おせん

おせん

きくち正太の代表作で、後にシリーズ化される「おせん」シリーズ第1作。老舗料亭・一升庵を切り盛りする女将・おせんが、さまざまな問題を料理を通じて解決する人情グルメ漫画。和食を中心に料理についての解説も豊富。基本的に物語は一升庵を舞台にした数話完結の物が多いが、時に地方に旅をするエピソードもある。

正式名称
おせん
ふりがな
おせん
作者
ジャンル
グルメ
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概要・あらすじ

大学を卒業し、実家の旅館を手伝うため老舗料亭・一升庵に弟子入りした江崎ヨシ夫は、そこで一升庵の看板娘であり、店を切り盛りする女将・おせんこと半田せんと出会う。酒好きで自由気ままなおせんだが、次々と降りかかる難問を、持ち前の美的センスと心意気で解決していく。やがて、そんなおせんの側にいることで、江崎も少しずつ成長していくのだった。

登場人物・キャラクター

主人公

老舗料亭「一升庵」の女将を担うメガネ、着物姿が特徴の色っぽい美女。食材などをさん付けで呼び、「わっち」「やんす」「ありんす」など花魁(おいらん)言葉を使う。料理だけでなく、様々な分野の美術に関しても優... 関連ページ:おせん

江崎 ヨシ夫 (えざき よしお)

大学を卒業後修業で一升庵に弟子入りし、帳簿係として働くことになった青年。苗字が江崎であることから、グリコと呼ばれている。実家は山梨で民宿を営んでいる。お人よしだが、同時にお調子者。おせんと行動を共にすることが多く、彼女の自由気ままな性格に振り回されているが、同時に尊敬もしている。 料理や陶芸に関しては素人で、しばしば底の浅さを指摘されてしまう。

藤城 清二 (ふじしろ せいじ)

一升庵の一番板前を任されている大男。卓越した調理の腕を持ち、温和で頼りがいのある人物。寡黙であるが、おせんの良き理解者。体中に入れ墨が彫り込まれており、服役経験があるなど過去に暗い影がある。

竹田 留吉 (たけだ とめきち)

一升庵の二番板前を務める男性。小柄で短気だが、筋を通す義理難い性格。最初は彼女持ちの江崎ヨシ夫を敵視していたが、次第に彼の良き兄貴分となっていく。

珍品堂 (ちんぴんどう)

おせんの知り合いで、日本一とも称えられる目利きを持つ骨董屋。登場時は一升庵の仲居にセクハラを働くスケベな一面があった。ぶっきらぼうで口が悪く、すぐ手が出る性格だが根は優しく江崎ヨシ夫を叱りながらもその成長を望んでいる。

半田 千代 (はんだ ちよ)

おせんの母親であり、一升庵の元女将。おせんと違い料理はしないが、目利きとして確かな腕を持ち、一升庵を一流の店へと押し上げた人物。女将の座を退いた後も大女将として人々の尊敬を集めている。

浅井 シズ (あさい しず)

おせんの先代、半田千代が女将を務めていた時代から一升庵で働いているベテランの仲居。現在では仲居長として、三人の若き仲居を束ねている。厳格だが堅物ではなく、しばしば江崎ヨシ夫をからかって遊んでいる。

健太 (けんた)

一升庵と長い付き合いを持つ料亭の跡取り息子であり、修業で一升庵に奉公する少年。周囲からはケン坊と呼ばれている。言動は幼いが、料理に対しては真剣な態度で臨んでいる。

戎 真子 (えびす まこ)

日本橋に店を構える古美術骨董の老舗・戎堂の一人娘。思ったことをすぐ口に出す性格であり、自らを天才と公言している。人の好みを瞬時に感じ取る卓越した観察眼を持つが、自分自身の好みについてはよく分かっていなかった。しかし、おせんと江崎ヨシ夫と関わる内に大切なことが何かを考えだすようになっていく。 また、その時以来江崎のことが気になっている。

原口 (はらぐち)

出版社に勤め、雑誌の編集長を担当する中年男性。糖尿病に罹り食事制限を受けていた時に、おせんの低カロリーながら満足感のある料理を食べて以来、一升庵の常連となっている。その後、食や芸術に関する特集を組むためにおせんに協力を願うこともある。

仲居女子三人 (なかいじょしさんにん)

一升庵に勤める玉、テル子、冬子の三人の若き仲居のこと。仲居頭の浅井シズに統括されている。テル子はおせん並みに飯炊きが上手と言われており、冬子はお燗番を担当している。

山口 加夜 (やまぐち かよ)

大手下着メーカーで働いている女性。デザインから広告、更には自らモデルまでこなすほど才色兼備の人物だが、人当たりがきつい性格。高い美意識を持つ者同士おせんと意気投合し、彼女の影響を受けて物腰が少しずつ柔らかくなっていった。

(じゅん)

大工の日吉組の若頭を担う大男。おせんに惚れこんでおり、「おせん親衛隊」なるものの隊長を務めている。頭に血が上ると見境がなくなり、おせんのストーカーに痛烈な一撃を食らわしたこともある。後におせん以外の女性と結婚し、彼女の気風の良さに惚れているが、おせんへの気持ちも途絶えてはいない。

場所

一升庵 (いっしょうあん)

漫画『おせん』に登場する料亭。おせんが女将を務める。文化元年に創業し、真心を込めた料理を提供する和食料亭。板前の藤代清二を始めとした腕の良い従業員が揃い、看板娘でもあるおせんの趣向を凝らしたもてなしで高い人気を誇る。どんな客であろうとも最大限のもてなしをするために、著名人の常連も多い。

続編

おせん 和な女 (おせん わなひと)

きくち正太の代表作「おせん」シリーズの第3作。現代の日本、自然豊かな武蔵野の片隅にある、古民家を改装した居酒屋「すい仙」が舞台。一流のフレンチレストランに憧れて上京した荒井光治は、自然豊かな武蔵野の居... 関連ページ:おせん 和な女

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