鬼太郎国盗り物語

鬼太郎国盗り物語

地球侵略を企む「ムー帝国」から送り込まれて来る魔物から地上の平和を守るために、鬼太郎をはじめとする妖怪たちが全国各地で死闘を繰り広げる、壮大なスケールで描かれた妖怪冒険活劇。「コミックボンボン」1990年11月号から1992年3月号、「デラックスボンボン」1992年5月号から1993年3月にかけて連載された作品。

正式名称
鬼太郎国盗り物語
ふりがな
きたろうくにとりものがたり
作者
ジャンル
お化け・妖怪
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概要・あらすじ

真夜中の新宿を歩いていた鬼太郎は、ねずみ男が働いているという歌舞伎町にあるレストランに向かう道中で、体中に護符を貼られて暴れているぬりかべを目撃する。鬼太郎はぬりかべを助けようとするが、突如として中国の仙人・竜仙人が現れ、瞬く間にぬりかべの体中に貼られていた護符を燃やし尽くしてしまう。

鬼太郎は竜仙人からこの一連の事件の犯人が同じ中国の仙人・雷虎仙人だと知らされる。ねずみ男が働いているレストランに鬼太郎が到着すると、そこにはぬりかべを護符で操っていた張本人である雷虎仙人が、レストランの支配人として働いていた。鬼太郎は雷虎仙人の仙術に苦戦しながらも、竜仙人の協力のもと、なんとか雷虎仙人を撃退することに成功する。

そして鬼太郎は、竜仙人から、雷虎仙人のバックに大きな黒幕がいて、地上の侵略を企んでいることを知らされるのだった。その後、鬼太郎をはじめとする日本の妖怪たちは、地上世界を守るための戦いを日本各地で繰り広げるようになり、やがて一連の事件が、地下世界を支配するムー人たちによる仕業だと判明する。

こうして鬼太郎たちは大戦の決着をつけるべく、ムー人たちが支配する地下世界・ムー帝国へと向かうのだった。

登場人物・キャラクター

鬼太郎 (きたろう)

幽霊族の妖怪の少年。藍色の襟付きの長袖シャツと短パンに、黒と黄色の縞模様柄のちゃんちゃんこを着て、裸足に下駄を履いている。長い前髪で左目の部分を隠している。髪の毛を針のように固くして飛ばしたり、下駄を自由自在に蹴り放ったり、身につけているちゃんちゃんこで敵の攻撃を防ぐなど、多彩な能力を持っている。正義感が強く、人間と妖怪が共存する社会を理想としており、彼のその思想や人柄に惹かれて、日本全国の妖怪から厚い信頼を寄せられている。 一方で鬼太郎の思想に反対し、彼を危険分子と考える妖怪も多い。普段は父親の目玉おやじを頭の上に乗せている。ねずみ男からは「鬼太ちゃん」という愛称で呼ばれることもある。瓜二つの容貌をした寝太郎という兄がいる。

目玉おやじ (めだまおやじ)

幽霊族の妖怪で、鬼太郎の父親。眼球に直接小さな身体がついた姿で、全裸で鬼太郎の頭の上に乗っていることが多い。特別な能力を持たないので戦闘には不向きだが、妖怪に関する知識は誰よりも豊富。時には単身敵陣に赴くような勇敢な一面も持っている。今まで培ってきた経験に裏付けされた判断力で、鬼太郎と妖怪仲間たちを支えるリーダー的な存在。

砂かけ婆 (すなかけばば)

妖怪の老女。白髪の長い髪をしており、白目の部分が赤く、白い着物に赤と黒のチェック柄の帯を巻いている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。用心深い性格で、敵妖怪の奇襲だけでなく、ねずみ男の悪巧みにもいち早く気づくなど、さまざまな場面で活躍を見せる。砂の入った壺を常備しており、その壺の中に入った砂を振りかけて敵をひるませたり、動けなくさせる。

子泣きじじい (こなきじじい)

妖怪の老人。頭髪はなく、垂れ下がった眉毛と、唇の両端にひげを生やした、赤ん坊のような顔立ちをしている。杖をつき、腹掛けを身に着け、蓑をかぶっている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。気が弱く、物事を悲観的に考えがちな性格。敵の体に抱きついて赤ん坊のように泣きながら、体を石のように重く固くすることができる。遠い親類に日本の副総理大臣・金角がいる。 趣味は将棋で、油すましとは将棋仲間で仲が良い。時折キセルで煙を燻らせている。

ねずみ男 (ねずみおとこ)

鼠の妖怪と人間の血が半分混ざった半妖の男性。背が高く、鼻の両端に触角のようなひげを生やして、特徴的な大きな2本の前歯を持つ。いつもみすぼらしい着物を着ている。鬼太郎の妖怪仲間ではあるが、スケベで調子が良い性格。敵妖怪が鬼太郎たちよりも強いと見なすと、裏切り行為を働くこともある。極度の守銭奴で、金儲けのためであれば、仲間を売ることもためらわない。 猫むすめを天敵としている。

ぬりかべ

妖怪の男性。壁のように四角い大きな身体に、小さな目が2つ付いており、身体からは短い手足が生えている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。その巨体を活かして鬼太郎たちの前に立ちはだかり、敵の攻撃を防いだり、筏で海や川を渡る時に船の帆代わりとなって航海の手助けをしたりする。また、ぬりかべの鼻くそには、急性の下痢を起こす猛毒が含まれている。

一反もめん (いったんもめん)

体が白い木綿でできた、一反木綿の妖怪。木綿には鋭い目が2つ付いており、小さな手が生えている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。常に空中を浮遊しており、身体に人を複数名乗せ、空中を自在に飛び回って移動することができる。その能力を活かして空中から攻撃したり、敵妖怪を追いかけたりと、さまざまな場面で活躍する。

猫娘 (ねこむすめ)

猫の妖怪の少女。前髪が短いおかっぱ頭で、後頭部に大きなリボンを付けている。襟元にリボンの付いた白いブラウスにワンピースを着ている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。鋭い牙と鋭い爪で敵を攻撃する。また、鼻がよく利いて足が速いため、偵察や奇襲といった場面でも活躍をしている。好戦的なので、ねずみ男を目の敵にしているが、本来は仲間想いの優しい性格。 仲間に危機が迫った時には、誰よりも先んじて行動する。仲間たちからは「猫ちゃん」という愛称で呼ばれることもある。

油すまし (あぶらすまし)

妖怪の男性。耳の周辺から襟足にかけて黒髪があるだけで、ほとんど毛髪がない。円形の柄の入った着物の上から箕を羽織って、杖を付いている。真ん丸な顔と大きなへの字口が特徴。鬼太郎の妖怪仲間の1人。のんきでマイペースな性格をしている。大きな口をあけて歌うことにより、呪われてしまった者の呪いを解いたり、呪おうとした者を呪い返したりすることができる。 子泣きじじいとは将棋仲間で、仲が良い。

傘化け (かさばけ)

傘の妖怪。和傘に大きな一つ目と鼻と口が付いており、1本足が生えている。鬼太郎たちの妖怪仲間の1人。明るくお人好しな性格をしている。しばしば鬼太郎を騙して敵に寝返るねずみ男を、仲間の1人と見なしている人格者。

山びこ (やまびこ)

妖怪の男性。着物を着ていて、頭から蓑を被っている。大きな2本の前歯と1つ目、1本足が特徴。鬼太郎の妖怪仲間の1人。明るく陽気な性格で、ムードメーカー的存在として仲間たちから愛されている。

つるべ火 (つるべび)

炎の妖怪。炎の玉に顔が付いた姿をしている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。鬼太郎の家があるゲゲゲの森周辺を浮遊して巡回しながら、鬼太郎たちの身辺の見回りや警護をしている。不審な人物を見かけたり、怪しい事件が起きると、すぐに鬼太郎たちに知らせる。

ろくろ首 (ろくろくび)

妖怪の女性。長い黒髪を簪(かんざし)で頭頂部にまとめ、着物を着ている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。首を自在に伸縮させることが可能で、その能力を活かした偵察を得意としている。

毛目玉 (けめだま)

眼球に毛が沢山生えている妖怪。目玉おやじと同じような背格好で、杖を持っている。鬼太郎の妖怪仲間の1人。特殊な能力はなく、小柄な体型なので戦闘には不向きながら、偵察を行ったりしている。日本各地に点在する妖怪に対する交渉役を務めている。

ぬらりひょん

妖怪の男性。大きな頭に、垂れ下がった目と眉毛が特徴。黒い袴を穿き、日の丸の描かれた扇子を片手に持っている。かつては鬼太郎と対立して戦ったこともあるが、妖怪の存亡の危機を毛目玉に知らされ、はるばる遠方から手下の妖怪たちを引き連れて、鬼太郎たちを手助けするためにやって来る。

サギ娘 (さぎむすめ)

妖怪の女性。黒くて長い髪を簪(かんざし)で頭頂部にまとめ、朝顔の柄の入った着物を着ている。容姿端麗で、妖怪の中ではNo.1の美人と評判。鬼太郎の妖怪仲間の1人。仲間想いな優しい性格。サギ娘の涙には呪いを解く効果があり、八百比丘尼に騙されて眠り薬を飲み、呪いをかけられてしまった鬼太郎を助ける。

朧車 (おぼろぐるま)

牛車に大きな女性の顔が付いた妖怪。般若のような恐ろしい顔をしているが、鬼太郎の妖怪仲間の1人。鬼太郎たちを荷台に乗せ、敵を追いかけたり目的地へ向かったりと、さまざまな場面で活躍する。夜行ライト代わりにできるほどの明るさの光を、目から放つことができ、敵への目くらましに使用することもできる。

水虎 (すいこ)

水の中に住んでいる妖怪。大柄で、背中の皮膚には斑な模様が付いている。長髪だが頭頂部には毛髪がなく、大きな目と鼻が特徴。鬼太郎の妖怪仲間の1人。力が強く、大きなサメも片手でやっつけてしまうほどの腕力を誇る。相撲が大好きで、沖縄で行われる相撲大会に出場するために沖縄にやって来た。鬼太郎に相撲の稽古をつける。

ベアード

巨大な1つ目の妖怪。かつては鬼太郎たちと対立していたが、いまは一応和解している。相撲に強い関心があり、沖縄で行われる相撲大会に出場するため、久しぶりに日本に上陸した。巨体から繰り出される怪力で、どんな重たいものでも吹っ飛ばしてしまう。強力な催眠術をかけることができる巨大な目を持っている。

総理大臣 (そうりだいじん)

ムー人が住んでいるムー帝国で、総理大臣を務める男性。黒い着物の上からマントを羽織り、頭部には鯱(シャチ)のように鱗があり、大きくギョロッとした目と、鋭い牙を生やした大きな口を持つ。地上への侵略を画策しており、日本をムー人たちの別荘にしようと企んでいる。地上侵略の第一歩として、鬼太郎たちを倒すため、ガイコツベビーを差し向ける。

竜仙人 (りゅうせんにん)

中国の仙人の男性。髪が長く、口の周りにひげを生やし、着物を着ている。おでこには瘤があり、鼻の両端に伸縮自在の触角のような髭を生やし、頭部に大きな角が1本生えている。雷虎仙人とはライバル関係にあり、人界を巻き込んで竜仙人を亡き者にしようと企む雷虎仙人の計画を阻止するため、日本へとやって来た。体中に護符を貼られて雷虎仙人に操られていたぬりかべを助け、鬼太郎たちと協力し、雷虎仙人に立ち向かう。 杖の先から火を放ったり、空中を自在に浮遊することができたりと、さまざまな仙術を使う。

雷虎仙人 (らいこせんにん)

中国の仙人の男性。目つきが悪く、尖った耳と、鋭い牙のある大きな口を持ち、鼻の横に触角のようなひげを生やしている。竜仙人とはライバル関係にあり、竜仙人を亡き者にして仙界を征服しようと企んでいる。新宿の歌舞伎町でレストランを経営している。レストラン名物の加護加護まんじゅうを、コック長のトンチンに作らせ、ねずみ男をウェイターとして雇っている。 護符を使用して人や妖怪を意のままに操ったり、電気を帯びたムチを使って相手を痺れさせたりと、さまざまな仙術を使う。

トンチン

三つ目のブタの妖怪。への字口で、大きなブタ鼻をしている。また、普段は帽子で隠しているが、額に第3の目を持ち、相手を金縛りにする光線を発することができる。雷虎仙人の忠実な下僕で、雷虎仙人が新宿の歌舞伎町で経営しているレストランのコック長を務め、レストランの名物の加護加護まんじゅうを作っている。糸ミミズを口の中に吸い込み、一気に吐き出して相手を壁に貼り付けることができる。

エンバンの熊 (えんばんのくま)

やくざの男性。黒髪でハットを被っており、白いワイシャツに黒いネクタイを締め、黒いスーツを着ている。顔は面長で左頬に大きな傷跡があり、人相が悪い。やくざの世界では「エンバンの熊」と呼ばれており、UFOなどの「エンバン」が飯よりも大好きで目がない。手下とともに稲田に突如としてできたミステリーサークルを見に来た際にねずみ男と出会い、ミステリーサークルの原因を調べるために、鬼太郎を呼んで来て欲しいと依頼する。

金角 (かねかど)

日本の副総理大臣を務める男性。子泣きじじいの遠い親戚にあたる。黒髪の短髪で、白いワイシャツに黒いネクタイを締め、スーツを着ている。四角い顔で鼻の穴が大きく、垂れ下がった眉毛が特徴。稲田にできたミステリーサークルの中から出てきた卵型の「エンバン」を捕獲するため、自衛隊を出動させる。それでも捕獲することが叶わず、子泣きじじいに、鬼太郎をはじめとする妖怪たちに協力を要請する手紙を出す。

手洗い鬼 (てあらいおに)

鬼の妖怪。人間の何倍もある大きな身体をしており、腰蓑を着けている。手足が長く長髪で、鋭い牙の生えた口の周りはひげで毛むくじゃら。副総理から卵型の「エンバン」を捕獲するように要請された際、鬼太郎たちが協議をして、手洗い鬼に応援を要請した。粗野で気が短く、なかなか捕まえることのできない卵型の「エンバン」にイライラした結果、捕獲ではなく足で踏み潰してしまう。

寝太郎 (ねたろう)

幽霊族の妖怪の少年。鬼太郎の兄。鬼太郎と瓜二つの容貌をしていて、白い長袖シャツに白いズボンを穿いている。髪の毛を針のように固くして飛ばしたり、指を鉄砲のようにして発射したりと、鬼太郎と同じような能力を持っている。地下の世界に住んでおり、幽霊族が生きていける場所はないかと、地下の世界を何十年も彷徨っていた。「地下の楽園」と呼ばれるムー帝国を発見したものの、ムー帝国を支配していたムー人によって捕まえられ、30年にわたって監禁されていた。

ガイコツベビー

骸骨の妖怪の赤ん坊。骨だけの姿で、目がギョロッと大きく、ロンパースを身に着けて帽子を被っている。赤子ながらに言語能力が高く、会話をすることもできる。金に執着しており、ねずみ男に金儲けの話を持ちかけて意気投合する。しかしその真意は、ねずみ男を利用して妖怪を呼び寄せ、鬼太郎たちを倒そうという計画によるもの。裏ではムー人と繋がっており、総理大臣を後ろ盾にムー帝国の陸軍大臣を任されている。

大口 (おほぐち)

首だけの姿の妖怪。人の何倍もある大きな身体をしており、髪が長く、ギョロッとした大きな目と、頑丈で大きな歯が生えた大きな口を持つ。妖怪を食べる妖怪であり、また獰猛な性格をしているので、他の妖怪たちに恐れられている。大気中の妖気に非常に敏感で、妖気を求めて本能の赴くままに行動する。また、出現する前触れとして、鐘の音が聞こえてくる。 また、大気中から妖気が失われると、自然消滅してしまうという特性を持つ。ガイコツベビーに呼び寄せられ、鬼太郎たちに襲いかかる。

おどろ砂 (おどろすな)

砂の妖怪。全身が砂でできている。砂時計の形状をした容器に入れられ、モグラ人間が生活をしているモグラ村の中心にある神社に、御神体として祀られていた。実際は祀られていたというより、容器の中に封印されていたもので、ねずみ男によって容器を破壊されて自由の身となる。時間を操ることが可能で、相手の時間を奪って加速度的に老化を進ませ、死に至らしめることができる。

窮鼠王 (きゅうそおう)

ドブネズミの王。人間の何倍もある巨大な身体をした鼠で、日の丸が描かれた扇子を手に持っている。ドブ川の奥深くにあるドブネズミの王国に住んでいて、人の言葉を話すことができる。傲慢で頑固な性格をしており、自分の思うように事が進まないと、すぐに腹を立てて癇癪を起こす。いずれは地上を侵略し、不健康なドブでの生活にピリオドを打ちたいと、その機会を狙っている。 鬼太郎をやっつけて欲しい、というガイコツベビーとねずみ男の頼みを快諾する。生理的に猫が苦手で、猫娘を嫌っている。

毒娘 (どくむすめ)

ネコイラズを販売する「ねこいらず屋」の店長を務める妖怪の女性。長い黒髪で、前髪の左側は眉毛の上で切りそろえ、右側は顔が隠れるほどに長い。化粧が濃く、派手なドレスを着て、扇子を片手に持っている。相手を徐々に衰弱させて死に至らしめる毒を吐き出したり、逆に毒を解毒したり、呪いを解くことができる毒のエキスパート。呪われている物や人を見抜く術に長け、相手の悪巧みにもよく気が付く。 勘がよく働く知恵者である。

ラグレシア

巨大な吸血花。ムー人によってムー帝国から派遣された刺客で、地上侵略の手始めに南の島を侵略した。現在は島の花の王となり、小高い丘の上に咲いている。人の言葉を話すことができ、島外からの来客者には親切で優しく丁寧な応対をする。しかし、奴隷のドレイには自身を「ラグレシアさま」と呼ばせ、さまざまな指図をするという二面性を持つ。 花びらの中心にあるオシベから、大量の花粉を吹き出して咳を止まらなくさせたり、細長くて先端に毒針が無数に生えているメシベを、ムチのようにして攻撃したり、花びらを回転させて電動ノコギリのようにして、相手を切り刻んだりと、身体を駆使したさまざまな攻撃ができる。

ドレイ

南の島に住む女性。ウェーブがかった長い黒髪に、生花でできた髪飾りを付け、小麦色に焼けた肌に首飾り、腰に布を巻いている。以前は島民とともに平和に暮らしていたが、ムー人からの刺客であるラグレシアが、ムー帝国から島を侵略しにやって来た際に、ドレイだけが唯一逃げ遅れてしまった。以来、ラグレシアの奴隷として島で生活している。

金霊 (かねだま)

巨大な10円硬貨の姿をした妖怪。体を高速回転させた体当たりで攻撃する。身体から光線を発射して、浴びた者を黄金に変えてしまうことができる「黄金光線」や、体内から硬貨や札束を生み出といった能力を持つ。また、生み出した硬貨を機関銃のように発射して攻撃することも可能。もともとは人々に幸福を与える心の優しい妖怪だったが、ガイコツベビーに操られ、暴動を起こさせて人間同士で殺し合いをさせ、日本各地の妖怪を金で誘惑し、鬼太郎たちを退治させるように仕向ける。

軍事評論家 (ぐんじひょうろんか)

軍事評論家の男性。黒髪の短髪で、白いワイシャツにネクタイを締め、スーツを着ている。戦時中はテレビに引っ張りだこだったが、戦争が終結した現在は失職中の身。妖怪たちによる戦争が勃発することを、ねずみ男に知らされ、その口車に乗って、大昔に地上を支配していたとされる凶王の封印を解いてしまう。

凶王 (きょうおう)

大昔に地上を支配しようとしていた妖怪。体中毛むくじゃらで、大きくギョロッとした目が特徴。長きにわたって石でできた祠の中に封印されていたが、軍事評論家の手によって封印が解かれ、再び地上を侵略しようと、鬼太郎たちと戦いを繰り広げることとなる。常に空中に浮遊しており、体を震わせて超音波を発し、地中から埴輪武者の軍団を出現させることができる。 幽霊族が作り出す白い炎を恐れており、これが唯一の弱点でもある。

八百比丘尼 (やおびくに)

妖怪の老女。白髪の長い髪で、白装束を着ており、痩せぎすで骨ばった容貌をしている。さまざまな人物に化けて変身する能力を持つ。その変身能力の高さをムー人に見込まれ、鬼太郎を始末する約束をする。鬼太郎の仲間の1人・サギ娘に変身して鬼太郎たちに近づき、眠り薬を飲ませる。

しげる

小学生の少年。短髪で白い長袖シャツに短パンを穿き、帽子を被っている。日曜日に山へ遊びに行った際、妙な形をした石積を壊して以来、徐々に腹部に痒みを感じ、人面瘡ができてしまった。人面瘡ができてからは真面目な性格が急変し、学校をサボったり万引きをしたりと、悪事を働くことに何のためらいもなくなってしまった。

人面瘡 (じんめんそう)

人の腹部に寄生する寄生妖怪。当初は人間の身体に付着して、できもののように装う。徐々に大きくなり、最終的には寄生した人間の身体を乗っ取ってしまう。山の中にある石積に封印されていたが、しげるが石積を壊して封印を解いてしまい、それがきっかけでしげるの体内に寄生した。しげるを操って鬼太郎に近づき、鬼太郎の身体に寄生して鬼太郎の体を乗っ取ろうと企む。

ガジュマルの精 (がじゅまるのせい)

沖縄にあるガジュマルの木の精の少年。小柄で毛髪はなく、着物を着ている。相手の心を読む「他心通の術」が使える。また、雷光剣という魔剣を使用して雷を放ったり、口から炎を吹いたりと、さまざまな能力が使える。ガジュマルの森に侵入した鬼太郎たちの前に立ちはだかり、戦いを仕掛ける。

シーサー

沖縄の妖怪。小柄で子供のような体型をしており、頭頂部の髪が鶏冠のようにとんがっている。尻尾が生えていて、口の両端に大きな牙が生えている。父親とペットの五徳猫とともにヤンバルに住んでおり、相撲が大好きで明るく無邪気な性格。妖怪新聞で沖縄に鬼太郎がやって来たことを知り、鬼太郎に会いに行く。

五徳猫 (ごとくねこ)

沖縄の猫の妖怪。シーサーに飼われていた子猫だったが、眠っている時に口の中に火の玉のような物体が侵入。その結果、急に巨大化して角が3本生え、人の言葉が話せるようになった。それからは態度が悪く横柄となり、飼い主だったシーサーと立場が逆転。シーサーを下僕のように扱う。

くだん

人の顔を持つ牛の身体をした妖怪。未来を予知する能力を持っていて、予知した未来を目から発する光で照射し、映像として流すことができる。その能力を活かして、普段は商店街などで人々を占って商売をしている。ムー人との決戦を控えた鬼太郎たちが、敗北して魂だけを抜き取られ、ビンの中に封印されてしまう未来を予知した。

ゴルゴーン

西洋の妖怪の女性。大蛇でできた伸縮自在の髪と、口の端に大きな牙を生やしている。体の中で砲弾を作って口から発射したり、水晶玉で相手の妖力を吸い取ったりすることができる。また、人や物に化けて変身するなど、さまざまな能力を持っている。ムー人の仲間で、沖縄にやって来た鬼太郎と戦うこととなる。

役行者三十世 (えんのぎょうじゃさんじゅっせい)

仙人の男性。見た目は小柄で、少年のような姿をしている。長くてボサボサの髪で、袖のない着物を着ている。役行者という仙人の直系の祖先。以前は全国各地を流れて暮らしていたが、現在は沖縄の山の中に定住している。口の中から蝶の大群を吐き出して敵にまとわりつかせて動きを封じたり、鼻の穴から無数の魔物を出したりと、さまざまな仙術を使用することができる。 時々山から下りて来て、仙人が吸う空気の入った缶詰を販売しているが、売上はさっぱり。商売にならず金策に困っていた時、ねずみ男に出会い、収入の1割を渡す代わりに、福の神を紹介してもらうことになった。

ボゼ

沖縄の妖怪の女性。縞模様の長い髪と手をしていて、首にネックレスを掛け、長袖のロングドレスを着ている。細長い飴を携帯していて、飴を舐めさせることによって、舐めた者を操ることができる。金に目がなく、都内でねずみ男に出会って金儲けの話で意気投合。1億円を提供する条件として、鬼太郎のちゃんちゃんこと下駄を借してもらう契約をしたり、福の神になりすまして、役行者三十世から金を騙し盗ろうと、ねずみ男と画策する。

元興寺 (がごぜ)

妖怪の男性。大きくて面長の顔をしており、歯が黒い。裸足で全身を布で多い、三味線を担いでいる。三味線を奏でることにより、植物や樹木といった生物からテレビや家具、飲食店の麺類まで、さまざまな物を操ることができる。鬼太郎たちをやっつけたら1億円をもらう契約をムー人と結び、鬼太郎たちの前に立ちはだかる。

ヒザマ

ムー帝国の村の長の妖怪。巨大な鶏の姿をした妖怪で、人の言葉を話す。口から炎を吐き出したり、羽根を針のようにして飛ばしたりことができる。村では骸骨の妖怪を部下にして、人間の奴隷たちを働かせている。ムー帝国に上陸した鬼太郎たちを倒すため、骸骨たちとともに立ちはだかる。

リニュー

天使の少年。小柄で髪を頭頂部で左右に分けて結んでいる。胸元と背中に羽根を生やし、背中の羽根で飛ぶことができる。つぼの中に閉じ込められていたが、海で魚釣りをしていた少年が蓋を開けてくれたため脱出できた。無邪気でよく笑い、明るい性格をしている。つぼから出してくれたお礼に、手から出現させることのできる輪っかにより、少年の願いごとを3つ叶えることを約束する。

魔道師 (まどうし)

ムー帝国に住んでいる妖怪。小柄で毛髪がなく、口の中に沢山鋭い牙が生えていて、みすぼらしい布でできた服を身に着けている。金に執着しており、鬼太郎たちをやっつけることを条件に、ムー人から報酬としてお金をもらう契約をする。ムー人と決戦をするためにムー帝国へやって来た鬼太郎たちの前に立ちはだかる。妖術を使って妖怪を操ることができ、手のひらに描いてあるダビデの星の模様から放出される強い呪気で、人を水晶に変化させてしまう。

砂漠ザメ (さばくざめ)

ムー帝国の砂漠に生息している新種の動物。鋭い牙を持った巨大なサメで、首の辺にふくよかな毛を蓄えており、左右に生えた大きなヒレで空を飛ぶことができる。凶暴な性格をしており、獲物を見つけると、ものすごい勢いで滑空して襲いかかってくる。

場所

ムー帝国 (むーていこく)

ムー人が支配している、地下の楽園と呼ばれている地下世界の帝国。かつては人間と妖怪が平和に暮らしていた。総理大臣が部下の妖怪たちとクーデターを起こし、ムーの王様を地下に閉じ込めてしまい、現在のムー人が支配する形が作られた。帝国では人間はムー人のドレイとして働いている。帝国の頂点には王様が鎮座してはいるが、実際に国の政治を動かす主導権を握っているのは総理大臣。 配下にガイコツベビーがいて、陸軍大臣を任せている。「魂科学」と呼ばれる学問が発達しており、帝国の大臣などの幹部は、帝国の兵隊たちが生贄狩りで収穫してきた生贄の魂を食べて、永久に生き続けている。

その他キーワード

幽霊族 (ゆうれいぞく)

かつて地下の世界に生息していた妖怪の種族。鬼太郎や目玉おやじの祖先にあたる種族。もともとは地上で暮らしていたが、人間たちと対立した結果、地下に追いつめられてしまった。しかし、現在では地下はムー人によって支配されており、幽霊族の末裔にあたる鬼太郎と目玉おやじの他には、幽霊族は殆ど残っていないといわれている。 死ぬという概念はないが、大きな怪我などのダメージを負うと液体化してしまい、7年間は元の状態に戻ることはできない。

ムー人 (むーじん)

ムー帝国を支配している種族。かつては太平洋の真ん中にあったムー大陸で一大帝国を築いていた。1万年前に大陸が海中に沈み、滅んでしまったかに思われていたが、実は地下の世界でムー帝国を支配して、種族の繁栄と発展を続けていた。ムー帝国に足を踏み入れる者は捕まえて監禁してしまうなど、容赦がなく、野蛮で獰猛な種族。 地下の世界から地上に上陸し、地上世界を侵略しようと企んでいる。

モグラ人間 (もぐらにんげん)

地下の世界と地上世界の中間にある世界で、村を作って人間と同じような生活をしている種族。小柄で毛むくじゃらの身体をしている。村の建物は、主に土で固めてつくられ、住居だけでなく、喫茶店などの店もある。村の中心には神社があり、おどろ砂と呼ばれている、砂時計の形状をした御神体が祀られている。鬼太郎の祖先でもある幽霊族とは親類にあたる。

加護加護まんじゅう (かごかごまんじゅう)

雷虎仙人が新宿の歌舞伎町で経営しているレストランの名物料理。コック長のトンチンが調理している。美味しいだけでなく、疲れをとり、万病を治し、さらに開運効果もあると、巷で評判になる。しかし、その中身は雷虎仙人の護符を小さくした物が入った毒まんじゅう。食べた者は命を奪われ、その身体は雷虎仙人の霊力で意のままに操られてしまう。

ネコイラズ

毒娘がねこいらず屋で販売している道具。この道具を煎じて猫に与えると、与えられた猫を無力化し、封印することができる。逆にねずみに与えると、激しいめまいを起こしてしまう。ねずみ男が猫娘を無力化させて封じてしまおうと画策し、ねこいらず屋に注文をした。

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