零王!

零王!

探偵・藤堂さやかの助手を務める二重人格の少年・神崎零王(レオ)を主人公とする探偵アクション。有事の際には凶暴な人格の零王が覚醒し、大立ち回りのうえで黒幕を退治するという流れが定型パターンで、レオがさやかの裸体を目にすることが零王覚醒のスイッチになっている都合上、各エピソードのクライマックスにはお色気シーンが登場する。物語の後半には零王の秘密を知る秘密結社や超人的な能力を持つエージェントが登場し、バトル漫画へとシフトしていく。なお、コミックス第1巻の巻頭には、本作『零王!』連載前に発表された、事実上の第1話と第2話に相当する読み切りエピソードが掲載されているが、レオの性格など設定の一部が少し異なる。この点については、コミックスのおまけページにて補足説明されている。

正式名称
零王!
ふりがな
れお
作者
ジャンル
探偵
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概要・あらすじ

世間を賑わせていた名探偵・藤堂聡一郎が莫大な財産を遺して死去。遺言状には遺産の相続人として孫娘・藤堂さやかの名が挙げられていたが、相続の条件も記載されていた。その1つは藤堂探偵事務所を継ぐこと。もう1つは聡一郎が面倒を見ていた少年・神崎零王(レオ)を引き取って世話をすることであった。遺産に目が眩んださやかは事務所の所長に就任すると、レオにあらゆる雑務を押し付けて、気乗りのしない探偵業を開始する。

その後は、レオに封じられた別人格・零王の活躍もあって次々と事件を解決していくが、やがて闇の組織「スカーレット・スネーク」に身柄を狙われるようになってしまう。

登場人物・キャラクター

神崎 零王 (かんざき れお)

探偵に憧れる12歳の少年。主に「レオ」と呼ばれている。一人称は「ボク」。髪は栗色で、顎に達するほど長い鬢(びん)が特徴。5年前に藤堂聡一郎に保護されて家族同然に育てられ、聡一郎を「おじいちゃん」、藤堂さやかを「ねーちゃん」と呼び慕うようになった。現在は小学校に通いながらさやかの助手を務めるが、実質的には家事雑用係である。 しかし、さやかから邪険に扱われている一方で、その他の年上の女性からは可愛がられる傾向にある。聡一郎の影響で年齢以上に聡い部分もあるが、注射器を見ると恐慌状態に陥るなど心に闇を抱えており、その生い立ちは謎に包まれている。コミックス第1巻の巻頭に収録されている、事実上の第1話である読み切りエピソードでは、弱気ないじめられっ子として描かれている。 本編では、少し生意気なしっかり者として描写され、各種モバイル機器を使いこなすハイテク少年という設定も付与された。さやかの裸体を見ると、封印された凶暴な別人格「零王」が覚醒する。

零王 (れお)

神崎零王(レオ)の別人格。一人称は「オレ」「オレ様」。藤堂聡一郎の催眠術によって封じられているが、レオが藤堂さやかの裸体を見ると覚醒し、肉体の主導権を得る。目つきが悪くなる、髪が逆立つ、髪が青みを帯びた灰色になるなど外見も大きく変化し、身体能力が著しく向上する。成人男性をパンチで吹き飛ばす、素手で銃口をねじ曲げる、手刀で衣服を切り裂く、などの超人的な立ち回りが可能となる。 ただし、フルパワーを発揮できるのは約600秒までという弱点もある。性格はワイルドで好戦的、そして好色。犯人をねじ伏せた後は好みの女性、主にさやかに襲いかかるのだが、さやかに股間を蹴り上げられて鎮圧され、再び封印されるまでがお約束となっている。のちに闇の組織「スカーレット・スネーク」の構成員と接触し、「ナンバー0」と呼ばれていた己の過去と向き合うことになる。

藤堂 さやか (とうどう さやか)

名探偵・藤堂聡一郎の孫娘。年齢は23歳。一筋だけ前髪を垂らした艶のある黒のロングヘアで、左目の下に泣き黒子がある。自他ともに認める美女で、露出度の高い服や身体のラインが出る服を好み、基本的にはノーブラ。スタイルも抜群で、地元の中学生からは「チョーダイナマイトセクシーボディ」と評されている。一方で、見栄っ張りでいい男に弱く、妄想癖持ちという少々厄介な性格。 また、ブランド志向で金が大好きな、絵に描いたようなわがままお嬢様。亡き聡一郎の遺産を相続するべく藤堂探偵事務所を引き継いだが、探偵業には一切やる気を見せない。助手の神崎零王(レオ)に雑用から家事全般まで押し付け、当人はショッピングや美容に入り浸っている。およそ探偵が務まる人格ではないが、妄想に必要とされる観察力と記憶力は高く、レオからも評価されている。 ある事件を切っ掛けに、レオの人格切り替えスイッチが自らの裸体であることを発見すると、零王の超人的な能力を利用することを画策。以降はピンチに陥ると、必殺技とばかりに自ら進んで服を脱ぐようになった。なお、高過ぎる理想と破綻した人格が災いして、恋人はいない。

藤堂 聡一郎 (とうどう そういちろう)

藤堂さやかの祖父。白髪をオールバックに整えた老紳士で、常に微笑んでいるように目が細く、口ひげを生やしている。故人だが、回想やおまけページなど、登場する機会は多い。生前は名探偵と呼ばれるに相応しい敏腕の私立探偵で、彼の手にかかった事件はマジックのタネ明かしのように、鮮やかに解決されると評判だった。また、卓越した推理力に加えて、正義感も強く、事件がメディアに取り上げられると、率先して現場に駆けつけていた。 5年前に神崎零王(レオ)を保護して、凶暴な零王を封印したのも聡一郎である。身体的には健康そのものだったが、1億円の財産を残して死亡。遺言状により、さやかに遺産と藤堂探偵事務所、そしてレオの後見を託した。のちに神崎零王の父との交流や、闇の組織「スカーレット・スネーク」との対立関係が判明する。

江森 一樹

講南中学校に通う3年生の男子。年齢は15歳。剃り込みを入れた金髪のリーゼントと団子鼻が特徴。制服としてブレザーが採用されているにも関わらず、短ラン赤シャツにボンタンという、時代錯誤の不良ファッションに身を包んでいる。本人はワルを気取っているが、背が低いこともあってクラスメイトからは舐められている。また、エンジンやマフラーをダンボールで再現して、バイクに見立てた改造自転車・江森スペシャルを乗り回すなど奇行が目立つ。 学校に潜入捜査していた藤堂さやかに惚れ込むと、藤堂探偵事務所に押しかけて助手になってしまった。時速70kmの車に自転車で追いつく、という離れ業をやってのけるなど、意外な底力を持つ。

水沢 成美 (みずさわ なるみ)

水沢哲平の孫娘。9月生まれで、年齢は12歳。神崎零王(レオ)のクラスメイトで、生徒会長を務めている。生真面目で理屈っぽい性格で、ジト目で睨めつけるような表情をしていることも多いが、時には年相応の笑みを見せることもある。いじめられていたレオを助けた過去があり、これをきっかけに、レオから淡い恋心を寄せられるようになった。 しかし、講談病院で発生した事件の際に零王と接触すると、そのワイルドさに魅せられて一目惚れ。以降は零王を覚醒させるために藤堂さやかを脱がそうとするなど、暴走気味のアプローチを行うまでになる。また、レオとも交流を深めて、頻繁に藤堂探偵事務所を訪れるようになった。

水沢 哲平 (みずさわ てっぺい)

水沢成美の祖父。講談病院の院長を務めている。髪を短く刈り込んだ老医師で、藤堂聡一郎とは50年来の友人だった。神崎零王とも面識があり、何度か診療を担当している。生前の聡一郎から聞かされた、零王の正体に関する情報をファイリングしており、それを本人に伝えるべきか苦悩している。

紫苑 (しおん)

闇の組織「スカーレット・スネーク」に所属する青年。淡い色の長髪で、全身を黒いラバースーツで覆っている。藤堂さやかを襲撃して神崎零王の別人格・零王を表に引き出すと、実力を確かめるべく交戦。相手の動きを予測分析する特殊能力「カメラアイ」を活用し、零王を相手に互角の立ち回りを見せた。また、変装の技術も備えており、女性に成りきるのも得意。

神崎零王の父 (かんざきれおのちち)

神崎零王の父親。15歳の時に当時30歳の藤堂聡一郎に命を救われた。その後20年以上にわたって、年齢を超えた友情を育んでいたが、ある事件をきっかけに訣別することとなった。少年時代はつり目で短髪だったが、現在の姿は不明。聡一郎からは早熟の天才と評されていた。

集団・組織

藤堂探偵事務所 (とうどうたんていじむしょ)

藤堂さやかを所長とする私立探偵事務所。神崎零王(レオ)と江森一樹が助手として働いている。彼らは勝手に助手を名乗っているだけで、さやかが正式に雇ったわけではない。前所長の藤堂聡一郎が積み上げた信頼と実績のお陰で、次々と依頼人が訪れるが、探偵業にやる気のないさやかは、依頼をことごとく断っている。そのため、実際に受注した仕事のほとんどは、レオが勝手に引き受けたものである。

スカーレット・スネーク (すかーれっとすねーく)

零王を「ナンバー0」と呼んで付け狙う闇の組織。略して「SS」と呼ばれることもある。人体実験や戦闘訓練を行い、「ヒューマンウェポン」と呼ばれる、生きた殺人兵器を製造している。紫苑の他にも、首筋にヘビのタトゥーを入れた男性、淡い髪色のボーイッシュな女性が暗躍しているが、名前や役職は明かされていない。

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