彩雲国物語

彩雲国物語

雪乃紗衣の小説「彩雲国物語」のコミカライズ作品。貧乏だけれど家柄は良いお嬢様が奮闘する王朝ロマンを描いている。「少年エース」2005年8月号増刊、「ビーンズエース」vol.1からvol.21まで掲載。その後「Asuka」2009年12月号から2012年5月号にかけて連載された。原作は雪乃紗衣。

正式名称
彩雲国物語
ふりがな
さいうんこくものがたり
原作者
雪乃 紗衣
作者
ジャンル
その他恋愛・ラブコメ
 
その他歴史・時代
 
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概要・あらすじ

彩雲国の名家である紅家に生まれた紅秀麗は、お嬢様なのに貧乏なお屋敷に住み日々の賃仕事に追われていた。そんなある日、秀麗に破格の金額の賃仕事が舞い込んでくる。仕事内容は若き王さまの教育係として後宮に入ること。かくして秀麗は後宮で王さまの教育係として孤軍奮闘することとなる。

登場人物・キャラクター

紅 秀麗 (こう しゅうれい)

16歳。紅家のお嬢様だが貧乏生活を送っている。明るく誰とでも仲良くなれる特技を持つ。王さま紫劉輝の教育係「紅貴妃」として後宮に上がるが、問題が多いとされていた劉輝が実は賢い王さまだということが分かり、後宮を辞した。その後、劉輝を支えるため官吏になろうと悪戦苦闘する。正式に官吏になってからは茶州州牧を任される。

紫 劉輝 (し りゅうき)

彩雲国国王で19歳。先王の第6子として生まれるも、上の4人が王位争いで共倒れし、唯一紫劉輝に優しくしてくれた第2子の清苑も流罪になっていたため、棚ぼた式に王さまになる。性格は温和でちょっと子供っぽいところがある。ダメな王さまを演じていたことがバレてからは、政務に励み、紅秀麗が官吏になるための制度を変えるなど、女性官吏を登用することに成功した。

茈 静蘭 (し せいらん)

紅家の家人で、薔薇姫に育てられた26歳の男性。実は流罪になったとされていた、彩雲国元国王の第2子「清苑」である。優しい性格だが、清苑であることがバレてからは弟である紫劉輝以外には厳しい一面を見せることもある。紅秀麗が茶州州牧を任された際には、茶州州牧専属武官を任される。

李 絳攸 (り こうゆう)

紫劉輝の側近の1人で22歳の青年。生真面目だが、どこでも迷子になるそそっかしい性格で、よく宮中で迷子になっている。紅黎深の養子で、黎深には逆らうことができない。側近としては優秀で、学問でも秀でた才能を持つ。16歳で国試にトップで合格している。

藍 楸瑛 (らん しゅうえい)

紫劉輝の側近の1人で24歳の青年。藍家の直系の男子で、兄妹姉妹が多い。李絳攸とは腐れ縁の関係で一緒にいることが多く、絳攸の迷子グセをよくからかっている。絳攸と同じ年に18歳で国試を受け、2位で合格している。

紅 邵可 (こう しょうか)

紅秀麗の父。先王が使っていた暗殺集団「風の狼」の首領で「黒狼」の2代目。彼の入れる父茶はまずいと評判であるが、紅邵可しか相手をしてくれる人がいなかった幼少期の紫劉輝は平気で飲んでいた。今も昔も父茶を飲んでくれるのは紫劉輝1人だけ。キレ者だが、普段はそんな一面をまったく見せない温和な人物。

紅 黎深 (こう れいしん)

紅邵可の弟で人事を担当する吏部の長官である吏部尚書。邵可と紅秀麗を溺愛しているが、秀麗には叔父であることを明かしていない。紅家の当主を務めているが、本来は邵可が当主であるべきだと考えており、負い目を感じている。

黄 奇人 (こう きじん)

財政と宝物を担当する戸部の長官である戸部尚。その顔の美形さ、美声から人々を魅了し過ぎるため、普段は仮面を付けている男性。仮面の中の顔色を知る人物は限られている。女装コンテストで、その美形さを民に知らしめることになるが、それが黄奇人であることは明かしていない。

魯尚書 (ろうしょうしょ)

教育全般を執り行い、国試を担当する礼部の長官である礼部尚書。国試に受かった人物たちが職を任命されるまでの教官を務める男性。国試に受かった人物たちに大量の仕事を割り振り、その厳しさから評判は悪いが、徹夜して頑張っている子には、こっそりと夜食を用意するなど優しい人物でもある。

霄 瑤璇 (しょう ようせん)

朝廷三師の1人。前王の時代から仕えている老齢の男性で、紅秀麗に王の教育係を頼みにきたのもこの人。三師の中でも秀麗に一番厄介な物事を持ち込む。紫劉輝に対しては王が王たる責務を果たせば別に何をしていても良いという考えの持ち主。

宋 隼凱 (そう しゅんがい)

朝廷三師の1人。紫劉輝と茈静蘭の剣の師匠を務める男性。猛将として有名で、剣については先王の時代から彩雲国一の使い手と呼ばれており、あまりの指導の厳しさに劉輝と静蘭以外はついてこられなかったほど。

茶 鴛洵 (さ えんじゅん)

朝廷三師の1人で、茶家の当主。先王の時代から霄瑤璇の上に立つために努力を重ねてきた努力家。茈静蘭を王位につけようと暗躍したものの、最後まで霄瑤璇を凌ぐことができずに虚しく死んでしまう。

珠翠 (しゅすい)

後宮では筆頭女官の女性。紅邵可に拾われて暗殺集団「風の狼」の一員となる。紅秀麗が後宮を辞してからは、紫劉輝付きの女官となる。たおやかで誰にでも優しいものの、邵可を批判する者はすべて排除するという思考回路を持つ。

香鈴 (こうりん)

紅秀麗が後宮に入った時に付いてくれた女官で13歳の女性。茶鴛洵の養女で、茶鴛洵が茈静蘭を王位につけようと暗躍していることを知り、独断で秀麗に毒を盛った。茶鴛洵の野望が潰えたあとは、鴛洵の妻がいる茶州へ送られる。

胡蝶 (こちょう)

20代の女性。貴陽の花街で一番の妓楼の女性でありながら、貴陽の下町を牛耳る組連の親分衆の1人。サバサバした性格で、かつ演技の上手い妓女の中の妓女であるため、彼女と一夜を過ごそうとさまざまな人間が大金を払う。

杜 影月 (と えいげつ)

史上最年少記録を塗り替え、13歳で国試に受かった少年。紅秀麗の同期であり、国試後には2人で一緒に働き、課題に取り組んでいた。いつも明るく笑顔が印象的だが、酒を飲むと人格が変わる。のちに秀麗と共に茶州州牧に任命されることとなる。

浪 燕青 (ろう えんせい)

26歳の男性。紅秀麗と杜影月が来るまでの茶州州牧だった人物。大雑把な性格で普段は無精ひげをはやし、見た目は悪いが、優しく時に厳しく秀麗を指導する。紅家に来る前の茈静蘭の過去を知る貴重な人物だが、静蘭には邪険にされている。

紅 玖琅 (こう くろう)

紅邵可と紅黎深の弟で、紅家当主名代。2人の兄をそれぞれ尊敬しており、李絳攸と紅秀麗を結婚させ、紅家を継がせようと考えているが、邵可がそれをまだ認めていない。

薔薇姫 (ばらひめ)

紅邵可の妻にして紅秀麗の母。そして茈静蘭を拾ってきた人物。故人であり、邵可や静蘭の過去の話でのみ語られるが、豪快で酒に強い女性であった。秀麗の世話は紅黎深や紅玖琅にまかせていたが、大事な場面ではしっかりと母親としての勤めを果たしていた。

集団・組織

彩七家 (さいななけ)

藍家、紅家、碧家、黄家、白家、黒家、茶家の七門のこと。紅秀麗は大貴族の証でもある、この七門の中で紅家にあたる。特に紅家と藍家は有事の際はそれぞれ首都機能の半分ずつを麻痺させることができるほどの力を持つ。

風の狼 (かぜのおおかみ)

紫劉輝が王さまになる前の先王の時代に仕えていた暗殺集団。首領は「黒狼」と名乗っていた。ほとんど噂でしか耳にしない集団だったが、現在は解散。今は紅邵可が単独で動くこともあるが、先王が崩御してからは暗殺集団としての活動はしていない。

朝廷三師 (ちょうていさんし)

霄瑤璇、宋隼凱、茶鴛洵の3名のことで、それぞれを「太師」「太傅」「太保」と呼ぶ。王の相談役などをする名誉職であるが、実質的に王家を裏で支配する存在。紫劉輝に后として紅秀麗をあてがったのも、この3人の企みである。

その他キーワード

官吏 (かんり)

王に仕える役人のことを官吏と呼ぶ。大きく分けて朝廷で働く中央官吏と、地方で働く州官と呼ばれる地方官吏に分かれている。文官と武官とでも分かれており、紅秀麗や杜影月は文官で、茈静蘭は武官として働いている。

国試 (こくし)

官吏登用試験で、合格すれば家柄に関係なく官吏になれる。紅秀麗はこの試験を受けるために、日夜勉強に励んでいたが、女性が受けられないことを知り、子供たちに勉学を教えるようになった。のちに男性しか受けられなかったものを紫劉輝の手腕によって女性も受けられるように改正された後、秀麗はこの試験に一発で合格する。

クレジット

原作

雪乃 紗衣

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