兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿

兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿

女子高校生の赤木蛍と、元警察官であるその兄、赤木圭一の亡霊が、身の回りで起こる犯罪事件や霊的事象による怪異事件を解決していくオカルトミステリー。

正式名称
兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿
ふりがな
きょうだい しょうじょたんていとゆうれいけいかんのかいきじけんぼ
作者
ジャンル
推理・ミステリー
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あらすじ

第1巻

高校入学を目前に控えた少女の赤木蛍は、警察官の制服を着た骸骨のような姿をした亡霊につきまとわれるようになった。その亡霊は、実は2年前に行方不明になった兄の赤木圭一であった事が、のちに判明する。入学直後、一人の少女の頭が血にまみれている姿を圭一が幻視した事から、志田りかが抱えている彼女の兄との葛藤を、蛍と圭一は解決する事になる。さらに、邪霊のようなものに取り憑かれた事で、恐喝犯となった元いじめられっ子にまつわる事件も、蛍と圭一の活躍で決着がつくのであった。

第2巻

赤木蛍の父親が経営する会社の会計士が金を持ち逃げする、という事件が発生する。会計士はその後自殺してしまったのだが、それは偽装工作であり、実は殺人事件であった。蛍と、探偵女こと緑川楓の活躍によって犯人は突き止められ、そして赤木圭一幽霊の銃の銃弾によって悪意から解き放たれる。その後、圭一の死の謎に迫ろうとする蛍は、警察関係の調査を開始する。そして圭一の恋人であった桐島静香に接触するのだが、静香もまた謎の事件に巻き込まれ、あやうく命を落としかけて病院に搬送される事態となる。

第3巻

桐島静香が倒れたのは、実は病気によるものであり、犯人と目された怪異な存在は、神の一種である死神であった。赤木圭一に関する情報のため、静香に死なれては困る赤木蛍は死神に取引を持ち掛け、その裏をかき、静香の寿命を延ばす事に成功するのであった。そして、怪物のような精神体を持った連続殺人犯の逮捕にも成功した蛍と圭一は、さらに「鬼がいる」とされる村で起きた失踪事件に挑む事になる。しかし、蛍は誘拐犯と間違えられて警察に逮捕されてしまう。

第4巻

誘拐事件の直後に死体までが発見され、一時は窮地に陥る赤木蛍であったが、実はこの事件も人間の犯罪者ではなく、超自然の怪異によるものであった。死体はただの猿の骨、失踪事件も離婚がらみの親権争いによるものに過ぎなかったのだ。「鬼」とされていたものは化石と化した古い蛸の怨霊であり、赤木圭一がそれを退治する事で人々はその呪縛から解き放たれ、事件は解決する。そして赤木蛍は学校で、死神が生徒達をあやつって引き起こしたパニック騒動に巻き込まれる。しかし、超常の力を持つ風紀委員の少女、桃園霧子が一喝しただけで、圭一ですらどうする事もできない力を持つ死神の能力は無効化され、死神は尻尾を巻いて逃げていった。

第5巻

緑川楓が突然、探偵として大活躍を始めるようになる。しかし、それは霊能力を持った占い師の入れ知恵によるものだった。しかもその占い師が起こした殺人事件の濡れ衣を、楓がかけられてしまうが、赤木蛍が調査を開始して事件は解決する。また、既に死んでいるかつての連続殺人犯の亡霊が、かぎ爪を持った姿で人々を襲う事件が起こる。犯人の目的は、実は人を殺す事ではなく、成績のいい高校生の勉強に関する記憶を、かぎ爪によって抜き取り、自分の息子の成績をよくする事であった。赤木圭一の力で亡霊は滅ぼされ、事件は解決する。

第6巻

赤木蛍と同じ学校の美少女が、ストーカーに付け狙われるという事件が起こり、蛍はたまたま学校内で知り合った黄多川礼と共に、彼女の護衛にあたる事になる。この事件は特定の犯人がいるというものではなく、多くの人間の悪意の集合体のようなものが引き起こした事件であった。またある日、蛍が子供の前で適当な怪談話をしたら、その話に出てくる適当な姿の幽霊が実際に現れる、という事件が起こる。それはその場にいた殺人事件被害者の霊が、曖昧な意識のまま、それを自分の事だと思い込んだ事から起こった怪異であった。

第7巻

緑川楓黄多川礼桃園霧子は、赤木蛍が兄の赤木圭一の事についてずっと隠し事をしている件について、学校内で蛍に詰め寄った。たまたまその場に居合わせた天才少女の青葉真琴は、四人を和解させ、蛍にすべてを告白させる。そして真琴も参加した五人は、圭一が失踪した事件の謎を追い始める。圭一の失踪には、警察の高官などもかかわっている、十二人委員という自警組織が関与しているらしいという情報から、五人は十二人委員の秘密に迫り、そしてついに圭一の失踪の真相を突き止める。

登場人物・キャラクター

赤木 蛍 (あかぎ けい)

聖マルス学園に通う女子高校生。1年A組に所属している。人ならざる異形のものを見る事のできる特異体質の持ち主。貧しい家の五人兄弟の長女で、苦しい生活の中で、努力の末に名門校への入学を勝ち取った。勝気な性格だが、家族思いな一面があり、兄の事も今も深く気にかけている。地毛の茶髪とドクロの髪飾りがトレードマーク。

赤木 圭一 (あかぎ けいいち)

赤木蛍の兄。警察官をしていたが2年前に失踪し、その後、骸骨のような外見の亡霊となって、蛍の前に姿を現した。生身の人間や現実の物体に触れる事はできないが、亡霊や怪異に対しては触れたり、幽霊の銃によって攻撃したりする事ができる。

緑川 楓 (みどりかわ かえで)

聖マルス学園に通う女子高校生。1年A組に所属している。赤木蛍を中心とした五人組の一人。父親が警察の幹部である事から、警察の情報を簡単にアクセスする事が可能で、緑川楓本人は趣味で探偵の真似事をしている。蛍からは知り合ったばかりの頃「探偵女」と呼ばれていた。探偵としての能力はそれなりに高いが、霊的事象に対応する能力は持っていない。

桃園 霧子 (とうえん きりこ)

聖マルス学園に通う女子高校生。2年A組に所属しており、風紀委員長も務めている。赤木蛍を中心とした五人組の一人。神の如き力を持った守護霊に守られており、悪い霊や怪物などは近付いただけで成仏させてしまう。そのため、桃園霧子自身は霊的事象を主観的にはまったく体験した事がなく、オカルトを信じず、興味も示さない。

黄多川 礼 (きたがわ れい)

聖マルス学園に通う女子高校生。1年C組に所属している。赤木蛍を中心とした五人組の一人。伯父にあたる人物から武道の指導を受けていて、格闘術や隠し武器の扱いに長けており、肉弾戦であれば滅多な人間に後れを取る事はない。少しだけだが霊感のようなものがあり、赤木圭一の存在に薄々気づいている。温和な性格の持ち主。

青葉 真琴 (あおば まこと)

聖マルス学園に通う女子高校生。学年は2年生。桃園霧子とは幼なじみの友人。自他共に認める「学校一の天才」であり、頭脳派として知られる。しかし非常に饒舌なうえにかなりの変人である。赤木蛍を中心とした五人組がグループを結成するきっかけを作った。

桐島 静香 (きりしま しずか)

赤木圭一の同期である警察官僚の女性。キャリア組で、警察署長を務めている。失踪前の圭一とは恋愛関係にあり、また圭一が失踪した原因について心当たりがある。心臓の病で死ぬはずだったが、赤木蛍が死神に交渉して延命させたため、入院するだけで事なきを得た。

志田 りか (しだ りか)

聖マルス学園に通う女子高校生。1年A組に所属している。感情の行き違いから兄に対して殺意を抱いていたが、その感情を赤木圭一の力で浄化された。その後、常人の眼には見えない巨大なクラゲのようなものをあやつる能力を身につける。赤木蛍とは友人付き合いをしている。

死神 (しにがみ)

死を迎える者の前に現れて魂を奪う神。もとは生身の人間で、アメリカ人の若い男性のような姿をしている。人間として生きていたのはかなり昔の事なので、現代の文化には疎く、スマートフォンに関心を示すなど俗っぽい性格をしている。本来的には人間に害をなす存在ではなく、私的な感情から赤木蛍に嫌がらせしにやって来る事もあるが、時には蛍に協力する事もある。

集団・組織

十二人委員 (じゅうににんいいん)

法で裁く事のできない悪人に、私的な制裁を加える私刑集団。殺人も辞さない危険なグループで、実際に多くの悪人達を殺害している。素性は巧妙に隠蔽されており、その実態は謎に包まれている。黄多川礼の伯父が、メンバーの一人であると目されている。

その他キーワード

幽霊の銃 (ゆうれいのじゅう)

赤木圭一が所持している武器。外見や機能は一見ただの拳銃であるが、幽霊である圭一の持ち物であるので、圭一がそうであるのと同じく、現実のものや生身の生物には干渉する事ができず、その代わりに幽霊や怪物などに対しては効果を発揮する事ができる。

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