦中にフィアナと出会ったことから、運命の歯車が大きく動き出す。また、ストーリーが進むにつれて、彼自身の秘められた過去や謎も次第に明らかになっていく。

フィアナ

メルキア軍の秘密研究施設で生み出された若い女性のパーフェクトソルジャー。非常に高い戦闘能力と反射神経を持つ。休戦直前に秘密結社の陰謀によって研究所から強奪される。戦士としての教育を受ける前に偶然キリコと出会い、調整が不完全なものに。結果、彼女はキリコに対して特別な思いを抱くようになる。本来彼女には名前が無く、「素体」、「プロト1」と呼ばれているが、キリコだけは何故か彼女のことをフィアナの名で呼んだ。

ロッチナ

メルキア軍情報将校の男性。階級は大尉。休戦直前、強奪されたパーフェクトソルジャー捜索を切っ掛けにキリコ=キュービィと縁を持つようになる。最初は捜索者と、事件の手がかりという関係でしかなかったが、キリコ自身の秘密が次第に明らかになるにつれ、ロッチナの役割は、その運命を見届ける観察者へと変化していく。

ブールーズ=ゴウト

あごひげを生やした小太りの中年男性で、ウドの街のスクラップ置き場を根城にした闇商人。バトリングの興行師としての顔も持つ。ウドの街で出会ったキリコ=キュービィの実力を見抜き、バトリングへの出場を誘う。以後はキリコの良き協力者となる。元パイロットでウドの街で闇屋をしている男・バニラと、いつも使い走りをさせている少女・ココナと良く行動を共にしている。 彼ら三人はキリコと非常に強い縁で結ばれており、ウドを去った後も、クメン王国、惑星サンサと彼の行く先々で再会を果たす。

イプシロン

秘密結社が生み出したパーフェクトソルジャー。金髪の青年。スナッピングタートル、ストライクドッグ等、青い機体色のATを駆り、戦闘に於いて圧倒的な強さを見せる。クメン王国・ビーラーゲリラ側の傭兵として密かに送り込まれ、相手側の傭兵をしていたキリコ=キュービィと対峙する。

ル=シャッコ

クエント星出身の傭兵。寡黙な2メートルを超す巨人。通常よりも大型のAT・ベルゼルガを操縦する。クメン王国・アッセンブルEX10側で働いていたところキリコと出会い、同じ部隊で戦うことになる。その後、クエント星で再びキリコの前に姿を現す。

ボロー

秘密結社の人間。神父のような恰好をした小太りの中年男性。休戦直前のフィアナ強奪作戦や、クメン王国内乱へのイプシロン投入等、パーフェクトソルジャーに関わる事柄の裏に必ずと言っていいほど現れる人物。

ゾフィ

惑星サンサのスクラップ屋。面倒見のいい体格のがっしりした女性。ゴウトの古い知り合いで、騒乱のクメン王国から脱出してきた彼らを保護していた。後に戦艦Xでサンサに不時着したキリコ=キュービィとフィアナも匿うが、キリコが元レッドショルダーである事を知ると態度が一変する。

集団・組織

メルキア軍 (めるきあぐん)

キリコ=キュービィが所属していたメルキア星の軍隊。作中にはメルキア軍、ギルガメス軍という二つの名前が出てくるが、メルキア星はギルガメス銀河の首都惑星であるので、二つの名前は同じ組織を意味している。

秘密結社 (ひみつけっしゃ)

秘密組織とも呼ばれる、ギルガメス、バララントとは違う第三の勢力。休戦直前のフィアナ強奪事件や、クメン王国の内乱等、戦争の裏で暗躍する。目的は不明だが、フィアナ、イプシロンを使って戦闘実験を繰り返し、パーフェクトソルジャー完成を目指す。

レッドショルダー

キリコ=キュービィがかつて所属していたメルキア軍の特殊部隊の俗称。正式名称はメルキア戦略機甲兵団特殊任務班X-1。「吸血部隊」の異名を持つ。軍の精鋭が集められた部隊で、右肩を赤く塗ったカスタムATを使用していた。驚異的な戦闘力と、冷酷無比な戦い方で、戦場では恐怖の対象だった。

場所

ウド

メルキア星にある街。近代的な街だったが、秩序が崩壊し、犯罪がはびこる死と隣り合わせの場所になり果てている。フィアナ強奪の容疑を掛けられ軍施設に収容されていたキリコ=キュービィはスキを見て脱走。その後流れ着いたのがここウドの街だった。ここでキリコは後々まで縁を持つことになるゴウト、バニラ、ココナと出会う。

クメン王国 (くめんおうこく)

メルキア星にある国。ウドから脱出したキリコ=キュービィが三か月後にたどり着いた場所で、熱帯気候、ジャングル、大河、遺跡が特徴。国全体がメルキア軍と20年も対立しているにもかかわらず、クメン政府側のアッセンブルEX10と、反乱軍・ビーラーゲリラとが内乱状態にある非常に混沌とした場所でもある。 キリコはここでアッセンブルEX10側の傭兵として働き、その結果、新たなパーフェクトソルジャー・イプシロンと対決することになる。舞台設定や状況等、ベトナム、カンボジアがモデルになっていると思われる。

戦艦X (せんかんえっくす)

謎の宇宙戦艦。クメン王国をシャトルで脱出した直後、キリコ=キュービィとフィアナは閃光に包まれる。そして気が付くと彼らはこの戦艦の内部にいた。彼ら以外に乗っている人間はおらず、制御もできず、行き先も不明。内部ではキリコが以前所属していた特殊部隊・レッドショルダーの凄惨な戦闘映像が映し出され、キリコを精神的に追い詰めるのだった。

惑星サンサ (わくせいさんさ)

激しい戦いの名残を残す荒野がどこまでも続く惑星。キリコ=キュービィとフィアナを乗せ自動航行していた戦艦Xはここに着陸した。そこからほど近い場所では、ゴウトの古い知り合いゾフィが少数の仲間たちと共にスクラップ屋を営んでいる。彼女たちはこの戦場だった惑星で、ある悲しい経験をしていた。

クエント星 (くえんとせい)

超古代文明の伝説が残る謎の多い惑星。表面は砂漠と荒れ地が続いており、人々は大地にできた亀裂の底に住んでいる。クエントとは星の言葉で「地の底」を意味する。三千年の昔から強い兵士を送り出してきた星で、現在も多くの傭兵を輩出している。ル=シャッコもこの星の出身。自身の過去と謎の手掛かりを求めてこの惑星へやって来たキリコ=キュービィは、その地下最深部で驚くべきものを目にする。

その他キーワード

アーマード・トルーパー (あーまーどとるーぱー)

高さ4メートルほどの人型兵器。大量生産でき、メンテナンス性も高いため、大量のATが戦争に投入された。荒地、ジャングルも踏破でき、機種によっては水中での行動も可能。機動力、攻撃能力は非常に高いが、その半面装甲が薄く、動力源の可燃性が高いため、機体、操縦する兵士共々、使い捨てを前提に運用される傾向がある。キリコ=キュービィはメルキア軍の最もベーシックなAT・スコープドッグを愛用している。

パーフェクトソルジャー

「完全な兵士」を目指してメルキア軍が開発していた改造人間。神経組織を強化改造し、さらに余分な知識を遮断、戦闘の知識だけを与えることで、戦いのみに特化した人間を作り出そうとしていた。非常に高い戦闘能力と反射神経を持つが、引き換えに定期的にヂヂリウムという希少鉱石の放射線を浴びないと身体が硬直してしまうという弱点を持つ。 フィアナはその実験体だったが、秘密結社の陰謀でメルキア軍の秘密研究施設から強奪されてしまう。

バトリング

ウドの街で行われている、AT同士による戦いを見世物にした闇試合。仕事にあぶれた元兵士たちが多く参加している。通常は武器を持たない格闘戦で試合が行われるが、稀に武器の使用を認めた「リアルファイト」も行われる。興行師もやっているゴウトはバトリングにキリコ=キュービィを誘うが、そこにはキリコの元上官で、作戦中彼を裏切ったコニン少尉、オリヤ大尉の姿があった。

クレジット

原作

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