生物都市

生物都市

宇宙から帰還した宇宙船が伝染病にも似た怪現象をもたらし、それが瞬く間に広がっていく様子を描いたSF短編作。雑誌の読者投稿コーナーからマンガ家デビューしていた諸星大二郎が、この作品で手塚賞に入選したことで、その後の『妖怪ハンター』シリーズや『暗黒神話』、『孔子暗黒伝』等の作品を発表していくきっかけとなった。

正式名称
生物都市
ふりがな
せいぶつとし
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

198X年、木星の衛生イオの調査から帰還した宇宙船ヘルメス=3は、機械やあらゆる金属類と生物が溶けるように融合してゆく怪現象をもたらした。それは電線やアスファルトまでをも通じて急速に広まっていき、人間の都市を一変させていく。

登場人物・キャラクター

広明 (ひろあき)

宇宙船ヘルメス=3の帰還を楽しみにしており、宇宙港職員である父親に頼んで見せてもらうつもりだった。自転車に乗って宇宙港に向かう途中でパンクになり、田んぼのあぜ道を歩いていたことから融合現象に巻き込まれずに済む。

偏屈男 (へんくつおとこ)

文明を捨て、山中に小屋を建てて暮らしている人物。広明がよく遊びに行っているが、おじいちゃんには快く思われていない。作中に名前は書かれておらず、おじいちゃんがこう呼んでいた。その生活が幸いし、融合現象に巻き込まれずに済むことになる。

パパ

広明の父親である宇宙港職員。融合現象が急速に広まっていることを知り、自身もそれに巻き込まれながら息子を心配し、現象を回避するよう警告するため捜していた。

おじいちゃん

広明の祖父で、腰痛と神経痛で、日中でも布団に入っている老人。

高木 (たかぎ)

川見町や宇宙港に近いT市にある宇宙開発センターに連なる研究所の教授。宇宙船ヘルメス=3船長の旧友であり、馬で宇宙港まで行き、船長からイオで何があったのかを聞く。

博士 (はかせ)

T市の研究所で川見町で起こっている怪現象を知ったが、好奇心を抑えられず顕微鏡を使用したため、顕微鏡と融合していた。

署長 (しょちょう)

T市警察署の署長。川見町で起きている怪現象に対応し、パトカーなどを派遣していたが、電話線を伝わってきた融合現象によって通話中の受話器と融合していた。

船長 (せんちょう)

イオから帰還した宇宙船ヘルメス=3の船長で、調査で降下したイオ人の遺跡で融合現象に見舞われ、宇宙船の計器類と完全に融合した状態で地球に帰還した。

場所

川見町 (かわみちょう)

『生物都市』の舞台となる町。町から5キロほどの距離にある宇宙港に宇宙船ヘルメス=3が着陸した後、人間と人工物が融合する怪現象に飲み込まれる。

T市 (てぃーし)

『生物都市』の舞台となる市街。宇宙港や川見町にもっとも近い位置にある市で、宇宙開発センターが置かれている。川見町で起こっていた怪現象が伝わり、融合現象に侵食される。

その他キーワード

ヘルメス=3

『生物都市』に登場する宇宙船。木星の衛星イオの調査を行い、川見町に近い宇宙港に帰還して融合現象を伝えることになった。名前はギリシア神話において人間に知恵をもたらしたとされる神、ヘルメスに由来している。

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